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2009年1月27日

日本の参考になる欧州カップ戦

 まさに薄氷の勝利でした。グルノーブルは25日、フランス杯10回戦で6部所属のアマチュアクラブ、グランド・サンテと対戦しました。彼らの本拠である、国内最北端の2万人の街は「1部クラブが来た!」とお祭り騒ぎ。その熱狂ぶりは、前半12分に“おらがチーム”が先制点を奪った時に、最高潮に達しました。

 大声援を背に、主導権は常にグランド・サンテ。どちらが1部クラブなのか、よく分からないくらいの試合展開でした。最終的には3点を返し、我々が3-1で何とか勝ちました。それでも試合後は、会場は自軍の大健闘をたたえる、大きな拍手に包まれました。

 ほっとすると同時に、フランスのカップ戦の盛り上げ方に、私はあらためて強い感銘を受けました。まず一戦ごとに抽選を行い、次の対戦相手を決めるやり方が、日本とは違います。どこのサポーターも、次の相手が決まるのを、ドキドキしながら待つことになる。試合の日だけでなく、抽選会の日も、カップ戦の話題が世間を駆け巡るのです。

 抽選自体、1部クラブと下位リーグ所属クラブが対戦しやすい方式がとられる。そして必ず、格下のクラブが、ホームで試合を開催できます。マルセイユやパリSGなどビッグクラブを迎え撃つ、小クラブのホームタウンは、決戦まで毎日がお祭り騒ぎになります。

 カップ戦を盛り上げる工夫は、さらにあります。試合用のユニホームは、すべてフランス協会から支給されます。デザインは各クラブ普段どおりですが、胸や袖などには、大会スポンサーの名前が入ります。またピッチ周辺から、ロッカールームの中まで、観客やメディアの目に付くところすべてに、スポンサーのロゴが飾られます。これならスポンサーも、喜んで大会への投資を続けるのではないかと思います。

 千葉でのナビスコ杯優勝は、私にとってとてもいい思い出です。一方で大会自体の盛り上がりには、少し物足りなさも感じていました。一方で欧州では、フランス杯のように権威と盛り上がりのあるカップ戦が、各国に存在します。ではどうやって大会の価値を高めているのか-。日本にとっても参考になる点は、非常に多いのではないでしょうか。(グルノーブル代表)


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祖母井秀隆「日本人代表奮闘記」
祖母井秀隆(うばがい・ひでたか)
 1951年(昭26)9月2日、兵庫・神戸市生まれ。報徳学園から大体大をへて、読売クラブに加入。すぐに西ドイツへ単身渡航し、ケルン体育大でコーチ学を学ぶ。帰国後に大体大の講師に就任し、同サッカー部と同好会の「体大蹴鞠団」で選手指導。95年からJリーグの市原(現千葉)に招かれ、育成部長に就任。97年からは10年契約でチーム統括本部長に就任した。オシム監督など欧州の有能な指揮官を次々招き、万年降格候補のクラブを劇的に強化。05、06年にはナビスコ杯で連覇を果たした。07年グルノーブルのGMに就任。08年に1部昇格を果たし、直後に会長職に就任した。

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