2009年03月26日
最終予選の1位通過は義務
<セルジオ越後・荻島編集委員「2番勝負」:(1)>
WBCで盛り上がる野球に負けるな! 日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏(63)が、岡田ジャパンにゲキを飛ばした。越後氏と本紙の荻島弘一編集委員が繰り広げた激論バトル。W杯ベスト4を目指すためにも、最終予選1位突破をノルマとし、過去2勝2敗のバーレーンに勝つことを求めた。日本代表への熱い思いを、28日の決戦を前に2回に分けてお届けする。
荻島 WBCの劇的な優勝で、日本のスポーツ界は盛り上がっています。多くの人の目が、野球に向いています。そんな中でのバーレーン戦。今度はサッカーがスポーツ界を盛り上げたいところですね。最終予選のホーム戦は、まだ2分けと勝ち星がありません。ここはしっかりと勝って、盛り上げたいところです。
越後 同じプロスポーツとして、野球は良きライバル。彼らはサッカー界にも最高のハッパをかけてくれた。ありがたい宿題をもらったと思わなきゃ。同じ日の丸として野球は世界一になった。サッカーで世界一は難しいだろうけど、いい試合で勝たなくちゃ駄目。ここで野球に置いていかれたら、ダメージは大きい。野球に対抗する意識があるなら、絶対に勝たないと。
荻島 もしバーレーンに負ければ、2位の座も怪しくなってくる。でも、最悪引き分ければ、W杯出場は大丈夫でしょう。オーストラリアと引き分けて、周囲は何となく楽観ムード。メディアもファンも南アフリカに行くことは、間違いないと思っています。
越後 それが駄目。1位で行かないと。岡田監督の目標はW杯ベスト4。世界の4位を目指そうというなら、アジア予選はトップ通過しないと。予選2位でW杯ベスト4が目標なんて、恥ずかしくて言えない。W杯に行けてもオーストラリアを上回れない2位なら、岡田監督でいいのかも考えなければいけない。
荻島 確かに、サッカーはWBCのようにアジア同士が世界一を争うことはないでしょうから。アジア1位になって、ようやく世界への挑戦権を得るぐらいですね。オーストラリアを上回るためには、最低でも今の勝ち点2差を守って、最後の直接対決で逆転するしかない。残りを勝ち続けることが絶対条件ですね。
越後 岡田監督は昔の岡田監督じゃない。最初の時はW杯に出るだけで良かったけれど、今は違う。だから、ジーコからオシム、岡田と代えたんでしょ。もし、W杯に出るだけでいいなら、ジーコ監督続投で良かった。(06年)ドイツ大会から羽ばたくことが岡田監督に与えられた宿題。予選をギリギリで通過してから「さあ、ベスト4へのチームづくりを」なんていっても、とても無理。五輪でも失敗しているでしょ。
荻島 我々も予選突破ではなく、1位突破がノルマだと思わなくてはいけないですね。最後までオーストラリアを逆転する可能性を残して戦ってほしい。ベスト4は現実的ではないかもしれないけれど、1次リーグは突破してほしい。その可能性を感じる予選の戦いをしてほしいですね。
越後 オーストラリアとの引き分けは認めても、バーレーンには勝たなければ駄目。バーレーン戦はWBCの韓国戦と同じ。1年間で5回目で、過去2勝2敗なんだから。野球は本当に大切な時に勝った。サッカーも勝たなきゃ。勝って当たり前の試合。勝っても褒める試合じゃない。オーストラリア戦までつなげるかどうかの試合なんだから。でも、勝てば国民全員が注目してくれる。それは、WBCで分かったでしょ。
荻島 野球はWBCの興奮から、そのままシーズンに突入します。ところが、サッカーはJリーグが始まっても盛り上がっているとは思えない。メディアの扱いやファンの関心度など、WBCに押されている影響もあるとは思いますが。落ちたと言われても、まだまだ人気を支えているのは日本代表。勝って、弾みをつけておきたいですね。
越後 今後の日本サッカーを占うという意味でも、大事な試合。昨年のカタール戦は良かったけど、その後は中途半端な試合が続いているからね。岡田監督も、日本協会も、深刻に考えてほしい。W杯に出ても、最終予選2位なら日本のサッカーは終わるよ。
荻島 日本協会もオーストラリア戦の後に、技術委員会を再編するなど代表のバックアップ態勢を整備しています。すぐに成果が出るものではないけれど、何かしらの前進は見たいし、前進してほしいですね。
越後 岡田監督の「上」を代えたんだから、監督も代えていいんだ。オートマチックに4年任せるというシステムはいらない。結果的に4年間やるのはいいけれど、もっと厳しい目で監督を見ないと。原監督はよくやったけど、星野監督は駄目だった。代表監督はシビアよ。結果がすべて。それがプロの世界。もうW杯初出場を狙う岡田監督じゃないんだ。そういう目で、我々も見ていかないといけないね。
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- セルジオ越後(せるじお・えちご)
- 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。
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