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2008年9月04日

Jと代表日程どちらが重い?

 「何とも残念だ」。9月3日のナビスコ杯準決勝第1戦。6月末から公式戦不敗を続ける大分が、リーグ首位の名古屋からアウェーゴールを奪って価値あるドロー。本州以外のクラブ初となるJ1タイトルへ、周囲の期待は高まる一方だ。

 もちろん、大分の快進撃は喜ばしい限り。「それじゃ、なぜ残念なのか」。次戦のリーグ浦和戦(9月13日・埼スタ)のことを思うと、喜んでばかりもいられない。順位は3位と4位の争いとはいえ、首位名古屋に1差の勝ち点41で並ぶ浦和-大分の上位対決。今後のリーグ優勝争いを左右しそうなガチンコ勝負に、U-19日本代表に招集された大分MF金崎が出場できないからだ。秋にAFC U-19選手権が控えているとはいえ、今回の大会はあくまで調整過程の親善試合だというのに…。

 ナビスコ杯準決勝も、日本代表不在の戦いで面白味に欠いた部分もあった。ホームで勝ちを逃した名古屋のサポーターにしてみれば「玉田がいれば」「楢崎がいれば」と、苦い思いだっただろう。GK西川を欠いたシャムスカ監督も「前半は準決勝を争うレベルじゃなかった」と口にした。予選リーグぐらいまでは、代表スケジュールと重なることは致し方ないとは思う。しかし、優勝争いの大詰めの準決勝になって、チームの顔といえる「主役」がいないなんて、タイトルの重みが軽んじられているように思えた。

 昨年、この世代で戦ったAFC U-19選手権予選で、金崎は決して主力と呼べる扱いではなかった。今年の国際大会でも、同世代の招集から何度も漏れてきた。それが、飛び級で日本代表候補合宿を経験したからなのか。あわてて取り繕ったようなU-19再招集が、このシーズン後半の勝負どころで突然、届いた。

 日本サッカー協会も、金崎を大きく成長させたいことだろう。これまで外されてきたロンドン五輪につながる世代で親善試合に参加させ、腕を磨かせることを選んだ。だが、19歳の金崎はスタメンを勝ち取ったJリーグで経験を積み、飛躍を遂げた。今やJリーグの聖地になりつつあるといえる埼玉スタジアムでの浦和戦でも結果を残し、自信を深めるか。あるいは、壁にぶつかり、今後のさらなる成長への教訓を得るか。結果はいずれに転ぶか分からない。だが、まだ未知の世界であるタイトルをかけた緊迫のリーグ戦上位決戦を1試合でも多く経験することが、Jの真剣勝負で腕を磨いてきた金崎の、さらなる飛躍を後押しするのではないだろうかと私は思う。サッカー協会関係者は、親善試合よりも、Jリーグのガチンコ勝負に、選手の成長を促す魅力がないと判断しているのだろうか。

 浦和-大分の一戦は大分サポーターだけでなく、Jリーグ全体を見回しても注目の一戦だと思う。テレビの在京キー局が取材にくるアウェーでは、五輪組のGK西川、DF森重にもヒケと取らない人気を誇る金崎だが、いつも以上に注目されるピッチに、立つことはできない。戦当日、U-19日本代表は、試合が予定されていない。どんな思いで金崎は、大分の結果を待つのか。将来のサッカー界発展のため、JリーグのガチンコV争いをきっちり演出して見せるのも、サッカー界の務めのように思えて仕方ないのだが。

(村田義治)


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村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
佐藤千晶(さとう・ちあき)
 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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