2009年5月18日
嫌がらせ屈せず祖母井流で結果
異国のクラブを、トップとして切り盛りする苦労は、並大抵ではない。グルノーブルの祖母井代表は、ついに念願の1部残留を果たした。だがその道のりは、厳しいものだった。
ただでさえ、人件費は1部最低の1200万ユーロ(約15億円)と限られ、戦力は劣っていた。今季開幕前にはリーグの経営監視委員会から、経営基盤がもろいとの理由で、新戦力獲得活動の停止処分を受けた。
祖母井氏と入れ替わりでクラブを去った旧経営陣の影もちらついた。昨年9月には取材を受ける祖母井代表の前に、旧経営陣のボディーガードだったボクシング元フランス王者が割り込んだ。丸太のような腕を誇示し「年間チケットをよこせ」と嫌がらせした。公式グッズ店を強盗が襲ったこともあった。職員が商品を取り返したが、地元警察はまったく動かなかった。
さまざまな不条理にもめげず、祖母井代表はクラブ改革を進めた。経営のスペシャリストを招き、使途不明金だらけのずさんな経営を立て直した。オシム氏ら豊富な欧州人脈を生かし、安くて優秀な選手も確保した。いまやホームスタジアムは、入場率89%でリーグ3位の盛況ぶり。当初は「降格間違いなし」と断じた地元報道陣も、クラブと祖母井氏の支持に回った。
1部残留を果たしたが、祝勝会は全日程終了後に延期に。日本が誇る経営者は「1つ順位を上げれば、賞金が50万ユーロ(約6500万円)違う。クラブの来季以降を考えれば、選手には最後まで頑張ってもらわないと」と現実を見据えた。欧州のサッカー界で頑張っているのは、セルティックMF中村、カターニャFW森本ら選手だけではない。(グルノーブル代表)
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