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2007年10月01日

堂上剛の活躍がうれしい「先輩」親子鷹

 中日堂上剛裕内野手は、選手寮・昇竜館館長の照さん(56)の長男だ。入団当初から親子鷹として注目され、昨秋、弟の直倫内野手(19)が入団してから、あらためてスポットが当たるようになった。それが刺激になったのか、今季は1軍抜てきのチャンスを生かし、7月29日ヤクルト戦(神宮)でプロ初本塁打。投手ながら通算4本塁打を記録した照さんとの史上6組目の「親子アーチ」を実現したのは記憶に新しい。

 そんな堂上剛に優しい視線を送り続ける人がいる。オリックス堀井和人スカウト部長(59)。堂上剛がドラフト6巡目で中日入りした03年は、近鉄スカウトとして獲得を目指していた。「欲しい選手だったんよ。何とか指名できないかとかなり調査を進めていた。プロ1号を打ったと聞いたときはうれしかったわ」。チーム事情により指名できなかったが「モノになる」と踏んだ選手。活躍を見届けるのは、スカウト冥利に尽きるのだろう。

 ただ、堀井スカウトの思いはもう少し深い。南海での現役時代、堂上親子と同様に「親子アーチ」を記録した過去があるからだ。昨年亡くなった父・数男さん(享年82)は昭和20年代、南海勃興期の名外野手。実働16年で1513安打、80本塁打を記録している。その父のいる南海に、悩んだ末に飛び込んだ。「オヤジは当時スカウト部長。現役のコーチだったら、入っていなかった。同じ外野手で比較されるし、気を遣うやろ」。同じチームに父がいるという複雑な心の機微は、当人でしかわからない。結局10年プレーし、3本のホームランを放った。

 堀井スカウトは幼少時代、南海の本拠地・大阪球場が見える大阪・阿倍野に住んでいた。球場の照明がパッと落ちるのを合図に、母が「夜食」の仕度を始める。それが、現役時代の父に関するおぼろげな記憶だという。堂上剛もプロ1号を放った直後「(照さんの)ホームランの映像は見たことがない」と言った。父が現役を引退した後に父の大きさを知るというプロセスは、面白いように重なっている。

 堀井スカウトは言う。「親子ホームランもそうやけど、うちは親子とも日本シリーズに出場してるんや。ちょっとすごいやろ」。確かにすごいが、数々の共通点を考えると、こう思ってしまうのだ。堂上剛も、82年の日本シリーズに出場した照さんに続き、今年の日本シリーズでベンチ入りするのではないか、と。

(村野森)


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