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2009年8月19日

秘境・秋山郷で110キロ山岳サイクリング<その1>

 長野県の最北端に位置し、日本有数の豪雪地帯で土地の約93%が山林原野の栄村で8月2日、サイクリングイベント「第4回グルッとまるごと栄村サイクリング100km」が開催された。でんめおやじは第2回から参加し今年で3度目だが、今回も最高のファンライドとなった。

 秘境と言われる秋山郷を走り、累積標高は2500メートルにもおよび、平たんなところは1キロもないアップダウンの繰り返しとなるコースは、山岳サイクリングの達成感を存分に味わわせてくれる。そして、次々と現れる絶景。愛情たっぷり栄養たっぷり新鮮さたっぷりのエイドステーション。さらに、地元・栄村の皆さんの笑顔と暖かい歓迎。サイクリストにとってはまさに夢の世界。ディズニーランドのように1日中楽しめるワンダーランドが栄村にはあった。

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 このイベントのカテゴリーは3つあり、ひとつは日本屈指の山岳サイクリングとされる「チャレンジ110キロ」、もうひとつは起伏に富んだ栄村の集落を巡る家族で楽しめる「わいわい40キロ」、さらに秋山郷まで前日にバスで移動し温泉に入ってのんびり過ごした翌日に走る「温泉でゆったり45キロ宿泊クラス」だ。これに今回は大会前日の1日にオフロードを含んだヒルクライムレースも行われた。

 おやじが参加するのは当然「チャレンジ110キロ」。レースではないが、暗くなって山の中に取り残されないよう足切り時間は設けられている。

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スタート地点の「さかえ倶楽部スキー場」

 前日の午後は土砂降りだったが、夕方にはやんでくれた。スタート地点のさかえ倶楽部スキー場でキャンプする参加者たちも、無事に当日の朝を迎えたようだ。早朝に立ちこめていた霧もだんだんと晴れ、見上げると曇り空。山岳サイクリングには最高の天候となった。

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スタートを待つ110キロクラスの参加者たち

 ヒルクライムレースの参加者は少なかったようだが、2日の大会には定員いっぱいの約450人が参加した。栄村の人口は2386人(2009年6月現在)で世帯数は938。山間の静かな村は一挙に大にぎわいとなった。ただし、これ以上の参加者の受け入れは物理的に不可能のようだ。「駐車場がない」ということらしい。だが、小規模だけあって参加者1人1人を楽しませてくれるので、このままの規模で続いていってほしいものだ。

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午前7時、ゆったりとスタート

 栄村村長が鳴らす「ぷぁ〜」というサイレンで、午前7時から15人ずつ15秒間隔で順次スタート。レースではないので、みんな笑顔でのんびりとクリートをはめてから走り出す。おやじは第2グループだった。これも3度目という経験がなせる位置取りだ。

 今回のコースは昨年あった「激坂」2つがオプションとなっていた。ひとつは標高1250メートルの苗場山3合目登山口までの上り。これは上りもさることながら、下りがきつ過ぎた。もうひとつは、ゴール手前のスキー場中腹までの上り。最後はこう配が20%以上で道も細く荒れていて上りづらいし、下りもつらい。ただ、どちらとも絶景を臨むことができる。

 「激坂はもうイヤだな」と思っていたら、やはり「つらい」という声が多かったようで2つともオプションとなっていた。ラッキー。堂々とスルーできるぞ♪

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地元の方の大きな拍手を受けながら走り出す

 スタートするといきなり下る。帰りは頂上ゴールか…。

 という思いを忘れさせてくれる“大拍手”が聞こえてきた。どこのヒルクライムレースよりも少ないが、地元の方々の心のこもった拍手だった。国道117号を回避するルートで横倉の集落を「お早うございま〜す」と挨拶しながら通り抜け、JR飯山線の踏切を渡ると…。

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このコースで唯一の信号。左手は小学校

 100キロコースで唯一の信号に遭遇する。学校の前の信号で押しボタンだから、日曜のこの日はずっと青だ。

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山岳コースへ入る前は“大観衆”が!

 信号を越えると千曲川。それを百合居橋で渡りいよいよ山岳へと向かう。すると、前にも増して大きな歓声と拍手が! 元気がわいてくる瞬間だった。

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左手は千曲川

 昨年まではもっと狭く荒れていた記憶がある千曲川沿いの道は、綺麗に舗装されていて気持ちのいいスタートとなった。

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いよいよ上り区間

 そして最初の山岳区間がやってくる。前日の雨で路面は濡れたところが多い。

 ほぼトップグループでスタートしたおやじだが、このあたりからジワジワと抜かれ始める。だが、レースではないので抜かれてもまったく気にならない。う~ん、ちょっとは悔しいかな…。

 きつくはないが、それなりに苦しませてくれる坂がしばらく続いた後は、いったん下る。厳しいカーブが続き、曲がりきれずに突っ込んでしまう参加者もいた。

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北野CPまで4・5キロ地点。上りはまだ続く

 下って山岳区間を抜けると、14キロ地点の雪坪の集落へと出る。ここから最初のチェックポイント(CP)の北野天満までは上りが続く。

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北野天満温泉(約20キロ地点)

 北野天満温泉を通りすぎ、「学問の神様」北野天満宮の近くにある最初のCPに到着したのは午前7時51分。距離はここまでで約20キロ。ヘルメットに付けているゼッケンシールのあき部分に通過チェックの小さな丸いシールを貼ってもらう。ゼッケン番号もチェックされる。山の中のサイクリングなので、1人でも迷子や行方不明者を出さないための措置だ。

 CPは北野川沿いの公園になっていて、わき水や学問の道、さらには菅原道真と牛の彫刻が安置されている八角堂があるという。のんびり散策でも−-と思うが、長居をすればここは大渋滞となるところでもある。水もダブルボトルにしているため補給はまだ不要だったこともあり、チェックを受けるとそのまま先へ進んだ。

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吊り橋を渡る

 CPを出るとすぐに吊り橋がある。これは北野川の対岸にある北野天満宮への参拝のためにつくられた「学問の橋」。ゆっくりと歩いて渡る。

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吊り橋を渡った後は、それを見下ろせる位置まで上る

 吊り橋を渡った後はとんでもない急坂が待っている。果敢に自転車に乗って上ろうとする参加者もいたが、この日は雨上がりで濡れているし、こんなところで頑張っても仕方ないので素直に歩いて上る。だが、歩いていても滑りそうで怖かった。

 上りきって自転車に乗ろうとすると、周囲から「ここから上りだよ。頑張って」という声がする。は? ここまでは上りじゃなかったの? うそ〜…。結構上ってきたのに(涙)

 このあたりから雨がポツポツと落ちてきた。上りだらけだから多少の雨は涼しくていいのだが、路面が濡れてしまうと下りが楽しめない。濡れない程度の雨なら許す(笑)。

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小赤沢まで39キロ地点

 小雨が降り続く中、上り続ける。つづら折りはあまりなく、直線的に上っていくので精神的につらい。この上りの途中に「ここより激坂 頑張れ」の看板があった…。

 上っていると雨がだんだんと強くなり、やがて普通の雨となった。まいったなぁ。雨宿りするところもないし、とりあえずピークまではこのまま走り続けるとするか。

 とりあえずのピークにはスタッフが待機していた。「ここから下りですよね」と聞くと、「そうですが、また上りますよ」。確かに、五宝木トンネルへのつらい上りが待っている。まあ、いいか。とりあえず下りだし、レインウエアを着よう。ブルベで雨は慣れたもの。サドルバッグからレインウエアを取り出し、代わりにデジカメを密封できるビニール袋に入れてサドルバッグへしまい込む。

 慎重に下りていると、何人かに抜かれた。いいのいいの。おやじは安全第一なのだ。

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午前8時48分、五宝木に入る

 結局、小1時間ほど雨は降り続き、五宝木へ入ったあたりでようやくやみはじめた。上りのピークで−−といったって上の写真の下りはあっという間に終わるのだが−−レインウエアを脱いで丸めてバックポケットに突っ込み、デジカメを再び取り出す。

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五宝木の集落

 再び上りが始まる。ここの坂も直線的なものが多い。でも、五宝木の集落の上りの途中では雨の中、傘をさしてまで手を振ってくれている地元の方がいた。この姿を見ると、へたれた走りはできない。

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五宝木トンネル手前のエイドステーション

 この上りの途中に人気のエイドステーションがある。

 昨年知ったのだが、このイベントのエイドステーションはほとんどが主催者が用意したものではなく、地元の方のボランティアだそうだ。費用も当然、自腹となる。それなのに、地元で採れるものやそうでないものまでたくさんの新鮮野菜を用意して、サイクリストが来るのを「今や遅し」と待ち構えてくれている。ありがたいことだし、我々参加者と一緒になってイベントを楽しんでいる様子を見ると、「来てよかった。また来年も来よう」と思ってしまう。

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新鮮野菜がたっぷり

 キュウリはうまかった。何本食べただろう? スイカは当然、1番人気だった。ここにあるものをひと通り食べれば、補給食を自分で用意する必要はまったくない。また、ここにはわき水もある。ここが「最強のエイドステーション」という声もあるほどだ。100キロコースと宿泊45キロコースはここに寄れるが、40キロコースでは寄れないのは残念だ。また、帰りは下りの途中で止まりづらいこともあるので、行きに寄るのがお勧めだ。

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五宝木トンネル

 満腹? になって再び上り始めると、2キロほどで五宝木トンネルが見えてくる。前半のヤマ場はこれで終了。あとは下り基調となる。

 猛暑であればトンネルはありがたい存在だが、この日は雨上がり。ひんやりし過ぎで少し寒いぐらいだった。

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苗場山を臨む絶景ポイント

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眼下には小赤沢の集落(※この写真は昨年のものです)

 トンネルを出ると道幅も広くなり、豪快なダウンヒルとなる。が、路面がまだ濡れているのでゆっくりゆっくり下りていく。その途中に苗場山と小赤沢の集落が見渡せる絶景ポイントがある。

 これから秋山郷をぐるりと回って、眼下に見える小赤沢まで走ることになる。

 それにしても、何度見てもここは絶景だ。

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屋敷CP手前(約40キロ地点)

 この大会が始まった当初は、約40キロ地点の屋敷CPで多くの人が足きりにあったというが、今年はほとんどいなかったもようだ。リピーターが多いこのイベント。走り慣れてきたということか。おやじも初めて参加したときは心配したものだった。

 屋敷CPの足きり時間は午前11時。今は午前9時半。おやじが楽々セーフなので、ほとんどの方が時間を気にすることもないだろう。ただし、エイドステーションに根を生やした場合は別だが…。

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突然現れたエイドステーション

 「寄ってらして〜」。屋敷CPを通過し小さなトンネルを越えると呼び込みの黄色い声が! 昨年まではなかった“ゲリラ・エイドステーション”が突如、現れた。麦茶にスイカにバナナ。もう、最高だ!

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折り返しの切明温泉(約59キロ地点)

 平たんから下り基調となった道を、濡れた路面に気をつけながらどんどん進むと、少し開けたところに出る。雑魚川と中津川の合流点に位置する、秘境・秋山郷の奥座敷といわれる切明温泉がそこにあった。

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切明CP

 午前10時前に折り返しとなる切明CPに到着。ここのエイドステーションにも何やらあったもようだが、もう腹いっぱい。トイレを済ませ、自販機の缶コーヒーで喉を潤して少しまったりした。雨はもうすっかり上がっていた。(この項続く)

【電子メディア局 石井政己】


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休日は風になる 〜イベント・レースレポ〜
石井政己(いしい・まさみ)
 1958年10月30日、岡山県生まれ。慶大卒。82年日刊スポーツ入社。広告局、編集局整理部などを経て08年11月より電子メディア局勤務。04年45歳のとき、減量のためMTB「UGO 片山右京モデル」を購入。休日サイクリングを始める。翌05年に小径車「BD−1」、さらに06年にはロードバイク「FELT F5C」購入と自転車熱はエスカレートした。レース初参加となった「日産スタジアムサイクルパークフェスティバル」(06年12月)で3位入賞(といっても9チーム中)。07年からヒルクライム、ブルベなどに参加。体重は自転車をやる前からは約15キロ減。
柴田隆二(しばた・りゅうじ)
 福島県出身の56歳。明大卒。編集局写真部。自転車はスペシャライズド(約13万円)で、自転車歴は6年ぐらい。写真部デスク時代、社内でエアロバイクで運動不足の解消をしている最中に、外に出て自転車をやろうと決意した。いい加減な練習のため(月10日から15日の練習。1日、時速25キロから27キロで休憩をはさみ40キロ)、現在も趣味として続行中。シマノの鈴鹿大会に2年連続参加(20キロ)、「ツール・ド・ちば」には3年連続出場し昨年、初めて3日間389キロを完走し「オヤジでもまだまだやれることを実感」した。3日目には自分の前を走る元F1ドライバー片山右京さんの背中を見つめて約20キロを走る。「千葉ツインレイクエコサイクリング2008」の130キロ佐原コースの手賀沼、印旛沼、利根川サイクリングロードは最高のコースだと走るたびに感動している。

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