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データマン野口の陸上記録のアレコレのイメージ画像

野口純正(のぐち・よしまさ) 兵庫県淡路島生まれ。小学校5年生の時から陸上競技やその記録に興味を持ち始め、以来、陸上競技ひと筋の人生を送る。陸上競技マガジン元編集長。国際陸上競技統計者協会(ATFS)会員。日本オリンピック委員会・専任情報・科学スタッフ(陸上競技担当)。日本陸連では競技運営委員会競技部委員(記録担当)と長距離・ロード特別対策委員会委員を務めるほか、大阪世界選手権・国際グランプリ大阪大会・日本選手権・スーパー陸上では競技場内ミニFM放送の解説を担当。世界的にも高く評価されている記録に関する知識や分析能力だけでなく、陸上競技全般に豊富な見識をもつ。現在、東京学芸大学中長距離ブロックコーチ。当人いわく「10年ほど前までヘッポコ長距離選手」でもあった。

世界選手権あれやこれやの話/その1

11年8月17日 [14:17]

 テグ世界選手権開幕まであと10日あまりとなりました。過去12回の世界選手権のデータから「あれやこれやの話」を2回にわたって紹介します。

 なお、これらのデータは、私も所属している国際陸上競技統計者協会(ATFS)の会員で、1991年の東京世界選手権では国際陸連のスタティスティシャンとして一緒に仕事をしたマーク・バトラーさん(英国)が、今回のテグ世界選手権の報道関係者向けに作成した資料を参考にさせて頂きました。

 ちなみにバトラーさんは、1960年生まれの「元中距離ランナー」です。十年くらい前の世界選手権の「メディアレース」で800メートルを2分14秒0で走りました。なお、「メディアレース」というのは、世界選手権の中日の午前中に行われる報道関係者向けの800メートルレースで、毎回100~200人くらい(多分)が参加しています。十年ほど前まで「ヘッポコ長距離ランナー」であった私も「2分10秒くらいでは走れるかな?」と思ってエントリーしたことがあったものの、仕事の締め切りに追われてほとんど徹夜状態の睡眠不足のため「欠場」してしまいました。ただ、「懇親」をメーンとした「メディアレース」とはいっても、その優勝記録のレベルは、なかなか高く、毎回「800メートル1分台!!」です。

 と、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

【過去最多出場の大会は?】
 2011年現在、国際陸連には212の国と地域が加盟していますが、1999年セビリア大会に「201」の国と地域が参加したのが世界選手権での最多(出選手数は1821人)です。出場選手の数では、前回の09年ベルリン大会の「1895人(200カ国)」が最多です。

【最多金メダル獲得者は?】
 91年から99年にかけて200メートル、400メートル、1600メートルリレーで9個の金メダルを獲得したマイケル・ジョンソン(米国)が最多でした。「でした」と言うのには訳があります。99年のリレーでのメダルは、のちになってメンバーのひとりにドーピング違反が発覚してメダルを剥奪されたため、1個減って「8個」になってしまいました。これによって、83年から93年にかけて100メートル、200メートル、400メートルリレー、走り幅跳びの4種目で8個の金メダルを獲得したカール・ルイス(米国)がジョンソンとともにトップに並んでいます。

 女子では、今回のテグ大会200メートルで4連勝を目指すアリソン・フェリックス(米国)が2005年から09年にかけて200メートルと400メートルリレーで獲った6個が最多です。

【個人種目での最多金メダリストは?】
 リレーを除く個人種目での最多は「6個」で、男子棒高跳びのセルゲイ・ブブカ(ソ連→ウクライナ、83~99年)と、男子200メートルと400メートルのマイケル・ジョンソン(米国、91~99年)です。

【最多メダル獲得者は?】
 金銀銅をすべて含めたメダル獲得数では、女子100メートル、200メートル、400メートルリレーで計14個を獲得したマーリーン・オッティ(ジャマイカ、2002年からスロベニアに国籍変更)が最多です。83年から97年にかけて、上述の3種目で金3個、銀4個、銅7個を獲得しました。なお、オッティについては、前回のこのコラムで詳しく紹介しましたので、どうぞそちらをご覧ください。

 男子では、最多金メダリストでもあるカール・ルイスの10個が最多です(金8個、銀1個、銅1個)。

【同一大会での最多メダル獲得者は?】
 「4個」が最多です。83年ヘルシンキ大会のマリタ・コッホ(東ドイツ)、91年東京大会のカトリン・クラッベ(ドイツ)、93年シュツットガルト大会のグウェン・トーレンス(米国)の3人で、いずれも女子100メートル、200メートル、400メートルリレー、1600メートルリレーで4つのメダルを獲得しました。コッホは100メートルが銀で、残り3種目は金。クラッベは100メートルと200メートルが金、両リレーが銅。トーレンスは、100メートル銅、200メートル銀、400メートルリレー銀、1600メートルリレー金でした。

 男子の最多は「3個」で4人います。1人目は、83年ヘルシンキ大会と87年ローマ大会のカール・ルイス(100メートル、400メートルリレー、走り幅跳び)。以下の3人はいずれも100メートル、200メートル、400メートルリレーの覇者で、99年セビリア大会のモーリス・グリーン(米国)、2007年大阪大会のタイソン・ゲイ(米国)、09年ベルリン大会のウサイン・ボルト(ジャマイカ)です。今回のテグでボルトは2大会連続の3冠となるでしょうか?

【同一大会での最多メダル獲得国は?】
 87年ローマ大会での東ドイツで、金10個、銀11個、銅10個の計31個のメダルを獲得しました。

【同一種目での連勝記録】
 83年から97年まで男子棒高跳びで6連勝したセルゲイ・ブブカ(ソ連→ウクライナ)がトップです。

以下の話は、次回に続きます。

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