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2008年6月17日

あるぞ、宮古から甲子園

 高校野球が幕を開けた。沖縄では開幕戦がいきなり引き分け再試合。今年の夏も、昨年以上に何かすごいことが起こる予感がする。

 今年は離島勢が面白い。2年前に甲子園で旋風を起こした八重山商工は優勝候補だったシード校の中部商をコールドで撃破。中部商の盛根一美監督は「甲子園にかける思いの強さは本島の子の比じゃないぐらい強いですね」と八重山商工ナインの勝利への執念を感じたという。離島勢は8校中5校が2回戦進出を決めた。「相手が離島の学校だから勝てるなんていうのは今や間違いですよ」と本島のチームの監督は話していた。

 離島勢の中でも楽しみなチームが出てきた。開幕戦で浦添工と延長15回引き分けの熱戦を演じ、翌日の再試合で見事に勝利を決めた宮古だ。指揮を執るのは那覇商を甲子園に導いた神山昂監督だ。「島の子たちは本当に能力が高いんですよ。1回教えたらすぐできちゃうんですから、びっくりですよ」と4月に赴任して、驚きの連続だったという。

 実力のある子はほとんどが島外に出て行ってしまう環境で、残った選手の野球に対する意識も高くはなかった。甲子園出場経験を持つ監督の練習に耐えられるのだろうか、と思ったのだが、試合中の選手の表情でその考えは消えた。みんなすごく楽しそうなのだ。イニングの交代ごとに集まり、ベンチ前で神山監督を囲んでニコニコしている。「野球って楽しいだろう? おれは野球を30年以上もやってるけど、こんなシビれる試合をやれて楽しくて仕方ないよ」と神山監督は再試合のときずっと、選手に話しかけていた。

 八重山商工の甲子園出場が島の選手の大きな励みになったことは確かだ。そして「うちの島からも甲子園へ」という地元のムードの高まりがチームを後押しする。

 本島から単身赴任で宮古島で暮らしているという神山監督。本島とも全く違う島の風土や習慣に驚かされながらも「専用のグラウンドもあるし、楽しくやっていますよ」と話してくれた。「宮古のチームで勝ちたいんです」とエース垣花慶彦はきっぱりと言った。もしかしたら、宮古から甲子園出場という夢がかなう日も、そんなに遠くはないかもしれない。

(前田泰子)


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村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
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 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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