2008年12月30日
フランスサッカー協会総会で感じたこと
先日、FFF(フランスサッカー協会)総会に出席してきました。年に2度あるフランスサッカー界最大級の会合の会場は、パリ市内の豪華なホテル。各クラブの会長さんたちや、州や県のサッカー協会幹部の方たち、約500人を集めて行われました。
今回の総会最大の目的は、協会会長など要職の選挙です。会場の大型モニターには、ポストごとに候補者たちと番号が映し出されます。そのたびに私たち出席者は、手元のワイヤレス機器を操作し、票を投じます。3時間ほどの選挙で、エスカレット会長の再選などが次々と決められました。
出席者の中には、あのプラティニ氏の姿も。UEFA会長職に専念するため、出席は今回が最後です。「フランスのDNSG(クラブ経営監視委員会)という仕組みを、ぜひ欧州中に広げたい」とあいさつしていました。またFFFからは、16年の欧州選手権を誘致する活動を開始する、という報告もありました。
その後の討議では、選手育成法の改善について、さまざまな意見が飛び交いました。日本では最近まで、フランスの育成法がお手本にされてきました。ですがこちらフランスでは、最近のA代表のスランプの一因が、長年の選手育成の不振だとされています。育成環境の不備や、指導者養成の失敗が問題視され「わが国の育成方針では、もう選手は育たない」と改革が求められているのです。
同様に若手選手の“青田買い”についても、問題提起されていました。今パリ市近辺のアマチームでは、多くの未成年アフリカ人選手がプレーしています。代理人に「プロにしてやる」とささやかれ、母国から夢を追って渡仏した子たちです。プロどころか、仕事にもありつけない彼らの存在は、もはやフランス社会全体の問題になっています。
育成にしても、アフリカ人選手の発掘にしても、成功例だけが世界に広く伝えられています。ですが実際には、美点だけでなく問題点も非常に多い。「先進国のノウハウを吸収する」という言葉の響きのよさに満足せず、慎重に実情を見極めるべき―。今回の総会で、あらためてそう感じました。(グルノーブル代表)
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