2009年8月28日
「レースの裏側-救急救命チームFRO」
毎年恒例、真夏の長距離レース、スーパーGT第6戦が8月23日、鈴鹿サーキットで開催されました!!唯一のナイトレースはやっぱり綺麗☆
スタンドは、今年もたくさんの人で埋め尽くされました。

激走GTでお世話になっている、テレビ東京の先輩小島秀公アナウンサーと
©テレビ東京
今年は、昨年までの1000キロから700キロと距離は短くなりましたが、それでも通常のレースと比べると2倍以上!
レース時間はなんと4時間半!!
3回のピットが義務付けられたことで、最初から最後まで順位がめまぐるしく変化して、一瞬たりとも目が離せない本当に面白いレースになりました。
ただ、長いだけにアクシデントもいつも以上に起こりました。
レース後半にはコース上でARTA NSXのマシンに火災が発生。
今年生まれ変わった新生鈴鹿サーキットで、第2戦に続いてまたもやセーフティーカーが入り、再スタートという事態に。
この時出動したのは、「FRO」。
このFRO、どんなものだかご存知ですか?
スーパーGTのマシンは超高性能。
だからこそ、ちょっとしたミスやアクシデントが大きな事故につながる危険性ももっているのです。
そんな事故からドライバーを救うために組織されているのが「FRO」です。
今回はスーパーGTレースを支えている、このFROに注目してみます☆
FROとは、First Rescue Operationの略。
アクシデントが起きると現場に急行する救急救命チームです。
元々は、お医者さんでありながら18歳からレースにも参戦していた高橋規一さんが99年に作りました。
レースに参戦して、目の前で多くのアクシデントを見てきた高橋ドクター。
「1秒でも早く現場に駆けつけられるマシンとプロによる処置が必要だ。」
そう考えて、当初は自分の車で一人きりで救出活動にあたっていたそうです。
でも、時速300キロのマシンがバトルを繰り広げている中で現場に向かうのは至難の業。クラッシュしたマシンがオイルを撒き散らしていたりすれば、助けに行ったマシンも同じ方向にクラッシュしてしまったり、バトル中のマシンと接触してしまったりするようなことも考えられます。さらに、状況に応じたすばやい措置を施さなければ、ドライバーの命にかかわります。
そこで、4駆のマシンを使い、特殊な装備を搭載してプロのドライバーが現場に向かうという今の形へと少しずつ変化をしてきたそうです。
現在のFROの形になったのは、2002年のこと。
高橋ドクターに加え、ドライバーは往年の名ドライバー星野薫さん、そしてアメリカで救急救命を学んだレスキューのプロと、プロフェッショナルが揃ったエキスパート集団となりました。
FROが作られてから10年。
ドライバーを助けられなかったことは一度もないといいます。
・クラッシュしてから30秒で治療にあたること
・クラッシュした角度によってドライバーのどこを診ればいいかすぐに判断する
この2つが特に重要だそうです。
医者であり、レースをよく知る人でなければできないことですよね。
では実際に、FROにはどんな道具が乗っているのか、見せていただきました。

©テレビ東京
消火器は炭酸ガスの入った特殊なもの。
消火よりも、ドライバーを救出する間、火を遠ざけるためにあるそうです
そして担架や、背骨などを固定する道具など、本格的な道具がたくさん。

©テレビ東京
これは人工呼吸を自動で行う装置。
「まだ一度も使ったことはないし、これからも使いたくない」と話す高橋ドクター。
「何があっても命だけは助ける!」
その強い思いで、これまでレースに携わってきたそうです。
サーキットではドライバーや監督、メカニックなどチーム関係者みんなから「先生!」と慕われる存在。
レースウィークはドライバーの体調管理もドクターの仕事。怪我や体調不良などで、みんなひっきりなしに先生のもとを訪ねてくるそうです。
毎回レースが無事に進行されるのはこのFROと高橋ドクターの存在があってこそなんです。

©テレビ東京
私がレースに携わるようになってからも、いくつものアクシデントを目撃してきました。目の前で起きた火災、大クラッシュ、そして暑さで倒れるドライバー。
今回の鈴鹿でも、ピット作業中のマシン火災でメカニックにまで火が!!
幸いすぐに消火され大事には至りませんでしたが、現場は騒然としましたし、足がすくみました。
もちろん、今はマシンの安全性や信頼性も高まっていますから、昔と比べれば危険性は低くなっています。でも、少しでも救助が遅れれば命を落すことにもなりかねません。
一度ドライバーさんに本音を聞いたことがあります。
あれだけのスピードでバトルをするのは怖くないのですか?と。
その答えは意外なものでした。
「そりゃ怖いよ。ぶつかったら痛いのだって知ってるしね。」
危険を知っているから、身を守る方法も知っているし、そのためにトレーニングを積んでいるドライバーさんたち。
それでも、無我夢中でバトルをすればアクシデントは起きてしまうもの。
その時に必ず駆けつけてくれる存在があるから、ひたすらバトルに打ち込むことができるのかもしれませんね!
今まで当たり前のように見ていたFROの存在。
そこには「絶対に助ける!」という、ドライバーに負けないくらいのプロ根性が隠されていることを知りました。
今シーズンもレースも残り3戦となりました!
GT500クラスも300クラスも、シリーズランキング10ポイント以内に、5チーム以上がひしめく大混戦となっています。
さらに、次戦の富士スピードウェイからは、これまでシリーズポイント×2だったウエイトハンデが、シリーズポイント×1になります。
バトルはさらに激しくなりそう!!
これは見逃せませんよっ☆
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