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<title>川淵三郎「キャプテントーク」 : nikkansports.com</title>
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<title>森本の「賢さ」に注目してほしい</title>
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<summary type="text/plain">　スポーツは心の揺れが大きくプレーに出る。サッカーは特にその傾向が強い。喜怒哀楽...</summary>
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<![CDATA[<p>　スポーツは心の揺れが大きくプレーに出る。サッカーは特にその傾向が強い。喜怒哀楽の感情ではなく、試合の中で「何か」を感じ取る力が重要だ。１０月の国際試合３試合で、新戦力の感性が目にとまった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　まず、森本の賢さに触れたい。ゴール前での動きの速さを誰もが評価した。ＤＦを背にボールをもらい、前を向く。敵が密集するペナルティーエリア内でも、スコットランド戦で見せた反転シュートや、トーゴ戦でＤＦを振り切ったプレーなど内容があった。</p>

<p>　単なる動きの速さだけではない。相手ＤＦの予測を超えている、という点で優れていた。相手ＤＦは森本をマークし、ボールのもらい方、トラップの速さ、角度、ドリブルのリズム、そこから彼の間合いを測る。その感覚を元に守備を組み立てていく。森本が優れているのは、そのＤＦの間合いを逆に見極め、分析し、学習するところだ。</p>

<p>　あのＤＦはこの間合いで詰めてくるだろう。この直感的なものを試合で常に、察知→実践→修正、というサイクルで高めている。単にプレーが速いという次元よりも、相手に順応できるところに値打ちがある。今までいなかったＦＷと言っていい。堅く激しいディフェンスを伝統とするイタリアでもまれたから身につけられる希少な術だ。</p>

<p>　本田にも興味深いものを見た。スコットランド、トーゴ戦で２回ほど、本田はハーフラインよりも相手陣地の中央でボールを受け、ドリブルから中距離シュートを打っている。これはチームが本田の特質を認め「お前の持ち味を発揮しろ」とのメッセージだった。それを受け止め、シュートで終わった点はいい、だが、やはり決めないと信頼は得られない。</p>

<p>　一方、本田がサイドでボールを持った時に課題が見えた。ボールを受けた時には余裕があるのに、パスを出す時に余裕は消える。思いやりがない。パスの受け手に本田の焦りが伝染してしまう。</p>

<p>　サイドから攻めを組み立てる起点だ。意図と信頼を込めたパスでなければならない。状況を正確に速く判断し、自分の特性を使い分ける。本田はそれを確実に実践する責任を負う。</p>

<p>　サッカーファンにはそんなところを見ていただきたい。ゴールを期待させるパスの連続性は見応えがある。逆に相手ボールでもそこに焦りの連鎖があれば、逆襲への期待になり、攻防への興味はさらに沸く。サッカーは人の心が如実に出る。ボールがラインを割るか、ファウルがない限り、人は動き、心も揺れ続ける。日本のサッカーはその感性の世界に入ろうとしている。相手が弱い、主力が不在だなどの表面的なものより、技術に裏打ちされた精神的なものへと目を向けよう。その洞察がチームを育てる推進力になる。</p>]]>
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<title>あえて本田に苦言を呈す</title>
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<summary type="text/plain">　これから８カ月、日本代表は全エネルギーを注ぎ込み、Ｗ杯南アフリカ大会ベスト４へ...</summary>
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<![CDATA[<p>　これから８カ月、日本代表は全エネルギーを注ぎ込み、Ｗ杯南アフリカ大会ベスト４へ突き進んでいく。アジア予選のような結果だけにこだわる試合から、世界に日本サッカーの魅力、可能性をアピールするサッカーへと上り詰めていく。より高度な試練へかじを取らなければならない。</p>]]>
<![CDATA[<p>　目指す目標は高い。そのためには代表チームは常に新鮮な刺激が必要であり、生き残りへの緊張感も増していくだろう。私は９月のオランダ遠征を見て、ＭＦ本田に多くの可能性を感じ、チームに多くの産物を生むと楽しみにしている。</p>

<p>　本田という存在はおもしろい。どこか仲良し集団の感が否めない岡田ジャパンにおいて、ズケズケと物を言うその存在は異質だ。チーム内に波風が立たず仲が良い、そんなチームが強いとは限らない。普段は仲は悪いが、試合の勘所で瞬時に共通のイメージがひらめく集団は強い。</p>

<p>　本田のもたらす効用が期待できるからこそ、私は本田に苦言を呈す。「いらんところで、いらんエネルギーを使うな」。中盤でボールをこねて、相手に囲まれながらキープしたとして、それが何になるのか？　そこに本田は気がついているのか？　本田がもっとも期待されるのは、あの豪快なミドルシュートだ。</p>

<p>　ゴールへの道が見えた時「本田なら打てる」とチームが感じたなら、仲間はマークを引き連れてサイドへ流れ、本田のためにシュートコースを開けてやるだろう。そして、強烈なミドルをＧＫがはじいた瞬間を狙って、ゴール前に詰めるはずだ。</p>

<p>　つまりチームメートのサポートは絶対に必要になる。そして、サポートの裏付けは相互理解しかない。周囲が彼の存在を認める働きを、本田が自力で示すしかない。</p>

<p>　サッカーとは意地悪なスポーツでもある。昔、ラモスが読売クラブ（現東京Ｖ）、日本代表の司令塔に君臨していた９０年代初頭、カズが試合に出てもラモスからのパスはほとんど出なかった。それはラモスがカズの実力に懐疑的であったからで、カズは自分の力量を認めてもらえるまで、その試練に立ち向かい、乗り越えた。</p>

<p>　自身のプライドや新参者への警戒感、先入観、そうした本能的でストレートな感情をむき出しにするスポーツでもある。本田は試合の中で自分の価値、値打ちを発揮するしかない。彼の個性が代表の中に埋没せず、貴重な一戦力として認められ、そして本田の後を追うように、まだ見ぬ原石が次々と現れるよう、願わずにいられない。</p>]]>
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<title>スポーツで日本人の心育てよ</title>
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<modified>2009-05-14T00:31:02Z</modified>
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<summary type="text/plain">　１年で最もさわやかな新緑の季節だが、世間では、新型インフルエンザの世界的流行の...</summary>
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<![CDATA[<p>　１年で最もさわやかな新緑の季節だが、世間では、新型インフルエンザの世界的流行の危機に騒然としている。その中で「日本の危機」をあらためて突きつけられた。大阪の小学４年の女児が、実の母親と同居の男によって虐待され、女児の遺体は奈良の墓地で発見された。</p>]]>
<![CDATA[<p>　かつての日本でこんなことが起こりえただろうか。ここ数年、わが子に手をかける親の凶行は何度も大きな社会問題になった。その都度、私は日本人がなくしつつある、世界に誇るべき価値観を思ってきた。</p>

<p>　鎖国を経て日本は外国の文明と出合い感化されてきた。また、日本を知った外国人は、島国の我々が互いに助け合いはぐくんできた国民性を「日本人はまれな国民」と称して祖国に伝え広めた。</p>

<p>　島国という特性は一見マイナス面が多いようだが、互助の精神を紡いできた大切な土壌であった。江戸末期から明治維新を経て、日本は主に西洋文化に触れ発展、進化してきた。しかし、生活水準が高まる半面、日本独自のものが薄まった。他人に無関心になり、互助の精神は希薄になった。私は思う。私が生まれる以前は、今よりもはるかに多く「世のため、人のため」の心が生きていたのではないか。そうした個々人は地域で見事に活躍し、その生きざまは、子や仲間に確実に伝えられてきた。</p>

<p>　この精神の衰退は深刻だ。だが、ただ憂えているだけではいけない。祖先が少しずつ独創性をつくりあげたように、わずかずつでもいいから、本来あるべき日本人に近づけるよう、戻れるよう、行動を起こすべきだ。幸い、私たちには大きな力を発揮する手段がある。スポーツだ。ルールを守ることで社会性に接し、弱者、強者の区別が存在する中で、弱い者に手を差し伸べる貴重な経験も生まれる。互いをいたわる気持ちも芽生える。重要なのは、この作業を際限なく繰り返すことにある。</p>

<p>　それが頭で考えずとも、反射的に応じる能力につながる。子供の心にすり込み、決して忘れないように。刻み込まれたものは、大人になっても廃れない。その意識は伝承され、やがて伝統、歴史になる。気が遠くなる作業だが、やりがいはある、誰しもが参加のできる値打ちある行為ではないか。</p>

<p>　世界的な大会で成果を挙げることはすばらしい。その中で、日本人がどう世界と戦い、いかに助け合い、団結するか。それは世界の人々に強くアピールするばかりではなく、日本人がそうした仲間の姿に心を打つ大切な瞬間でもある。今日のすさんだ日本が抱える心の問題をよく自覚し、特定のスポーツ界の繁栄だけでなく、底辺を支える日本人の心のありさまを深く、多角的に考える義務が、スポーツに携わる私たちにはある。</p>]]>
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<title>痛がるな！ダルのタフさ見習え</title>
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<modified>2009-04-08T02:53:30Z</modified>
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<summary type="text/plain">　まず侍ジャパンのＷＢＣ連覇に心から敬意を表したい。自戒を込め、お見それしました...</summary>
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<![CDATA[<p>　まず侍ジャパンのＷＢＣ連覇に心から敬意を表したい。自戒を込め、お見それしましたと、原監督以下全選手、ファンにお伝えしたい。このコラムで「連覇はほとんど不可能」と書いたが、いかに私の日本野球への読みが甘かったか、痛感している。</p>]]>
<![CDATA[<p>　今回の韓国戦を見て痛切に感じたのは、投手の「孤独」だ。韓国との決勝で、９回裏に救援したダルビッシュ。同点にされ、明らかに流れは韓国に。誰も助けてくれないあのマウンドで、彼はたとえようのない重圧に耐えしのぎきった。あの孤独感をサッカーにたとえようと考えてみたが、どの場面にも当てはまらない。投手だけが負う孤独だと思う。</p>

<p>　抑えを譲った藤川の胸中をダルビッシュは十分理解し、その気持ちを背負っていたのだろう。藤川の悔しさや、チームを思う気持ち、そのチームメートの思いこそが、彼を絶体絶命の苦境で支えたとも言える。チームスポーツが持つ不思議な心のつながりが、９回裏にあった。</p>

<p>　ＷＢＣに比べ、サッカー日本代表はどうか。率直に言って、国民へのアピール度は少ない。勝負に対する真摯（しんし）な姿をもっと見せるしかない。見た目の善しあしではなく、選手の懸命さがどこまでファンに届くか。スポーツに求めるものは、その生きざまなのだと思う。</p>

<p>　３月のバーレーン戦は満足できるホームでの勝利だった。そう簡単に得点できない中で、相手に致命的なチャンスを与えなかった。これは岡田監督の目指すサッカーへ、チームが着実に進んでいる証しだ。</p>

<p>　なのに、なぜか胸が熱くなるような高揚感はない。それは、これまでの日本代表はＷ杯出場までに、必ず多くの修羅場があったからだ。逆に言えば、日本の予選突破にはそうした関門があったからこそ盛り上がったと言える。それが、何の苦しみもなく予選突破するのが当然であるかのようなところに興奮の薄さがあるのかもしれない。</p>

<p>　選手もサポーターもひとつの固まりになって相手国にぶつかっていく。そのために、まず選手ができることは何か。接触プレーで痛がる弱々しさから決別することだ。メッシなど、外国人を見ると、倒されたら、むしろ燃え上がって突き進む。それが、日本人は痛がる。「同情してください」と懇願するかのようだ。</p>

<p>　サッカーはスポーツであり、戦いであり、勝負だ。同情で優位に立とうとの心の根で、どうしてぎりぎりの真剣勝負ができるのか。あの土壇場で踏ん張ったダルビッシュのタフさを思う。チーム団結に裏打ちされた強さこそ、日本サッカーが見習うべきだ。</p>]]>
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<title>日本人らしい「クラブ愛」とは</title>
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<modified>2009-03-04T00:51:47Z</modified>
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<summary type="text/plain">　私たちスポーツを愛するものにとって、胸躍る季節が来る。Ｊリーグが１７年目のシー...</summary>
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<![CDATA[<p>　私たちスポーツを愛するものにとって、胸躍る季節が来る。Ｊリーグが１７年目のシーズンを迎え、野球ではサムライジャパンがＷＢＣの第１ラウンドに臨む。どちらも、日本中が熱狂する大きなスポーツイベントだ。</p>]]>
<![CDATA[<p>　中でも、Ｊ１初昇格のモンテディオ山形のサポーターにとっては、夢の晴れ舞台がすぐそこに迫った。山形の皆さんがどれだけこの時を待っていたか。想像するとこちらの胸も熱くなる。</p>

<p>　先日、モンテディオ山形の海保宣生理事長と話したが、地域の関心度の高さはものすごい。モンテディオのワッペンを購入しマイカーに張る。売り上げをクラブに還元する活動を自治体が引っ張り、複数の自治体から地元企業へと波及したと聞いた。おらが町のクラブを支えるんだとの機運がある。どうか、その気持ちをシーズン終盤まで保ち続けてほしい。</p>

<p>　そういったあとに、冷や水を浴びせるようだが、現状の戦力では山形がＪ１に居続けることは難しいだろう。１年で躍進できるほどＪ１は甘くない。それでもあきらめずに見守れるかにかかっている。</p>

<p>　Ｊ１初昇格のクラブを有する地域が、クラブ支援を通じ活気づく風景は、スポーツのすばらしさを具現している。一方で、不振になると、一部のサポーターから監督交代やクラブ幹部の更迭を求める声が上がる。クラブへの強い愛情の裏返しとして、抗議活動に発展する。</p>

<p>　確かに、欧州や南米の強豪クラブでは、サポーターの抗議活動でクラブ人事が左右される面があった。しかし、それは彼らの風土で築かれた歴史であり、民族固有の気質があってのことだ。サッカー先進国がそうだからと、我々Ｊリーグがそれに倣う必要は全くない。それが、あたかも「クラブ愛」かのような風潮は間違っている。</p>

<p>　思い起こしてもらいたい。金融危機の直前、資産運用ばかりが、すばらしい成功のような錯覚に日本は浸っていた。地道な物作りへの尊敬の念は隅へ押しやられ、金利だ、株価だと、いかに短期で大きく稼ぐかにみんなが熱狂した。だが、それは欧米の時流に乗らされただけのことだ。</p>

<p>　スポーツ観戦にしても、全く同じだ。負けたイライラを暴力に転化するのはもってのほかで、すぐに抗議活動をする姿に、欧州、南米を安易にまねする空気を感じる。そうではないだろう。私たち日本人固有の応援があっていい。独自の価値観は我々の中にまだまだある。「武士の情け」という言葉もあるではないか。</p>

<p>　勝負の世界は非情で、必ず敗者がいる。その敗者の側にたった時、ヒステリックに犯人捜しをする風習からもう脱皮してはどうか。「負けること」を前提に言っているのではない。より高く、より豊かな精神でスポーツに接し、日本らしいスポーツ文化をはぐくむ私たちでありたい。</p>]]>
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<title>大久保の走力はひとつの理想</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www5.nikkansports.com/soccer/kawabuchi/entry/20090218_75401.html" />
<modified>2009-02-22T05:48:36Z</modified>
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<summary type="text/plain">　オーストラリア戦を見て、点が取れないことで批判を受けていたが、私は日本代表が点...</summary>
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<![CDATA[<p>　オーストラリア戦を見て、点が取れないことで批判を受けていたが、私は日本代表が点を取れないことをこう見ている。</p>]]>
<![CDATA[<p>　　まず、クロスのスピードが足りない。緩いという表現が適当かもしれないが、スピードのないコントロールされたボールでは、相手ＤＦにも対応されてしまう。日本の敵はもうそういうレベルだ。そこから点を奪うには、シュートしやすいボールを供給していてはだめだ。</p>

<p>　以前、プレミアでのマンＵ戦で、Ｃ・ロナウドが左サイドから思い切り蹴ったＦＫに、味方が飛び込み胸に当ててゴールする場面があった。つまり、サッカー先進国のサイド攻撃では、クロスボールをＦＷの動きに合わせるようなことはしない。そんな悠長なことでは点は奪えない。</p>

<p>　正確でミートしやすいクロスを「面」でＦＷが待つ。そんな時代はすぎた。全力で出した弾丸のようなクロスに、ＦＷが雪崩のように何人もペナルティーエリア内に飛び込み、体のどこかに当ててゴールに押し込む。面でとらえるのではなく、点で勝負すべきだ。点、そこだけ、まさにピンポイントにＦＷがトップスピードでぶつかっていく、その迫力が必要になる。</p>

<p>　また、クロスをあげるサイドバックが、蹴る間際にペナルティーエリア内の味方の位置を確認するが、あれもナンセンスだ。あのわずかな時間によって、敵のＤＦには時間的余裕が生まれる。ＤＦの足が伸びて来て、クロスがカットされ、ＦＷがＤＦ陣を振り切るタイミングを失う。</p>

<p>　面ではなく点で合わせろ、蹴るとき、いちいち中を確認するな。日本はそういうぎりぎりの中から得点しないといけない。世界に出ていけば、そのゼロコンマの違いが勝ち負けに直結していく。ただ、点が入らない、シュートが少ない、決定力がないと嘆くだけでなく、そうしたわずかだが決定的な世界との差を、みんなで修正、強化していく必要がある。</p>

<p>　その中で、ひとつの理想型を大久保に見た。ブンデスに移籍したが、彼のデビュー戦で見せた７０メートル近く走ってチャンスメークした走力に、日本人選手の可能性を見た。できるんだ、日本人にもと、強く感じた。たとえ速攻でも、あの走力なら大久保のようにゴール前に顔を出せる。それができるのなら、ユーロを制したスペインのように戦える。</p>

<p>　ボルフスブルクのマガト監督のもと、大久保はフィットネスを鍛えていると新聞で読んだ。強化した走力が、あのすばらしい動きを生んだのだから、これは大きな成果だ。いい時期にブンデスに行ったと、つくづく感じた。</p>

<p>　岡田ジャパンは出来上がりつつある。ホームで２試合引き分けという事実はあるが、カタール、オーストラリアと２試合連続無失点の結果も見逃せない。これは岡田監督が目指す守備への意識の高まりがあって、初めて成し得たことだ。確実に守るという点では、岡田サッカーの形が見え、それがＷ杯最終予選でも発揮されたということだ。連動した守備はこれからも崩さないでもらいたい。</p>

<p>　３月２８日のバーレーン戦は、最終予選のホーム３試合目になる。勝てば、Ｗ杯本戦への道ははっきり見えてくる。バーレーンは勝ち点４で、３位グループにあるから、バーレーンをたたき、６月のカタール戦（ホーム）をものにすれば予選突破が決まる。だが、今度は「必勝」だ。引き分けもだめだ。勝利しかない。言い訳はいらない。手抜かりなく万全の準備をし、必勝のピッチに立ってもらいたい。</p>]]>
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<title>売り上げをアイスホッケー援助に</title>
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<modified>2009-01-19T08:15:05Z</modified>
<issued>2009-01-06T23:00:00Z</issued>
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<summary type="text/plain">　日本のスポーツ界にとって、２００９年は本当に大切な年になる。野球ではＷＢＣ（ワ...</summary>
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<email>terus@syun.co.jp</email>
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<![CDATA[<p>　日本のスポーツ界にとって、２００９年は本当に大切な年になる。野球ではＷＢＣ（ワールドベースボールクラシック）があり、サッカーではＷ杯本戦に出場できるかどうかが決まる。何より、１０月には東京が立候補している１６年の夏季五輪開催都市が決まる。この五輪招致での戦いが、金融危機を発端にした不況、不景気という負の連鎖への確かなくさびになると信じている。</p>]]>
<![CDATA[<p>　暗い世相に国民の気力はなえかけている。しかし、私たちにはスポーツ、そして芸術がある。人を励まし、奮い立たせるのがスポーツだ。こういう時こそ、私たちスポーツ界の担い手が底力を発揮しなければ。０２年日韓Ｗ杯開催が決まった時、スタジアム建設などインフラ整備に莫大（ばくだい）な費用がかかると批判を浴びた。それが、いったん始まれば、有形無形の財産が日本国民の心にもたらされた。</p>

<p>　こんな話もある。各国サポーターがバスの乗り方にとまどっていると、地元の人がさりげなく自分の小銭を運賃箱に入れてやったり、コインランドリーで列をつくっていると「私がうちでやってあげるから」と声をかけたり。そういうのがいっぱいあった。</p>

<p>　各国代表チームも地元の人々と心の交流をした。平塚ではナイジェリアの選手が知的障害者の施設を慰問している。中でも心に残るのは、パラグアイのＧＫチラベルトが、長野の松本で小児がんの子どもたちへ衷心からの祈りをささげ、子どもの両親が感激のあまり涙したことだ。カメルーンと中津江村（０５年３月に日田市に編入）の交流は有名になったが、表には出なくても、そんな話が日本中にあふれていた。</p>

<p>　各国サポーターは母国チームの敗戦にもすさんだ気持ちにならず、フーリガン予備軍の暴走は未然に防がれたわけだが、これまでこうしたケースは非常に珍しかった。サッカー関係者、各国要人も、そうした独特のムードを醸し出す日本の国民性に深く驚き、それぞれの国で日本の良さを広めてくれた。</p>

<p>　スタジアム建設、道路整備など、経済効果の側面もあるが、一番の恩恵は開催国の人々の心が豊かになることだ。自国の素晴らしさを、他国とのふれあいによって再認識できる。何十億、何百億という費用をかけてもできないことだ。それが、スポーツがもたらす最大のパワーであって、そのチャンスに挑まないでどうすると、そういう気概で年初を迎えた。</p>

<p>　昨年末、アイスホッケー界を長年にわたってけん引してきた西武が廃部を決断し、大きな波紋を呼んだ。私にとってもショックな出来事だった。これはアイスホッケー界だけではなく、スポーツ全体の危機としてとらえるべき問題だ。今の高校生、中学生が抱く冬季五輪への夢を絶対に消してはならない。この状況をただ憂えるだけでは何の解決にもならない。皆の問題として救うことを考えなければ。</p>

<p>　私はひとつの打開策として、ｔｏｔｏの売り上げからの財政援助出動を提案したい。</p>

<p>　アイスホッケー界の苦境は、財政援助によって打開できる可能性がある。そういうｔｏｔｏのあり方も、初めてやってみる値打ちはあるのではないか。真剣に議論、検討すべきと考えている。</p>

<p>　サッカーに目を向けても、円高不況の波を浴びている。中村俊輔だ。横浜マリノスが復帰へ向けて動いているが、親会社の日産は円高で苦しんでいる。だから、マリノスとしても思い切った手が打てないでいるが、この苦境にリスクを冒してこそ、真のクラブ経営者になれるんだと、私は強く言いたい。</p>

<p>　今が旬の、日本を代表するスーパースターだ。彼がマリノスに戻ってくれば、間違いなく観客動員は増える。私だって俊輔を見たい。確かに今の彼を復帰させるには資金が必要になる。まず先に投資をすることになり、経営者としてはこのご時世に大きな決断が必要になるだろう。だからこそ、この機を逃さないでもらいたい。英知を振り絞り、何とか少しでも早く、彼のワールドクラスのプレーを、Ｊリーグのサポーターに見せてやってもらいたい。</p>

<p>　嵐に遭遇した時、静かにじっとやり過ごす。それは生き抜く上で大切なことだが、もっと大切なのは嵐の最中にあって次への準備をできるかどうかにある。先を読み、嵐で被った打撃の何を優先して回復させ、どうリカバリーしていくか。その道を指し示すことが、これからのトップには求められていく。先見性と決断力だ。</p>

<p>　我々はもう不況という嵐のさなかにある。苦しい、確かにつらいことばかりだ。それでも、勝算を見極め、次の一手への心構えを持たなければいけない。決断と飛躍。09年は、素晴らしい未来への大切な３６５日になると信じ、みんなで進んでいきたい。</p>]]>
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<title>闘莉王オウンゴールに「ナイスシュート」</title>
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<modified>2009-01-19T08:11:33Z</modified>
<issued>2008-12-02T23:00:00Z</issued>
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<summary type="text/plain">　０６年のＷ杯ドイツ大会の惨敗から、ずっと日本サッカー界にたれこめてきたもやが晴...</summary>
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<name>admin</name>

<email>terus@syun.co.jp</email>
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<![CDATA[<p>　０６年のＷ杯ドイツ大会の惨敗から、ずっと日本サッカー界にたれこめてきたもやが晴れた。１１月１９日のカタール戦での日本代表の３―０勝利が何もかも吹きとばした。明るい未来が見えてくるサッカーだった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　何よりも値打ちがあったのは、最後まで自分たちのサッカーをやりきったところにある。９０分動き続けた走力はもちろん、日本が逆襲をかけた時も、ほとんどの場面で敵陣のゴール前に日本の選手が４人はいた。これまでは１、２人だったのに。まるで今年のユーロを制覇したスペインのようだった。</p>

<p>　私は１人、深夜の日本でテレビ観戦した。０６年Ｗ杯直前のドイツとの親善試合（５月３０日＝２－２引き分け）以来、オシムジャパンも含めて、最高の試合だった。勝利を確認し仮眠後、３度、試合を見直した。内容があり、結果も伴う試合だった。</p>

<p>　Ｗ杯本戦出場を決めるぐらいの重要な試合だった。負けていれば、大変な負担を抱えて年を越さねばならなかった。もちろん、日本協会の犬飼会長は敗れたとしても岡田監督の続投を決めていたし、私も同じ思いだった。ただ、それとは別に監督周辺でざわざわした空気が起こりえただろうし、確実に重圧になっただろう。</p>

<p>　過去にもＷ杯予選で何度も正念場を経験していたからこそ、カタール戦を前に、いろんな思いが頭をよぎり、頭痛を抱えた。薬を飲み、ペットボトルの水を５本そばに置き、気持ちを落ち着かせた。</p>

<p>　Ｗ杯アジア最終予選の初戦はアウェーでのバーレーン戦（９月６日）だった。この時、日本は後半４０分に３点目を奪い３－０から、まさかの２失点で浮足立った。気持ちで守りに入った時、サッカーではどんなことでも起こりうる。それを学んだ選手は、カタール戦で最後まで連動していた。あの２失点の恐ろしさが、身に染みていた。</p>

<p>　もうひとつ、私は日本代表に新しい息吹を感じていた。これは犬飼会長に聞いたエピソードだが、あのバーレーン戦で、闘莉王がオウンゴールを与え１点差に迫られた時、即座に中村俊輔が闘莉王へ「ナイスシュート」と声をかけていたそうだ。その言葉に闘莉王は一瞬にして気が楽になり、気持ちを切り替えたと聞いた。</p>

<p>　オウンゴールした味方に「ナイスシュート」なんて言葉は普通では考えられない。だが、ただでさえ周囲から白い目で見られている時に、俊輔は絶妙のタイミングで、闘莉王のなえかけていた気持ちに勇気を与えた。</p>

<p>　ヒデ（中田英寿氏）がいたころ、俊輔はそういうタイプではなかった。自分のことに専念していた印象がある。大黒柱のヒデ、宮本らが去ってチームが生まれ変わり、俊輔は自分の言葉で仲間を助け、励ますようになったということだ。新生日本代表のムードをとても感慨深く見ている。</p>

<p>　実は、ホームで引き分けたウズベキスタン戦（１０月１５日）後、私はＦＷ玉田を酷評した。本気でボールを取ろうとしていないと、激しくマスコミを通じて叱責（しっせき）した。カタール戦での２点目の弾丸シュートも見事だったが、試合序盤から本気でボールを奪いに行く姿勢に心打たれた。批判を跳ね返そうと全力でファイトした気迫が、本当にうれしかった。</p>

<p>　代表がカタールから帰国した日、私は岡田監督に祝福の電話を入れた。しきりに謙遜（けんそん）する彼に、私は「右肩上がりで行くものじゃないから、一喜一憂しないように」と伝えた。次も同じ内容をと、期待してはいけない。サッカーとは階段状のように、少しずつ進歩していくものだ。</p>

<p>　もし、カタールに負けていたら、Ｊリーグの優勝争いも、入れ替え戦も、天皇杯も、国内のサッカー熱が、ただのコップの中の嵐になりかねなかった。この快勝によって、すべては杞憂（きゆう）に終わった。</p>]]>
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<title>２０００年の歴史に圧倒、感動　</title>
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<summary type="text/plain">　日本には世界に誇れるすばらしい文化がある。サッカー界は世界基準で動くが、先日朝...</summary>
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<![CDATA[<p>　日本には世界に誇れるすばらしい文化がある。サッカー界は世界基準で動くが、先日朝げいこを見学した大相撲には古い伝統、しきたりがあり、その中にも合理的で学ぶべき点が非常に多かった。夏場以降の激動の角界内部で何が起きているのか興味があったが、実際に目の当たりにした光景は、裸一貫の青年が命がけで泥にまみれた姿だった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　本当に驚いた。度肝を抜かれたね。あの狭い土俵の中で、至近距離から全力で頭からぶつかり合う。ゴツーンという音が、振動となり、上がり座敷の私の元に伝わってくる。脳振とうにならないのか、よく続けられるなと、ひたすら驚嘆して見ていた。</p>

<p>　お邪魔したのは、貴乃花部屋だった。サッカー通の親方とは懇意にしており、ＪＦＡアカデミーの生徒がお世話になる機（１０月１２日の体験入門）に見学させていただいた。必死な力士を前に親方は厳しかった。「その一押しに生活がかかっているんだろ！　お前には」「それで全力か！」。叱責（しっせき）の一言一言が胸に響いた。</p>

<p>　以前、若い力士が相撲部屋を夜逃げすると知るたびに私は「とんでもないことだ」と思っていた。が、あの姿を見ていたら夜逃げするのも分かる。それほど激しい。あれに耐えていけるのは相当に意志の強い子供だよ。</p>

<p>　力士の足腰は強靱（きょうじん）だが、それはまた割り、しこといった古来からのやり方で鍛えたものだ。サッカー界でもブラジルなどの南米の選手は、足の裏の靱帯（じんたい）が日本人よりかなり太く、バランス感覚が違うと言われている。ヒデ（中田英寿氏）が相手のチャージにも倒れなかったのは、倒れることは恥だ、との精神的な面が大きかったが、日本人も相撲古来の鍛錬方法で、強い足腰を培うのは可能だと気づかされた。</p>

<p>　あのまた割りも１年で会得できるそうだ。力士たちが身につけたあの柔軟性、しなやかで強い下半身をサッカーの選手が身につけられたら、プレーの幅が広がることは間違いない。力士たちの持つ知識、ノウハウは、スポーツ選手の足腰強化の手段として、広く通用する。</p>

<p>　今、貴乃花親方はモンゴルからの子供を受け入れ、鍛錬をはじめている。外国人力士が増えたことで相撲界が荒れた、乱れたと言われる現状に、親方がしっかり指導、教育すれば立派な力士、関取、社会人になることを、貴乃花親方が実践してみせようとしている。その子は両親を亡くしていると聞く。逆境を抱えた子供と向き合い、理想へ突き進む親方の心意気に、私は大いにエールを送りたい。</p>

<p>　相撲界２０００年の歴史には素直に感動した。相撲界の底力を感じ、日本人がはぐくんできた文化に誇りを持ったよ。</p>]]>
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<title>私ならノムさん王さん選んじゃいけないよ</title>
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<summary type="text/plain">　７月に日本サッカー協会会長を退任し、名誉会長に就任した川淵三郎キャプテン（７１...</summary>
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<![CDATA[<p>　７月に日本サッカー協会会長を退任し、名誉会長に就任した川淵三郎キャプテン（７１）が日刊スポーツ紙上で、月１回ペースでコラムを執筆します。強力なリーダーシップで激動のサッカー界をけん引してきたキャプテンならではの感性で、昨今の話題について切り込みます。第１回は、国民的関心事になっている来年３月開催のワールドベースボールクラシック（ＷＢＣ）監督人事。サッカー日本代表監督の人選にかかわってきた経験などから、持論を展開します。</p>]]>
<![CDATA[<p>　ＷＢＣの監督人事は野球ファンに限らず、国民のみなさんが高い関心を寄せておられる。僕にとっても、どうやって選ぶのか、誰を選ぶのか、非常に気になるところだ。そもそも、前回大会よりいい成績を望むのは非常に難しいでしょう。だって、前回は優勝ですからね。今回は米国もかなり本気で来る。国民、野球ファンは、今度優勝するのは本当に大変なことだと思って見てあげないと。</p>

<p>　選考で大切なのは、プロセスをオープンにし、どうしてその監督になったのか明確な理由を示すことだろう。どうしても渡辺さん（巨人渡辺恒雄会長）の発言に注目が集まるが、渡辺さんの発言はＷＢＣそのものへのＰＲ効果を意識したもの。広く世間に関心を持たせる意味では、渡辺さんの発言は大きい、というぐらいの認識でいいんだ。渡辺さんはプロ野球組織の中心ではないのだから。</p>

<p>　今は加藤コミッショナー（加藤良三＝日本プロ野球組織の第１２代コミッショナー・前駐米大使）に一任されている。加藤さんは野球のことをよく理解されているだろうし、高い見識をもって判断を下してくれるだろう。代表監督の重要な資質は求心力、それにカリスマ性ということになる。「この監督のために」というのが一番大事。そして相手チームの分析力。情報を把握、分析し自分の口で選手に説得力を持って伝える能力だな。「ここでバントのサインかよ」と言われてしまう監督ではダメだ。</p>

<p>　私なら、（楽天の）野村監督だね。あの人に分析力でかなう人はいない。野村監督は「こうだからこうした」と説明できるでしょ。負けたとしても、言い訳じゃなく解説できる。落合監督も能力はあると思うが、あまり発言しないから分からない。バレンタイン監督もいい。ただ、野村監督は数多くの修羅場をくぐっているでしょ。唯一の不安は年を取っていることぐらいかな。でも、それは全然問題にならない。だって、（監督が自分で）走るなら問題あるけど、頭は走ってるから大丈夫。ここが大事なんだ。</p>

<p>　代表監督というのは、短期間でチームをまとめることが求められる。チームの和を乱すことがあれば、時として主力選手でも外す決断が必要だ。仮にそうなっても、野村監督ならトップ選手を集めて、その前で「いらないよ」と言える。サッカーでも野球でも、強いチームにするには１つにまとめなくてはいけない。代表監督なら、その責任はなおさらだ。そういう時に、（所属球団やクラブから）借りてきたのに出さないと批判を浴びるとか、けがさせたら申し訳ないとか、いろんな事情が出てくる。</p>

<p>　サッカーでは多くの監督が経験しているけど、野球の監督で経験している人はほとんどいない。だから、野球の監督が代表監督として日の丸を背負うと体をこわすことだってある。今回はね、王さんは選んじゃいけないよ。どれだけプレッシャーがかかるか。もう本当にぶっ倒れちゃうよ。命さえ奪いかねない。</p>

<p>　日の丸を背負って戦うことがどれだけ大変なことか。ただ単に「スター選手を集めましたが負けました」ではダメなんだ。だから、イチローが前回、韓国戦を前にして言ったでしょ。「向こう３０年、日本には勝てないなと思わせる勝ち方をしたい」。あんなこと普通言えないよね。ああいうことを言う人とは思わないよね。びっくりした、僕も。それほど勝ちたいんだと思っていると、一番わかりやすい言葉だった。チーム全体を鼓舞し、自分自身を鼓舞しているんだ。「オレがやってやるぞ、みんなついて来い、一緒に戦うぞ」ってことだから。</p>

<p>　ヒデ（元日本代表ＭＦ中田英寿氏）もサッカー界では抜きんでた実績を積んだが、あそこまでは言えなかった。それだけイチローの持っていた人間としての魅力、ＷＢＣにかける思いが、チームを団結させた。それから宮本（ヤクルト）のような、チームワークには欠かせない選手が絶対に必要なように、チームが熟成されるには、そういうところも見ないといけない。監督にはそういう観察力もないとね。</p>

<p>　勝敗の結果として直接的に責任を負うのは監督だが、コミッショナーが一番大きな責任を負う。選んだ監督をどんなことがあっても守り抜く、そう思える人間を選ばないと。権限がないとか、泣き言を言わずに、なければマスコミを通じて、権限が与えられるよう問題提起をすればいいんだ。加藤さんは世界を知っているわけだから、前例踏襲じゃないだろうし、説明責任を負っていることも知っているはず。加藤コミッショナーには期待したいと思う。</p>]]>
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