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2008年7月24日

だから、白球を追いかける

 日田林工の優勝で幕を閉じた今夏の全国高校野球大分大会。19日に行われた準決勝で、1人の名将がグラウンドを去っていった。日田林工と藤蔭の2校を、春夏通算5度の甲子園出場に導いた藤蔭の原田博文監督(62)。日田林工時代には源五郎丸洋(元阪神)、藤蔭では森章剛(日本ハム)を育てた指導者だ。

 日田林工監督就任4年目の73年夏、甲子園に初出場。76年春のセンバツでは4強に導くなど、その名を全国にとどろかせた。90年に藤蔭の監督に就任し、その夏にもいきなり甲子園出場を果たした。「藤蔭の最初と最後を甲子園で飾りたい」。勇退を決めて臨んだ今大会。18年ぶりの夏切符まで「あと2勝」に迫っていたが、9回逆転サヨナラ負けで、その夢は絶たれた。
 球場脇の木陰で円陣を組んだ試合後のミーティング。涙を流す選手に、原田監督は、こう言葉をかけた。「甲子園というのは2つあると思う。『心の甲子園』というのが。君たちは、最後まで立派に戦った」。甲子園切符に劣らない財産を選手たちが、この大会で手に入れたことを最後に伝えていた。
 通算6度目の甲子園に届かなかった原田監督は、これまでの39年の長いキャリアを思い起こすように口にした。「甲子園というのは、近そうで本当に遠い夢。でも、だからこそ、甲子園という夢を追いかけてきた」。90回の記念大会。白球を追いかける球児、そして指導者たちの夢の大きさをあらためて感じた夏だった。

(村田義治)


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村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
佐藤千晶(さとう・ちあき)
 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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