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アジア杯2007特集

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海島健「アラーの国のフットボール」

日本とは違う湾岸式サッカー観戦法

2007年7月 6日

アジア杯開幕前に行われた親善試合タイ-カタールで盛り上がるサポーター(撮影・海島健)
アジア杯開幕前に行われた親善試合タイ-カタールで盛り上がるサポーター(撮影・海島健)

 今回は湾岸世界からはアジアサッカー界がよく見えるということと、こちらの人がどのようにこの大会を楽しんでいるかを紹介してみたい。

 まず、中東サッカー関連の以下の質問に答えてみてほしい。多少マニアックなものもあるがご容赦いただきたい。

(1) 日本が1次リーグで対戦するアラブの国はどこか。
(2) 前回の2004年中国大会の全6試合で日本が対戦したアラブの国はどこか
(3) 今回出場する湾岸(GCCは全6カ国です)の国は何カ国か
 ※GCC…湾岸協力会議のことでGulf Cooperation Councilの略。中東地域における軍事・経済・文化などの地域協力機構。
(4) 今回出場するアラブの国は何カ国
(5) 今回出場する中東の国は何カ国
(6) (4)のアラブの国々はそれぞれどこの組に入っているか

 湾岸人のサッカーファンなら、スラスラ出てくるものが多いのだが<(2)と(6)が微妙かもしれない>いかがだろうか。答は以下に。

(1) カタールとUAE
(2) オマーン(1次リーグ初戦)、ヨルダン(準々決勝)、バーレーン(準決勝)は出てきたでしょう。ちなみに1次リーグ最終戦で対戦したイランはアラブ系ではなくペルシャ系なのでここには入らない。
(3) クウェート以外の5カ国(バーレーン、サウジアラビア、カタール、UAE、オマーン)。アジア杯予選の6戦目でバーレーンがクウェートを蹴落として出場権を獲得した。
(4) これは(3)の国々にイラクを足せばいいので、6カ国。イラクは非GCC諸国だが、近年になって拡大されたガルフ杯には出ている。前回の中国大会で日本を苦しめたヨルダンなどのいわゆるレバシリ諸国は今回出場権利を獲得できなかった。
(5) これは(4)の国々にペルシャ系のイランを足すので7カ国。

 さて(6)だが、アラブ6カ国のグループへの分かれ方も比較的きれいに分かれている。A組-イラクとオマーン、B組-UAEとカタール、C組-アラブはなし(ただし中東ペルシャのイランはここ)、D組-サウジアラビアとバーレーン(中国のアジア杯では1次リーグで韓国がヨルダン、クウェート、UAEとアラブ3カ国に囲まれていたが、今回はそういったことはない)。しかもどのグループもアラブ決戦が1次リーグ最終戦で、色々な意味で盛り上がること間違いなし。

 湾岸サッカーファンの典型的なアジア杯の観戦ぶりはこんな感じだ。バーレーン人を例にとれば、まず自国(バーレーン)を熱心に応援しつつ同組で、3戦目に当たるサウジアラビアの戦いぶりもじっくり見る。他の組にいる義兄弟とも言えるGCCのカタール、UAE、オマーンとアラブつながりの強豪イラクも気にかけチラチラ見る。宿命のライバル、イランも複雑な心境で注目してしまう。これらの中東諸国と激しい戦いを繰り広げる東アジアの日本、韓国、中国の各代表を見る機会も2~3回は出てくるといった具合なので、東アジア各国のキープレーヤーやその試合の得点者の名前も頭に入ってしまう。

 バーレーンサッカーファンの一部が、日本代表の中田英寿氏(引退してもインプットからは消えない)や川口、高原のみならず、前回の中国大会準決勝で後半終了間際に同点ゴールを決めた中沢や、延長前半にバーレーンDFを3人振り切って勝ち越しゴールを奪った(憎き)玉田まで知っていたりするのは、こういった事情が大きいのだろう。

 今回のアジア杯は中東がらみでないカードはそんなにないので、湾岸のファンはかなり忙しいサッカー観戦と言うか、ほとんどすべてのゲームをズルズル見てしまう可能性が高い。

 つまり、湾岸のサッカーファンはアジア杯では、自国の応援をするのみではなく普段はライバルであるアラブ他国にわりと関心を持ち、ちょっとした声援を送ってみるといったことがかなり自然にできているということだ。これがさらに東アジア諸国観察にまでつながるのであり、アジアサッカー界全体を見渡しやすくもなるのだ。

 筆者もバーレーン在住10年でずいぶん彼らの影響をうけているが、この点はひとつの恩恵を受けているとおもっている。こういった形で観戦すると自国のみに関心を持った場合よりずっとアジア杯を楽しめることを発見したのである。

 2006ドイツW杯出場の5カ国(日本、韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリア)が強くて注目を集めるのはまちがいないが、筆者は今大会も湾岸の小国が中国大会でのバーレーンのように大活躍するだろうと固く信じている1人だ。独断と偏見で危険度をランキングすると、ヤバい順に
(1)オマーン
(2)カタール
(3)バーレーン
(4)UAE

 と予想している。これらの国がサッカー大国を相手にどんな戦いをするのか、その行方もワクワクして見守ることにしよう。

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hummer kingston new york

news

送信元:hummer kingston new york|2007年9月 3日

コメント

ガルフ杯優勝のUAEがヤバい順位で4位なのはなぜですか?主力が何人も怪我したからですかね?

投稿者:デルピ|2007年7月 6日 23:33

なるほど、そういう意識も持てるのですね中東の人々は。個人的には準決勝でオーストラリアとあたって決勝で韓国に勝ちたいです(笑)。

投稿者:おもしろいですね|2007年7月 7日 00:15

大変面白く読ませていただきました。今大会の危険度ランキングでオマーンが一位の理由は?

投稿者:まゆみ|2007年7月 7日 03:14

湾岸と言うと絶え間ない紛争を悲しいかな連想してしまいます。
もし、彼等から国情不安が無くなった時、極東アジアは震撼すると思います。
是非、その要素もまじえて続きをお聞きかせ下さい。

投稿者:酔うとクライフ|2007年7月 7日 09:46

デルビさんへ

UAEを4位にした理由は、このチームはエースのイスマイルマタルへの依存度が極端に高いことがまずあげられます。
ガルフ杯でのUAE全得点8点中5点をたたき出しています。このマタルともう一人のエースハリルの周辺がゴールのにおいが
強いのですが、あまりにかたよりすぎており、対戦国は研究しやすいのではないでしょうか。日本のグループでベトナムに足をすくわれる可能性が一番高いのもこのチームだとかんがえています。いずれにせよ、マタルは湾岸きってのストライカーであり、マタルをみるためにUAEの試合を見る価値はあるとはおもいます。(やばい)ことはどの4チームにも当てはまりますが、あえて順位をつけてみました。

投稿者:海島健|2007年7月 7日 14:38

まゆみさんへ

基本的にはガルフ杯での戦いぶりからのランキングです。
オマーンのガルフ杯1次リーグでの力強さは鮮烈な印象として残っていますし、
ガルフ杯準決勝バーレーン戦でのしたたかさもまいりました。
ガルフ杯のタイトルをのがしたことで今回のアジア杯にくやしさをぶつけてくるとも思います。
04中国大会は1次リーグ敗退などでまだまだ他国からあまりマークされていないのも強みかも。
その点バーレーンはいろいろ厳しいですよね。

1次リーグ初戦のドンデンがえしがありそうなものは、やばい順に
① UAE-ベトナム
② バーレーンーインドネシア
③ 日本ーカタール
④ オーストラリアーオマーン
いずれも左側に格上と一般に考えられそうなチームをおきました。
戦国アジアを期待しつつ不安もあります。

投稿者:海島健|2007年7月 7日 15:05

日本は、今まで中東の国々と何度も名勝負を演じてきましたね。ここに来てカタールが強いといわれていますが、頭がオーストラリアに向いていたので、改めてカタールやオマーンを警戒しなければいけないようですね。ところでエメルソンは今大会に出場しないのですか。彼の成長振りを見たかったのですが。韓国や中国はどうなのでしょう。兎に角、日本に三連覇を成し遂げてもらいたいものです。頑張れニッポン!!!

投稿者:ヴァンフォーレン|2007年7月 7日 17:11

はじめまして、海島さん、ひろかずです。中東の国のサッカースタイルは、大きく3通りあると思います。
1.イラン型 2.イラク型 3.サウジ型
1はフィジカルが強くてテクニックがある。2は日本に類似 3.堅守速攻でロングボールが多い。
それぞれ、嫌なタイプです。中東の殆どは3のスタイルだと思います。
なおかつ特有のずるさがある。まあ、中東の国はどことやっても苦戦するでしょう。楽には勝たせてくれません。
中東に勝つには、中盤をコンパクトにし、先取点を絶対にとられない。これだと思います。


投稿者:ひろかず|2007年7月 7日 17:23

イランとバーレーンは不仲だと聞いた事があります。
しかも、イランはアラブ系と違って欧州でプレーしている選手が結構いる。
文化的な面で色々と違ってくるものなのですね。

日本も、韓国や中国と友好的な交流があれば、そのような感じになるような気がするのですが、A3や東アジア選手権があってもなかなか交流が上手く行かないですね。

投稿者:ひさひと|2007年7月 7日 19:43

はじめまして。海島さんのコラムはいつも楽しみにしています。バーレーンからの情報なんてなかなか得られないですから、中東ファンの私としてはとても貴重です。オマーンの評価が高いようですが、名将マチャラ監督を解任してしまったので、私のオマーンへの期待はしぼんでしまいました。カタールのほうが期待大ですね。あとは非アラブですが、イランにはいつも大きな期待をかけています。豪州もアジアに加入したことだし、これで中東を含めたアジア全体のレベルが向上することになってくれれば最高です。

投稿者:たけ|2007年7月 8日 10:22

ヴァンフォーレンさんへ

カタール代表ですが、戦力ダウンした部分の穴埋めがうまくいっていないところがあります。
また機会を見て詳しく書きたいとおもいます。
カタール戦迫ってますね。

投稿者:海島健|2007年7月 8日 15:37

ひろかずさんへ

(特有のずるさ)といいますとまず思いうかべるのは倒れこんでの
時間稼ぎですが、こちらのアラブのひともあれにはいろいろなおもいが
あります。

ひさひとさんへ

東アジアがもめつづけるのは、日本、中国、韓国、北朝鮮のサッカーにとって全く利益になりませんし、
逆にこちら中東に利用される(されている)ことを東アジア各国はもっと認識しないと、アジアの実力差が少なくなっている
今こそ危機感が必要ではと感じます。

投稿者:海島健|2007年7月 8日 15:51

たけさんへ

(アジアレベルの向上を願う)、まさにそのとおりですよね。
中東勢はアジア杯などではタイトルをあらそうライバルですが、W杯や五輪本戦に出場した際は
あきらかにアジアの仲間です。
アジア同士がささえあうアジアサッカーの時代が到来することを切にねがっていますが、
やはりアジアレベルの向上がまずないと難しいとも感じています。

投稿者:海島健|2007年7月 8日 16:05

はじめまして。早速ですが、海島さんの予想が当たりましたね。オーストラリアに引き分けただけでも驚きなのに終了直前までリードとは…日本がもしB組1位で、オマーンがA組2位だった場合決勝トーナメント1回戦であたるわけですが、海島さん的にはこの試合どうなると思われますか?

投稿者:ひろき|2007年7月 8日 22:59

ベトナム2-0UAE
…どんでん返しずばり的中。お見事です。恐れ入りましたm(_ _)m

投稿者:うわー|2007年7月 8日 23:47

ベトナム対UAEの結果を見て、
海島さんの「ヤバイ」予想を本当にヤバく感じています。
特に…

③ 日本ーカタール

どんでん返しのヤバイ順が3位なのが、とても気になります。
海島さん、ひょっとして日本の予選リーグ敗退もあり得ると考えているのですか?
例えば、1勝1敗1分けで3チームが並んでの得失点差で、とか。

投稿者:ミスターシティ|2007年7月 9日 00:54

ミスターシティさん

カタール戦は今までになく厳しいものを予想しています。
過去ログのもありますように、カタールは準備万端かつ情報統制なのですから。
この1次リーグ、カタールが一番難しい相手。
準備期間のあまりにも少ない日本代表がこの試合みもふたもなく引き分け狙いで行くといった戦術をとっても
日本のサポーターはその姿勢を支持すべきでしょう。
そういった戦術のほうが結果としてカタール戦の勝ちを引き寄せる確率があがるのでは??
そして、たとえカタールにひどい負け方をしても希望を持ちつつけるべきでしょう。
予選リーグ敗退はなく2位通過をかんがえていますが、皆さんはどうですか??

投稿者:海島健|2007年7月 9日 01:24

カタールの応援団試合中コーランで応援していた
吃驚

投稿者:鰯|2007年7月10日 15:19

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