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2010年11月06日

ヒデ超え 本田パス範囲180度

 本田圭佑には驚いた。アルゼンチン戦と韓国戦で見せたプレーは、中田英寿を超えていた。左足でボールを持った時、パスの範囲が優に180度はある。そこから、小さなモーションで、なぜあんなところに通すんだ、ということを平気でやってみせる。ボールを受けた時も、足もとで止まっていないようにも見えるが、実はきちんとキープできている。あまり器用な印象はなかったが、意外にやるなと思ったね。

 中田もすばらしい選手だった。それでもパスの範囲は、180度まではなかった。もちろん2人は異なるタイプ。中田は周りをよく見て、動きながらプレーする。あまり止まったりしない。本田は一見、突っ立っているような感じだが、非常に効果的な動きだしをする。さらに、体幹の強さを持っている。相手に体を寄せられても、パスに余裕がある。だから、ゴール前でのボールの受け方もうまい。そうした自信があるから、どんどんゴール前に詰めていく。中田はあれほどゴール前に行かなかった。そこが決定的に違う。

 本田は、ロシアでディフェンシブなハーフもやらされている。中田はイタリアに渡り、途中から守備を求められ、攻撃的姿勢が薄れていった。だから本田を心配する人もいるようだが、私は心配していない。強く自己主張できるタイプだからだ。自分を生かせるポジションを勝ち取っていくだろう。これから本当に楽しみな選手だ。

 楽しみといえば、ザッケローニ新監督もそう。アルゼンチン戦と韓国戦は予想以上にいい試合だった。時間的な制約がある中、岡田前監督がつくった土台に、うまく自分の考え、指示を加えたという印象だ。特に守備については、合宿中に細かい指示を与えていたようだ。実は選手たちが混乱するのでは、と心配していた。ところが試合ではどの選手も、すばらしい集中力を見せてくれた。オープンスペースに走り込んでくる相手はほかの選手に任せ、ボールを持った相手に集中した。監督の教えがうまく伝わっていたという印象だ。

 チームは生き物。これからも紆余(うよ)曲折はある。とはいえ、ザッケローニ監督の指示を十分理解し、ステップアップしていけば、4年後にはかなり面白いチームができると感じた。

 1つ、気になっていることがある。監督の表情だ。韓国戦はテレビで見たが、映るたびに心配顔だった。なんでそんなに心配(不安?)そうな顔をするんだと、気になって仕方がなかった。ジーコもオシムも厳しい顔つきにはなったが、あれほど心配そうな表情は見せなかった。韓国戦のプレッシャーを感じていたのかどうか分からないが、気持ちが顔に出るタイプなのだろう。そういう意味では、心情的には親しみがわく。来日してからの言葉や態度を見ていても、日本に対するリスペクトをとても感じる。いずれにしても、今後がとても楽しみな監督だ。


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川淵三郎「キャプテントーク」
川淵三郎(かわぶち・さぶろう)
 1936年(昭11)12月3日、大阪・高石市生まれ。早大時代の58年に日本代表に初選出。卒業後に古河電工に入社し、64年の東京五輪に出場、72年に現役引退した(国際Aマッチ26試合8得点)。古河電工、日本代表監督を歴任し、91年にはJリーグ初代チェアマンに就任。02年には日本協会会長となり3期6年務めた。7月から同協会名誉会長。現在、日本サッカーミュージアム館長も兼務している。

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