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2008年11月09日

競輪に見る師弟の固い絆(きずな)

 競輪選手の多くは師匠を持つ。師匠・弟子の関係があるのは囲碁、将棋のプロ棋士や落語家など日本古来の伝統芸に多く、プロスポーツの世界では珍しい。ほかにすぐ思いつくのは大相撲くらいではないか。

 一般的にはプロ選手を目指す高校生が3年の秋に自転車競技を引退したあと、現役競輪選手の門をたたくことが多い。人望があり、指導力に長けている選手の元には多くの弟子が集まる。アマチュア時代に実績を残した選手はそのまま競輪学校にすぐ合格するが、そうでない場合は何回も受験を重ねることになる。弟子にいろいろアドバイスを送ったり、あえて選手自身に気付かせるべく遠くから見守るなど、師匠の指導方針はそれぞれだ。

 師匠にとって弟子を取るメリットはあるのだろうか。一流の証(あかし)であるS級選手を数多く育てた塚崎真吾(引退)は「金にもならないし、いろいろ気苦労も多い。でも、若い子たちと練習することで刺激も受けたし、弟子たちがプロデビューした後はその活躍が楽しみだった」と当時を思い起こす。また、現役トップレーサーとして大レースで活躍しながら練習グループを主催し、若手の面倒をみている加藤慎平は「オレもデビューする前から師匠にはすごくお世話になった。今は自分が恩返しする番と思っています」と話す。

 競輪は9人で走る個人競技だ。師弟対決となるケースも少なくない。自分以外はみなライバル。ゴール前では1着を目指してデッドヒートが繰り広げられるのだが、道中では師弟が互いにアシストし合うシーンがよく見られる。無償の愛で結ばれている師匠と弟子のきずなはそれだけ固いのだ。

(村上正洋)


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 98年に入社し競輪担当。00年から1年あまり、サッカーなど一般スポーツ担当を経て、再び競輪担当。香川県生まれの愛媛育ち。41歳。
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