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2009年1月19日

ほかの競技では当たり前ですけど

 今年も大阪での高校ラグビー取材で幕を開けた。東福岡の2連覇はならなかったが、4強と九州で最上位だった。

 2連覇を目指す東福岡が初戦を迎える前日、力強いOBが練習場に現れた。元日本代表SH村田亙さんだ。村田さんは東福岡が最初に花園に出場したときのSH。日本代表キャップ41。日本初のプロ選手としてフランスでもプレーした偉大な先輩だ。試合では落ち着き払って憎らしいまでの強さを見せる選手たちも、村田さんを目の前にして感激いっぱい。特に同じSHの中村は声をかけられ、目の前でプレーを見せてもらい感激の表情だった。

 村田さんが中村に言ったことが、またかっこいい。「ハーフは専門職。去年からどれだけ成長したか見せてくれ」。試合に臨むアドバイスをいくつか贈った後「試合のときにオレの言葉を頭のスミに置いといてくれ」。元日本代表から声をかけられれば、どんな高校生だって感激だろう。「言葉をかけてもらって、うれしかった。試合で村田さんの言葉を思い出して頑張りたい」と中村もシビれていた。

 さて、東福岡にはもう1人、偉大なOB「村田」がいる。プロ野球セ・リーグで2年連続本塁打王となった横浜の村田だ。こちらは簡単に心構えをアドバイス、とはいかない。母校で自主トレすることは問題ない。だが、キャッチボールやプレーを見せることは出来てもアドバイスをすることは禁止されている。「試合の時にオレの言葉を頭のスミに置いといてくれ」というわけにはいかないのだ。

 プロで活躍する偉大なOBもその部の財産だと思う。甲子園ではプロの先輩からの用具などの「差し入れ」さえも、なんだかいけないことのように受け取られるムードがある。同じグラウンドに育ち、同じ環境から巣立った先輩にアドバイスをもらえばどんなにか選手の励みになるだろう。先輩が後輩の活躍を願ってアドバイスを贈ることは悪いことではないと思うのだが。

 ほかの競技では当たり前にまかり通っていることが、高校野球ではダメだったりする。ラグビーやサッカーなど野球以外の競技を取材すると、高校野球という世界の特殊性をあらためて感じてしまう瞬間がある。

(前田泰子)


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スポーツ担当日記
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
菊川光一(きくかわ・こういち)
 93年(平5)入社。現在、Jリーグ(大分、福岡、鳥栖、熊本)担当。整理部、写真部、報道部、広告事業部を経て、今年3月、記者に復帰。1968年(昭43)4月、福岡市生まれ。

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