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      <title>アジア杯2007コラム</title>
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      <description>アジア杯2007特集のコラムです。</description>
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         <title>イラクに始まりイラクに終わった、さよならアジア杯</title>
         <description>　準決勝２試合を終えて日本と韓国がファイナル進出ならず、決勝戦のカードがイラク－サウジアラビアに決まった時、インドネシアのアジア杯開催責任者ヌグラハ氏は頭を抱えたという。ベスト４が出そろった段階でこの組み合わせが一番客が入りにくいものだと踏んでいたからである。インドネシアのマスコミには、このアラブ勢同士の決勝カードを「捨て札（使えないカード）である」との見出しも出たぐらいである。

　要は日本と韓国の少なくともどちらかが絡むカードがよかった、できれば日韓による決勝戦が最も望ましかったということのようだ。
　決勝戦の２日前の時点で売れたチケットは開催責任者側の発表によると収容人員１０万人のスタジアムで３万枚弱。サウジ応援団は「カテゴリー４」の５万ルピア（約７００円）のチケットを１万５０００枚購入。対するイラク側が買ったのは１００枚のみで、「カテゴリー１」の５０万ルピア（約７０００円）のものだという。あれ？　オイルマネーで金満なはずのサウジが何で安いチケットばかり買ってるの？　と思った人は多いだろう。この答は後で分かることになる。なお、１万枚は「ワールドスポーツグループ」という団体がプロモーションのために買ったということだ。

　たとえインドネシア人がこのプロモーションでやってきたとしても、地理的にも心理的にも距離のあるアラブ勢同士の対決に感情移入のしようもなさそうだし、当日のスタンドは客が少ないながらもチケットを１万５０００枚買ったサウジアラビアのホームと化すと予想されていた。

　だが、スタジアムについてみると意外と多くの客がつめかけていた。バックスタンドにはサウジアラビアのではなく、イラクの大応援団が陣取っていた。そしてゲーム前からなぜかイラクを肩入れしているインドネシア人が多いことに気づいた。ゲームが始まると「イーラク、イーラク！！」の大声援がイラク応援団はもとより、地元インドネシア人からもたくさん寄せられる。インドネシア人の７割から８割くらいはイラク寄りだろうか。

　後半２６分にＣＫをＹ・マハムードがヘッドを決めると、スタジアムのほとんどが喜んで興奮している。彼らをよく見てみるとサウジの小旗を振っているインドネシア人や（Ｉ　ｌｏｖｅ　Ｓａｕｄｉ　Ａｒａｂｉａ）と書かれたＴシャツを着ているインドネシア人も大喜びしているではないか。そしてこの後はこの雰囲気がスタジアム全体を包み込み、まるで参院選の民主党のように地滑り的にイラクの支持率も上がり、スタジアムは一方的に（イラク勝ってくれ）に近い応援風景となったのである。優勝決定後はほとんどのインドネシア人が「イーラーク」の絶叫に合わせて太鼓を打ちならし、歓喜するイラク人と一緒にお祭りを楽しんだ。

　ラテン的でお祭り好きなインドネシア人ではあるが、色々と分かりにくい。その答の一部が翌３０日のインドネシアの現地紙コンパスに載っていた。「サウジのお金でイラクを応援」とのタイトルで「決勝戦を見に来たインドネシア人はサウジが買ってくれたチケットを手に来場したが、スタジアムでは声を限りにイラクの応援をした」と報道。…そう、サウジアラビアが買った１万５０００枚のチケットは現地インドネシアの人に“プレゼント”するためのものだったのだ。コンパス紙側はこういったサポーターの行動を「恥知らず」と否定的だ。ところが“動員された”サポーターの１人は、インタビューに対して「だって、イラクがかわいそう。国はいろいろな問題を抱えているでしょう？　だから国民が喜ぶように優勝してほしかったんだ。サウジはもう何度も優勝しているし、お金持ちの国だから」と応じている。これはいかにもインドネシアっぽい受け答えで、思わず吹きだしてしまったが。

　サウジアラビアにすれば自腹を切って“サクラ”を集めたら、そろいもそろって“逆サクラ”になってしまい、その上、試合は負けて“サクラ散る”では「お前らいい加減にしろ！」とインドネシア人に八つ当たりしたくもなるだろう。湾岸戦争ではイラクからミサイルが飛んできたし、国際社会は金持ちには住みにくいところのようだ。

　インドネシア人の多くがイラクに同情的になる大きな理由の１つは、アジア杯の決勝トーナメントが進むにつれ、イラク国内の悲惨な状況に関するリポートが増え、サッカーの時だけはそういったものから解放されるといった報道が非常に多かったからでもある。

　たとえば「サッカーでイラクに平和が」のタイトルの記事の中でのバグダッド市民のコメントはこうだった。「試合中の２時間は違う世界にいるようだ。爆弾におびえることもなく、人間に戻ったよう。普段はカフェなどは爆弾テロの対象となるがゲーム中は違う（イラクでは電力の供給がうまくいかず、多くのイラク人はカフェで観戦している）。サッカーだけがスンニ派やシーア派、クルド人の枠をこえて国民を１つにできるのだ。」

　準決勝の韓国戦勝利の後の「国民、祝砲で祝う」の記事も紹介しておこう。「準々決勝ベトナム戦勝利の時に、すでに（祝砲の流れ弾で）３人の死者を出しているが、イラク国民はそれでも祝砲を空に向けて打ち上げ、メソポタミアのライオン流のやり方で勝利を祝った。警察、軍隊、反政府派などの立場の違いを越え、みんなで祝った。韓国戦の前日からこの祝砲のための燃料と弾丸を集めて準備していた。電気の供給がままならないため、自家発電でテレビを見るために２０リットルのガソリンを準備した者もいた。あるバグダッド市民は、（国の現実を見るとつらく悲しくなる。だからイラク代表にはどんどん国際試合に参加してもらい、われわれを楽しませてほしい）と言った」。

　インドネシア語に堪能でインドネシア事情に詳しいジャカルタ在住の久世つきこ氏によると「こういったドラマにインドネシア人は酔ったのかもしれない」と解説してくれた。

　もっとも下世話な理由もありそうだ。こちらのサッカーファンの一部には、１次リーグでのインドネシア－サウジアラビア戦の影響も無視できないと言っていた。このゲーム主審は同じ湾岸のＵＡＥの人が笛を吹いていたのだが、こちらの人にはかなり「サウジ寄り」の判定が多かったと見られていたようで、試合後（１－２でインドネシアの敗戦）はデモ騒ぎにまで発展している。ロスタイムに失点の惜敗だけにインドネシア人にちょっとした反サウジ感情が生まれていたのかもしれない。

　理由がどうであれ、インドネシアからは縁遠いように思われるアラブ両国の対決にやってきてお祭り騒ぎにしてしまうセンスが素晴らしいと思うが、いかがでしょうか（インドネシアにアジア杯＝サッカーを見に来たつもりが、いつの間にかインドネシア人ウオッチになってしまった）。

　思い返せば７月７日、バンコクでの開幕戦タイ－イラク（１－１引き分け）を雨の中で観戦した時、決勝戦の地ジャカルタで再びイラクを見るとは思ってもいなかった。今回はイラクに始まりイラクに終わった、イラクのためのアジア杯だったのかもしれない。</description>
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         <pubDate>Tue, 31 Jul 2007 01:57:15 +0900</pubDate>
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         <title>クアラルンプールの夜はアラブ人の宴</title>
         <description>　７月上旬から滞在していたジャカルタから２５日に一時的にマレーシアのクアラルンプールへ移動した。ジャカルタでは２２日の準々決勝（サウジアラビア－ウズベキスタン）のあと２９日の決勝まで試合がなく、クアラルンプールで日本－サウジアラビア（ハノイ）の前に組まれている、もう１つの準決勝イラク－韓国をスタジアムで見るためだ。

　インドネシアの格安航空会社ライオンエアー（この原油高の折、往復１２４ＵＳドル＝約１万４５００円）でクアラルンプールへ。隣に駐機しているのは今晩の日本と対戦相手国のフラッグキャリア、サウジアラビア航空だ。ボーディングブリッジから空港に入るとアバヤ（イスラム圏の女性が外出時に着用する全身を覆う黒い布）姿の女性をたくさん見かける。

　クアラルンプールでは最近はいつもアローストリート周辺（エリア名ブキッビンタン）に宿をとる。ショッピングセンター街と屋台街が隣り合わせにあり何かと非常に便利だからだ。荷物をといてこのブキッビンタンの繁華街に出てみると、いるわ、いるわ湾岸人。７月から９月の上旬にかけて、夏季休暇を比較的長い期間国外で取る湾岸人が多く、国際都市クアラルンプールは、その一大集結地と言えよう。あっちを向いてもこっちを見ても、アバヤを着た女性を連れて歩く湾岸男性が闊歩（かっぽ）している。なぜか男性は正装ソウブではなくＧパンといった普段着でアンバランスなのも興味深い。肌を露出しているアラブ系の女性はレバノン系や外国に居住しているイラク系などが主であろうか。

　ショッピングモールの合間にある喫茶店やレストランの多くは、こういったアラブ人観光客を当て込んだものが多く「ミドルイースト料理」「レバノン料理」「モロッコ料理」の看板がたちならび、そこかしこでシーシャ（水たばこ）をくゆらせるアラブ男を見かける。レストランのメニューもブリヤニ（炊き込みご飯。オリジナルはパキスタンらしい）やマッチブース（湾岸風の炊き込みご飯）、ケバブやクスクスといったアラブ料理が並ぶ。
　このエリアのアラブ人街化は年々進行しており、（バンコクやマニラと違ってきわめておしゃれに）他の東南アジアの国ではこれほどのものはないだろう。湾岸のＵＡＥドバイにはフィリピン人の店員が非常に多いのだが、それがマレーシア人（や出稼ぎインドネシア人）に変わっただけで、ドバイの光景を再現しているかのような街並ともいえる。

　極め付けはアラブ世界きってのレバノンの歌手、ナンシーアジュラムのコンサートが８月４日にあるというポスター。筆者もこのナンシーのコンサートにバーレーンで行ったことがあるが、彼女の人気は湾岸でも絶大で、バーレーン国外からも駆けつける人もいるほど。湾岸人にとって同じイスラム国家のマレーシア。物価も安くそれなりの質のいいサービスを受けられ、気候も快適な（湾岸の夏は４５度はあたりまえ）この地がいかに居心地がいいか分かるような気もする。

　さて、こんなことに深く考えている場合ではなく今日は準決勝２試合なのだ。
　まず、１戦目イラク－韓国はスタジアムへ。イラクのスターＦＷユーニスマフモッドの惜しいシュートも決まらず、延長戦に入る。両者とも決め手を欠き、このままいるとＰＫにまでもつれ込んで終了後の大混雑に巻き込まれると、日本－サウジアラビア戦を見逃すことになりそうなので、延長戦の途中で大歓声を後に市内へ向かう。

　電車を乗り継いで、ブキッビンタンに戻ると、サウジアラビア人を主にしているであろうアラブ人の人だかりを発見。ここはアラブ風マクハであり、紅茶や水タバコを片手に興奮する人々はまさしくアラブ世界だ。小さなテレビ画面を全員が見つめる。いつもとちょっと違うのはご主人と一緒に来たと思われる女性も同席していることで、国外で休暇中ならではの光景だ。

　立ち上がりボール支配率で圧倒する日本代表に「さすがは日本だ、今までの相手とは違う」とばかりに、いつになく神妙な表情でゲームを見つめるサウジの人々。前半３５分、ＦＷカフタニが決めると大歓声があがる。喜びもつかの間、中沢のヘッドが決まると大ブーイング。もちろんマレーシア人なりすましの筆者は爆発させたい喜びの感情を必死に封じ込めた。
　後半２分のマレック勝ち越し弾、同８分阿部の同点弾も同じパターンが繰り返される。同１２分に再びマレックが決め、２－３になり、盛り上がるアラブの人々。

　準々決勝がＰＫ勝ちで、準決勝が途中まで２－３！！　これは日本人にとってデジャビュではないのか？　結末は分かっている、相手がつまらない時間稼ぎを始め、ロスタイムに同点弾で延長で勝ち越しなのだ。中国大会バーレーン戦の再現に決まっている、とひそかにほくそえむ。

　残り時間５分を切ったあたりで、サウジのＧＫモサイレムがグローブを外す。一体グローブを外す理由というか、言い訳って何なのだろうか？　いつもは笑っていられる光景も、こと日本相手だといらだちを誘う。しかし、繰り返すがこれはデジャビュなのだ。最後に泣くのは、あのグローブを外したＧＫに決まっている。ロスタイムは５分。時間も十分でシナリオ通りではないか。サウジのドス・アンジョス監督も「５分はないよ」と言いたげな表情を見せ、マクハに集まった人々も神経を集中させる。

　１分、２分、３分。おかしい。こんなはずではない。時間が刻々とたっていく。４分を過ぎると、アラブ人たちは「ハラース、ハラース（アラビア語でもうお終いだ）」とわめき始める。うるさいぞ、お前ら！　と怒鳴りりたくなるが、そんなことをしたら「おい、お前日本人か？　いやあ、残念だったな、日本もいい試合をしたさ。あれ？　まだ試合終わってなかったっけ？」などと相手を優越感に浸らせる小道具にされるのがオチだ。そして、ゲームセット。アラブ軍団のお祭り騒ぎが始まると「マレーシア人」海島は静かにこの場を立ち去るしかなかった。日本が勝てば感情を押し殺して喜んだことも、ちょっと屈折した優越感に変わるのだが、負けたらそんな途中経過も単に屈辱的な出来事でしかない。

　宿に戻りいったんシャワーを浴びる。午前０時を回っていたが寝付けなさそうで外出して散歩をすることに。やはり、夜にはめっぽう強いアラブ人がいた。イラク国旗を身にまとった集団や、小さなサウジ国旗をはためかせて歩くサウジ人家族などが大騒ぎをしていた。慣れているはずの、そしていつもはニコニコして見ているアラブ人の騒ぎぶりがこの日は胸に突き刺さるような感じがする。

　日本が永遠にアジア杯王者でいられるはずがないと頭では分かってはいるんだけど。</description>
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         <pubDate>Fri, 27 Jul 2007 17:44:32 +0900</pubDate>
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         <title>ハノイの決戦を振り返る</title>
         <description>　ブックメーカーによれば事実上の決勝戦だったオーストラリア戦で何とかＷ杯の雪辱を果たした日本が準決勝に進出した。そして、サウジアラビアとの決戦はご承知のような結果（２－３）になった。日本は運よく７月７日の１次リーグ初戦のカタール戦から７月２５日の準決勝までハノイから移動することなくアジア杯を戦った。そういう意味でも、今回の日本にとってのアジア杯の全ては、ハノイの決戦であった。

　準々決勝のオーストラリアは昨年のＷ杯メンバーが１０名そろい、しかもビドゥカはイングランドのプレミアリーグ０６－０７シーズンで得点ランキング４位の、正真正銘のワールドクラスのＦＷ。そんなビドゥカを完全に抑え込んだＤＦ中沢の試合だったと言ってもいい。日本の組織プレー、特に守備ブロックは、オーストラリア戦で完璧に機能した。ほとんどが欧州で活躍する攻撃陣を中沢、阿部を中心に鈴木啓太と遠藤の両ボランチの上下動が封じきったからだ。

　確かに決勝点を獲れず、例によってＧＫ川口の神憑（がか）りに依存するＰＫ戦という危ない橋を渡らざるを得なかったが、オシム日本のベストゲームと言える試合だった。内容的にオーストラリアを完全に上回っていたのは、堅固な守備ブロックだけでなく、華麗なパスワークと共にボールを持たない選手の無駄走り（フリーランニング）が随所に見られ、多層的に攻撃の起点を作れたことだ。特に、巻の献身は筆舌に尽くしがたいものだった。

　にもかかわらず、そんな守備ブロックを持つ日本がサウジに“チンチン”にされるように３失点したのはなぜだろうか？　そもそもオシム日本は、アジア杯に限らず失点が多い。また、攻撃面でも特にサウジ戦ではミドルシュートの少なさ、ドリブルで仕掛ける選手の不在と、これまで指摘されてきた弱点が大きくクローズアップされることになった。

　サッカーの定石の最初の手は相手の長所を消すことだが、サウジのドス・アンジョス監督は見事にそれを達成した。日本代表は相当研究されていて、高原には徹底マークがつき、何も仕事をさせなかった。と同時に、ボランチからの組み立てが緩慢になる瞬間を衝かれ、日本のお家芸だった「華麗なパスワーク」が封じられ、徹底的な鈴木、遠藤へのフォアチェックも早く、中村憲剛を機能させないことで中村俊輔も孤立させた。つまり、日本の中枢神経が完全に分断されてしまったのだ。

　しかし、オシム監督もスピードとテクニックのあるサウジの２トップに対し、３バックで臨めばいいことぐらい承知の上で、敢えてベストの布陣でない４バックで対応し、１次リーグからの戦術、メンバー編成を貫いた。つまり、オシムは実にリスキーな、つまり、危険な賭けに打って出ていたのだ。
　結論を書けば、今回の敗北とオシム監督の失敗は、ある意味、９６年のアジア杯ＵＡＥ大会の加茂日本の敗退と構造的に同じものだ。アジアレベルの１歩先を行く日本がたまたま負けたことに過ぎないのだ。これは決して暴論でなく、賛同者もいると思う。

　オシム監督のマンマークＤＦは個人の力の劣る日本では前時代的なあり得ないもので、守備ブロックを組織的に機能させるゾーンＤＦの方が遥かに効果的だという批判も正しい。だが、オシム監督は就任後１年で「日本のサッカー」を形成する作業の途中であり、どこまでのリスクに耐えられるかという実験を行っているのではないだろうか？
　９６年のＵＡＥ大会の敗北と構造的に同じというのは、サッカーはレベルが高いものが必ずしも勝つとは限らないという、サッカーの常識を繰り返したという意味においてだ。

　日本が他国に対して圧倒的な戦術レベルの差を見せ付けた２０００年レバノン大会でも、サウジ戦の川口の神憑り的なセーブがなければ負けていた可能性が高い試合だったという事実がそれを証明してくれる。
　しかも、あれから７年経ち、アジアのレベルは、特に中東のレベルは、カウンター一辺倒に頼ることがないように向上している。イラクもそうだが、サウジにとって、アウエーの東南アジアの大会で決勝進出を果たしたことは、この７年間東アジアの日本が頂点に君臨していたアジアのサッカー地図が大きく塗り替えられる蠢（しゅん）動であるかもしれないし、それが非常に興味深いのだ。結果的にアジア全体のレベルアップが見えてくるのでないだろうか。

　もちろん、ＡＦＣの大会運営能力の拙劣さや、審判のレベルの酷さなど足を引き摺（ず）る問題点は多くあるが、特に日本対サウジ戦のジャッジなど、あのオーストラリア人主審、にまるで準々決勝の復讐をされているように感じたのは私だけではないだろう。しかし、そんな問題点を多く孕みながらも、開催地のベトナム、インドネシアの爽やかな頑張りと観客の熱狂など、見るべきものが多い大会だ。

　日本が韓国との３位決定戦に臨むのも、サッカーの神様のあまりにも過ぎた悪ふざけだと言える。開催地はパレンバン。シンガポール陥落の３日前、昭和１７年（１９４２）２月１４日、※第２次大戦初期に陸軍落下傘部隊（第一挺身団）が降下した有名な地だ。パレンバンはスマトラ島の都市で、インドネシアを植民地支配していたオランダの石油基地の街だった。

　※第２次大戦…通常はナチスドイツのポーランド侵攻に始まる欧州戦線と１９３７年に始まった日中戦争（支那事変、上海事変）、１９４１年に始まった太平洋戦争（大東亜戦争）を含めて第２次世界大戦という。</description>
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         <pubDate>Thu, 26 Jul 2007 14:20:11 +0900</pubDate>
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         <title>日本勝利にインドネシア大喜び？の理由</title>
         <description>　ハノイで２１日に行われたアジア杯準々決勝で日本がオーストラリアに勝ち、筆者が滞在するジャカルタの現地紙コンパスでも試合の翌２２日にその内容が報道された。これが意外と言うべきか、日本びいきとも受け取れる見出しと内容で驚かされた。
　何しろ、主見出しが

　「日本、オーストラリアに勉強させる」

　となっていたのだ。
　これは原語通りの訳だが、まあ「思い知らせる」ぐらいの意味になるのだろう。「ＦＷハリー・キューウェルは『この敗戦はサッカールーにとっていい戒めとなった。アジアのサッカーはわれわれが思っていた以上で、われわれは考えを改めるべきだ』とコメント。日本にとってはＷ杯ドイツ大会での敗戦のリベンジとなった」とリポートしている。記事の内容としては、ＡＦＣに加盟して、アジア杯に初参加のオーストラリアが敗れたことで、彼らがアジアのサッカーの強さを認識したということが主眼に置かれており、そのことを日本がオーストラリアに分からせた（＝勉強させた）という構成になっている。

　もう１つの刺激的な見出し「アジアをなめるな」の記事はこうなっている。「豪州ＧＫのシュワルツァーに、アジア杯デビューは鮮烈な印象を残した。この大会は彼にとってはアジアサッカーについて新たな視点を与えた。ベトナムやイランやウズベキスタンの試合を見た後、彼は目からうろこが落ちたような状態になり、何人かの選手はイングランドのプレミアリーグでも通用すると感じた。『アジアがいかに広大か、どれほどたくさんの人がサッカーをしているか、いかに盛大にサッカーのゲームが行われているか、まだまだ誤解している人は多いと思う。アジアの選手たちは素晴らしい。たとえばベトナムだが、信じられないほど素晴らしいプレーを見せてくれた』とコメント。そのシュワルツァーは日本とのＰＫ戦で４つのゴールを許した。だから、アジアをなめるなよ」と手厳しい。

　記事の論調から、オーストラリアという白人国家ｖｓアジアを代表する日本という図式で試合をとらえているのかもしれない。Ｗ杯で１６強入り、思い切り上から目線でアジア杯にやってきたオーストラリアに、アジアの日本が痛烈な一撃を加えた。「思い知ったか、サッカールー！」といった感じだろうか。

　このようにかなりの日本びいきとも受け取れる内容であるが、背景にはインドネシアにあるちょっとした反豪州感情がある可能性は否定できない。反豪州感情を引き起こす原因としては、インドネシア側の言い分ではあるが、２つある。

（１）※東チモールの問題にオーストラリアが介入したこと
（２）現在のオーストラリアのジョン・ハワード首相は国内の人気取りのために、あえて反インドネシア的な姿勢を打ち出したこと。インドネシアからの豪州への移民等の制限も以前より強化されている。

　実際に一般のインドネシア人がこれらの感情をベースに反豪州感情から日本を応援していたかどうかは定かではない。こういった意識は新聞記者などの知識層に特有のものであるかもしれない。筆者はこの試合をジャカルタの、あるサッカーバーで見ていた。インドネシア人の客は少なく、店員は基本的に中立のマナーを守っていたものの、比較的サッカーに詳しい２～３人の店員は、ひそかにだが、熱烈に日本を応援してくれていたのは分かった。彼らが、この国で、どういう層に属するのかまでは分からないが。

　インドネシアでも欧州リーグ、中でもプレミアリーグとブンデスリーガの人気は高いということで、このリーグのスター選手を抱えるオーストラリアや韓国、日本を単純に応援するという図式もあるそうだ。日本のブンデスリーガでの活躍と言えばフランクフルトＦＷ高原直泰だ。ただ、オーストラリアにもＧＫシュワルツァーなど、プレミアリーグで活躍する選手は多いから、これはどっちもどっちだろう。

　ここから先は推測になるのだが、日本ｖｓオーストラリアの試合は、視覚的には体の比較的小さい日本人が、１９０センチ前後のオーストラリア人に堂々と立ち向かい勝利をものにしたことことが前出の要素に加え、こちらの人の心を打った可能性もありそうな気がする。というのも、インドネシアの新聞にはバーレーン戦やサウジ戦を前に体格の違いを論ずる記事がよく載っていたし、ベトナムのＵＡＥに対する勝利の賞賛記事の中にも、そういったハンデを乗り越えたといった論調が目立ったからだ。
　「マレーシア惨敗に共催国が大喜び？」のコラムでも紹介したが、インドネシア代表のポナリオ主将はバーレーン戦を前に「バーレーンとわれわれの違いはまず体格。だが、同じ条件にあったベトナムも、そのハンデを乗り越えてアラブのＵＡＥを倒したではないか」とコメントしていた。

　どこまで筆者の推測が正しいかは分からないが、どんな理由にせよ、日本びいきの報道があったり、サポーターが日本に敬意を示してくれるインドネシアに好意を感じないわけがない。
　今後、たとえばインドネシアで日本ｖｓイラクなどといったカード（もちろん決勝で）が実現した場合、こちらのサポーターの様子やマスメディアの報道ぶりを見れば、筆者の推測が正しいかどうか、答えはおのずと出てくるだろう。

　※東チモールへのオーストラリアの介入…０６年４月、東チモールの軍人のストライキに端を発した内政の混乱で、治安維持軍の派遣要請を受けたオーストラリアが軍隊を派遣。要請を受けた他の３国とともに治安維持にあたった。</description>
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         <pubDate>Mon, 23 Jul 2007 21:36:47 +0900</pubDate>
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         <title>胸を張れインドネシア、そして誇れ日本サポーター</title>
         <description>　わがバーレーンは、スマトラ島で散った。サウジアラビアに０－４の大敗。バーレーン紙などの報道によると韓国戦に勝った後、ホテルに帰るまでバスの中でずっと歌を歌っていたらしい。バーレーン人がこの状態になったら止まらない。名将ミラン・マチャラ監督が「リーグ突破が決まったわけじゃない。お祭り騒ぎは後にしろ！」などと言っても、だれも言うことをきかないだろう。やはり、韓国戦は引き分けにして、がけっぷちに立たされなければダメだったのだろうか？（笑）　これでもうバーレーン代表の姿をこのアジア杯で見ることはできなくなった。バーレーンのジダンの異名を持つタラルユーセフも代表引退を発表した。荒れたい気持ちを抑え叫ぼう。
　「シュクラン（＝アラビア語のありがとう）、バーレーン。目指そう２０１０年」
　
　さて、１５日にバーレーンが韓国を打ち負かしたことは、筆者が現在滞在しているインドネシアの人々を勇気づけ、１次リーグ第３戦の韓国戦（１８日）に向けて国内の盛り上がりも最高潮になった。
　「我々インドネシアが韓国を倒すのも不可能ではないという気持ちが、バーレーンの勝利によって、さらにさらに高まることを期待する」というシャムスディンコーチのコメントが翌１６日付けのコンパス紙に載った。インドネシアは初戦でバーレーンに快勝しているだけにこういった期待も当然のことだろう。

　１７日付けの同紙には、「韓国、以前ほどの強さなし！」とのタイトルで「韓国の不調は予想外のことだ。攻撃にいつものようなスピーディーさが見られない。インドネシアの選手がこれまでの２試合で見せたファイトもたくましく、韓国戦勝利の期待を生んでいる。これに応援団の大声援が加わればいけるかもしれない。過去５戦全敗の対戦成績など、この際、気にすることなどない」という元代表監督シニョアリアンドゥ氏のコメントが掲載された。

　さらに、この日１７日には、西ジャワにいたユドヨノ大統領も「国民が一体となって勝利祈願をしよう。スタジアムで国歌インドネシアラヤを盛大に歌って、代表として戦う選手の士気を高めよう」と呼びかけた。こうなると、もうサッカーの試合ではなくて、国と国とのプライドをかけた戦争だ。
　Ｄ組の第３戦、中東サッカーウオッチャーの筆者はサウジアラビアｖｓバーレーンを考えていたのだが、場所がスマトラ島のパレンバンでフライトの予約などがうまく入らず、またこの盛り上がりぶりでもあるし、インドネシアｖｓ韓国でいこうと切り替えた。

　試合当日はスタジアムまでの大通り（片側５車線ある）ジャランタムリンも大渋滞だし、スタジアムに入るまでも何人かのサポーターに「コレア（韓国人）だ」と、威嚇（かく）的な視線ならびに態度をとられた。まさかの時のためにインドネシア代表シャツを買い込んで、スタジアムへ乗り込んだ。

　気になる席だが、日本人だし「あっちの方（東アジア）の人」という大雑把なくくりで韓国応援団席に放り込まれるんだろうな、と予想していた。安全面を考えれば当然の措置だし「まあ、今日は韓国の応援、思いっきりいきますよ、いろいろな意味で…」などと考えながら、チケットに記されたゲート２に行ってみると、そこにはインドネシア人が殺到していた。韓国人らしき姿は全く見えない。これでいいのか、インドネシア？　（今度はインドネシアサポーターの中で韓国の応援をしなければいけないのか）とバーレーンｖｓ韓国戦に続く完全アウエー状態に頭を抱えてしまった。前回は韓国人の中に紛れることが可能だったが、中東在住が長いとはいえ、さすがに筆者をインドネシア人に見間違える奇特な人はいないだろう。これ見よがしに日本語の取材ノートを広げたりしたが、インドネシア人に日本語とハングルの区別はつかないことがはっきりと認識できた以外に、何の効果もなかった。

　そういえばＷ杯ドイツ大会の最終予選、イランで行われたイラン－日本戦では出口に人が殺到して観客が多数死亡したという事故があり、日本でも大きく報じられた。
　「日刊スポーツ通信員の海島健氏、スタジアムで暴動に巻き込まれ死亡。なぜ、インドネシア側に？　あらためて問われる自己責任」の新聞タイトルが脳裏をかすめる。

　しかし、しかし、ありがたいことに、これはまったくの杞憂であった。インドネシアのサポーターは試合後、筆者の予想とは全く違う表情を見せたのだ。試合は前半３３分に韓国に先制され、そのまま押し切られてしまったのだが、敗れたにもかかわらずインドネシアサポーターは選手たちに温かい拍手を贈ったのだ。敗戦に対する怒りのエネルギーがおかしな方向に向かうことはなく、スタジアムの外に出ても、サポーターのノリは１次リーグ敗退決定直後のものとは思えないものだった。意外とニコニコ顔だし、まるで勝ったかのように太鼓をうちならして帰っていく一団もいる。まさに「テリマカシー（＝インドネシア語で「ありがとう」）インドネシア代表」状態で、こちらの気持ちまで温かいものになってきた。
　どうなってんの？

　ジャカルタ在住の久世つきこ氏（いつもコンパス紙を驚くべきはやさで日本語にしてくださるインドネシア語の達人）によると「インドネシア人にはラテン的なところがあって、いつも騒ぐチャンスをうかがっている」とのことだが、もうラテン以上なのではないだろうか。初戦がバーレーンに２－１で快勝、２戦目がサッカー大国サウジアラビア相手にゲーム終了寸前まで１－１と粘り（結果は１－２の惜敗）、この日も韓国に食い下がっての敗戦と同国サッカー史上最高と言ってもいい内容がサポーターの琴線に触れたのか。よくやった、という満足感と、最後まで夢（決勝Ｔ進出）を見られたことへの感謝の気持ちなのか。

　それを示しているかのように、試合後のコンパス紙の内容は、さすがに試合翌日の１９日はやや辛口だったが、２０日にはトーンが一変していた。

　１９日は「インドネシアはまだアジアのエリートになれない。」「コレフ監督、ほかの選択肢がない（＝選手層が薄い）ことを認める」といったタイトルで、「国際経験もまだまだ足りないし、選手の中に門限を守らないといった規律違反をしたものもいた」との監督の弁を紹介。ところが２０日には「恥じることはない、インドネシア！！　将来に向けての誇るべき資本がある」とのタイトルで「選手たちは真の英雄。持てる力をすべて出し切って戦った。負けはしたが、それはゲームの一部に過ぎない。われわれも敗北を素直に受け入れた。今までにこんなに印象的な試合を見せてくれたことはなかった」と評論した。
　負けた直後はさすがにガックリきたが、冷静になれば（よくやったじゃないか）という思考経路をたどったのが紙面制作に反映されたのかもしれない。

　ほとんどの庶民の感情も２０日付けの記事の方、「テリマカシーインドネシア」の感情であるように思われる。筆者の滞在しているホテルのスタッフの１人は「本当に満足している。国内リーグでよく荒れることもあるけど、無事に締めてくれてよかったよ」と話した。そして驚くべきことに、マナーの良かったサポーターの理由をこう話してくれた。
　「われわれインドネシア人が目指しているサポーターのあり方は、日本人のそれなんだよね」。
　日本サポーターのマナーの良さが、こんなところまで知られているとは。これはさすがにマニアックな意見で、多少、リップサービスを多少含んでいるにせよ、見ている人は見ているものだとあらためて思わされた。前出の久世氏は「日本人といえば規律正しく、礼儀正しいというイメージがかなり浸透しており、そこからきているのでは」と解説してくれた。

　ホテルのスタッフの話を聞き、こんなことを思い出した。その昔、あるバーレーン人と話した時に「ドーハの悲劇」の話題となった。そのバーレーン人は「おいケン、知っているか？　あの時、日本のサポーターは（イラク戦のロスタイムの同点弾で）Ｗ杯出場を逃したにもかかわらず、泣きながら（スタジアムの）ゴミを拾って帰ったんだぞ」と（どうだ、驚いたか）とでも言うように、自慢そうに話すのだ。負けて暴動が起きるのが珍しくないＷ杯予選でのこの行動は、湾岸エリアの新聞に掲載され、大きな反響があったらしい。

　バーレーン代表はこの街を去っていったが、この居心地のいいジャカルタに、もう少しいてみようか。</description>
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         <pubDate>Sat, 21 Jul 2007 19:16:33 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>ジャカルタの空に響く「ケンチャナヨ」</title>
         <description>　「わが」バーレーンがやってくれた。初戦を落とし、もう後がない１次リーグ第２戦で韓国に２－１の勝利。勝ち点３をゲットして、決勝トーナメント進出に大きく前進した。

　筆者は日本人でありながら、日本代表が戦うベトナムではなく（現在暮らしている国である）バーレーン代表見たさに、インドネシアにやってきた。ところがバーレーンは初戦でインドネシアに敗れ、いきなり崖っぷちに立たされてしまった。１５日の韓国戦、もし負ければ１次リーグ１試合を残して早くも敗退が決まる。「何とかしてくれバーレーン！」という思いを胸に大一番当日の１５日、バーレーンに声援をと意気込んでスタジアムに乗り込んだまでは良かったが、筆者の入ったエリアは韓国人で埋め尽くされていた。インドネシアではタイと違ってチケットの販売がほぼ手作業で行われ、カテゴリーのみ指定でき、細かいエリアの要求などには対応できないため、こういうことになる。在ジャカルタの韓国人たちだろうか、あちこちで「アンニョンハセヨ（こんにちは）」状態。それでなくてもスタジアムに韓国人が非常に多く、いけませんね、これは。

　バーレーンの応援団は反対側、正面スタンドのＶＩＰ席付近に少し見えた程度で、完全な韓国のホーム状態でゲームに入ることになった。開始早々の前半４分、キムドヒョンのゴールが決まると、すっかりおなじみになった「テーハミンゴ、デデンデデンデン」の応援で一気にヒートアップ。個人的には韓国代表のサッカーはかなり好きな方ではあるが（いや、本当に）、バーレーン戦となると話は別だ。かといって周囲が韓国人ばかりの中、日本人がバーレーンに対して必死に声援を送るのは相当、勇気がいる。「バーレーンの席で応援しろよ」と言われるぐらいですめばいいが、興奮したサポーターから「謝罪と賠償を」とか「正しい歴史認識を持て」なんて、つるし上げられたらたまらない。かといって「僕はバーレーンに１０年住んでいて、バーレーンのファンでして…」と説明しながら応援するわけにもいかない。仕方なく「テーハミンゴ！」に適当に手拍子を打ちながらも、声なき声をバーレーンに送ることにした。

　スタンドで筆者が選手以上の完全アウエー状況に置かれ四苦八苦している時、バーレーンの選手は何を考えて戦っていたのだろうか。後がない韓国戦、彼らと言うよりミラン・マチャラ監督の戦略は明白だった。前回コラムにも書いたが、最悪でも引き分けて３戦目でサウジアラビアを突き落とす。大事な一戦でサウジアラビア落しといえば、２００４年にカタールで行われたガルフ杯１次リーグ３戦目での３－０圧勝が記憶に新しい。現在のサウジアラビアは当時より、さらに戦力ダウンしているように思う。マチャラ監督も試合前の会見で「最低でも勝ち点１を」と話したが、逆に考えれば「勝ち点１なら最終戦で何とかなる」という自信の裏返しなのかもしれない。

　しかし、その控えめな作戦が思わぬ結果を生む。前半を１－１で終え、後半４５分、何とか持ちこたえればいいと開き直ったバーレーンは、ちんたらプレーや倒れこみはもとより、ＧＫが靴ひもを結び直したり、グローブを取ってゆっくり付け直したりして、韓国の選手やサポーターをイラつかせる。焦ってボールを奪いにくる韓国の選手にボールを当ててピッチ外に出し、のんびりプレー再開と、その方法は実にバラエティーに富んでいる。一昔前はカウンター一本やりだったバーレーンだが、合法的遅延行為が「こんなにあったのか」と思わせるほどの創造性を単純極まりなかったサッカーの戦術に生かしていれば、とっくの昔にＷ杯に出場していただろうに…。

　この開き直ったバーレーンＶＳ何とか勝ち点３がほしい焦燥の韓国の図式が韓国の雑なプレーにつながったのか、後半４０分のイスマイルアブドルラティフのゴールを生み出した。

　それにしてもバーレーンの選手はすごい。エースＦＷアラーフバイルは、初戦のインドネシア戦（１０日）の２日前の８日におばあさんが亡くなっており、インドネシア戦当日には、いとこが逝去と不幸続きでサッカーに集中できる環境ではなかった。さらに、ベテランのタラルユーセフやＧＫアリハッサンなどが食中毒にかかったらしい。この地域の食中毒は強烈で、筆者も３～４回ほど、やられた。これにかかると３～４日ほどは、大げさでなく、生きているのがやっとという感じなので、いかに頑健なサッカー選手とはいえ立っているのもつらいという状況ではないだろうか。また、Ｗ杯予選の日本戦で痛恨のオウンゴールで有名になったゲームメーカーのＭＦサルミーンは足の負傷で、この日はリードした終盤に出てきたが、まだ完治とは言えない。そういった最悪と言ってもいいチーム状態にありながら韓国相手にリードを奪うのだから、わがバーレーンの何とたくましいことか。

　それはともかく、ちんたらプレーのバーレーンによるまさかの勝ち越しゴールに、韓国サポーターは一瞬静まり返った。だが、そこはたくましい国民性、すぐに必死の応援が再開された。韓国選手がボールを持つと筆者の周囲は「ウォー」っと盛り上がり、筆者だけは「ウヮ～」と悲鳴を上げる。バーレーンＤＦアドナンらに大きくクリアされると周囲は「あぁ～」と落胆し、筆者だけは「おぉ～」と安堵する。周囲とは微妙に声の質が違っていたはずだが、どちらも必死だから他人のことに構っているヒマなどない。残り５分＋ロスタイム５分、リードしてからが本当に長かった。

　そしてタイムアップの長い笛。その瞬間、声を失い、呆然とする韓国サポーター。悲嘆にくれるサポーターの中で、ただ１人、口元が緩んでいた男性がテレビ画面に映し出されたら、それは多分、筆者だ。

　それでも敗れた韓国の選手がスタンド前に挨拶にくると、サポーターたちは健闘した選手に大きな拍手を送り、意外にも（？）「ケーンチャーナ（気にするな）デデンデデンデン」と締めくくった。韓国サポーターにすれば、もう開き直るしかない状況だから他に言うべき言葉が見つからなかったのかもしれない。

　２戦を終了した時点で勝ち点はサウジアラビア４、インドネシアとバーレーンが３、韓国が１で、最終戦はサウジアラビア－バーレーン、インドネシア－韓国。韓国は勝って勝ち点を４にすることが決勝トーナメント進出のために最低限必要な条件だ。しかし仮にそうなったとしても、サウジとバーレーンが引き分ければ、サウジアラビアが勝ち点５で１位通過が決定。勝ち点４でバーレーンと韓国が並ぶが、当該成績でバーレーンが韓国に勝っているため、バーレーンが２位となり、湾岸２カ国が自動的に決勝トーナメント進出となる（勝ち点が並んだ場合は当該国間の成績が最優先される）。

　もっとも、この湾岸２カ国が「あうんの呼吸」で引き分ければ無条件で両国が上がれるという状況ではない。インドネシアが勝てば勝ち点６となるため、湾岸２カ国のうち確実にどちらかは落ちる。Ｂ組ですでに敗退が決まっていたＵＡＥがカタールを下してベトナムが２位になったように、いかにＧＣＣ諸国同士とはいえ、最初から“談合ありき”ではないし、どちらかが落ちる場合もあるなら、談合が成立するわけがない。この状況であれば、ベースは真剣勝負。もっとも勝たないと話にならない韓国が序盤から飛ばして前半終了時に３－０なんてことになれば、後半の比較的早い時間に「あうんの呼吸」が発揮される可能性はある。これは２００４年アジア杯１次リーグ最終戦で日本とイランが終盤、お互いに全く攻めずに引き分けた例もあり、勝負の世界では当然のことだ。

　となると、韓国は前半、おとなしくして、終了間際にチョコン、と１点取るのが理想？　ただ勝つだけでも難しいのに、そんなことができるはずがない。つまり、こういうことだ。

　韓国は１次リーグを突破するには勝つしかない
　↓
　勝つために序盤から必死に点を取りに行く
　↓
　序盤から点が取れたら、湾岸２カ国による談合が成立しやすくなる
　↓
　談合が成立すると、韓国が１次リーグで落ちる

　１次リーグを突破しようと、もがけばもがくほど、自分の首が絞まっていくとは、サッカーは悪魔が考え出したゲームなのか…。そういえば韓国のサポーターは「赤い悪魔」だ。

　う～ん「ケンチャナヨ」と言いたくなる韓国人の気持ちが分かりますね。わがバーレーンも罪つくりだなあ。ごめんね、韓国。次の試合は適当に手を打つのではなく、心の底から応援することにしますから、ぜひ、勝ってください。…そうなるとバーレーンとサウジは…いや、とにかく「ケンチャナヨ！」</description>
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         <pubDate>Tue, 17 Jul 2007 14:52:44 +0900</pubDate>
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         <title>両翼をもがれた中東の雄</title>
         <description>　サウジアラビアの初戦となった１１日の韓国戦（１－１のドロー）をスタジアムで見て、中東の雄の迫力のなさに首をかしげた。サウジといえば４－４－２の中盤、両ウイングが強力で、サイドから突破をした後に２トップとのパス交換を経てゴールを脅かす、さらにＤＦモンタシェリも機を見て攻撃参加と、厚みがある攻撃が売り物というイメージがあるのだが、韓国戦ではそれがほとんど見られず、２トップの孤立が目立った。

　２トップは常連のエースＦＷカフタニとマレック。ここはいい。だが両ウイングは、昨年のＷ杯ドイツ大会ではテミヤートやシャルフープ、モハメッドアミーンやモハメッドヌールと人材豊富だったものが、今回のアジア杯の最終登録メンバーを見てみると、この４人が１人も招集されていない。おまけに守りの要、センターバックのモンタシェリも、サイドアッタカーのアーメッドドーキも不在。･･･何ということだ。

　韓国戦での両ウイングは突破力がなく、ボールキープもままならず、プレッシャーを受けてバックパスをせざるを得ない、あるいはパスミスをするといった具合で機能しなかった。ＦＷカフタニが自ら突破をしてもサイドとの連係はなく、マレックも個人技でシュートまで持っていくのだが、強引に行く分、決まる確率もそれだけ下がるというもの。当然のように流れの中での得点は生まれなかった。
　ボールを韓国に奪われ自陣に下がって行く時のカフタニの表情がなんとも悲しげで「これはサウジのサッカーではない」と背中が語っているようだったのが印象に残った。

　サウジの得点はこのカフタニの体にあたったボールがたまたまゴール付近に転がり、ラッキーともいえるＰＫの判定をもらい、カフタニ自身が決めた。１－１のドローに終わったゲームの後、アラブ系のメディアにインタビューを求められたが、口を閉ざしロッカールームへ消えていった。

　サウジアラビアの次の試合は１４日、地元インドネシアが相手だ。インドネシアが初戦バーレーンを撃破したことにより、このサウジアラビアｖｓインドネシアの切符はあっという間に人気が沸騰、それまでのどかだったスタジアムの周りには早くもダフ屋が跋扈（ばっこ）している。バーレーン戦の客のノリもすさまじかったが「あんなもんじゃないですよ、本当の我々は」とは、あるインドネシア人の弁だ。試合当日はすさまじいテンションのインドネシア人でスタジアムは膨れ上がるのは間違いないだろう。

　サウジアラビアｖｓインドネシアというと、かなり一方的なゲームになるというイメージが筆者にはある。確かに２００４年以降の４試合でも、５－０、６－０、３－０、３－１とすべてサウジアラビアが圧勝している。
　１３日付のインドネシア語紙「コンパス」にもそういったデータ（過去７戦全敗）はしっかりと掲載されていた。それだけでなく、インドネシア代表がアジア杯の初戦には強いがその後が続かないといったジンクスも紹介している。「９６年と００年はともに初戦でクウェートに引き分けたが、その後がダメ。２００４年中国大会では、初戦でカタールに勝ち、トルシエ監督を解任に追い込んだ後、中国に０－５、バーレーンに０－３で負けた。今回はその二の舞になるのかが注目」としている。

　このように過去のデータは圧倒的にサウジ有利を示しているが、筆者はこの一戦、１次リーグ最大のサプライズが待っているような気がする。
　サウジアラビアの両ウイングが今までに見たこともないほど脆弱（ぜいじゃく）なこと。それが主な原因でチームが機能不全を起こしていること。スタジアムの雰囲気もすさまじいアウエーになりそうなこと。ベトナムがＵＡＥを負かし、タイがオマーンを打ち砕いたことで東南アジアのチームが（特に対アラブに）連鎖反応を起こしていることと、かなり条件がそろっている。

　そして、もう１つ、サウジの選手には、バーレーンの影がちらついているかもしれない。バーレーン－韓国はサウジ－インドネシアの次の日１５日に行われる。もしサウジアラビアが勝った場合、バーレーンが取るべき戦略はある。韓国戦を最悪、引き分けでもいいと割り切って、最後のサウジアラビア戦にすべてをかけて勝ち点４を取り、同じ勝ち点４のサウジアラビアに当該成績で上回っての１次リーグ突破、あるいはインドネシアを含めて３チームが勝ち点４で並び当該チーム間の得失点差、総得点などで上回っての突破である。韓国に引き分けるしたたかさはバーレーンにはあるし、今のサウジアラビアの状態だとバーレーンの方が力は上だと筆者は考えている。実際にアジア杯予選では、３戦終了時に勝ち点１だったバーレーンが、最終戦でクウェートを破って勝ち点４で並び当該成績で上回るというドラマチックな幕切れで本選進出を決めている。サウジアラビアも、勝負がかかった時のバーレーンの怖さは十分に分かっている。ＧＣＣ諸国の盟友としては、最終戦で引き分けて決勝トーナメントに進むといった形が理想なのだろうが、こういう状況になれば話は別。今では最もイヤな相手が最終戦に残ってしまったと思っているかもしれない。

　一見したところ、強豪韓国に引き分けて悪くはない滑り出しに見えるかもしれないが、これらの状況を考えるとサウジアラビアにするとインドネシア戦はかなりプレッシャーのかかるゲームであり、大どんでん返しが起こる可能性は否定できない。２戦目でどこまで修正できるか。もし、韓国戦のような状態から進歩がなければ、トーナメント進出もあやしい。それは大げさかもしれないが、少なくとも優勝候補にはほど遠いというのがサウジアラビアの現状と見ているのだが。</description>
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         <pubDate>Sat, 14 Jul 2007 04:53:14 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>マレーシア惨敗に共催国が大喜び？</title>
         <description>　タイからインドネシアへ移動し、今後はＤ組（インドネシア、サウジアラビア、バーレーン、韓国）のスタジアム観戦を中心にレポートします。

　そもそも、Ｄ組を選んだのは、
　（１）何と言っても「我が」バーレーンが入っている。アウエーのバーレーンを見届けたい。
　（２）隣国サウジアラビアとは橋でつながっているものの、査証取得は簡単ではない。このためサウジアラビア代表を見る機会があまりないので、この機会に生で見てみたい。
　（３）Ｗ杯ドイツ大会出場国同士のマッチアップ（サウジアラビア－韓国）があるのはこのＤ組だけ。韓国代表も興味がある。
　（４）２００４年のアジア杯中国大会は日本代表を追いかけたので、今回は別の視点で見ようと思った。
　といったところ。これにさらに新たな目的が加わるとは思ってもいなかった。

　バンコクからジャカルタへ飛ぶと、まず「海洋アジアに来たな」と感じる。大雑把に言うと、マニラやセブ、コタキナバルやクチン（ボルネオ＝カリマンタン島のマレーシア側の都市）といった街と似た匂いを感じる。そして、この時期のジャカルタは何となくバーレーンの１１月ごろの空気に非常に似ている。バーレーン代表はやってくれるはずだ、とまずはニンマリした。

　ジャカルタ入りはインドネシアｖｓバーレーン（７月１０日）の前日９日となった。心配していたのはチケットの入手であったが、売れ行きは非常に悪く、全体の２０パーセントだという情報を入手した。インドネシア在住のある日本人によると、東南アジア競技大会（東南アジアシーゲーム＝隔年で開催される同地域のスポーツ大会）の方がずっと盛り上がり、周りの人もほとんどアジア杯のことを話題にしていないし、テレビなどのマスメディアも特に宣伝などしていないという。ということは翌１１日の試合もバーレーン代表にとってアウエーの圧迫感もなく気楽にできるし、筆者のチケット入手も楽観していた。

　しかし、９日夕、状況は一変した。インドネシアの副大統領が青年スポーツ大臣と一緒に、同国代表の激励のためグラウンドを訪れ、「君たちなら必ずやれる。勝てば故郷に錦を飾れる。負けたら国民に忘れ去られるだけだ。２億人（インドネシアの総人口）の中から選ばれたのだ。バーレーンは１００万人（同国の総人口はおよそ７０万人）の中から選ばれただけで、砂の上でしか練習していないのだよ。君たちは立派な芝の上で練習している。バーレーン代表が君たちに何ができるというのだ」と演説した。インドネシア代表のキャプテン、ポナリオは「バーレーンと我々の違いはまず体格。だが、同じ条件にあったベトナムも、そのハンデを乗り越えてアラブのＵＡＥを倒したではないか」とコメントした。

　この２つのコメントをはじめとしたさまざまな激励のコメントが１０日付の地元紙「コンパス」に掲載されたのである。それもあって、一気にアジア杯熱はヒートアップ。そんなことになっているとは露知らず、試合開始９０分前にのんびりとスタジアムに着いた筆者が目にしたのは、当日券を買い求めるインドネシア人がチケットボックスに列もつくらず殺到している光景だった。こうして安いカテゴリーの席は満員札止めになり、バーレーンにとって完全なアウエーの環境が出来上がったのである。結果はご存知のとおり、ベトナムに続く開催国の勝利（インドネシア２－１バーレーン）となった。

　翌１１日のインドネシア語紙「コンパス」は、１面で「完璧な初戦」とのタイトルで、「２００４年のお返しだ！！（中国大会の１次リーグ３戦目でバーレーンに負けたことを指している）」と報じ、ゴールを決めた２人を称えた。

　タイも大健闘（イラクとドロー）、ベトナムとインドネシアはともに湾岸の小国を飲み込んで、東南アジア勢は上々のスタートとなった。しかし、開催４カ国のうち、１つだけバスに乗り遅れた国がある。インドネシアと同じ日に中国と対戦したＣ組のマレーシアは１－５の大敗を喫してしまった。

　このマレーシアとインドネシアは同じマレー系を抱える国であり、マレー語とインドネシア語も相当近い言語らしいのだが、やはりライバル心は非常に強く、バドミントンなどで両国がしのぎを削るのは有名だ。前述の東南アジアシーゲームでもこの両国のマッチアップは盛り上がるらしい。インドネシアからマレーシアに出稼ぎに出る人も多く、経済的なある種の上下関係にあるのもこのライバル心をさらにあおっているのかもしれない。

　筆者はこのマレーシア－中国戦をジャカルタのサッカーバー「マンチェスターユナイテッドカフェ」で見ていたのだが、マレーシアの大敗ゲーム中にバンドマンが「インドネシア代表やってくれましたね。そして、今、いったい何が起こっているんでしょう」などと言ってかなりうれしそうだった。さすがに公器コンパス紙には「見たかマレーシア」といった記事は見当たらなかったが、庶民レベルの感情はバンドマン氏のコメントが象徴しているように思えた。

　さて、今後もこの両国は同じ日に試合をし、マラッカ海峡をはさんで（ボルネオは地続きだが）の泣き笑いがしばらく展開されそう。そして、ともに１次リーグを２位通過した場合は（１位より２位の可能性のほうが高そうですよね）、この両ライバルは相手国の首都に乗り込んで準々決勝を戦うという何とも皮肉な結果となる。自国で唯一行われるベスト８の激突が近隣ライバルに乗っ取られる？　もし、インドネシア代表がクアラルンプールに乗り込んだら、スタジアムは出稼ぎインドネシア人が集結、それをマレーシア人が冷ややかな目で見るという光景が見られるかもしれない。あるいは、これを機会にマレーシア人もインドネシア人と一緒にインドネシア国旗を振って、ちゃっかりゲームを楽しみ「マレー系共同戦線」みたいなものを見せつけるのかもしれない。こればかりはどちらかの国が２位通過で決勝トーナメント進出を実現してくれないと、どうなるか分からないが。

　ジャカルタではすでに今後のサウジアラビア戦、韓国戦のチケット争奪戦が水面下で始まっており、今まで置いてあったナイキショップなどの店頭からはチケットが消え、スタジアム一括販売になって、周辺に地元の人がたむろしている。なんか怪しすぎるぞインドネシア。

　とにかく、このアジア杯を契機として東南アジア勢台頭の兆しもあるのではないでしょうか。しばらくインドネシア代表とインドネシア人ウオッチ続けてみます。</description>
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         <pubDate>Thu, 12 Jul 2007 16:02:46 +0900</pubDate>
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         <title>アラブ勢に降り注ぐ東南アジアの涙雨</title>
         <description>　ついにアジア杯が開幕、筆者もバンコクで開幕戦タイ－イラク（７月７日）とオーストラリア－オマーン（７月８日）をスタジアム観戦した。開幕前にバンコク入りしたのはタイ－カタールの親善試合（６月３０日と７月２日）を観戦するためだった。実は筆者はタイに２年ほど在住した経験があり、雨季とはどういうものか分かっているつもりだが、それにしても今回、スタジアムで見た試合がことごとくスコールの影響を強く受けているのを見て、「雨」が今大会のキーワードになるであろうことを強く感じさせられた。

　開幕戦のタイ－イラク。試合前に大雨になり、ゲーム中も雨がまったく止まず、これはイラクにとってはかなりのディスアドバンテージであった。開始早々に与えたＰＫも滑りやすいピッチ上でかなりパニック状態になってのものだったし、イラクのＧＫもシュートを止めにいって滑りやすいボールをファンブルしたり、イラクの選手が放つシュートもまともに飛ばないといったケースを見かけた。

　一方のタイはまさに水を得た魚といった感じで、こういったシチュエーションになれているところを見せつけた。
　地元タイは強豪イラク相手のドローとあって、試合後のタイサポーターはまるで勝ったかのようなお祭り騒ぎだった。翌８日のタイの英字紙（ネーション）も、（名誉は両チームに、タイは貴重な勝ち点をイラクから得た）との見出しでタイ代表の健闘をたたえた。この喜びの背景には前回２００４年中国大会で勝ち点０（得点１失点９）で１次リーグ最下位に沈み、その後のドイツＷ杯予選も１次リーグ２勝１分け３敗の勝ち点７に終わり３位で敗退とさんざんで、（タイサッカーの暗黒時代）と酷評された時期があったためのようだ。

　とにかく、タイはこの時期雨季であり、今年はちゃんと雨季らしく夕方から夜にかけて連日のように雨が、時にはスコールが降っているが、これが各チーム、特に中東アラブ勢に及ぼす影響は大きそうであることをバンコク滞在中に認識させられた。雨の中でのゲームをたくさんこなしている国と、雨のゲームが原則として考えられない国との対戦では顕著な差が出てきそうだ。雨の頻度と強さでおおまかに出場国をランク分けしてみよう。

（１）多雨スコール地区－地元東南アジア勢はこれ
（２）降雨での経験もある地区－東アジア勢やオーストラリア
（３）雨中のゲームが普段はほとんどない地区－今回出場の中東アラブ勢
　※ペルシャのイランに関して除いたのは、全体的に乾燥系であることはあるのだが、筆者のテヘランでの経験では雨が降ったり雪が降ったりしているので（２）と（３）の中間くらいだろうと思ったから。

　大会２戦目のオーストラリア－オマーンが行われた８日は朝から晴れ上がり、そのままキックオフを迎えた。Ｗ杯ドイツ大会ベスト１６の豪州を相手に互角に戦うオマーン代表の姿は皆さんもテレビで見たことだろう。攻めに転じた時のスピードの速さ、パスの受け手のポジショニングの良さ、相手のパスコースを的確に読んで攻撃の芽をつむ巧みさ、ＧＫアルハブシの好守、リードした時に選手が倒れこんで時間稼ぎ（笑）と、オマーンサッカーのすべてを出したいいゲーム展開だった。さらに驚いたのは前線のキーマンであるバデールアルマイマニ（８番）とエースＦＷアルフセイニー（２０番）を交代させた後もオマーンの攻撃が機能し続け、豪州ゴールを脅かし続け選手層の厚さも見せたことである。

　後半１５分過ぎに１点リードのままゲームが進む中、筆者が願っていたのはただ１つ。近くに立ち込めている雨雲が雨を降らせるのは試合終了後にしてほしいと。だが、後半２３分あたりから激しく降ってきてしまった。これが影響したのか、流れは次第に豪州に傾き、そして終了間際に失点して、大金星を逃した（勝ち点１を取ったのは立派だが）。もちろん雨だけが原因ではないだろうが、少なからぬ影響をオマーン側に与えたことは間違いないだろうと考えている。

　タイ在住経験のある筆者でも、雨にびしょ濡れになりながらのサッカー観戦など考えられないし「ちょっとわびしい感じだな」と、かなり抵抗感があり、自身の肉体もかなり湾岸ラクダ化しているのをあらためて感じさせられた。見ているだけでこうなのだから、湾岸で生まれ育った選手がピッチでずぶ濡れになることは、技術的な問題を含めて、心身への影響は無視できないのではないだろうか。

　今大会を通じて、特に中東アラブ勢にとって、試合中や試合前に雨が降るかどうか、どのくらい激しいのかは死活問題になりそう。大敗した時や勝利を逃した時のエクスキューズとして「雨」がアラビア語紙に何回も出てきそうだ。

　次回からはタイより他の主催国へ移動し、そこのグループの現地報告を中心にリポートいたします。どこへ行くかは、リポートを見てからのお楽しみ、ということで。</description>
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         <pubDate>Tue, 10 Jul 2007 02:19:36 +0900</pubDate>
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         <title>韓国のスポーツ文化と半世紀の沈黙</title>
         <description>　アジア杯は早くも波乱の様相を見せている。７月７日の開幕戦で、イラクはタイとよもやのドロー。８日行われたベトナム－ＵＡＥは、実力では下とみられていたベトナムがキャプテンのグエン・ミンホンの活躍もあり、ＵＡＥを攻守で圧倒して勝利を挙げてしまった。東南アジアの独特の気候がアウエーチームに強烈なディスアドバンテージとなって圧し掛かっているようだ。

　また、優勝候補オーストラリアもオマーン相手に苦しみ、終了間際にかろうじて追いつきドローという際どい試合だったし、日本はカタール相手に終盤に失点し引き分けに持ち込まれた。アジア杯は強豪国でも簡単には勝てない大会になりつつあるのは間違いない。

　これは２００２年Ｗ杯日韓大会４位の韓国にしても同じだ。もともと韓国がアジア杯で優勝したのは出場が４カ国だった時代の２回のみで、半世紀近く優勝の美酒を味わっていない。今大会は、１次リーグで中東の雄サウジアラビアと、０６年Ｗ杯ドイツ大会で大陸間プレーオフまで進出したバーレーンと同組となり、優勝どころか１次リーグ敗退の可能性までささやかれている。Ｗ杯４位という派手な実績はあるが、極論すれば「それだけ」で、韓国サッカー全体の底上げは感じられない。

　それを証明するのが若年層の不振だ。現在、カナダでＵ－２０Ｗ杯が開催されており、日本は１次リーグを１位で通過し、決勝トーナメントに進出した。一方の韓国はモントリオールの青空の下、露と消えてしまった。１次リーグ２分け１敗、勝ち点２でＤ組最下位だった。

　最近のＵ－２０Ｗ杯での韓国代表の戦績を見ると、以下のようになっている。※（ ）内は日本の成績。

２００５年　１次リーグ敗退　（１６強）
２００３年　１６強、決勝トーナメント１回戦で日本に敗れる　（８強）
２００１年　出場権取れず　（１次リーグ敗退）
１９９９年　１次リーグ敗退　（準優勝）

　アジアユース（Ｕ－１９代表）ではそれなりの強さを発揮する韓国が、世界の舞台に立つＵ－２０Ｗ杯では全くいいところがない。しかも、２００１年大会には２０００年アジアユースで１次リーグ敗退のため、出場することすらできなかったのだ。

　最近、韓国の大学生が韓国国内リーグのＫリーグクラブに行かず、Ｊリーグに進出するケースが目立っている。Ｋリーグのドラフト制が選手の年棒を押さえるため、経済的理由からＪリーグ進出を図る選手が多くなったと韓国メディアは説明するが、それだけでは説明できないものがある。

　スポーツをまるで共産主義国家のように国威発揚の手段としてしか考えない全体主義の国では、強いステートアマがそれこそサイボーグのように養成されるが、決してその国のスポーツ文化の広がりや熟成には繋（つな）がらないのだ。なぜなら、まるでＧＤＰ総額を幾（いく）らにするという経済目標のように、Ｗ杯の成績や金メダルの数、国際大会での順位が、そういう体制で捉えられているからだ。

　それぞれの国のスポーツ文化とは、簡単に言えば、それぞれの国のスポーツの広がりであり、スポーツの持つ空気の充満度であり、その国の体制下で呼吸をする人々の空気の中に、どれだけ「スポーツの空気」の濃度があるのかということでもある。

　８日のアジア杯１次リーグ、こん身のプレーでＵＡＥに一泡吹かせたベトナムは、スタジアムを満員にしたサポーターと共に、十分そんな空気を呼吸していたはずだ。

　話題はそれるが、７月４日にグアテマラで開催された国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）総会で、２０１４年冬季五輪の開催地がロシアのソチ決まった。第１回の投票でトップだった韓国の平昌市は、２度目の投票で４票差で落選した。

　結果の是非には言及しないが、驚いたことに平昌市のサイトを見ると、バナーだけでなくサイトの表紙を飾る地図にも、日本列島は大きく表示された朝鮮半島のに隠され、影も形もなく完全に削除されているのだ。異様に大きい朝鮮半島の姿も不思議だが、デザイン上の理由で意識せず日本列島を削除しているなら、かえって無意識下にも「日本を削除したい」という民族の悲願が現れているようで、こんな不気味なことはない。

　そういった状況では、やはりスポーツの空気の濃度は薄いのではないだろうか。そう考えると韓国サッカーの沈滞の原因が何となく見えてくるような気がする。今回のアジア杯で韓国がこの半世紀続いた歴史を繰り返すようであれば、その原因がどこにあるかを真剣に考えた方がいい。Ｗ杯４位という栄光に逃げ込むのではなく、歴史と真剣に向き合わなければ韓国サッカーの発展は難しいのではないだろうか。</description>
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         <pubDate>Mon, 09 Jul 2007 21:32:26 +0900</pubDate>
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         <title>日本とは違う湾岸式サッカー観戦法</title>
         <description>　今回は湾岸世界からはアジアサッカー界がよく見えるということと、こちらの人がどのようにこの大会を楽しんでいるかを紹介してみたい。

　まず、中東サッカー関連の以下の質問に答えてみてほしい。多少マニアックなものもあるがご容赦いただきたい。

（１）　日本が１次リーグで対戦するアラブの国はどこか。
（２）　前回の２００４年中国大会の全６試合で日本が対戦したアラブの国はどこか
（３）　今回出場する湾岸（ＧＣＣは全６カ国です）の国は何カ国か
　※ＧＣＣ…湾岸協力会議のことでＧｕｌｆ　Ｃｏｏｐｅｒａｔｉｏｎ　Ｃｏｕｎｃｉｌの略。中東地域における軍事・経済・文化などの地域協力機構。
（４）　今回出場するアラブの国は何カ国
（５）　今回出場する中東の国は何カ国
（６）　（４）のアラブの国々はそれぞれどこの組に入っているか

　湾岸人のサッカーファンなら、スラスラ出てくるものが多いのだが＜（２）と（６）が微妙かもしれない＞いかがだろうか。答は以下に。

（１）　カタールとＵＡＥ
（２）　オマーン（１次リーグ初戦）、ヨルダン（準々決勝）、バーレーン（準決勝）は出てきたでしょう。ちなみに１次リーグ最終戦で対戦したイランはアラブ系ではなくペルシャ系なのでここには入らない。
（３）　クウェート以外の５カ国（バーレーン、サウジアラビア、カタール、ＵＡＥ、オマーン）。アジア杯予選の６戦目でバーレーンがクウェートを蹴落として出場権を獲得した。
（４）　これは（３）の国々にイラクを足せばいいので、６カ国。イラクは非ＧＣＣ諸国だが、近年になって拡大されたガルフ杯には出ている。前回の中国大会で日本を苦しめたヨルダンなどのいわゆるレバシリ諸国は今回出場権利を獲得できなかった。
（５）　これは（４）の国々にペルシャ系のイランを足すので７カ国。

　さて（６）だが、アラブ６カ国のグループへの分かれ方も比較的きれいに分かれている。Ａ組－イラクとオマーン、Ｂ組－ＵＡＥとカタール、Ｃ組－アラブはなし（ただし中東ペルシャのイランはここ）、Ｄ組－サウジアラビアとバーレーン（中国のアジア杯では１次リーグで韓国がヨルダン、クウェート、ＵＡＥとアラブ３カ国に囲まれていたが、今回はそういったことはない）。しかもどのグループもアラブ決戦が１次リーグ最終戦で、色々な意味で盛り上がること間違いなし。

　湾岸サッカーファンの典型的なアジア杯の観戦ぶりはこんな感じだ。バーレーン人を例にとれば、まず自国（バーレーン）を熱心に応援しつつ同組で、３戦目に当たるサウジアラビアの戦いぶりもじっくり見る。他の組にいる義兄弟とも言えるＧＣＣのカタール、ＵＡＥ、オマーンとアラブつながりの強豪イラクも気にかけチラチラ見る。宿命のライバル、イランも複雑な心境で注目してしまう。これらの中東諸国と激しい戦いを繰り広げる東アジアの日本、韓国、中国の各代表を見る機会も２～３回は出てくるといった具合なので、東アジア各国のキープレーヤーやその試合の得点者の名前も頭に入ってしまう。

　バーレーンサッカーファンの一部が、日本代表の中田英寿氏（引退してもインプットからは消えない）や川口、高原のみならず、前回の中国大会準決勝で後半終了間際に同点ゴールを決めた中沢や、延長前半にバーレーンＤＦを３人振り切って勝ち越しゴールを奪った（憎き）玉田まで知っていたりするのは、こういった事情が大きいのだろう。

　今回のアジア杯は中東がらみでないカードはそんなにないので、湾岸のファンはかなり忙しいサッカー観戦と言うか、ほとんどすべてのゲームをズルズル見てしまう可能性が高い。

　つまり、湾岸のサッカーファンはアジア杯では、自国の応援をするのみではなく普段はライバルであるアラブ他国にわりと関心を持ち、ちょっとした声援を送ってみるといったことがかなり自然にできているということだ。これがさらに東アジア諸国観察にまでつながるのであり、アジアサッカー界全体を見渡しやすくもなるのだ。

　筆者もバーレーン在住１０年でずいぶん彼らの影響をうけているが、この点はひとつの恩恵を受けているとおもっている。こういった形で観戦すると自国のみに関心を持った場合よりずっとアジア杯を楽しめることを発見したのである。

　２００６ドイツＷ杯出場の５カ国（日本、韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリア）が強くて注目を集めるのはまちがいないが、筆者は今大会も湾岸の小国が中国大会でのバーレーンのように大活躍するだろうと固く信じている１人だ。独断と偏見で危険度をランキングすると、ヤバい順に
（１）オマーン
（２）カタール
（３）バーレーン
（４）ＵＡＥ

　と予想している。これらの国がサッカー大国を相手にどんな戦いをするのか、その行方もワクワクして見守ることにしよう。</description>
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         <pubDate>Fri, 06 Jul 2007 18:26:19 +0900</pubDate>
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         <title>アジア杯から何が見えるか？</title>
         <description>　７月７日に開幕するアジア杯が重要な大会であることは間違いないが、サッカーファンの多くは６月３０日（日本時間７月１日）に開幕したＵ－２０Ｗ杯にも関心は高いはずだ。まだ「ワールドユース世界選手権」と呼ばれていた８年前のナイジェリア大会で、小野伸二、稲本潤一、遠藤保仁、本山雅志、永井雄一郎ら、日本の黄金世代が活躍して優勝を逃したものの２位に輝いた記憶は新しい。ユース世代がその後の代表チームを担うのは、昨年のＷ杯ドイツ大会で各国が証明してくれた通りだ。
　では、今回のアジア杯からいったい何が見えるのであろうか？
「ブラジルとアルゼンチンがいないＷ杯」である欧州選手権の高密度な試合に比べ、物足りなさを感じるサッカーファンも多いのではないだろうか。ユーロのレベルの高さと比するまでもないのだが、アジア杯ではサッカーそのものの面白さとともに、サッカーを通じて見えてくる各国のナショナリズムや、それが引き起こす国際関係なども実に興味深い。そういった観点もまじえて、主にピッチ外の話題を本連載でお伝えしようと思う。

　今大会の１つの見所が、アジア内のパワーバランスの変化だ。オーストラリアがＡＦＣ（アジアサッカー連盟）に加盟したことにより、今大会から参加する。これまでは東アジアの韓国、日本、西アジアのイラン、サウジアラビアが上位を争ってきた。最近６回の大会は日本とサウジアラビアが優勝を３回づつ分け合っており、見事なまでに東西アジアの均衡が成り立っていた（もっとも日本がアジアレベルでも戦えるようになったのはハンス・オフト氏が代表監督に就任し、Ｊリーグ開幕を翌年に控えた９２年からだったが）。その東西アジアの力関係にＷ杯ドイツ大会１６強のオーストラリアが大きなインパクトを与えるのは間違いない。
　米国のブックメーカー「Ｐｉｎｎａｃｌｅ Ｓｐｏｒｔｓ」　ｈｔｔｐ://ｗｗｗ.ｐｉｎｎａｃｌｅｓｐｏｒｔｓ.ｃｏｍ/ｄｅｆａｕｌｔ.ａｓｐ　では、すでにオーストラリアが１番人気（約３倍）になっていて、次に日本（３・５倍）、３番手の韓国が約５倍、そしてイラン、サウジが続いている。つまり米国の人々は東西アジアのパワーバランスを新規参入のオーストラリアがぶち壊す可能性が大と見ているわけだ。

　さて、もう１つの注目点は中国の動向だろう。ホスト国として迎えた前回大会では狂気じみた反日騒乱が発生。当時の川口順子外相が遺憾の意を表明するに至り、アジア杯を前例のない政治の大会にしてしまった。中国政府が小泉首相の靖国参拝に対して強硬な姿勢を取り続けたことが、民衆の反日ナショナリズムを煽り、結果としてそれがコントロール不能の反日騒乱につながって、０８年北京五輪を前に世界に大会の運営能力の欠如をさらしてしまった。反日政策がブーメランのように自国に跳ね返るという、笑い話のような結末となった。小泉首相退陣後、中国政府は安倍政権と日中関係の修復を図り、一応の関係改善がなされたが、それは２００４年のアジア杯と翌２００５年の反日騒乱が大きな原因となったのは疑う余地がない。
　あれから３年。中国が現在、置かれている立場は微妙だ。北京五輪を翌年に控え、平和国家であり、経済的にも発展し、民度も高い国であることを世界に向けてアピールしなければならない（経済以外、すべてないものねだりのような気がするが）。その一方で、欧米諸国の間で北京五輪への疑問の声はますます強くなっている。

　わが国で報道されていないが、アフリカのスーダンのダルフール民族紛争で、スーダン政府に対して中国から石油利権の代償として武器が供与されており、これが大量虐殺につながっていると国際的な批判が起きている。実際に米国ではこの問題を重視して北京五輪をボイコットすべきという下院決議が出ているし、６月２６日には、デンマークでも社会民主党（ＤＦ）と社会主義人民党 （ＳＦ）が、中国の人権状況が改善されない限り北京五輪をボイコットするように王室と政府に要請を行ったばかりだ。
　さらに、中国政府は台湾を北京五輪の聖火リレーのルートに加えようとして、「台湾は中国の一部ではない」という台湾サイドの反発を受けるなど、スポーツの露骨な政治利用は基本的に２００４年当時と何ら変わっていない。
　今回のアジア杯は、歴史的には「中国の裏庭」とも言える東南アジアでの共同開催となる。そこで中国がおとなしく１参加国の枠の中にとどまっているかどうか。五輪サッカーはＵ－２３で構成され、Ａ代表で争われるアジア杯とは競技の部分ではオーバーエージ選出の選手を除き直結しないが、それでも１次リーグで敗退するようなことがあれば、中国のメンツは丸つぶれとなる。できれば前回、苦杯をなめさせられた日本に雪辱して、国内的には民衆のガス抜きをするとともに、対外的にはその存在感を、特に東南アジアで強くしたいと考えるのは当然だろう。そのためにも、このアジア王者のタイトルは喉から手が出るほどほしいはずだ。

　こういった視点から見るとアジア杯は実に興味深い大会と言える。次回は、そんな前中国大会が与えた影響を詳細に振り返り、今大会にどのようにつながっているかを述べてみたい。</description>
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         <pubDate>Mon, 02 Jul 2007 15:10:30 +0900</pubDate>
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         <title>初戦の相手カタールは情報統制？</title>
         <description>　アジア杯開幕（７月７日）まで２週間ほどに迫った６月下旬、アジア各国は親善試合の時期に入った。こちら湾岸でも各国の試合が放送されており、マクハ（アラブ式喫茶店）でゲームを楽しんでいると「アジア杯もいよいよだな」という気分になる。ところが、肝心のチームのテレビ中継がない。アジア杯１次リーグで日本が初戦で対戦するカタールだ。６月７日からドイツで合宿に入り、１９日にはガーナと対戦した。この試合はカタールの勝利に終わったという情報は入ったものの、テレビ中継はなく、相手のガーナ代表もＡ代表ではなく五輪代表だったらしい、と情報が錯綜している。バーレーンにいても正確な状況がなかなか把握できずもどかしい思いになる。
　６月２５日に首都ドーハで行われたトルクメニスタン戦もＴＶ放送はなし。カタールにはサッカーを中心に扱うアルジャジーラスポーツとアルカスチャンネルというテレビ局が２つもあるのだが…。しかもこの自国の代表の試合を放送しないという現象は３月２４日のイラン戦以来続いており、カタール側がある種の情報統制をしているのでは、と勘ぐりたくもなる。もちろん日本も関係者を派遣して現地視察などをしているのだろうが、まともなビデオの入手などが大変難しくなりそうだし、それこそがカタールの狙っていることなのかもしれない。
 
　ちなみに日本が２戦目で対戦するＵＡＥはどうか。２１日のマレーシア戦では前半と後半で選手を全とっかえしながらも、フェイサルハリル、イスマイルマタルの両エースがゴールを決めて３－１と快勝。続く２４日のサウジアラビア戦は２００７年ガルフ杯準決勝（後半ロスタイムにイスマイルマタルがゴールを決めた劇的な試合）以来の対戦となったが、今回は完ぺきに押さえられ０－２で敗れた。この２試合はドバイスポーツなどでテレビ観戦が可能だった。早ければゲームの翌日には再放送もあるし、今後の代表の試合も放送予定に入っており、ウオッチャーにとってはありがたい限りだ。
　ＵＡＥという湾岸諸国でも特に開かれた国であるという事情もあるのだろうが、それにしてもカタールの情報の少なさが気にかかる。
　実際はどうなのかは分からないが、本当に情報統制が行われているとすれば、他国よりカタールは今回のアジア杯にかける意気込みがかなり強いことが理由にあるのは間違いない。つい最近、２０１１年のアジア杯のホスト国に立候補したのはカタールだけだったというニュースが流れたのはご存知の方も多いだろう。他に立候補がないのだから開催はほぼ決まりとも思われるが、７月２９日の発表までは何が起こるか分からない。カタールが条件を満たさない場合は、再び立候補を募るとされており、アジア杯で１次リーグ敗退となれば心証は悪くなる。そう考えると国を挙げて今回のアジア杯に勝負をかけてくるのは容易に想像がつく。
 
　そんなカタール人にすれば日本の動きも不気味に映るらしい。何しろ、代表としての試合は６月５日のコロンビア戦を最後に行っていないのだから、情報を入手しようにも入手しようがない。友人のカタール人のモハメッドさんは「『まだ国内（Ｊ）リーグやってます』って、ウソだろそれ。日本に限ってありえないよ。どっかで秘密裏に代表合宿やっているんじゃないの。分かっているさ、日本のやり方は！！」と言っていたが…。まあ、合宿はしてましたけどね。国内リーグの合間を縫う苦しいスケジュールの中、ケガ人だらけで。
　モハメッドさんの疑いのまなざしに対し筆者は（自分たちが何かを隠しているから、相手もそうだと思い込むんだろう）という言葉が出かかったけど、胸に秘めておくことにした。日本人である私が何を言っても信じてはもらえませんからね。</description>
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         <pubDate>Sat, 30 Jun 2007 23:35:55 +0900</pubDate>
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         <title>カタールの裏技に注意せよ</title>
         <description>　日本にとって３連覇がかかるアジア杯開幕まで、あと２カ月を切った。日本が１次リーグの初戦で対戦するカタールは昨年のアジア大会で優勝し、近年メキメキと力をつけているのは確かだが、直近はパッとしない。１月のガルフ杯ではサウジアラビア、イラク、バーレーンという死の組に入り、１次リーグ１分け２敗で敗退。３試合で得点１失点３と、ほとんど見どころなく敗れた。

　自国リーグ（Ｑリーグ）に目を向けても景気のいい話がない。Ｑリーグきってのビッグクラブであるアルサードは、アジアＣＬの１次リーグＣ組で最下位で敗退した。８試合で６得点はまずまずとしても、１０失点では決勝トーナメント進出は無理だろう。

　ちなみにアルサードはＧＫモハメッド・サクル、ＤＦアブドラ・コニー、ＤＦアリ・ナスル、ＭＦウェサム、ＭＦファルハン・イブラヒム（昨年度のアジアＭＶＰ）といった代表を多く抱え、Ｗ杯経験のあるカルロス・テノリオ（エクアドル）と前浦和のエメルソンという破壊力抜群の２トップを擁し今季もリーグ優勝を果たした。リーグ戦の後に行なわれたカタールクラウンプリンス杯（ＱＣＰ杯、４月２９日－５月５日、リーグ戦の上位４チームによるノックアウト）でも優勝を果たすなど国内では無敵の状態だけに、アジアＣＬでの戦いぶりはカタールのサポーターを落胆させた。

　カタール代表を支えるアルサードがこの状態ではカタール代表が苦しむのは当然と言えるかもしれない。根本的な原因は日本代表と同じく決定力にありそうだ。５月中旬の段階でカタールリーグの得点ランキングでトップ１０入りしている生まれながらのカタール国籍選手は１人だけ。代表戦ではあまり名前を聞いたことのない選手で、一時期エース格だったセイエッド・アルバシール（アルアラビ）はケガから戻ったばかりでランキング外。ガルフ杯の時の２トップ、セバスチャン・ソリア（カタールＳＣ）とフセイン・ヤセル（アルラヤン）以外のＦＷ探しがアジア杯に向けて急務と言えるが、なかなか人材がいないのが実状だ。

　“くせ者”カタールがこの状況なら、日本も安心していられる？　いや、決定力と言えばエメルソンを忘れてはいけない。５月中旬に時点でＱリーグ得点ランキング２位の１８点（２７試合）を挙げており（１位は１９点）、カップ戦でも大活躍中。０６年１０月にカタール国籍を取得しながら代表入りを認められなかったが、カタール在住歴が２年を超える今年７月以降は代表入りできるという報道が流れている。様々な報道があるが、ドーハの友人アラン氏によると、アジア杯に出られるかどうかは時期的に微妙だという。いずれにせよ、エメルソンが決定力不足に悩むカタール代表にとって救世主になり得るのは間違いない。仮に代表合流がアジア杯直前であっても、多くのチームメートがおり、フィットには時間もかからないだろう。

　なにしろ、カタールという国は陸上の３０００メートル障害で無敵のステファン・チェロノ（ケニア）に国籍を与えサイフ・サイード・シャヒーンの名で０３年にパリで行なわれた世界陸上で優勝させた実績があるだけに、日本とは根本的に発想が違う。そもそも代表ＦＷソリアはウルグアイから、ＧＫサクル、ケガから復帰したばかりのＦＷアルバシールはアフリカからの国籍変更。つまりエメルソンの国籍取得は決して例外的なものではなくカタールではよく行なわれている事例の１つなのだ。こうしてカタール代表は進化を続けてきた。一時的に決定力が不足していても突如として決定力のあるＦＷを補強できる“裏技”があるだけに、対戦国は安閑とはしていられないのだ。

　エメルソンの入ったカタール代表対日本代表、見てみたいような、そうでないような。複雑な心境でカタールからのニュースに耳を傾けている。</description>
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         <pubDate>Sat, 26 May 2007 15:37:05 +0900</pubDate>
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         <title>湾岸の名将マチャラが波乱を呼ぶ</title>
         <description>　アジア杯開幕を３カ月後に控えた４月８日、バーレーン代表監督に日本にもなじみの深いミラン・マチャラ氏（チェコ）の就任が決まった。日本ではほとんど伝えられていないであろうこの人事が、７月に行われるアジア杯で波乱を呼ぶ要因となるかもしれない。

　マチャラ氏は９６年のアジア杯ではクウェートを率いて準々決勝で加茂ジャパンに２－０で快勝。日本代表にとって９２年の日本大会から０４年中国大会までアジア杯４大会で唯一の敗戦がこの試合だから、マチャラ恐るべし、である。

　クウェート代表監督として９６年、９８年のガルフ杯を制した後、オマーン代表監督となり、２００４年にＷ杯予選などで当時のジーコジャパンと３度対戦。いずれも０－１で敗れたが、どれも惜敗と言っていい内容だった。特に中国でのアジア杯１次リーグでの対戦は格下と思われていたオマーンが攻勢に出る時間が多く、印象に残ったファンも多いだろう。抜群の実績を誇る同氏は、まさに「湾岸の名将」と呼ぶにふさわしい存在だ。

　そのマチャラ氏は今年のガルフ杯でオマーンを準優勝に導いたのだが、その後、解任された。解任の理由は簡単で、オマーン協会から「おまえじゃなかったらオレたちオマーンは優勝していたんだ」というメッセージ含みで契約を打ち切られた。

　しかし、このオマーン協会の決断は、五輪代表のサナド監督を暫定的にＡ代表監督としていたバーレーン協会にとっては渡りに船の状況で、即座に獲得に乗り出すことになった。湾岸の名将を迎え入れるにあたっては協会史上最高のお金が動いたのでは、というのが現地サッカーファンの大方の見方だ。マチャラ氏のような「湾岸渡り歩き組」の監督は少なくはなく、彼らは一般的に湾岸という土地に愛着があるのではなく、お金のためだけに動き回っているといった批判も根強い。

　マチャラ氏はそういった批判を知ってか就任会見で「今回４つほどのオファーがあったがバーレーンを選んだ。バーレーンより高額のオファーをするところもあったので、お金のためだけではない。今までの湾岸での経験をバーレーンにささげるためにきた」と就任にいたった事情を説明した。

　マチャラ氏が率いることになるバーレーン代表は昨年のアジア杯予選の大一番のクウェート戦（０６年１１月１５日、２－１で勝利）から４バックを採用し、その流れが今でも続いている。今までのように３バック、強豪相手だと両サイドも下がって５バックに近いシステムで堅守速攻、秒殺弾といったイメージではなくなりつつあり、ガルフ杯でもサウジアラビアやイラクといった大国相手に４バックで正面からぶつかっていった。そうでないと今後も大事な一戦を勝ちきれない（Ｗ杯ドイツ大会予選でのプレーオフ、トリニダードトバゴ戦のように）という協会の危機感が背後にあるのかもしれない。

　カウンターサッカーでクウェートに栄光をもたらしたマチャラ氏がバーレーンを再びカウンターサッカーに戻すのか、それともカウンター一辺倒のサッカーから完全な脱皮を図るのか。あるいは両者をうまく融合させて新しいバーレーンサッカーをつくるのか。はっきりとした方向性はまだ示されていないが、いずれにせよメディアの期待は大きく、アラビア語紙「アルワクト」は、同氏がバーレーンの空港に到着した翌日、「歓迎！！マチャラがついに上陸」という見出しを掲げ、記事で「バーレーン協会がマチャラのやり方（選手起用のことを特に指している思われる）に、あれこれ口出ししなければうまくいく」と触れた。

　マチャラ氏が最初に迎える大一番は７月７日開幕のアジア杯で、１次リーグはサウジアラビア、韓国と同組という厳しい組み合わせとなっている。だが、湾岸での監督経験が長いだけにサウジアラビアに関しては手の内を知りつくしているだろう。また、韓国とはオマーン代表監督時代にアジア杯予選で対戦し、アウエーでは０－１と敗れたものの、ホームで行われた試合は３－１で快勝している。大方の予想はサウジと韓国の決勝トーナメント進出なのだろうが、マチャラ・バーレーンがその一角を崩す可能性は十分にあると筆者は思っている。しかも前にも書いたように結束が強い湾岸協力会議（ＧＣＣ＝Ｇｕｌｆ　Ｃｏｏｐｅｒａｔｉｏｎ　Ｃｏｕｎｃｉｌ）諸国のサウジとバーレーンが最終戦で当たるから、状況によっては両チームによる韓国落としの暗黙の了解は成立する可能性がある。

　かつて日本を苦しめた湾岸の名将が、今度は韓国を苦しめることになるかもしれない。韓国を倒してバーレーンが決勝トーナメントに進出するようなことがあれば、９６年大会で日本を破ったのに続きマチャラ氏にとって大きな勲章の１つとなるだろう。</description>
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         <pubDate>Fri, 20 Apr 2007 23:15:24 +0900</pubDate>
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