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2007年2月11日

不可解な福岡ホベルトの退団劇

 11日。福岡空港に涙の雨が降り、直筆サイン入りカードが嵐のように舞った。何とも寂しすぎる「別れの儀式」が行われた。福岡を電撃退団した前主将のMFホベルトが、サポーターに惜しまれつつ福岡を去っていった。

福岡を退団したホベルトが、福岡空港でバラ撒いたカードには、直筆サインとともに「ARIGATO」が書かれていた  ホベルトの存在感の大きさを物語る光景だった。搭乗口に詰め掛けたサポーターの数は100人。いや、200人近くの人垣ができた。福岡で3年。J1昇格に導いた助っ人が、福岡サポーターに与えた感動の大きさを表していた。「どうしてホベルトが、こんなに急に退団しなくちゃいけないのか」。誰もがそんな気持ちだっただろう。何度も博多の森球技場で響いた「ホ、ベールト!」コールが、3連休の旅行客でにぎわう空港ターミナルにこだました。

 集まったサポーター1人1人に、サインや記念写真に応えるホベルト。激しく相手ボールを奪いにいったピッチ上とは対照的に、最後まで崩さない紳士的な振る舞いに、当然のことながらサポーターからすすり泣く声がこぼれた。

 宮崎キャンプ中に降ってわいたホベルトの退団劇。サポーターに愛されたホベルトの姿を見ると、クラブの愛情のなさを嘆かずにはいられない。クラブが出したリリースのタイトルは「ホベルト選手移籍のお知らせ」。だが、そこに書かれていた文章は「(略)ホベルト選手が移籍することになりました(中略)移籍先クラブに関しましては、正式に契約が決まり次第お知らせいたします」。移籍先が決まっていない中でも、移籍リリースという不可解なものだった。例えていうなら、契約更新しない旨を伝えた戦力外通告選手について「移籍リリース」を出すようなものだろう。

 翌日、マスコミは一斉に「ホベルト解雇」と報じたが、クラブ幹部は「解雇」の2文字に激怒したという。だが、リリースのタイトルが「移籍」で出すクラブの真意が、私には分からない。多くのサポーターからも、また他のJリーグのクラブ職員からも「なんで移籍?」という、同じような声を聞かされた。すんなり「退団のお知らせ」と書けないクラブの体質に首をかしげてしまう。

 外国人選手の多くは、妊娠した夫人を母国で出産させることを希望する。だが、ホベルトの2人の子供はともに福岡で生まれた。それほど、ホベルトが福岡になじみ、愛していたということだろう。最後に、ホベルトは自分を愛してくれたサポーターに「ARIGATO!」と直筆で書いた選手カードを感謝の心を込めて、紙ふぶきのように搭乗ゲートの空に投げた。「3年間、アリガトウ」。サポーターの心にも疑問符を投げかけた今回の退団劇。福岡が、さらに愛されるチームになるための教訓にしてもらいたいと思う。【村田義治】

(村田義治)


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スポーツ担当日記
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
菊川光一(きくかわ・こういち)
 93年(平5)入社。現在、Jリーグ(大分、福岡、鳥栖、熊本)担当。整理部、写真部、報道部、広告事業部を経て、今年3月、記者に復帰。1968年(昭43)4月、福岡市生まれ。

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