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2008年11月27日

いつどこで誰が見てるか分からない

 人生いつどこで何があるかわからない。ドラフト会議で指名された九州の選手のうち数人が、球団と仮契約を行いプロの入り口に立った。その中の1人、日本ハムに5位で指名された福岡工の中島内野手を取材したときに思ったことだ。

 福岡工の中島君。実は夏の大会までは取材記者の中ではそれほど目立つ選手ではなかった。この夏、福岡工といえばエース三嶋投手だった。バタバタ三振を奪う「九州のドクターK」の三嶋君がダントツで注目を集めていた。九州大会から何試合か福岡工を取材したが、体格もそれほど大きくない、長打を放つわけでもない中島君の存在は、申し訳ないけれど、それほど印象に残っていない。

 獲得した日本ハムのスカウトの目にとまったのは「偶然」という感じだったらしい。あちこちの球場に足を運び、有望選手を発掘するのがスカウトの仕事。日本ハムのスカウトはその日、たまたま目当ての選手が出ていた試合が早く終わったため、別の学校の投手が登板する近隣の試合会場に移動した。そこで、たまたま対戦相手だったチームの内野手がゴロをさばく姿が目にとまった。「これは守備のセンスがある」と見込んで、そこから追いかけ始めた。それが中島君だったというわけだ。

 対戦相手の選手を見に来たスカウトに、たまたま1球だけゴロをさばく姿を見られたのが、プロ入りにつながった。実際、ドラフト取材では、スカウトが目当ての選手を見に来て、別の選手を発掘するという話はよくある。

 いつ、どこで、誰に見られているかわからない。どんな場面でも手を抜いたりしてはいけないんだと、中島君に教えられた。常に手抜きせず、全力でプレーしていれば、どこかでちゃんと見てくれている人がいる。思わぬビッグチャンスがめぐってくる。これは野球だけの話ではない、私にも、これを読んでくれている皆さんにも言えることだ。

 だけど、常に全力プレーって、実際はけっこう難しかったりするんだな、これが。

(前田泰子)


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スポーツ担当日記
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
菊川光一(きくかわ・こういち)
 93年(平5)入社。現在、Jリーグ(大分、福岡、鳥栖、熊本)担当。整理部、写真部、報道部、広告事業部を経て、今年3月、記者に復帰。1968年(昭43)4月、福岡市生まれ。

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