日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムのスポーツページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2009年03月07日

一流選手は「つかみ」も一流

 留守番電話がどうも苦手だ。「ただいま電話に出ることができません。発信音の後、20秒以内でご用件をお話ください。ピー」。大抵「○○です。いつもお世話になっております。先日お約束した○○の件でお電話いたしました。えー、○○とお伝えしておりましたが、予定が変更となりましてピー」といった具合。肝心なことを何ひとつ吹き込むことができないまま、最初からやり直すはめになる。

 限られた時間内で何かを伝え切るのは難しい。すっきり簡潔に要点を押さえるのはもちろん、さらには相手の心をグッととらえ、引きつける必要がある。最大の効果を上げるには、やはり「つかみ」が大事なのだ。その点、一流選手のつかみはさすがだ。取材中にそんな場面に直面し、あらためてそう感じた。

 北京五輪でバレーボール男子日本代表を16年ぶりの五輪出場に導いた植田辰哉監督(44)が今年1月、愛知県内の高校教員らを対象に行った講演会。登場した植田監督は「この方が皆さんと近くて親近感がわいていい」と壇上を降り、参加者と同じ目線で語り始めた。この時点で参加者はすでに「おっ」と思ったはずだ。時にはマイク片手に会場の中央まで足を進めながらの講演。あっという間に2時間が過ぎていた。

 続いては陸上男子ハンマー投げのアテネ、北京五輪2大会連続メダリスト室伏広治(34=ミズノ)が、女子高生を対象に行ったハンマー投げクリニック。バレンタインデーだったこの日、室伏は全国から集まった9人全員にチョコを用意。自ら考案した独自のトレーニング法を惜しげもなく披露し、ていねいに指導を行っただけでなく、流行りの“逆チョコ”で乙女のハートを甘~く射止めてしまった。

 また、先月27日に愛知県内の中学校で1日先生を務めた北京五輪柔道男子100キロ級代表の鈴木桂治(28=平成管財)は、柔道の実技指導を行った際、生徒より一足早く体育館の入り口にスタンバイ。約50人の生徒1人1人に握手で「よろしくな」と語りかけた。生徒の代表と組み合う際も、「技を受けてくれる生徒の名前わかりますか?」と事前にスタッフに確認した上で「じゃあ川口君お願いします」。生徒たちも川口君もさぞかしうれしかったに違いない。担任の水野賢太郎教諭は「教壇に立つだけでなく、鈴木選手が実際に触れ合ってくれたのが大きかったと思います」と感心しきりだった。

 いずれも本人たちにとっては特別なことではなかったのだろうが、見事なつかみっぷりだった。もうすぐ4月、新たな出会いのシーズンだ。ここまで鮮やかにはいかなくても、相手がうれしくなることを心得れば、あなたもきっと「つかみはOK」となれるはずだ。

(上野竜一)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

スポーツ担当日記
村上正洋(むらかみ・まさひろ)
 98年に入社し競輪担当。00年から1年あまり、サッカーなど一般スポーツ担当を経て、再び競輪担当。香川県生まれの愛媛育ち。41歳。
川尻将志(かわじり・まさし)
 岐阜県生まれ。特筆すべきスポーツ歴、趣味はなし。座右の銘は「人生こそがギャンブル」。競輪と競艇担当を兼任。常に何かと勝負し続ける32歳。
山本善憲(やまもと・よしのり)
 00年入社以来、レース部で競艇を担当。「客観的な予想」をモットーにしているが、主観の強さは人並以上。兵庫県出身。もちろん? 阪神ファン。35歳。
八反誠(はったん・まこと)
 岐阜県生まれ。故郷・飛騨高山への愛は人一倍だが、故郷を離れはや13年。方言の「飛騨弁」も忘れ、時の流れを感じる31歳。サッカー、ボクシングなど担当。
津波謙次(つなみ・けんじ)
 大阪日刊で校閲部、整理部、レース部を経て、01年名古屋本社入社。レース・競艇、競輪担当から現在は競艇担当に。大阪市生まれ、32歳。
桝井聡(ますい・さとし)
 京都府出身。06年、編集記者として入社。土地勘のない名古屋で記者修行中。ラグビー歴10年。24歳。
上野竜一(うえの・りゅういち)
 96年入社。一般スポーツ、サッカー、ボクシング担当などを経て、現在は放送、電子メディアなど担当。大阪府出身の34歳。
村野森(むらの・しん
 大阪本社でプロ野球などを担当し、06年11月に名古屋本社出向。北海道生まれだが名古屋に染まろうと奮闘中。地元ネタを扱う東海版デスク。36歳。

最近のエントリー




スポーツニュースランキング



日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. スポーツ
  3. コラム
  4. 記者レポート

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです