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持って帰る<何か>

「母国USAに、<何か>は持って帰らなきゃね」
今回のチームUSAヘッドコーチ:コーチKのかわいい教え子!?であるバティエは今日、3位決定戦後にそう語った。「手ぶらでは帰れない---」かつては<バスケ王国>であったUSA、少なくともみな、そんな気持ちであろう。


昨日、ギリシャに黒星。
スポーツの試合で、自分たちが負けているときというのは、もちろんみな、焦る。
昨日のUSAも、みな焦っていた。いつもは、自分が出ないときは割に大人しくベンチに悠然と座ったままの選手が逆に、昨日はブザーが鳴るまで立ち尽くし、爪をかんでいたのが印象的だった。「穏やかそうに見える選手でも、やはりここにいるやつらはみな、相当な負けず嫌い---」、再度確認した今回。
あれから24時間、USA選手たちはどうであったか。


ゲーム前のシュートアラウンド、今までと同じく笑顔で好き勝手やっているのは変わらないものの、やはりどことない緊張感。
今日の対戦相手:アルゼンチンには、ジノビリがいる。
あの独特なオフェンス・スタイル、リズムを、USAはどう解釈していけるのか---


今日のスターターも、PGはCPでなくてカーク。+3バカトリオ(笑い)、と言ってはファンの方々は怒っちゃうかな、ケロ、メロ、ブロンと、センターはドゥワイト。
USAは序盤から、アルゼンチンの悠然とした、USAディフェンスをあざ笑うかのようなパス回しに振られてしまう。
アルゼンチンはクイックなムーブも得意。
あの独特なオフェンス・リズムはなにか?加えて、USAと同様、基本は1on1ディフェンスなのだが、タイトでうまい。
USAは、はずしたジャンパーをオフェンス・リバウンド、そのままダンク・フィニッシュ、したり、目の覚めるようなアクロバティックなドライブも飛び出したりと、<USAバスケットボールの真髄>は見せてくれているが、ペースはアルゼンチンに握られたまま。とにかく彼らはクイックで、1つ1つのポゼッションを確実にメイクしてくるのだ。
1Q、21-27で、アルゼンチンにリードされる。


2Qはしかし、ケロ&メロの積極オフェンス、そしてブロンの賢いPGぶり---で、いや~なタイミングで3を決めてくるアルゼンチンに、徐々に迫っていく。
ブザー間際のメロの3で逆転。なんとか1点リードで前半を折り返した。


それにしてもUSは、昨日もそうなのだがフリースローが入らない。
私の隣の記者席に座ったラテン・メディアのおじさんが、「ほーら、見てごらん。NBAプレーヤーは、またFTが入らない。国際大会を、バカにしているのだ」とつぶやいている---


後半のUSA、がけっぷち!?ケロたんが、意地で爆発!
3Q早々に、トランジションからFBでソロ・ダンクを決めてからのケロは、アンストッパブルに。
4:02、トランジションで、ケロの滞空:<ホップ・ジャンプ>!?アリウープ・ロブ・パスがブロンに!!LBJは見事にそれをフィニッシュしてみせ、大人しい日本の会場も大いに沸いた!!これぞ、いまだ<他の国>が真似できないUSAムーブだ。かと言って、勝てなければただの<曲芸>になってしまうのかもしれないが、現段階でそう言いきるのは、<頭の超おかたい:なんの機微も理解しない>意見であろう。USAバスケットボールは、こういうのは<残し>、生かさねばならない。これが彼らの長所であり、人々にUSAバスケのチケットを買わせ、エキサイトさせるゆえんなのだから---まずは勝たなければただのサーカスになってしまうが、USAバスケはこういったアスレティックさはうまく残し、ほかの部分を改良していくべきだと思う---と、ちょっと脱線!?してしまったが、ケロ&ブロンはまずグーでがしがし!!男のガッツ:挨拶、そして<敬礼>。これは今回、彼らの定番化している。
どのポゼッションも確実にメイクしてくるアルゼンチンも、さすがにこの直後は動揺した!?のかフィニッシュできず。これで、いっきに加速しだすケロ。
ON FIREになっていく。


アルゼンチンをファウルトラブルに陥らせたのは、良い仕事であった。
加えて、ケロの意地!?のノリノリ。
自分でもどかどか、アクロバティックなドライブを決めていき、ジャンパーはもはや、「あ、打ったから入るね~」状態。
アルゼンチンは粘ったものの、ケロのパフォーマンスの前に追いつけず。
ケロたん、実に32得点。
札幌からついている私たちは知っているが、今日初めての記者会見出席、となった。


しかしながら---今回、わが母国日本で行われたこの世界選手権、ベガスでのキャンプからUSAについていた私は、ほぼ1ヶ月半、彼らの動向、様子、練習、移動---に注目していたことになるのだが、全てを通して改めて感じたことの<1つ>は、もう既に書いたが、<レブロンのすごさ>であった。


国際大会バスケットボールのスタイル---コールをも含め--に、とまどうNBA選手は多いだろう。しかし、ブロンの適応能力というのは、尋常ではない。
今回、USAのロスターで、<インターナショナル・スタイルでも全然100%良さを生かせる>と感じたのは、正直言ってレブロンだけだった。
パスが必要なときにはパスを、しかも驚きのコースで、リバウンドが必要なときにはリバウンドを---今回でも、大事なリバウンドを数多くグラブした。PGとしてゲームメイクが必要なときにはそれを、キラークロス・オーバーが必要なときにはそれを、華やかなダンクが必要なときにはそれを、<リーダーシップ>が必要なときにはそれを---年齢で言えばそうそう変わらない、それこそ自分より年下なのはドゥワイトとCPだけで、むしろあとは年上のメンツに対し、適切にかつ、相手を侮辱した感じにはならないようにリードしていけるさまは、もう本当に<天才>のものだ。おそらく、頭も相当、いいのだろうね。
この<精神的早熟度>とバスケットボールの<センス>に関しては、かのMJもかなわないかもしれない、と、あらためて思わされた今回。
今日の3位決定戦後のLBJ。「俺にとっては、NBAだろうがFIBAだろうが、バスケットボールの楽しさは変わらない。どんなカテゴリーの大会か、は、関係ないんだ。家で息子と1on1をやってたって、とにかくバスケは楽しい---おっと、でも、別にこれは、<NBAをやめてもいい>ってことでは、全然ないぜ(笑い)」なんて言って、記者団の笑いを誘っていた。


ブロンズ・メダルを得て、チームUSAの、長かったアジア遠征!?はめでたく終了、となった。
明日は、急遽決勝戦に出れなく!?なったため、しばしのリラックス・タイム&観光ちょっと、で月曜にやっとUSAに帰れることになる。
帰ったところで、10月の頭にはキャンプ開始。すぐに、NBAシーズンが始まる---
今回の世界選手権参加組には、本当に<夏休み>はない。
でも、若いみんなは言い合ったそうだ、「北京へ向けて、みな同じメンバーで来年もやろう!」と。
もしもそんな風に結束しているなら、私だってベネズエラでもなんでも、行ってみたいね。
LBJも言っていたけど、「長い遠征---ハードではあったけど、良いこともあったよ。チームメイトがみな、<ファミリー>になった。あまり言葉で語り合わなくたって、1つの目標に向かっていく仲間同士は、やっぱり結束していくものさ」と。


とにもかくにも、明日の決勝、楽しみにはしている私です。
NBAファンの皆様も、まずは明日、見てみましょう(笑い)。USAではみれない<緻密さ>が見れるはず。
ガソルが骨折の現況、ギリシャの優勝は堅い気がしますが---どうですか。
USAに勝ったギリシャ、飛び上がって喜んでたし、アルゼンチンをくだしたスペイン、ガソルなんてまだ準決勝なのに、泣いていたよね。
泣けばいい、てもんでもないけど、USAももう、これくらいの<賭ける気持ち>がなけりゃ、もう世界大会では勝てないのかも、しれません---

September 3, 2006 01:26 AM | コメント (9) | トラックバック (0)

真田薫(さなだ・かおる)
 埼玉県出身、NY在住。故障のため、バスケットボールを断念。R&Bシンガー「Cheyenne」として97年デビュー。アルバムリリースやライブ活動のかたわら、ラジオ番組のMCも手がける。00年からNBAを精力的に取材。


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