2008年11月19日
カタールは心配する相手じゃないよ
<セルジオ越後・原博実 「2番勝負」:(下)>
--カタール戦は本当に大事な試合になります
越後 勝てば大きくW杯に前進する。オーストラリアがほかの国に勝ち点をやらない限り、マッチレースになる。でも、負ければ大ピンチ。ウズベキスタンにもチャンスが広がる。へたしたら、来年2月のオーストラリア戦で(出場権獲得の)2位以内が絶望的になる可能性だってあるね。
原 向こう(カタール)も負けると厳しいし、必死でしょう。引き分けならいいと思うけれど、日本は狙って引き分けるような試合は得意じゃないから。
越後 先取点を取れればいいけれど、取られたときは心配。今の日本ではセットプレーかワンチャンスを生かすか、それしか得点できるイメージがない。現実的には守ってカウンターを狙うサッカー。引き分けでいいというサッカーになるかもしれない。
--代表にとっては今年最後の試合でもある
越後 北京五輪で負け、ユースも(U-20W杯予選で)韓国に負けた。日本サッカーの将来は不安よ。もう残っているのは、トップしかない。だいたい、ユースが負けたのに危機感がない。香川なんか一番大事な試合の前に帰ってきた。本当に勝つ気があるの? これ、協会の問題なのよ。
原 香川も、あんな中途半端で帰るなら、行かない方が良かった。僕が監督なら「いらない」って言う。香川はシリア戦でもプレーが軽かった。素質はあるけど、少し代表の重みを勘違いしていると思う。でも、岡田監督は好きだけど。
越後 岡田監督は自分の「チルドレン」がつくりたいんじゃない? オシムにはいたけど、自分にはいないから。それで、若い選手を積極的に使う(笑)。
原 それだけ、これっていう人がいないんでしょうね。メンバー選考もだいぶ迷っている感じ。カタールに25人連れていって、ベンチ外ばかりが増える。決していいことじゃないけど、それだけ余裕がない。
--かなり厳しい試合になりますね
原 玉田とか大久保とかが、いかにファウルをもらえるか。(反則の笛をしっかり)吹いてくれる審判ならチャンスは増えると思う。ただ、流されるとつらいかな。カタールはバーレーンよりは上だけど、十分に勝てる相手ではある。
越後 カタールは怪物じゃないよ。ウズベキスタンにはラッキーもあって勝ったけれど、本当はそんなに心配する相手じゃない。相手がどうこう言うより、自分たちで問題を抱えている。日本が今持っているものを生かせれば、勝つ可能性は相当ある。
原 心配なのは岡田監督の精神状態。自分で自分にプレッシャーをかけちゃっている。それが選手にも伝わるのが心配。周りを気にしないで、迷うことなく思いっきりやってほしい。
越後 非公開練習なんかする時代じゃない。今は、みんな裸になってやっている。練習を公開して、お金とればいいのよ。何か、すごく小さく見える。本当の岡ちゃんは正反対。そんなに動じる男じゃないのに。
--大丈夫だと信じていても危機感は募ります
越後 監督や選手に危機感があるからこそ、本当にいい試合ができる。メディアとか世論とかが、選手たちにもっと危機感を与えないといけない。過去もっとも結果を出したのは、一番たたかれた(トルシエ)監督。大丈夫、大丈夫では、どんどん生ぬるくなる。
原 選手にも危機感はあるでしょう。中沢がいないから負けたとは言われたくないはず。W杯予選は何があってもおかしくない。日本はユースも五輪も、そして経済も含めて下り坂。今の状態を脱するかどうか、カタール戦はその試金石になる。これを越えれば、少し楽になるのだから。
越後 とにかく、勝って欲しい。2度も「ドーハの悲劇」は見たくないからね。(終わり)
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- セルジオ越後(せるじお・えちご)
- 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。
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- (株)パスインターナショナル「セルジオ越後」ページ
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