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2008年7月15日

普通の高校生に戻っていた

 沖縄尚学が沖縄大会決勝で敗れ、春夏連覇の夢が消えた。センバツでは頂点に立った沖縄尚学ナインも夏の甲子園は永遠の夢に終わった。沖縄尚学だけではない。センバツ決勝で戦った聖望学園、準決勝で対戦した東洋大姫路も地方大会で姿を消した。春夏連続出場がいかに難しいか、プレッシャーがどれだけきついか、改めて知らされた。

 センバツ優勝してからの沖縄尚学ナインの周囲は、それは大変だったという。センバツ後1カ月は報告会や祝賀会でほとんど練習らしい練習も出来なかった。主力選手が祝賀会だ、取材だとほとんど練習に出られない中で、控え組は黙々と練習していた。「主力と控えでチームが2つに分裂することが一番怖かったです。比嘉(公也)先生(監督)にもそれを言われていました」と西銘主将はセンバツ後、チームのまとまりに一番心を砕いた。エース東浜はセンバツから帰ってきて、那覇市内に買い物に出ることも出来なくなった。「必要は物は全部親に買ってきてもらいました。整体とかに行くときは大変でしたけど」と東浜は話していた。夏の大会でも、試合後Vナインを一目見ようと詰めかける人たちのために数人の部員が選手の周りを囲み「観客整備」に当たっていた。

 期待と注目を一身に浴びた夏。決勝戦は1万1000人の観客で外野スタンドまで満員だった。相当なプレッシャーがあったのだと思う。敗れてひとしきり泣いた後の沖縄尚学ナインはみんな晴れ晴れとしていた。グラウンドで記念写真を撮ったり、スタンドの仲間と話したり「Vナイン」の呪縛が解けて、普通の高校生の顔に戻っていた。「負けて悔しいけど、重圧から解放されたという気もします」と話した東浜の言葉がナイン全員の本当の気持ちだと思う。

 「この1年ずっと続いてきた感じだったけど、これでやっと終わった気がします」と言ったのは佐賀大会で敗れた昨夏の優勝校・佐賀北の百崎監督。佐賀北、沖縄尚学ナインには本当にお疲れさまと言いたい。普通の高校生ではありえない環境の中で頑張った日々は、きっと、彼らの今後の人生に大きな糧となると信じたい。(前田泰子)


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村田義治(むらた・よしはる)
 92年(平成4)入社。レース部、整理部を経て報道部。00年夏からアマチュア野球、ラグビーなど一般スポーツ担当。J2福岡、鳥栖中心にサッカー取材にも当たる。36歳。
前田泰子(まえだ・やすこ)
 92年(平4)入社。野球、柔道、陸上などアマチュアスポーツ全般を担当。98年から福岡を担当した。03年から販売部など他部署を経て、06年から再び記者に復帰。現在は野球を中心にアマチュアスポーツ全般を取材している。2児の母。
佐藤千晶(さとう・ちあき)
 94年(平6)入社。報道部で約2年間、アマチュアスポーツ、レジャーを取材。96~05年は整理部で紙面レイアウトを担当。06年、報道部に復帰し、07年から福岡担当。1969年、北九州市生まれ。

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