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2009年10月19日

「ミラクル」を信じる大分サポーター

 その日、私は絶望的な気分で取材に向かっていた。18日、九石ドームで行われた大分対清水の一戦。普段はサッカー担当がいるため、取材に行くことはないが、降格が決まれば担当1人では手が足りない。いわば「お手伝い」の取材要因として呼ばれたのだ。

 敗れればJ2降格が決まる大分と、優勝争いをする清水。清水は今季4敗しかしていないのに対し、大分は20敗。5倍だ。これは相当厳しいのではないか。私はサポーターの声を集める担当。落胆したサポーターの声など聞きたくはない。ただでさえ、前日まで行われたクライマックスシリーズ(CS)のパブリックビューイングの取材でソフトバンクファンの落胆の声を聞いている。3日続けて悲しい取材はゴメンだ、というのが本音だった。

 後半、サポーターの声を拾いに真っ青に埋め尽くされたスタンドに行くと…。早くも1点先制された。大分はここ3試合無得点。これは、万事休すか…。ちょっと冷めた目で見る私とは対照的にサポーターは総立ちで、声を張り上げ、手を振り選手を応援している。甲子園のアルプススタンド取材にも行くが、アルプスの応援団はいわば「身内」。学校や家族など地域の関係者、OBなど縁がある人がほとんど。だが、ここは選手の身内や友達ではなく「アンタを見込んで応援しましょう」というファンの集まりだ。ギリギリの崖っぷちで戦っている選手を、自分の休日をつぶして汗を流して応援している。彼らを支えるのはただチームへの「愛」のみ。ファンってありがたいなあ。スタンドで必死に応援する人々を見てそう思った。

 結局、大分は逆転勝ちで残留へ望みをつないだ。高松が2点目を決めたときのスタンドはそれはもう、すごかった。「耳をつんざく」という表現があるが、まさにその通り。「サポーターの応援が(勝利の)雰囲気をつくってくれた。皆さんが喜ぶ顔を見ると頑張って良かったなと思います」とGK西川は感謝の言葉を口にした。

 大分のJ1残留はもはや「ミラクル」と言っていい。だが、ミラクルに挑戦するイレブンを信じてサポーターは声援を送り続ける。

(前田泰子)


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スポーツ担当日記
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
菊川光一(きくかわ・こういち)
 93年(平5)入社。現在、Jリーグ(大分、福岡、鳥栖、熊本)担当。整理部、写真部、報道部、広告事業部を経て、今年3月、記者に復帰。1968年(昭43)4月、福岡市生まれ。

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