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2008年4月01日

快進撃を支える「家族愛」

 30歳の誕生日から2日後のことだった。大分MF鈴木が「初体験」に声を弾ませた。「今までやられたことはなかった。チーム内に、どうしてもやりづらい人っているでしょう。うれしかったね」。

 鈴木が初体験したのは“バースデーシャワー”。誕生日や祝いごとがあった選手に、水や小麦粉を浴びせて祝福するものだ。大分では、もう恒例行事で、3月22日のこの日は、23歳の誕生日を迎えたFW松橋が1人目の主役。練習後、バケツに入った水と小麦粉をどっさり掛けられ、祝福の言葉もたっぷりと浴びた。

 このとき、ひと足早く練習を終えた鈴木は、すでにクラブハウス内に引き揚げていた。松橋へのお祝いがひと段落した後、何やらクラブハウス内から物音と叫び声が聞こえる。上半身裸のままFWエジミウソンらに抱え上げられた鈴木が、あっという間にピッチに連れ出されてきた。

 実は2日前の20日が、鈴木の誕生日だった。ちょうどアウェーの試合当日だったその日は、ケーキでのお祝いを受けたが、それだけで終わらせてくれる大分イレブンではなかった。鈴木の抵抗? も無駄に終わり、さも当然のように水をどっさり浴びた鈴木の姿があった。

 鈴木は96年に浦和に入団。横河電機を経て、新潟に移籍した99年からだけ数えても10年目を迎えたベテランだ。新潟ではチームの中心を長く務めたこともあり、周囲から“やりづらい選手”と位置づけられていたのだろう。それが、大分ではベテランも中心選手も関係なし。水を浴びた鈴木は「だれ隔てがないのが、大分のいいところ。大分には『家族愛』がある」と口にした。

 普段から特別扱いや分け隔てない大分は、選手が互い思ったことを言い合える。なぜ失敗したのか。こうすれば、もっとよかったんじゃないか。これはよかった…など。本当の家族のように思ったことを言い合える環境が、今年の大分の開幕ダッシュの原動力のようだ。

(村田義治)

スポーツ担当日記
村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
佐藤千晶(さとう・ちあき)
 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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