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2010年7月14日

自覚と反発心が16強呼んだ

 W杯での日本代表の活躍は、素晴らしかった。代表というのは、1試合勝っただけで国全体で喜びを分かち合えるもの。それが2回もあった。オシム前監督の後を岡田監督に託した身としては、本当にうれしい。直前の4連敗でどん底まで落ちたチームが、これだけ短期間で立ち直った。世界的にも希少な例だ。

 ターニングポイントは、コートジボワール戦にあった。手も足も出なかったことで、選手も疑心暗鬼に陥った。「守備をやる以外にない」と選手たちが自覚したのが、気持ちの切り替えにつながった。「前でボールを奪うのはできるわけがない。前からプレスに行くのはやめよう」と、選手と監督の気持ちが1つになったのが大きかった。

 それからは45度で右肩上がり。本田は献身的な守備をしたし、長谷部、そして阿部のアンカー役も効いていた。センターバックのコンビも良かった。直前に4人も代えるのは珍しいが、それもうまくいった。選手たちは「守備を頑張れば、ある程度やれる」という自信を手にしたようだ。

 しかし、ベスト16という結果は奇跡に近い。帰国後の岡田監督と話をしたが、本人も「運が良かった」と言っていた。初戦のカメルーンに勝ったことがすべてと言えるし、その後の対戦順にも恵まれた。すべてがラッキーだった。1戦1戦が綱渡り的な感じだった。

 選手たちのミーティングでチームが1つになったと言われているが、ちょっとニュアンスが違う。ただ、自分をさらけ出すとともに相手の考えが分かったのは大きい。バラバラだということを自覚できたのがよかった。そして反発心。周囲の評価に対する強い思いは、すべての選手が一緒だった。

 今大会の結果で次のブラジル大会への期待が急速に高まるだろうが、そう簡単ではない。予選で敗退する可能性もある。西アジアの国々はブラジルやアフリカの選手を国籍変更させて臨んでくる。サウジアラビアやカタール、UAEなど、今大会を逃した国が巻き返してくる。

 大会を通じて守備は通用することが分かったが、攻撃はまだまだ。特にパスの精度が低い。FIFAの大会ホームページには各チームパス成功率があるが日本は最下位(60%)。上位(1位はスペインで80%)と比べて差が目立つ。弱点が数字ではっきり出たのはよかった。裏付けがあれば、強化できる。

 代表の強化には、まず個人のレベルアップが急務。20人から30人が欧州のリーグでレギュラーにならないといけない。オーストラリアは100人以上が欧州でプレーしているし、韓国も日本より多い。今大会のベスト16を次につなげるためにも、個を鍛え、協会ぐるみで準備をしないといけない。


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川淵三郎「キャプテントーク」
川淵三郎(かわぶち・さぶろう)
 1936年(昭11)12月3日、大阪・高石市生まれ。早大時代の58年に日本代表に初選出。卒業後に古河電工に入社し、64年の東京五輪に出場、72年に現役引退した(国際Aマッチ26試合8得点)。古河電工、日本代表監督を歴任し、91年にはJリーグ初代チェアマンに就任。02年には日本協会会長となり3期6年務めた。7月から同協会名誉会長。現在、日本サッカーミュージアム館長も兼務している。

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