2009年6月17日
サッカー人生を支えた写真
グルノーブルは先月、念願の1部残留を決めることができました。ホームの大観衆と喜びを分かち合うことができて、本当にうれしく思いました。翌日、自室の整理をしていると、私の若いころの写真が出てきました。撮影してくれたのは、京大などで英語講師をしていた、ペーダーさんという方です。私がこうしてフランスで仕事ができるのも、彼と出会ったからこそなのです。
ペーダーさんは学生や社会人のサッカーを撮るのが大好きで、写真を私たちに分けてくれました。当時高校生だった私は、一眼レフで撮った自分のプレー写真をもらえて、本当にうれしかった。励みになった。私は当時、マンチェスターUに自分を獲得するよう売り込みの手紙を送ったのですが、その時もペーダーさんの写真を同封しました。
大体大のコーチをしている時も、よく写真を撮ってもらいました。そして94年に、市原(現千葉)から育成部長として10年契約のオファーをもらった時「受けるべきだ」と後押ししてくれたのも、実はペーダーさんでした。
彼はその直後、末期がんで入院しました。最期を母国アメリカで迎えたいというペーダーさんを、私は関西国際空港に見送りに行きました。彼はそこに現れませんでした。自宅を訪れてみると、彼は床を埋め尽くす写真の中で、静かに事切れていました。
彼のなきがらの横で、私は一晩かけて写真を整理しました。その時分かったのですが、川淵さんも犬飼さんも釜本さんも、やはりペーダーさんに写真を撮ってもらっていました。おそらく私と同じく、写真を励みにサッカーを頑張ったのだと思います。そして今はそれぞれサッカー界の要人として、日本を引っ張る立場になられています。
もらった写真を見て、私もあらためてペーダーさんへの感謝の気持ちが強まりました。恩に報いるためにも、来季以降に向けてさらに頑張りたいと思っています。(グルノーブル代表)
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