このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > サッカー > 日本代表 > アジア杯2007 > コラム一覧 > 海島健コラム > 個別記事


アジア杯2007特集

アジア杯特集のメニュー

海島健「アラーの国のフットボール」

アラブ勢に降り注ぐ東南アジアの涙雨

2007年7月10日

開幕戦のタイーイラク、試合前からの雨はタイに味方した?(撮影・海島健)
開幕戦のタイーイラク、試合前からの雨はタイに味方した?(撮影・海島健)

 ついにアジア杯が開幕、筆者もバンコクで開幕戦タイ-イラク(7月7日)とオーストラリア-オマーン(7月8日)をスタジアム観戦した。開幕前にバンコク入りしたのはタイ-カタールの親善試合(6月30日と7月2日)を観戦するためだった。実は筆者はタイに2年ほど在住した経験があり、雨季とはどういうものか分かっているつもりだが、それにしても今回、スタジアムで見た試合がことごとくスコールの影響を強く受けているのを見て、「雨」が今大会のキーワードになるであろうことを強く感じさせられた。

 開幕戦のタイ-イラク。試合前に大雨になり、ゲーム中も雨がまったく止まず、これはイラクにとってはかなりのディスアドバンテージであった。開始早々に与えたPKも滑りやすいピッチ上でかなりパニック状態になってのものだったし、イラクのGKもシュートを止めにいって滑りやすいボールをファンブルしたり、イラクの選手が放つシュートもまともに飛ばないといったケースを見かけた。

 一方のタイはまさに水を得た魚といった感じで、こういったシチュエーションになれているところを見せつけた。
 地元タイは強豪イラク相手のドローとあって、試合後のタイサポーターはまるで勝ったかのようなお祭り騒ぎだった。翌8日のタイの英字紙(ネーション)も、(名誉は両チームに、タイは貴重な勝ち点をイラクから得た)との見出しでタイ代表の健闘をたたえた。この喜びの背景には前回2004年中国大会で勝ち点0(得点1失点9)で1次リーグ最下位に沈み、その後のドイツW杯予選も1次リーグ2勝1分け3敗の勝ち点7に終わり3位で敗退とさんざんで、(タイサッカーの暗黒時代)と酷評された時期があったためのようだ。

 とにかく、タイはこの時期雨季であり、今年はちゃんと雨季らしく夕方から夜にかけて連日のように雨が、時にはスコールが降っているが、これが各チーム、特に中東アラブ勢に及ぼす影響は大きそうであることをバンコク滞在中に認識させられた。雨の中でのゲームをたくさんこなしている国と、雨のゲームが原則として考えられない国との対戦では顕著な差が出てきそうだ。雨の頻度と強さでおおまかに出場国をランク分けしてみよう。

(1)多雨スコール地区-地元東南アジア勢はこれ
(2)降雨での経験もある地区-東アジア勢やオーストラリア
(3)雨中のゲームが普段はほとんどない地区-今回出場の中東アラブ勢
 ※ペルシャのイランに関して除いたのは、全体的に乾燥系であることはあるのだが、筆者のテヘランでの経験では雨が降ったり雪が降ったりしているので(2)と(3)の中間くらいだろうと思ったから。

 大会2戦目のオーストラリア-オマーンが行われた8日は朝から晴れ上がり、そのままキックオフを迎えた。W杯ドイツ大会ベスト16の豪州を相手に互角に戦うオマーン代表の姿は皆さんもテレビで見たことだろう。攻めに転じた時のスピードの速さ、パスの受け手のポジショニングの良さ、相手のパスコースを的確に読んで攻撃の芽をつむ巧みさ、GKアルハブシの好守、リードした時に選手が倒れこんで時間稼ぎ(笑)と、オマーンサッカーのすべてを出したいいゲーム展開だった。さらに驚いたのは前線のキーマンであるバデールアルマイマニ(8番)とエースFWアルフセイニー(20番)を交代させた後もオマーンの攻撃が機能し続け、豪州ゴールを脅かし続け選手層の厚さも見せたことである。

 後半15分過ぎに1点リードのままゲームが進む中、筆者が願っていたのはただ1つ。近くに立ち込めている雨雲が雨を降らせるのは試合終了後にしてほしいと。だが、後半23分あたりから激しく降ってきてしまった。これが影響したのか、流れは次第に豪州に傾き、そして終了間際に失点して、大金星を逃した(勝ち点1を取ったのは立派だが)。もちろん雨だけが原因ではないだろうが、少なからぬ影響をオマーン側に与えたことは間違いないだろうと考えている。

 タイ在住経験のある筆者でも、雨にびしょ濡れになりながらのサッカー観戦など考えられないし「ちょっとわびしい感じだな」と、かなり抵抗感があり、自身の肉体もかなり湾岸ラクダ化しているのをあらためて感じさせられた。見ているだけでこうなのだから、湾岸で生まれ育った選手がピッチでずぶ濡れになることは、技術的な問題を含めて、心身への影響は無視できないのではないだろうか。

 今大会を通じて、特に中東アラブ勢にとって、試合中や試合前に雨が降るかどうか、どのくらい激しいのかは死活問題になりそう。大敗した時や勝利を逃した時のエクスキューズとして「雨」がアラビア語紙に何回も出てきそうだ。

 次回からはタイより他の主催国へ移動し、そこのグループの現地報告を中心にリポートいたします。どこへ行くかは、リポートを見てからのお楽しみ、ということで。

トラックバック

コメント

すごいっすね。

>1次リーグ初戦のドンデンがえしがありそうなものは、やばい順に
>① UAE-ベトナム
>② バーレーンーインドネシア
>③ 日本ーカタール
>④ オーストラリアーオマーン

①、②が右の勝ち、③、④がドロー。すごすぎ。

投稿者:aaa|2007年7月10日 21:32

aaaさん

コメントありがとうございます。
さすがに今日(10日)は悲しかったです。
「わが」バーレーン、地元インドネシアに飲み込まれましたので。
まさに、「あああ~~~~~」でした。

投稿者:海島健|2007年7月11日 00:11

コメント投稿(承認後に公開されます)



このページの先頭へ