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2008年3月12日

スポーツ観戦は全身で

 記者はプロ野球やプロサッカーなどスポーツの試合を取材するとき記者席で試合を観戦する。ヤフードームではネット裏の最上段、レベスタならばメーンスタンドの上段と、試合全体を見るためにグラウンドから離れた高い場所や外と区切られた室内で見ることが多い。

 だが、アマチュアスポーツ取材になると記者席ばかりにはいられない。カメラマンが取材についてくれることは少ないため必然的に記者がカメラマンの役もこなさなければならず、選手と同じ目線で試合を見る。だが、これが結構面白いのだ。

 ピッチのすぐ横でサッカーを取材する。ドドドドと文字通り地面を揺らしながら選手が突進してくる。負傷した選手が「イテエ」などと叫び声を上げながら転がっている。よほど痛いのか、タンカで外に運ばれた後でも「アー」と声が抑えられない選手もいる。選手同士の当たりも遠くで見るよりもかなり強いものだということがわかる。ラグビーの取材もそう。スクラムを組むときの「フンッ」という声にならないかけ声と共にドスっという体をぶつける鈍い音がする。痛そう…。

 野球はファールグラウンドの隅っこで取材する。打者はインパクトの瞬間、投手はボールを離す瞬間に「フン」とか「ウッ」とか声をもらす選手がたまにいる。投げても打っても、その瞬間にすごい力を込めてるんだろうなあと想像できる。グラウンドでプレーを見ていると、本当に生身の人間が力をふりしぼってプレーしているんだと改めて感じる。

 甲子園では決勝後の取材だけグラウンドに降りて取材できる。昨年の決勝の後グラウンドに出ると、あまりの暑さに「選手はこんな暑いところでプレーしてるのか」とびっくりした。サッカー取材で強風が吹き付けて手元のメンバー表が選手がプレーするピッチ内に飛ばされてしまったり、野球のグラウンドでは砂ぼこりが舞って目が開けられなかったり、アクシデントはいろいろあるけれど、選手がどんな過酷な条件の中でプレーしているかを身をもって感じられる。スタンドの記者席では決してわからない感覚だ。

 スポーツ観戦は目で見るだけじゃなくて全身を使って「感じて」みるのもいいのではと思う。選手の声、雨や風、強烈な太陽光線、芝生の匂い…。いろんなものをひっくるめてのスポーツ観戦だ。大声を振り絞って選手に声援を送るのもいい、音楽をかき鳴らしてひいきのチームを鼓舞するのもいい。だけど、自分の感覚を使ってその場の雰囲気を感じてみるのもまた1つのスポーツの楽しみ方だと思うのだ。

 プロ野球より一足早くJリーグは先週開幕した。そして来週はプロ野球が開幕。いよいよ本格的なスポーツシーズンが始まる。

(前田泰子)

スポーツ担当日記
村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
佐藤千晶(さとう・ちあき)
 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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