初戦の相手カタールは情報統制?
2007年6月30日

- 2000年10月、アジア杯レバノン大会予選でのカタール代表(撮影・浦部歩)
アジア杯開幕(7月7日)まで2週間ほどに迫った6月下旬、アジア各国は親善試合の時期に入った。こちら湾岸でも各国の試合が放送されており、マクハ(アラブ式喫茶店)でゲームを楽しんでいると「アジア杯もいよいよだな」という気分になる。ところが、肝心のチームのテレビ中継がない。アジア杯1次リーグで日本が初戦で対戦するカタールだ。6月7日からドイツで合宿に入り、19日にはガーナと対戦した。この試合はカタールの勝利に終わったという情報は入ったものの、テレビ中継はなく、相手のガーナ代表もA代表ではなく五輪代表だったらしい、と情報が錯綜している。バーレーンにいても正確な状況がなかなか把握できずもどかしい思いになる。
6月25日に首都ドーハで行われたトルクメニスタン戦もTV放送はなし。カタールにはサッカーを中心に扱うアルジャジーラスポーツとアルカスチャンネルというテレビ局が2つもあるのだが…。しかもこの自国の代表の試合を放送しないという現象は3月24日のイラン戦以来続いており、カタール側がある種の情報統制をしているのでは、と勘ぐりたくもなる。もちろん日本も関係者を派遣して現地視察などをしているのだろうが、まともなビデオの入手などが大変難しくなりそうだし、それこそがカタールの狙っていることなのかもしれない。
ちなみに日本が2戦目で対戦するUAEはどうか。21日のマレーシア戦では前半と後半で選手を全とっかえしながらも、フェイサルハリル、イスマイルマタルの両エースがゴールを決めて3-1と快勝。続く24日のサウジアラビア戦は2007年ガルフ杯準決勝(後半ロスタイムにイスマイルマタルがゴールを決めた劇的な試合)以来の対戦となったが、今回は完ぺきに押さえられ0-2で敗れた。この2試合はドバイスポーツなどでテレビ観戦が可能だった。早ければゲームの翌日には再放送もあるし、今後の代表の試合も放送予定に入っており、ウオッチャーにとってはありがたい限りだ。
UAEという湾岸諸国でも特に開かれた国であるという事情もあるのだろうが、それにしてもカタールの情報の少なさが気にかかる。
実際はどうなのかは分からないが、本当に情報統制が行われているとすれば、他国よりカタールは今回のアジア杯にかける意気込みがかなり強いことが理由にあるのは間違いない。つい最近、2011年のアジア杯のホスト国に立候補したのはカタールだけだったというニュースが流れたのはご存知の方も多いだろう。他に立候補がないのだから開催はほぼ決まりとも思われるが、7月29日の発表までは何が起こるか分からない。カタールが条件を満たさない場合は、再び立候補を募るとされており、アジア杯で1次リーグ敗退となれば心証は悪くなる。そう考えると国を挙げて今回のアジア杯に勝負をかけてくるのは容易に想像がつく。
そんなカタール人にすれば日本の動きも不気味に映るらしい。何しろ、代表としての試合は6月5日のコロンビア戦を最後に行っていないのだから、情報を入手しようにも入手しようがない。友人のカタール人のモハメッドさんは「『まだ国内(J)リーグやってます』って、ウソだろそれ。日本に限ってありえないよ。どっかで秘密裏に代表合宿やっているんじゃないの。分かっているさ、日本のやり方は!!」と言っていたが…。まあ、合宿はしてましたけどね。国内リーグの合間を縫う苦しいスケジュールの中、ケガ人だらけで。
モハメッドさんの疑いのまなざしに対し筆者は(自分たちが何かを隠しているから、相手もそうだと思い込むんだろう)という言葉が出かかったけど、胸に秘めておくことにした。日本人である私が何を言っても信じてはもらえませんからね。
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中東サッカーの記事、いつも読んでます。チュニジアの親日アナウンサーはその後もがんばってるんですかね。ワールドカップで一番面白かった記事でした。
投稿者:takkun|2007年7月 2日 19:37
なるほどなるほど・・・それぞれにお互いの動きを色々裏読みしているんですね~面白い。お国は違っても人間考える事って結構似てるのか、と思うと何となくアラブ諸国の人々も愛しいわ。続編楽しみにしてますよ!
投稿者:Mick|2007年7月 2日 22:10
コメントありがとうございます
takkunさん 親日アナウンサー追いかけていますが、おいそが氏なのでなかなかつかまりません。あまり深追いしますとまた怪しまれますし、、、、、
投稿者:海島健|2007年7月 3日 01:25
Mickさん
そうですね、腹のさぐりあいですが、あちらの探り方もおかしいですよね。
でももしかして、「実は日本は全くの準備不足で単純にやばいんだよね。日本に関しては深読みする必要なし。ハハハ。」なんていう会話がカタール人同士で交わされているのかもしれません。
投稿者:海島健|2007年7月 3日 01:38
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1965年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒、97年よりバーレーンに在住し、バーレーン大学で日本語の講師を務めている。98年バーレーンでのガルフ杯のころからバーレーン代表の試合を見続け、現在は中東サッカー全般をウオッチしている。
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