2009年6月27日
1人別メニューのインディアナ阪口
ロサンゼルスでソル-ゴールドプライド戦を取材した後、阪口夢穂がプレーしているFCインディアナの取材に向かった。
チームが本拠を構えるインディアナ州ラフィエットは、Lafayetteと綴る。本来であればこのスペルは「ラファイエット」と発音されるはずで、例えばニューヨークにある同名の地区もそう呼ばれている。だがインディアナ州のLafayetteはこの地区特有の訛りなのか「ラフィエット」と発音されるのである。パデュー大学というフットボールやバスケットボールの強い大学と、スバルのアメリカ工場がある他にはこれといった特徴のない、中西部の田舎町だ。
練習中、監督やトレーナーと怪我の具合について話し合う阪口(右)
4月に初めてこの地に来た時は、春だというのに肌寒い毎日が続いていた。だからインディアナの練習は、クラブハウス内の人工芝ピッチで行われていたものだった。
ところが今、6月下旬に再訪してみると日本の夏を思わせる蒸し暑さ。インディアナの練習は基本的に午前、午後の2部練習なのだが、フィジカル中心の午前練はインドアピッチ、実戦形式の午後練は近隣のアウトドアピッチで行われるようになっていた。
午後練の開始は午後6時頃から。ラフィエットは日が長いので、そこからたっぷり2時間練習しても照明など不要だ。練習場に着く。黒いトレーニングウェアを着たインディアナの選手たちがピッチ上でボールを蹴っている。
が、その集団の中に阪口の姿はない。
ピッチの外周をゆっくり走ったり、リフティングをしたりして1人別メニューの練習をしている。
彼女は今、左膝の前十字靭帯断裂というけがを負っているのである。
インディアナは日常的に、男子成人チームとの合同練習やトレーニングマッチを行う。男子のスピードや当たりの強さを経験しておくことで、たいていの女子チームと対戦してもフィジカル面で圧倒されることがなくなる。なでしこジャパンもしばしば代表合宿で取り入れる方法だ。
そうしたトレーニングマッチの最中、阪口はジャンプしての競り合いで男子選手に弾き飛ばされ、着地の際に左膝を強くひねってしまった。本人によれば、その瞬間
「『ゴリッ』って音が聞こえた」
そうだ。地面に倒れてしばらくはあまりの痛みに声もでず、動くこともできなかったのだが、数時間すると痛みは引き、足もかなり動くようになった。
<案外たいしたことないのかな>
といい方向へ考えようとしたものの、MRI検査の結果医師が下した診断は、前述のとおり前十字靭帯断裂。すぐに手術をしたとしても、リハビリ期間を考えれば、8月初旬のプレーオフやチャンピオンシップにも間に合わない。彼女はWリーグの公式戦にわずか2試合出場しただけで、今シーズンのプレーを終えたのだった…。
FCインディアナ入団後の阪口がチームでどのような存在であったのかについては、明日から数回に分けて触れていこうと思う。
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- WPS
- Women‘s Professional Soccer、03年に休止したWUSA(Women‘s United Soccer Association)の後を受ける形で、運営組織を新たにして09年から再開された米女子プロサッカーリーグ。初年度の参加チームはボストン、シカゴ、ベイエリア、ロサンゼルス、ニューヨーク/ニュージャージー、セントルイス、ワシントンの7つ。10年にはフィラデルフィアとアトランタの2チームが加わることになっている。08年秋に行われた海外選手対象のドラフトでは日本から沢穂希、宮間あや、大野忍、荒川恵理子の4人が指名され、沢はワシントン、宮間はロサンゼルス、荒川はベイエリアへ入団したが、大野は日テレに残留した。WPSにはほかに、北京五輪優勝の米国代表全選手や世界NO・1女子選手とされるブラジルのマルタらが在籍している。
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