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2008年10月28日

稲本の先生からフランス語特訓

 グルノーブルは26日のサンテティエンヌ戦で、2―0と快勝しました! 相手はフランスきっての伝統クラブ。ホームの熱いサポーターが、大きなプレッシャーをかけてきましたが、選手たちはそれに打ち勝ってくれました。本当に誇らしく思います。

 試合後には、対戦した松井選手と話をしました。新天地にも、すっかり溶け込んでいるようですね。もうフランス語も上手なようですが、これは非常に大事なこと。フランス人は母国語に強い愛着を持っています。ニュースを見ていると、国際会議でもフランスの政治家だけは、英語ではなく自国語を通訳させていることが多い。外国で認められるには、現地語を覚えることが必要ですが、ここでは特に覚えようという姿勢が問われている気がします。

 私も今年の春に、フランス語の1週間スパルタ特訓に挑戦しました。家庭教師のフィリップの教え方は独特です。期間中は一日中ずっと一緒に過ごし、私に速射砲のようにフランス語をぶつけてくるのです。「意味は分からなくても、聞いて、復唱しろ」と。するとまず音が聞き取れ、次に発音できるようになります。あとは単語の意味を辞書で調べていけば、会話が成立するようになる。

 文法から入る日本の語学教育とは、まったく逆の方法です。しかしこれまで英語やドイツ語を覚えた際よりも、相当速く習得できました。ちなみにフィリップは英語も堪能とあって、フルハム在籍当時の稲本くんの先生でもありました。不思議な縁を感じます。

 言葉を覚えたことで、今ではサポーターからも親しげに話しかけられます。言葉を覚えたことで、ここでの仕事に本気だと分かってもらえた。街に行きつけのお店もできました。フランスでの暮らしも、いっそう楽しいものになりました。

 いつか日本に帰って、Jクラブで仕事をさせていただけるなら、下部組織で語学を教える制度を確立したいと思っています。英語などを覚えておけば、後に海外移籍する際の助けになる。もちろんプロ選手になれない子たちにとってもプラスですよね。クラブが世界へ羽ばたく人材育成の一助になれる。そのために、フィリップにはぜひ日本に来てもらわないと。あの恐怖のスパルタ講義を、みなさんにも体験してもらいたいですから(笑い)。


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祖母井秀隆「日本人代表奮闘記」
祖母井秀隆(うばがい・ひでたか)
 1951年(昭26)9月2日、兵庫・神戸市生まれ。報徳学園から大体大をへて、読売クラブに加入。すぐに西ドイツへ単身渡航し、ケルン体育大でコーチ学を学ぶ。帰国後に大体大の講師に就任し、同サッカー部と同好会の「体大蹴鞠団」で選手指導。95年からJリーグの市原(現千葉)に招かれ、育成部長に就任。97年からは10年契約でチーム統括本部長に就任した。オシム監督など欧州の有能な指揮官を次々招き、万年降格候補のクラブを劇的に強化。05、06年にはナビスコ杯で連覇を果たした。07年グルノーブルのGMに就任。08年に1部昇格を果たし、直後に会長職に就任した。

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