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<title>コラム_サッカー：市川雄介「科学的サッカーのススメ」</title>
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<title>勝ち切れない理由</title>
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<summary type="text/plain">＜Ｗ杯アジア最終予選：日本１－１ウズベキスタン＞◇Ａ組◇１０月１５日◇埼玉 　実...</summary>
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<![CDATA[<p>＜Ｗ杯アジア最終予選：日本１－１ウズベキスタン＞◇Ａ組◇１０月１５日◇埼玉<br />
　実にストレスのたまる試合だった。前半の最初のあたりは、まれに見る出来の悪さで、もっとサポーターはブーイング入れてもいいんじゃないかと感じた。</p>]]>
<![CDATA[<p>　とにかく走らない。各選手がマイボールになっても動きが鈍く、出し所を探っているうちにつぶされるケースが目立った。サイドでは、香川と内田でボールを失うことが多かった。日本のフォーメーションは典型的な４－２－３－１だったが、１つ典型的ではないところは１トップが上背のない玉田という所である。上背のない選手は言うまでもないが、ロングボールに弱い。上背のない選手が１トップで活躍するための必須条件は優秀な中盤である。今のフランス代表は２トップが多いが、２００６年Ｗ杯ドイツ大会はアンリの１トップだった。アンリは上背には優れなかったから、ヴィエラのロングパスではなく、その前の３人（マルーダ－ジダン－リベリー）からのショートパスによって活躍していたのである。前線で長くボールをキープできたジダンを失った後のフランス代表が、１トップを捨てて２トップになったのは必然である。</p>

<div><img alt="ichikawa081021.jpg" src="http://www5.nikkansports.com/soccer/ichikawa/ichikawa081021.jpg" width="275" height="350" /></div>

<p><br />
　今回の日本も上背のない玉田が１トップだった為、自陣でマイボールになると、ロングボールを蹴る選択肢がなかった。中盤の底の選手、あるいはＤＦが、香川－大久保－中村という中盤、あるいは攻め上がる内田を出し所として見ていたのは、こういう理由である。しかも、大久保はやや前めでプレーして、中盤にボールを拾いに来なかったから、実質３つの選択肢しか日本にはないことが多かった。この状況下で、対するウズベキスタンは４－４－１－１のような布陣であり、前の４が日本の３名をマークしていたから、日本がきついのは当たり前である。<br />
 <br />
<strong>★中盤を止められると</strong><br />
 <br />
　どの試合がそうだったかすぐには思い出せないが、日本が、最終ラインの前にもう１つ防衛線をきっちり作るチームに苦戦した記憶がいくつか残っている。日本はずっとポストプレーヤーを欠いてきたから、強いボールでゴールライン際まで味方を走らせた中田時代以外は、伝統的に日本の攻撃パターンは、１０番の選手からのショートパス供給と、いったんサイドの足元に出してからのクロスであり、この２つはともに敵ペナルティーエリアより少し手前の帯状のスペースを必要とする。従って、ここをラインで埋められると、日本の攻撃は途端にぎくしゃくとする。ウズベキスタンとの前半はまさにこのパターンだった。</p>

<p>　こういう時はボールに連動して人が動くしか打開策はないのである。しかし、日本代表の動きは乏しく、苦し紛れにサイドに出した時、つまり香川と内田の所でつぶされる、というパターンが続いた。香川には阿部、内田には中村というサイドのパートナーがおり、また、中には本来大久保が同じ高さでいるはずなのだが、この間でのパス交換がほとんど見られなかったのは、サイドの孤立がひどかったことを示している。</p>

<p>　また、ボランチの押し上げもほとんど見られなかった。遠藤はキープ力のある選手であり、長谷部も本来はドリブルが得意な選手のはずだが、この前半では４２分まで積極的な攻め上がりが見られなかった。終わり際に闘莉王が入ったカバーで稲本が入ったが、前半から押し上げる力のある稲本がいれば、大分展開は変わったに違いない。</p>

<p> <br />
<strong>★失点と得点</strong><br />
 <br />
　そうこうしているうちに、闘莉王の緩慢なプレーから失点する。フリーの闘莉王がなぜボールをうまくクリアもキープも出来なかったかは、実に謎だ。今野だったら１００％失点していないシーンである。その後、シャツキフがゴール前に走り込んだが、前にいた中沢も、マーカーとなるべき内田も非常に中途半端な位置取りで、２対１にも関わらずあっさりボールに触られている。失点する時は得てしてこんなものだが、ラインを切ろうとしていた中沢は内田にマークを渡した認識だったと思われ、他に見るべき選手がいなかった内田は、少なくともシャツキフとゴールの間にポジションすべきであった。</p>

<p>　ただ、この失点から日本のエンジンは本格的に始動する。３５分に香川、３８分に内田が惜しいシーンを作るが、これはともに中村俊輔からのパスである。中村がボールを持てるようになったのは、遠藤や内田がサポートするようになったのと、１点入れて、ウズベキスタンの中盤４人のラインが下がったせいである。後者の方がインパクトとしては大きいかもしれない。これは、ウズベキスタンの布陣が日本を研究して２つめの守備ラインを高く保ったというよりは、もともと後がないため、ＭＦが高く陣取っていたのが偶然功を奏した、という方が実態に近いことを示している。<br />
　<br />
　その直後の日本の得点も、中村からである。明らかにシュートに行った大久保だったが、結果的には玉田へのパスとなったものだ。３８分の内田のシーンは結果的にオフサイドにはなったが、もともとオフサイドでなくても、あのパスで得点するのは至難であっただろう。一時期の柳沢を引き合いに出すまでもなく、ゴール前では少々強引であっても、シュートを打ちに行った方が、綺麗にショートパスを出すよりも得点確率は高いと思われる。</p>

<p> <br />
<strong>★パワープレー</strong><br />
 <br />
　グループの中でも負けが込んでいる相手に対し、ホームでドローという結果が見えてきた終わり際、闘莉王が上がって、日本はパワープレーに出た。試合後の記者会見で、岡田監督は、高さのある典型的センターフォワードであるシャツキフが下がって、ゲインリフになったことで、阿部でも十分止められるという判断からだったと述べていた。相手ＦＷの状態を見切った上で、守備の高さをギブアップし、闘莉王を前に出したのだが、この判断は納得できる。</p>

<p>　ただ、攻め方を変えなかったのはいただけない。せっかく前線にターゲットマンが出来たのだから、それまでのショートパス路線から、多少ロングボールを放る方向に舵を切っても問題ないと思うのだが、日本はこれまで通りショートパスを繋（つな）いでいた。ショートパスを繋いで前線までボールを持ってこられるなら、苦労はしない。それに苦労しているからこそのロングボールなのである。</p>

<p>　稲本が入り、闘莉王が上がってからロスタイム終了まで１５分あったが、闘莉王がボールに絡んだシーンは少ない。闘莉王が記憶に残ったのは、最後クロスが上がってシュートするシーンくらいであった。闘莉王のヘディングシュートは確かに魅力的だが、パワープレーはそれだけではない。日本には余りいないフィジカルが強く上背のあるＦＷが、パワープレー時には前線にどっかり構えている状況なのだから、これをポストに使わなければバチがあたる。こうなってしまった原因が、普段ポストプレーヤーへのボールを蹴り慣れていないせいだとすると少し悲しいが、今後このような局面が来ることに備えて、パワープレー時のオプションを整理しておいた方が良い様に思われた。</p>

<p><strong>※写真はゴールを狙う闘莉王（撮影・たえ見朱実）</strong></p>]]>
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<title>戦略家と選択家、最終予選前に為すべきは…</title>
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<modified>2008-06-20T10:19:48Z</modified>
<issued>2008-06-19T15:00:26Z</issued>
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<summary type="text/plain">＜Ｗ杯アジア３次予選：日本３－０タイ＞◇６月１４日◇２組◇バンコク、ラジャマンガ...</summary>
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<![CDATA[<p>＜Ｗ杯アジア３次予選：日本３－０タイ＞◇６月１４日◇２組◇バンコク、ラジャマンガラ・スタジアム<br />
　勝ったこと以外に価値を見出せない、そんな試合だった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　もちろん前半のプレスは素晴らしく、タイはなす術がなかった。このプレスで勝ったようなものである。プレスがかかるから日本がボールを持て、ボールを支配されてタイにプレッシャーがかかり、そのプレッシャーに負けてタイ守備陣はセーフサイドにクリアするようになり、そのクリアで得られたセットプレーで日本に点が入ったのだ。</p>

<p><img alt="nakazawa080619.jpg" src="http://www5.nikkansports.com/soccer/ichikawa/nakazawa080619.jpg" width="307" height="350" /></p>

<p>　しかし、タイとの２試合を終えて、振り返ってみると、日本のあげた７点の内、５点はセットプレーである。５点のセットプレーの内、２点が中沢、１点ずつが闘莉王と巻と、４点がヘディングである。タイの選手はどうしようもなく小さい。フィジカルに劣る相手にフィジカルで点を入れても、日本よりフィジカルに勝る強豪国にこのチームで勝てるかという問いへのヒントは見えてこない。流れの中の得点だけ見れば、２試合合計で２－１である。この現実は直視しないといけない。</p>

<p><strong>★戦略家と選択家</strong></p>

<p>　厳しいことを冒頭から述べたが、一方で岡田監督の優れた所はその選手の選択眼である様に思う。オシムや、ジーコ、トルシエの時代の頃のような、なぜこいつを出さないのか、というフラストレーションがこのチームにはほとんどない。センターバックはフィジカルに秀でる２人を揃えて安定したし、下がり目からのパスが得意な遠藤をボランチに下げ、より前で足元が使えて速い松井を左サイドのアタッカーに入れたことで、ＦＷとＭＦの間の乖離はなくなり、攻撃はぐっと活性化した。タイ戦での香川は今ひとつではあったが、大久保のトップ下も相手に脅威を与えている。</p>

<p>　１年ほど前に、オシムジャパンを評して、両サイドからのゲームメークに可能性があると書いたが、松井と中村俊の両サイドアタッカーはうまく機能しつつある。守備的ＭＦも点を取りに行く相手ならあえて入れずに攻撃的な長谷部を配し、守りに行く局面なら今野というのは実に自然だ。前稿に書いたが、長友・駒野の両サイドバックは過去１５年でもベストの組み合わせの様に思える。監督には戦略家と選択家の側面があるが、選択家という観点では岡田監督はＪ２レベルまでよく選手を見ているようだし、実に安心できる。</p>

<p><strong>★個の集合体でここから勝てるのか</strong></p>

<p>　その一方で、日本は果たして個の力の集合でＷ杯のノックアウトラウンドまで進めるのか、そこははなはだ疑問が残る。日本代表はこの所、欧州や南米の強豪国と試合をずっとしていない。そこそこ強い国で、かつベストメンバーが来日したのは２００６年のガーナ戦まで遡る。</p>

<p>　Ｗ杯ドイツ大会、Ｗ杯日韓大会の１～２年前に何をしていたかと思い出せば、日韓の時はハッサン２世杯やカールスバーグ杯でフランスやメキシコと戦い、翌年には懐かしいサンドニの「虐殺」や、スペイン戦などが行われていた。Ｗ杯ドイツ大会の２年前、ちょうど今くらいの時期には、欧州遠征に出かけてチェコやイングランドと戦っていい勝負をしている。その後もアルゼンチンやドイツと試合をして、アジア最終予選に臨んだのだ。このように、トルシエジャパンやジーコジャパンは、フランスに０－５で負けたり、ドイツに０－３で負けたり、あるいはイタリアやイングランドに１－１で引き分けたりしながらチームの実力を判断していったが、いずれにせよ明らかに強豪国相手には分が悪かった。</p>

<p>　岡田ジャパンを構成する選手は、若いスターがバンバン現れたりして昔の選手と比べて明らかにすごくなった訳ではなく、むしろ変わらないメンツで年を取り、中田英が去った分だけ、個の集合体としての実力は落ちると考えた方が現実的だろう。その現実の上で、どう勝つのかが戦術であり、岡田ジャパンの戦術は、良き選手を良く配し、シンプルにつないでサイドから攻撃する、という以上には未だ見えてこない。</p>

<p>　僕は、このまま格下の相手と戦った戦績のみでチームを判断し、最終予選に行くことを強く恐れる。欧州や南米と試合が組めないのは、日本人監督のビハインドなのは間違いないが、そこは何とか最終予選までの間も、強豪国とガチンコの勝負をして、再度実力を計って、チームの方向性をジャッジすべきではないだろうか。これまでは、最終予選後にコンフェデ杯が有ったが、オシム時代に日本はアジア杯で負けているので今回は出場できない。これによって、Ｗ杯まで他大陸の強豪と試合する機会がいつもより乏しいのは間違いないから、意識的に試合を作るのは当然の方向性だろう。</p>

<p><strong>★厳しい最終予選</strong></p>

<p>　さて、色々と思うところを述べたが、もちろんタイとの試合にリアリスティックにフィジカルにものを言わせて勝ち、オマーンがバーレーンと引き分けたことで１試合を残して最終ラウンドに進んだこと自体は寿ぐべきことだ。Ｗ杯本戦とは違い、グループ１位とか２位とかが今回はあまり意味を持たない抽選方式のため、次のバーレーンとの１位２位対決は流せる試合ではあるが、ここは逆にきっちり仕返しをしたい所である。なぜなら、バーレーンとは最終予選では手元の計算で４５％の確率で同じ組に入って相まみえることになるからだ。相手に与しやすいイメージを持たれないためにも、ホームで完膚（かんぷ）なまでにたたきのめしておきたい。</p>

<p>　もし再度この小国に手こずるようなら、最終予選の１０カ国中、一発合格の４位までに入るのは厳しいと思わないといけないだろう。何せメンツは、オーストラリア、韓国、北朝鮮、ウズベキスタン、サウジアラビア、イラン、ＵＡＥ、バーレーン、イラク ｏｒ カタールといった国々である。４位に入るってのは、オーストラリア、韓国、サウジアラビア、イランの強豪・常連４カ国のどこかを蹴落とさないと実現できない話なのである。</p>

<p>※お知らせ※<br />
　サイトのリニューアルに伴って、一時的にコメントが出来なくなっていたが、日刊スポーツのウェブサイトにログインしていれば、コメントが可能になった。もし、ご意見があれば、是非お寄せ頂きたい。過去は、非常にレベルの高いご意見を頂戴していて、自分のサッカー観への示唆に富み、有り難かった。</p>

<p><strong>※写真はタイ戦の前半39分、ゴールを決め喜ぶＤＦ中沢（撮影・為田聡史）</strong></p>]]>
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<title>中東勢との戦いに危機感を持っている</title>
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<modified>2008-06-20T02:34:07Z</modified>
<issued>2008-06-18T17:09:41Z</issued>
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<created>2008-06-18T17:09:41Z</created>
<summary type="text/plain">＜Ｗ杯アジア３次予選：日本３－０オマーン、オマーン１－１日本＞◇６月２日、７日◇...</summary>
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<![CDATA[<p>＜Ｗ杯アジア３次予選：日本３－０オマーン、オマーン１－１日本＞◇６月２日、７日◇横浜、マスカット<br />
　数日経って、監督が代わり、故障選手が復帰するとこうも変わるかと実感した２試合だった。珍しく前半にさくさくと点が入り、内容的にも圧倒的に支配したホームでの一戦に対して、アウェーでは先制を許した上に内容も五分五分といった感じであった。</p>]]>
<![CDATA[<p>　オシム時代のアジア杯、サウジアラビア戦もそうだったが、特に中東のクラブとやる時は、相手のカウンターで危ない局面になることが多い。このオマーン戦でも、短い手数でシュートまで持って行かれるシーンが目立った。日本のカウンターがいまいち遅く、サイドでボールをこねたり、戻したりしている内に、相手の守備体系が整ってしまうのが常なだけに、中東のカウンターは脅威だし、その思い切りの良く、速いプレーに半ば羨（うらや）ましさも混じる。アウェーでの１点目はカウンターではないが、思い切りの良さにやられた感が強い。</p>

<p><strong>★守備的ＭＦの不在</strong></p>

<p>　ただ、カウンターを食らうかどうかは攻撃面だけを見ているだけでは十分ではなく、相手のＦＷが速くて固くて強い、例えるなら「ルーニー」タイプのプレーヤーが多く、日本のＤＦが付いていけない時があるのも一因だが、一方で守備面を見ると、日本がボールを支配しているだけに、ラインが伸びきっていたり、両サイドが上がっていたりという「手薄」な状況が日本にできやすいのは間違いない。相手はカウンターを食らっても３～４枚守備が残っていることが多く、そうすると個の力にそれほど秀でない日本のFWは他のプレーヤーの攻め上がりを待つことになる。</p>

<p><img alt="ookubo.jpg" src="http://www5.nikkansports.com/soccer/ichikawa/ookubo.jpg" width="350" height="307" /></p>

<p>　その意味では、日本は、センターバックの中沢と闘莉王という屈強な２名に守備を託して、あえてカウンターリスクを取って攻撃しているとも言えるのだが、１つ指摘をするなら守備的ＭＦの不在は考えるべきポイントである。 特にカウンターがサイドというよりは中央から切り込まれ、その後サイドに散らされて、ＤＦ陣が横に伸びきる形になるのは、いただけない。アウェーの前半３６分のシーン等は典型的だが、日本の両サイドが上がっている時に、守備的ＭＦまで上がり気味になるのは、ややリスクを取りすぎのように思われる。サイドアタッカーに松井と中村を入れ、守備的ＭＦに遠藤と長谷部という、決して守備的とは言えない選手を入れたためだろうが、カウンターを守る時に、ＭＦとＤＦで２つの守備ラインが形成されない事が多かった。最終ラインの高い個人能力に依存して守り、結果ことなきを得たものの、相手の攻撃能力を少々低く見積もりすぎではなかろうか。 </p>

<p><strong>★大久保の価値</strong></p>

<p>　続いて攻撃陣だが、４－２－３－１として、両サイドアタッカーに松井と中村、玉田と大久保が縦の関係、というのは２試合とも、比較的機能していた様に思う。玉田と大久保と最初聞いて、背が低い２人の組み合わせで大丈夫かと思ったし、高原が本調子であれば、玉田の所は上背もある高原を使いたいところだろうと推測したが、ゲームが始まると、２人の組み合わせでボールもよく動き、シュートも打てていた。松井・中村は言うに及ばず、ドリブラーである玉田も、足元でボールを受けてからのプレーヤーである一方、大久保はスペースに走り込んでのワンタッチで勝負するプレーヤーであり、この２つのプレーの性格の違いがアクセントになって、機能したのだろう。ホームでの前半２２分の大久保の得点は走り込んでくるプレーヤーならではの典型的な１点だと思われる。</p>

<p>　今後、高原や前田といった上背のあるプレーヤーが復調してくる可能性があるが、どちらも足元でボールを持ってからの選手であり、組ませるなら大久保と、という感じがした。過去も触れた９番と１１番の違いということだが、振り返ってみるとあまり過去の日本代表は、この違いを使い分けていた感がない。例えば、ジーコジャパンの時代にあった久保・高原の組み合わせは、ＦＷを実力で２名順番に選べばこうなるのだろうが、どちらも足元派であり、中盤で完全に崩せないとゴールが遠かった。その意味では、柳沢はスペースを使うプレーヤーだったが、「ＱＢＫ」という言葉が一部に流行った通り、強引にシュートに持って行くタイプではなかった。</p>

<p>　一方で大久保は、国見高校時代はトップ下を務める等、もともとスペースに走り込むタイプであり、かつゴールを狙う気持ちも人一倍強く、このスペースへのアタックとゴールへの気持ちの２つを兼ね備えた貴重なプレーヤーなのかもしれない。ただ、言うまでもないが、依然として成熟しない大久保の性格は不安ではあるのだが。 </p>

<p><strong>★長友への期待</strong></p>

<p>　あと、アウェーでのオマーン戦からは残念ながら負傷欠場してしまったが、サイドバックの長友は最近見た中で最も印象に残り、期待している選手である。コートジボワール戦で見せた屈強なフィジカル、スタミナは、ついにサイドバックで世界に通用し得る選手が出てきた、と感じた。駒野も長友もどちらも右サイドが本職で、左右できるということにはなるが、駒野は左と右の時で結構パフォーマンスが違い、右の時の方がプレイの質は格段に高い。長友は、東京でも徳永が右に入って、左サイドをやる事があり、左サイドでのパフォーマンスは駒野を上回る。内田も攻撃的で将来を期待させる右サイドバックだが、内田の右、駒野の依然として慣れない左という組み合わせよりは、長友が左でこれだけのプレーができるのであれば、長友の左、駒野は慣れた右、という組み合わせの方が総合的に上だろう。</p>

<p>　４バックの時の両サイドバックはずっと日本が人材不足に悩まされたポジションである。余談ながら、この長友と駒野という組み合わせを見ていて、細かいコンビネーションの不足で危ない局面を招いたのも散見されたが、総合的に見て、これ程安心できる組み合わせは、古くて恐縮だが、都並と堀池以来かもと思っている。</p>

<p><strong>★五分の星という現実</strong></p>

<p>　さて、オマーンとのシリーズは１勝１分で、地上波での解説もアウェーの引き分けに「仕方ない」というコメントが最後出ており、何とか勝ち越して及第点という感じもするのだが、僕は、これまでバーレーンも含んだ中東勢に対して、１勝１分け１敗と全くの五分の星であることに非常な危機感を持っている。最終予選には出られると思うが、最終予選の相手よりは弱いだろうこの２カ国に対して、これまで五分の星では全く評価できない成績と言うほかない。バーレーンの人口は約７０万、オマーンの人口は約３００万で、それぞれ大きめの市、大きめの都道府県というレベルである。人口だけで見れば、日本代表が市の代表や県の代表とやって五分の星ということである。代表には厳しい意見をぶつけなければいけないという訳では無いが、Ｗ杯に出るために、果たしてこの道を進んで進歩するのか、結果だけ見ると疑問符なのは間違いない。</p>

<p>　また、結果は伴わなかったが、内容面で進歩があったかというと、日本のゲームが出来たのは勝った１試合のみ。守備はセンターバックの個人技でカバーし、攻めはなんとか形になりつつある、というのが現実である。どちらかというとクラブ時代は守備的な戦術を好む印象だった岡田監督が、今回の代表では攻めに重点を置いているように見えるのは重要なチャレンジだと思うが、この道を進んで最終予選・Ｗ杯で勝てるチームが出来るのか、６月のシリーズは、結果・内容ともに真剣に見て、評価したい所である。</p>

<p><strong>※写真は７日のオマーン戦、走り出す大久保（左）（撮影・宇治久裕）</strong></p>]]>
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<title>むしろ見えなくなった岡田ジャパンの形</title>
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<modified>2008-03-05T12:15:16Z</modified>
<issued>2008-03-05T08:43:31Z</issued>
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<created>2008-03-05T08:43:31Z</created>
<summary type="text/plain"> ＜東アジア選手権（男子）日本１－１韓国＞◇２月２３日◇中国・重慶 　読者諸兄は...</summary>
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<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www5.nikkansports.com/soccer/ichikawa/">
<![CDATA[<p><img alt="yamase080223.jpg" src="http://www5.nikkansports.com/soccer/ichikawa/yamase080223.jpg" width="298" height="300" /></p>

<p>＜東アジア選手権（男子）日本１－１韓国＞◇２月２３日◇中国・重慶</p>

<p>　読者諸兄は既にご存じの通り、東アジア選手権は最終戦韓国と引き分け、１勝２分という成績で優勝を逃した。北朝鮮戦、中国戦ともに苦戦はしたし、負けてもおかしくない試合では有ったが、地力という観点では日本が勝っていたのは明らかであったから、ここは実力が伯仲している韓国戦に焦点を合わせてみたいと思う。 </p>]]>
<![CDATA[<p><strong>★サイドからのビルドアップ</strong></p>

<p>　韓国戦は総じて言えば、選手の方々には失礼だが１・５軍、あるいは２軍でよく戦ったと言うべきだろう。ただし、Ｗ杯予選に向けて収穫があったかと言うと、それは甚（はなは）だ疑問である。これは東アジア選手権全体を通じて言えて、戦術面での進歩はなく、何人かの選手はテスト出来たが、果たしてレギュラーが変わるような成果があったかと言うと、首をひねらざるを得ない。例えとして第１に挙げなければいけないのは、左サイドの加地起用である。韓国戦は駒野の負傷によってサイドバックの駒が無くなったので、起用はやむを得ないが、到底機能しているとは思えなかった。クロスは一体何本入ったのか、フリーランしてスペースを作ったシーンはあったのか等、色々と疑問は尽きないが、一番気になったのは、センターバックがボールを持った次の受け手として機能していなかったことである。</p>

<p>　日本代表は、センターバックがボールを持つと、阿部が比較的長いボールを蹴るか、あるいはサイドバックに預けて、サイドバックがゆっくりとドリブルでハーフウエーライン近辺まで上がり、そこからＭＦとのやり取りでサイドを攻めるか、というパターンが比較的これまで多かった。真ん中は相手のＦＷも残っていてチェックが厳しいため、ボランチに預けることがそう多くなかったのだと思う。このような過去の傾向と比べると、韓国戦では加地や内田がボールを持って攻め上がるシーンが極端に少なく、ボランチがボールを持つシーンが多かった。それで、ボランチが持つと、次にボールを持つべき遠藤・山瀬・橋本の２列目は遥かに遠く、またサイドバックの２名はＤＦラインの少し前という中途半端な場所取りで、サポートなく日本のボランチの２名ＶＳ韓国のＦＷと攻撃的ＭＦの計４名みたいな数的優位を作られ、ボールを失うシーンが目立った。</p>

<p>　駒野が阿部からボールを受けて、サイドを攻め上がり、遠藤とのワンツーで相手ペナルティー横のスペースに走り込む、というような代表の典型的な攻めが加地や内田ではまったく出来ていなかったのは、これは２名の消極さ、ポジショニングの悪さに原因があると言わざるを得ないだろう。 </p>

<p>　トルシエジャパンの時代が典型だったが、日本はサイドからビルドアップするのが１つのパターンであると思う。普通は攻めの起点はボランチにあり、トルシエの時代であれば、稲本がその役なのだろうが、実際には３バックがボールを取った後は大抵左サイドの小野がボールを預かり、小野が人並みはずれたキープ力で左サイドをビルドアップして攻めの起点になっていた。</p>

<p>　ジーコジャパンでは、アレックス（三都主）も加地もその任を果たしていた。オシムになってからはもちろん駒野である。韓国戦は、駒野のバックアップを試す良い機会ではあったが、少なくとも加地の左サイドは利き足の問題なのか全く機能せず、またボールを預けられるサイドバックがいないと、チーム全体が攻め手を欠いてしまうという２つの後ろ向きな事実が確認できてしまった。加えて、内田について言えば、彼は比較的前でボールを受けるとスピードに乗って中に切れ込んだり、光るプレーも出てくるのだが、自陣ではボールを受けても何して良いか判らない、という風情の時が多々あった。韓国がかつてのように、２トップに両ウイングハーフで４トップのようにガンガン攻めて来る感じなら、守備を固める意味で致し方ない感もあるが、この日の韓国はサイドから強烈に来る感じではなかったから、もう少し内田もビルドアップで貢献できたのではなかろうか。 </p>

<p><strong>★今野と言えども</strong></p>

<p>　次は２列目のサイドである。本職がボランチの橋本を責めるのも酷だが、この攻撃的ポジションに向いているとは思えなかった。前半１９分、ボールを受けてから走らずにそのまま失機したのはその典型例だ。後半代わった安田は橋本よりは積極的で、低い位置から高い位置まで、動いて日本のリズムを作っていたが、今後レギュラーが見込めるかというと、それは少し褒めすぎかもしれない。 </p>

<p>　最後は、今野のセンターバックである。個人的にはクレバーで好きな選手の１人だが、流石（さすが）にポリバレントなこの選手でも、このポジションの第１選択である阿部と比べると、見劣りしたのは間違いない。今野もフィードが苦手な選手ではないが、阿部に一日の長があるし、マークに行く場面で周りを見ているケースが散見された。広い視野でピンチを防ぐ守備的ＭＦと、とにかく当たりに行ってマークを離さないセンターバックでは守り方に違いがあるのだろう。前半１５分の失点シーンは、あえて犯人探しをするなら、シュートを打った１１番（ＦＷ廉基勲）をマークすべきだったのは今野であろう。</p>

<p>　このシーンについて付け加えると、日本は４バックそろっていたが、実質的には３：２で数的不利というシーンになっていた。中沢はマンマークに付いていたが、内田だと思うが右サイドバックのポジションにいた選手は、日本から見て右側からクロスを入れた韓国の１３番（ＭＦ朴源載）をチェックするでもなく、ゴールマウス前をふさぐでもない、中途半端な位置で実質的なプレーゾーンからは消えており、加地は最終ライン上だったが、日本から見て左サイドのスペース寄りで、これもまたプレーゾーンから消えていた。そして今野はボールウオッチに終始し、１１番にパスが通ってあわててチェックに行ったが、ほとんどフリーでシュートを打たれている。要は、４バックそろっていても、両サイドバックがプレーゾーンにおらず、センターバック２名で韓国の攻撃３名を止めていたのである。そして、その２名の内１名はマークを離していたのである。</p>

<p>　もちろん、内田がきっちりチェックに行って、いいボールを出させなかったらとか、加地がもう少し絞ってゴール前を固めていたらとか、いくつかの「たられば」はある。ただ、ここは今野が１１番をフリーにしていなければ、点は入らなかったシーンであり、センターバックとは、まさにそういう個人で個人を抑える仕事が求められるポジションなのである。  </p>

<p>　さて、ネガティブなネタシリーズとなったが、収穫だったのは、山瀬が１トップの下で機能する事が何回かの実戦でより明らかになったことと、中村憲剛はボランチで遠藤と縦の関係になっている時より、右サイドの攻撃的ＭＦにポジションを上げて、遠藤と横の関係になっている時の方が、両サイドからゲームメークが出来て、チームのリズムが上がることが確認できたことの２点だろうか。欧州、あるいは南米では４－２－３－１というと、３の真ん中が司令塔で両サイドはアタッカーと言う場合がほとんどだが、オシム以降の日本の４－２－３－１は３の両サイドがゲームメーカーで真ん中はシャドーストライカーということが多い。要は、欧州の４－２－３－１は３トップ１トップ下が基底にある一方、日本のそれは４－２－２－２の変形で、ＦＷが縦の関係になっているだけということだ。個人的には、トップに高原なり前田なりを置いて、攻撃的ＭＦの３を左から松井－俊輔－大久保とか、そういう欧州型の可能性も見てみたいが、今の形でも、ＭＦについては一定の評価は出来ると思われる。 </p>

<p><strong>★依然としてこなれない１トップ</strong></p>

<p>　選手の話はここまでにして、最後に戦術面を考えてみたいが、１トップが全然こなれていない点が最も不安になる要素であった。１トップはご存じの通り、クサビの役割がトップに期待されるフォーメーションである。その割にはＤＦのウラを取ってくれと言わんばかりに、田代が触れない強いボールがグラウンダーであれ、ハイボールであれ放り込まれるシーンが目立った。自分のポジションをボールが超えてしまったらクサビの役割はどうやっても果たせない。</p>

<p>　１トップの時のクロスは、ゴールに近いならともかく、遠い時はＦＷの胸が１つの目標になる。ＤＦを背負いつつ、胸でワントラップして足元に落とし、そこから振り向きざまに打てれば良し、大抵は打てないので足元でキープしつつ走り込んでくる２列目に預けて、自分も反転する、というのが良くあるシーンだ。もちろん、１トップは背が高くてフィジカルが強く、一発のロングフィードをヘッドでたたき込めたり、ターゲットマンとして適当に出したハイボールを競り合って取れるような選手が望ましい。ただ、世には背が高くない１トップが山と存在するのは、中短距離のパスを胸でトラップしてコントロールできれば務まるからである。Ｗ杯ドイツ大会の時のアンリやパウレタは、この典型的な例だ。</p>

<p>　逆にＦＷを超えるようなパスの意義は、それをＦＷが決める可能性があるからで、これはどちらかというと２トップの時の方が、単純に数の問題で有意である。マークが集中した１トップが１本のロングパスを前を向いて取れる可能性よりも、分散した２トップの方が可能性が高い。また、日本の中盤がここ１０年出来が良いだけに、中盤からは「スルーパス」という形で、ＦＷの足元には出さず、スペースに走り込む必要があるパスが供給されることが多かったが、これも２トップ時代に適した形である。</p>

<p>　今回の日本代表は１トップだったにも関わらず、田代が頭でしか競れなかったり、頭を超えてしまって、そもそも反転して取りに行くのを諦めているシーンが多かった。山瀬というミッドレンジでのシュートが得意なドリブラーが１・５列目にいるだけに、もう少し田代がトラップできるボールを出して、クサビの動きから山瀬や遠藤の攻撃を引き出すべきではなかったか。 </p>

<p>　さて、３試合を戦ったが、率直なところ、まだ岡田ジャパンの形は見えてこない。攻撃的な４－１－３－２の布陣は流石（さすが）にボランチの所が不安定で放棄されたようだが、直近採用されている４－２－３－１にしても、特にラテラルの選手は遠藤・駒野以外については流動的である。東アジア選手権では、オシム以来のムービングフットボールが影を潜め、遠藤、中村憲剛、内田辺りのパスワークという、従来通り攻め口が目立ったのも懸念点だ。岡田監督はオシムではないから、ムービングフットボールを墨守する必要はないと思うが、Ｗ杯本戦で良い成績を残すという日本サッカーの目標と、それが個人技だけでは全く実現不可能という現状からすると、目標と個人技のレベルのギャップを埋める洗練された戦術は必須不可欠である。従来通りの戦術に戻るなら、前と違う岡田監督ならではの何か一工夫を付け加えて、進歩した形にならないと、強運抜きに勝ち上がるのは難しいだろう。</p>

<p>　そして、この３試合、正直な感想を言えば、形・戦術は新旧混沌として、むしろ見えなくなった、と思う。既にＷ杯予選は始まっている。時間はさほどない。 </p>

<p><strong>※写真は同点ゴールを決めた山瀬（撮影・蔦林史峰）</strong></p>]]>
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<title>岡田ジャパン大勝の陰で見えてきた課題</title>
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<summary type="text/plain"> ＜Ｗ杯アジア３次予選：日本４－１タイ＞◇２組◇２月６日◇埼玉 　岡田ジャパンの...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="kengo080206.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/kengo080206.jpg" width="220" height="182" /></p>

<p>＜Ｗ杯アジア３次予選：日本４－１タイ＞◇２組◇２月６日◇埼玉<br />
　岡田ジャパンの本番初戦がタイと行われた。久方ぶりの更新となるが、こちらをレポートしたい。また、長らくお待たせしたことを最初にお詫び申し上げたい。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　この試合はＷ杯の３次予選ということで、結果がすべての「本番」であるし、その結果も４－１と点差も離れ、よい試合だったように見える。私ごとになるが、ここ１年程ずっと本業が忙しく、なかなか時間が取れなかったのだが、今回も仕事の都合上リアルタイムでは見れず、結果を知ってからの録画観戦であった。よって、日本が点差通りタイを圧倒したのかな、という先入観のもとに試合を見始めたのだが、率直に言って、点は入ったが眠い試合だった。失点のシーンは実に初歩的なミスであったし、攻撃面でもセットプレーから３点が入ったが、流れの中では遅く、創造性に乏しく、見るべきものは少なかった。岡田ジャパンが今後アジア・世界の強豪に対して、どのように戦っていくのか、その糸口はまだ見えて来なかったように思う。 </p>

<p><strong>★初歩的なミスからの失点</strong></p>

<p>　遠藤の鮮やかな得点シーンの直後の２２分に失点したが、これは集中力というか、守備の基本的な連係が取れていないことを如実に示していたように思う。マンツーマンディフェンスの崩し方の基本的な形の１つに、相手のＤＦを重ならせるというのがある。つまり、あえてＦＷが味方ＦＷに寄っていくことで、それぞれについているＤＦのポジションを重ならせ、前線にスペースを作るのだ。そのスペースに、２列目の選手が飛び込んでいけば、ビックチャンスになりやすい。<br />
　今回は、８番の選手（ＭＦスチャオ）が前線で阿部を引き連れたまま、中沢に向かって走り、ぽっかり空いたスペースを１４番（ＦＷティーラテープ）が使って、シュートを打っている。ティーラテープはその後ろに居た１３番（ＭＦスティー）からパスを受けているが、スティーには日本の選手が２人付いており、中沢もマークする選手を持っていないため、数的優位はあった状況だ。だが、阿部と中沢の間でのマークの受け渡し、あるいは縦の関係にある時のカバーリングに対する共通意識がなかったことと、誰かはテレビからは判然としなかったが、そもそも日本のＭＦがスティーに２名付いて、ティーラテープには誰も付いていないというミスが重なっての失点となった。ＭＦの件は、単なるミスというよりは、ボランチとバックラインの間のスペースを相手にどう与えるか、という基本的な守備の合意事項が詰まってなかったからのように見受けられた。これらは守備の連係を考える上では、かなり初歩的な部分であり、岡田ジャパンが誕生してまだ間がないとはいえ、あまり褒められる状況ではないだろう。</p>

<p>　この守備におけるモジュールごとの連係不足は、試合を通じて、バックラインとボランチ、サイドバックの関係において散見された。タイの攻撃力はそれほどないため、日本は序盤から実質２バックとなり、サイドは両方とも上がっているシーンが多かったが、例えば守備的ＭＦである鈴木が、バックライン近くで守るのか、マークに付くのか、バックラインの前で防衛線を引くのか、という線引きはよく判らなかった。ユーザーの方も、いつもならボールを中盤でカットするシーンを連発する彼が、今ひとつ画面に登場しないと思ったのではないだろうか。ジーコ監督のころはあまり守備にルールがなかったが、オシムジャパンには極めて単純なルールがバックラインにあり、それはよく知られた、意図的に４バックを試している時以外は、基本は１人余るマンツーマン、というものである。</p>

<p>　鈴木は、このルールに沿って、相手が２トップの布陣なら深い位置でシャドーストライカー的なプレーヤーの方に付き、１トップなら２列目の選手をマークしていることが多く、当時の役割分担は明確であった。今回は、彼もシングルボランチに戸惑いながらプレーしていたのではないだろうか。</p>

<p>　また、タイはサイドをほとんど使わなかったので、問題が出なかったものの、その数少ないサイドアタックのシーンでは、誰がサイドのスペースを埋めに行き、そのために空いた中央のスペースを誰が埋めるのか、そういった連係にややバタついたものを感じた。</p>

<p>　これらは、タイ相手だからこそ問題として噴出しなかったが、アジア杯におけるサウジアラビアのような、強くて速い相手なら、何点取られてもおかしくない致命的なポイントと思われ、修復が急務であろう。 </p>

<p><strong>★接近で勝てず、展開は不足した</strong></p>

<p>　攻撃も、点は入ったが、ボールが持てるだけにスピードが遅く、ふと中田英寿・中村俊輔なきジーコジャパンという概念があるのならば、こういうチームだろうか、と思う時間がしばしであった。タイが比較的中盤に人を掛けてきた前半は、中盤で数的優位が作れずに、早い段階で攻撃が潰されることも多かったし、タイが徐々に引き出すと完全に攻めあぐねて、単発で入るクサビのパスが続かずに終わるシーンが多発した。</p>

<p>　高原はフランクフルトに移ってからずい分とボールを持つだけで相手にとって危険な香りを醸（かも）し出す磐田全盛の時の雰囲気に戻ってきたが、相当マシになったとは言え、トラップは小さくないプレーヤーである。高原が得意なのは、動きがある中でのダイレクト、あるいいはワントラップの速いプレーであり、狭い所で動かずにボールを受けて、プレッシャーの中でキープしたり、２列目に出したりという、イングランドのＦＷ的プレーはそれほど得意ではない。ましてや大久保は、高原より動きの中に活路を見出すタイプのプレーヤーである。よって、相手に引かれた時間帯に、この２名がＦＷでポストプレーをするというのは実にミスマッチであり、他にもっとうまい攻め手がなかったか疑問を持った。</p>

<p>　こういった、攻撃面での改善点は他にもあって、オシムジャパンの時にあれほど繰り返された「第３の選手の動き」どころか、今回は第２の選手の動きもあまり見られず、ボールを持った選手が出し所がなく、迷うシーンが非常に多かった。また、左サイドを使うことが多かったが、選手が左サイドにゆっくりと密集するだけで、スピードも逆サイドのサポートも十分でなく、あまり有用ではなかった。サイドアタックは、中央と比べるとゴールは遠い上にゴールマウスは角度の関係で小さくなるが、相手のサイドが中央に比べると一般に手薄なのと、両サイドをワイドに使えば、相手の選手の密度を減らせて、スペースが生まれる、という理由で正当化されるものだ。なのに、左サイドにスピード感なく味方が密集すると、相手も寄せてきて手薄とは言えなくなる上に、真ん中あるいは逆サイドでパスの出し所となる味方も少なくなってしまう。大久保が比較的サイドに流れるプレーヤーであるがゆえに、大久保、山瀬、遠藤まで左サイドにいることもあり、そこから真ん中に出そうにも、高原は相手に囲まれていて、中途半端な位置の内田しか出し所がなく、攻撃が組み立て直し、というシーンも散見された。</p>

<p>　オシムジャパンにキーワードが豊富だったこともあり、岡田ジャパンでも「接近・展開・連続」に注目が集まり、日経が特集を組む位であったが、接近においてはスピードが不足して突破できず、展開の段階においては、ＭＦの押し上げ等、相手の手薄な所へのアタックが不足していたように思う。 </p>

<p><strong>★布陣の妙</strong></p>

<p>　また、相手に引かれた場合には、サイドを広く使って何とかスペースを捻出するか、速いクロスを入れてダイレクトプレーを呼ぶか、ドリブルと速いショートパスで突破を図るとか、あるいは１列目が人を引き付けて流れて２列目が飛び込む等など、いくつか典型的な攻め手があると思うが、このような相手に対応した崩しを意識的に行えたシーンはあまり多くはなかった。ただ、その少ない仕掛けの中で、何度かボールを取られても、大久保や山瀬が果敢にドリブルを試みたのは特筆に値する。その結果、後半に入って山瀬のドリブルを契機に大久保が１点を取ったのは、この試合で最も見応えのあるシーンであり、また布陣の妙があった部分であった。</p>

<p>　僕はＷ杯アメリカ大会予選におけるラモス瑠偉の記憶があまりに鮮烈だったために、どうも日本にパサー信仰みたいなのが生まれ、その後ＭＦと言えば、名波・中田英・中村俊に代表されるパサーがその代名詞となる一方、森島や奥のようなドリブラーはトルシエ監督の時代以外は軽視されていたように思う。</p>

<p>　パスは、有効な攻撃手段ではあるが、パスの受け手のパフォーマンスに依存するというのが、大きな特徴である。受け手がイマイチであれば、いかに日本に優れたパサーがいようとも、その威力は半減する。日本に優れたパスの出し手がそろっていた時代に、柳沢がオフ・ザ・ボールの動きの質の高さを賞賛され、代表ＦＷの第１選択となったこともあったが、残念ながら結果は出なかった。一部にはシュートを打たないからだという説もあったが、僕は原因は違うと思う。柳沢はドリブラーでもポストプレーヤーでもなく、スペースへの走り込みが特徴のＦＷだが、彼の速さと動きの質をもってしても、巨大なＤＦがスペースを消し合う現代のサッカーでは、なかなか強国相手に特徴を発揮出来なかったのではないだろうか。</p>

<p>　少々脱線したが、かたがたドリブルは個人技である。従って、どんなに引かれていてパスの出し所が潰されていても、ドリブルで突破できればチャンスになるし、ドリブルをすることによって、２、３人が誘い出され、スペースが生まれることも多い。ドリブルには、このように突破だけでなく、個人で相手の布陣を崩す効用がある。大久保の得点は、山瀬のドリブルによって、タイ守備陣が何人もチェックに誘い出され、空いたスペースに大久保が走り込んで、こぼれ球を押し込んでいる。ドリブルがなければ、あのスペースは生まれず、パスが出ても難なくクリアされていたかもしれない。</p>

<p>　その観点では、大久保や山瀬の様なドリブラーが遠藤や中村憲などのパサーと適度に混ざっていた布陣は、収穫の１つと言えるのではないだろうか。ただ、ドリブルを得意としない他のプレーヤーまで、試合途中攻めあぐねて、ボールをこね出していたのは感心できないが。 </p>

<p><strong>★今後について</strong></p>

<p>　大差で勝ったのに、手厳しい内容になったが、これは勝って当たり前の相手であったからである。トルシエジャパンは組織的な守備と左サイドと１・５－２列目の突破力、ジーコジャパンは中盤のタレントとポゼッション、オシムジャパンはムービングフットボールと、それぞれ特徴があったが、今回の試合では、格下を相手にしてなお、岡田ジャパンの特徴は見えて来なかった。</p>

<p>　今も昔も日本人の特性を生かして世界で戦うには、という問いには、常に敏捷（しょう）性がその答えとなってきたと思うが、残念ながら今回の試合では遅攻となることが多かった。敏捷性を生かすなら戦術を徹底する、ポゼッションとタレントに頼るなら布陣を構成し直す、どちらか旗をはっきりしないと、上に書いた、中田英・中村俊なきジーコジャパンなる恐ろしい代物となってしまう可能性もあり得る。今回はうまくいったが、大久保・山瀬のドリブルとセットプレーでアジアを崩せるのか、崩せないなら、組織的にどう攻めるか、地力で勝る相手と戦ううちに整理を終えないと、最終予選は厳しい戦いを強いられるように思う。</p>

<p><strong>※写真は前線に鋭いパスを送るＭＦ中村憲剛（撮影・宇治久裕）</strong></p>]]>
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<title>豪州戦はオシムジャパンのベストゲーム</title>
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<modified>2007-07-25T11:26:28Z</modified>
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<summary type="text/plain"> ＜アジア杯：日本１－１（ＰＫ４－３）オーストラリア＞◇２１日◇準々決勝◇ハノイ...</summary>
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<name>ichikawa</name>


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<![CDATA[<p><img alt="ichikawa070725.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/ichikawa070725.jpg" width="210" height="220" /></p>

<p>＜アジア杯：日本１－１（ＰＫ４－３）オーストラリア＞◇２１日◇準々決勝◇ハノイ<br />
　オーストラリア戦は引き分けという結果だったが、オシムジャパンのベストゲームであろう。収穫は偏（ひとえ）に監督の資質と選手の柔軟な対応力が確認できたことである。</p>]]>
<![CDATA[<p>　４バックがどう、人もボールも動くサッカーがどう、という個々の戦術を超えた、さらにハイレベルな部分でチームのポテンシャルが極めて良く理解できた。</p>

<p><strong>★ビドゥカの抑え方</strong></p>

<p>　まず監督だが、相手をよく研究し、脅威をつぶし、弱点をついて「うまくゲームをした」。そんな試合を代表レベルで見たのは久方記憶がない。ある程度狙いに合理性は感じられたが、練習したことのない三都主がＦＷでＷ杯ノックアウトラウンドに臨んだフランス人、母国相手にポゼッションサッカーで挑んだブラジル人、そして「日本のサッカーが出来れば勝てる」とコメントする多くの日本人。ある程度強い相手であれば、相手に対応した戦術を取らないといけないのが、サッカーであり、またすべての勝負事である。日本のサッカーをすれば勝つのではなく、日本のサッカーが出来る環境を主体的に作り出したから勝つのである。企業で言えば、トヨタ相手に真っ向からフルライン、かつ価格訴求で戦った１５年前のマツダは一敗地にまみれたが、スポーティーさ、統一感のあるデザインのテーストというトヨタにない無形の価値を訴求する今のマツダは１０００億円を超える利益を挙げている。 </p>

<p>　オーストラリアはトヨタではないが、日本もトヨタでもホンダでもない。いわばマツダ対マツダで、実力は拮抗している。今回の日本は、実力の拮抗を認識し、オーストラリアを十分に警戒した上で、よく考えたサッカーをしていた。顕著な例はビドゥカ対策である。ビドゥカはフィジカルがずば抜け、頭も足も使える実に危険なＦＷである。しかし、残念ながら彼はアンリでも小野でもないので、ロングボールのトラップはあまりうまくない。ボランチとＣＢで挟み込む守備というのをメディアは強調していたし、それも１つの理解ではあるのだが、僕は抑え込めた理由は、３つあると思う。</p>

<p>　（１）中盤でチェイスしたり、ボランチが守備ラインを形成したりすることによって、相手に前線で繋（つな）がせず、ロングボールを出させる<br />
　（２）最終ラインはペナルティーエリアの前で高めに取り、ロングボールをヘディングシュートにさせず、必ずワントラップしないといけない距離にビドゥカの位置をコントロールする<br />
　（３）後は、ヘタくそなトラップの後のボールを取るだけ</p>

<p>　要は、挟み込んで取っていたのではなく、<strong>挟み込める状況を作っていた</strong>のである。</p>

<p><strong>★ドリブルの復活</strong></p>

<p>　攻撃の方も、工夫が見られた。まずショートパスやドリブルを多用していたことである。ショートパスはともかく、これまではシンプルなプレーがオシムジャパンでは推奨されていたので、ドリブルはどちらかと言うとやってはいけないプレーだった。しかし、この試合では日本選手が盛んにドリブルを仕掛けていた。変化の影にはもちろん意図がある。僕は、これは相手のディフェンス陣にイングランド・プレミアリーグの選手が多いことに目を付けた選択だと見ている。プレミアと言っても、リバプールのキューウェル以外は中下位のチームに属している。かつてボルトンでプレーした中田英寿氏は「ロングボールで中盤が飛ばされる」と不満を漏らしていたが、プレミアはキック＆ラッシュの伝統をひきずり、下位になればなるほど、放り込むサッカーが増える。従って、ディフェンスも高く屈強で、ロングボールに強い選手が求められるが、逆にスピードや足元はさほどでもない。オーストラリアのディフェンス陣にもこのタイプが多かった。この試合、日本は普通のクロスではほとんど危険なシーンが作れなかったが、ドリブルやショートパスで足元をかき回すと、相手ディフェンスはなす術もないことが多々あった。 </p>

<p>　結局、ドリブルから点は取れなかったが、これはむしろ不運と言っても良いだろう。クロスやＣＫもいつもの高いところから落ちてくるボールでなくは、速いボールをニアに出すパターンが多かった。これは日本の得意パターンを捨てている選択だが、相手の高さと屈強さを発揮させないという観点では妥当だと思われた。</p>

<p>　オシムが、これまで余り見せなかった基本戦術を曲げてまでの個々の試合対策を今回強く行ったという事実は、彼のこのゲームへの並々ならぬ執着を示している。前任者が負けた相手に勝つことによって、今後3年の仕事がとても安定すると判断したのだろう。こういう政治的に重要な試合に、何はともあれ勝利したことで、まずはオシムの勝ち運を寿ぐべきであろう。加えて、オシムが、日常のチーム強化の為に必要な施策と、負けられない試合での個別の戦術・対策をきっちり分けて考えられる監督であり、また、その個別の戦術・対策が実に理にかなっていて、効果を出せることが証明された。これは、代表監督であれば、当たり前の資質ではあるのだが、過去、当日の対策がズバっと当たって、いいゲームをしたケースというのは、あんまり記憶に無い。</p>

<p><strong>★選手の柔軟性</strong></p>

<p>　これまで監督の戦術を述べてきたが、選手も数日の練習で見事に戦術を吸収し、フィールド上で狙い通りの仕事が出来ていたと思う。また、臨機応変な修正も効いていた。</p>

<p>　今回、たまたま相手が３バックだっとこともあり、また３バックがほぼペナルティーエリアの幅程度にしか展開せず、これは定石ではあるが、球を持たない日本のサイドの選手をバックは追わなかったため、両サイドに広いスペースがあった。３バックは、このサイドのスペースを埋めるのはあきらめて、ゴールの正面を固める戦術である。また、サイドに実際にボールが出た時には、3バックの一角とサイドハーフの２人でボールを取りに行くのが３バックの守り方である。前半は、相手の術中にはまっていた感もあり、サイドにボールを出しては、この２人につぶされて、中盤のボール支配をむだにすることが多かったが、途中から修正し、サイドは余り深くえぐらず、サイドのプレイヤーは早めに斜めにドリブルで切れ込む様になった。ドリブルの有用性は上に述べた通りである。また、サイドを利用するのは、ラストパスの一つ手前など、十分にゴールに近付いてからのことが増えた。ゴールに近付けば、少なくとも敵のサイドハーフを相手することは無い。前半途中から、サイドに進出するのが、加地や駒野ではなく、遠藤や巻になっていたのはこのせいだ。<br />
（但し、後半25分過ぎて、相手の足が止まってくると、再度サイドバックが深い所まで進出する様になった）</p>

<p>　守備でも、アーノルド監督が全くワークしていなかったビドゥカをたまらず下げ、キューウェルというロングボール以外のボールの運び手を入れたあと、いったんラインを深くして、相手のフォーメーションの変化に対応する姿が見て取れた。しかし、その後アロイージが１人前線にいて、キューウェルとブレシアーノがそこから相当離れてボールを受けることを確認すると、縦パス一発を警戒して、再びラインを上げていた。オシムジャパンは中盤のコンパクトさは追求しないため、過去の代表と比べるとラインコントロールの持つ意味合いは小さいが、それでもこの試合でのラインの位置は見事であり、相手の攻撃のバリエーションは少なくする役目を果たしていた。</p>

<p><strong>★川口の味</strong></p>

<p>　ＰＫについては特にコメントはない。オシムの言う通り、これは運だからである。たまたま僕は川口と同い年で、高校時代には母校が対戦した事もあるが、非常事態に陥いった時に見せる妙に落ち着いた表情は、若い頃から全く変わらない。彼ほど個性の立っているプレイヤーはなかなか今の日本に居ないだろう。剣が峰の最初の2本を止めて、勝てそうになった途端に、あっさりその後の3本、まったくかすりもせずに決められてしまったのも、実に川口らしい、川口のチームには欠かせないスパイスである。 </p>

<p><strong>※写真は勝利後ピッチに現れＦＷ高原と笑顔で握手するオシム監督</strong></p>]]>
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<title>こなれない１トップ</title>
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<modified>2007-07-21T17:53:51Z</modified>
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<summary type="text/plain"> ＜アジア杯：日本１－１カタール＞◇９日◇１次リーグ◇Ｂ組◇ハノイ ★中進国の躍...</summary>
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<name>ichikawa</name>


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<![CDATA[<p><img alt="ichikawa070721.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/ichikawa070721.jpg" width="270" height="242" /></p>

<p>＜アジア杯：日本１－１カタール＞◇９日◇１次リーグ◇Ｂ組◇ハノイ<br />
<strong>★中進国の躍進</strong></p>

<p>　後半開始直後のカタールの猛攻を見て、前半は意図的に抑えていたことと、カタールがとても暑く、そして蒸した国であったことに思いが至った。僕は、世界の暑くて蒸した国には、アジアからアフリカ、南米まで結構行って慣れていると思うのだが、昨年訪れたカタールの暑さと湿度には実に閉口した。盛夏、夕刻の大阪の、水の中にいるような湿度に、更に７度位気温を上げた感じだろうか。</p>]]>
<![CDATA[<p>　暑さにやられて出歩く気力もなく、あまりドーハの町の記憶はない。暑さの他によく覚えているのは、冷房の効いたメルツェデスやハマーを乗り回すアラブ人と、バスにすし詰めになっているインド人、パキスタン人という移民社会・格差社会の図と、すし詰めになっているインド人、パキスタン人が軒並み携帯電話を持ち、ｅ－ｍａｉｌを操り、ＣＮＮを見ているという、フラット化する世界の現実である。</p>

<p>　ベトナムも暑い国である。それをものともしないカタールの後半の動き、特にウルグアイから国籍を変更した選手だというセバスティアン、ナイジェリア国籍だったオバイド、人種を詳しくは知らないがアラブ人というよりは南アジア系の顔立ちに見えるフサイン・ヤセルの姿は、優秀な選手に国籍を取得させるのが最早先進国の特権ではないことと、あの暑い国でサッカーをしていることのアドバンテージを十分に感じさせた。</p>

<p>　これまでアジアで強かったのは、サウジアラビア、イラク、イラン、あるいは韓国、北朝鮮、日本など人口が１０００万人を超える人口大国であったが、今後は比較的小さめの中進国であっても、国外から選手を集めて、短期間に強くなる可能性があるだろう。また、日本の中心選手が涼しい欧州でプレーし、アジアが基本的に暑い地域であることを考えると、暑いと相手がバテて日本が後半盛り返すというパターンは、アジアではあまり見られなくなるかもしれない。</p>

<p><strong>★基本</strong></p>

<p>　さて、試合の方だが、圧倒的に押してはいたが、基本を忘れると罰を受けるという、サッカーの真理がそのまま生きていた。失点シーンは、セバスティアンのキック力も素晴らしかったが、壁に相手選手を入れてしまったという、信じられない日本の凡ミスが最大の原因である。オシムが事前に壁を閉じろというゼスチュアを繰り返していたが、気付かなかったのか、間に合わなかったのか、壁に入っていた相手選手が、体を横にして隣の日本選手を押して作った１人分のすき間をボールが通り抜けて行った。三都主が弱い相手との試合ではよくやる手だし、野球で言えば「隠し玉」みたいな、プロ同士だとあまりないプレーではあるが、予選でも強い方の国と当たると、こういうすき１つが致命傷になる。今回は引き分けで済んで良かったと思うべきだろう。 </p>

<p>　得点シーンも、不調になった時間帯も、これはこれで同じことの裏返しだったように思う。前半からサイドの今野が走っていい形になったシーンが続いたが、攻めあぐねた時間帯は、攻撃がセンターに偏ってパスの出し所を探すようなプレーを続けていた。カタールはＭＦはワイドに展開していたが、その後ろの両サイドにはぽっかりとスペースがあり、ここにボールが通ればいい形が出来ていたのだが、前半も半ばを過ぎると、なぜかそのスペースを日本は使わなくなり、そうすると攻めあぐねてボールを持たされている形になってしまっていた。</p>

<p>　その悪い均衡を突如として破ったのが、今野の後半１５分のサイドへの進出と速いクロスであり、このクロスから高原のアクロバティックなゴールが生まれた。相手の弱いところはしつこく突くのは基本中の基本だが、今回はいつもの日本と比べてサイドへの展開が少なかったように思う。 </p>

<p>　ドリブルにしても同じことが言える。引き気味に戦う相手にセンターでパスサッカーをするのは、アルゼンチンでない限り難しい。今回、サイド以外のチャンスはほとんどドリブルから生まれていた。前半４１分に高原がドリブルで切れ込んで、中村俊輔がフリーになったり、後半４分に中村俊輔がドリブルで相手２人を引き連れ、中村憲剛がフリーになったシーンなど、ドリブルすると相手がボールに集まって、日本にフリーな選手が出来ていたシーンがいくつもあった。しかし、戦略的にいつもよりドリブルを増やしたようには感じられなかった。引いた相手にはドリブルやサイドでかき回さないとパスを出すスペースがないのは当然のことである。意図的にドリブルやサイドを使うという共通理解がもう少しあった方が良いと思われた。 </p>

<p><strong>★１トップの功罪</strong></p>

<p>　この試合の日本は、珍しく４－２－３－１の布陣をひいていた。これは、高原がドイツでの活躍にたがわぬプレーをここ数試合見せ“ｐｒｏｖｅｎ”なＦＷになってきたことと関係があるだろう。１トップは久保以外にずっとそれらしい選手が居なかった日本代表だが、欧州でパウレタやアンリなど、従来の９番型の選手以外でも１トップを務めていることを考えると、高原のようにヘッドよりもテクニックに特徴のある選手でも、十分通用するという判断だと思われる。今回の高原のパフォーマンスも若干下がりすぎるきらいはあったが、前線で脅威を与え続けていたのは評価に値する。 </p>

<p>　ただ一方で、ＭＦ陣については相変わらず改善の余地があるように思われた。１トップというのは、前線をＦＷの選手であえて埋めず、１トップの両サイドを使うサッカーになる。その割りには、サイドを使っていたのは長い距離を走る今野であることが多く、この試合でのウインガーのポジションはあまり有効ではなかった。また、山岸は消えている時間が多く、遠藤のポジションは低く、かつシュート意欲に欠けていたように思う。後半の１０分過ぎに遠藤が立て続けにペナルティーエリア付近でシュートではなくパスを選択するのを見て、天を仰いだものである。</p>

<p>　彼が２トップの時の左の攻撃的ＭＦであれば、前線でもつれた時に、ＦＷの２名+右の攻撃的ＭＦと、味方が２－３名居る可能性が高いと思うのだが、１トップの左ウィンガーであれば、それは１－２名の可能性が高い。かつ相手が引いて戦っており数的不利が色が強まっていることを考えると、ああいったチャンスでパスを選択するのは、やや可能性が低いプレーだった様に思う。 </p>

<p>　また、高原はヘッドがそれ程強い選手ではないが、カタールＤＦの上背もなかったから、攻めあぐねたら１トップに当てて、１トップがサイドに弾いてウインガーがそれを拾うといった戦術も、格好は悪いが、たまには選択してみると、攻撃のバリエーションも広がったのではないか。１トップ自体は、高原の成長とＭＦに魅力的な選手の多い日本の特徴からするに、今後の可能性を秘めたフォーメーションだと考えているが、この試合では、まだこなれ度合いは道半ばの感であった。</p>

<p>　直近数カ月、あまりＪリーグをフォロー出来ていないので、間違っていたらご指摘頂きたいが、Ｊリーグの上位チームは２トップが比較的多い。 クラブレベルで慣れていない戦術を急造の代表で行うのは難しいものだ。フラット３を１つの特徴としたトルシエ監督の時は、クラブレベルがこぞって３バックになって、人が変わってもパフォーマンスが余り落ちなかったものだが、今オシムが１トップを志向するとすれば、割と人を選ぶ選択肢ではないかと思われる。そのリスクを取っただけの果実が今後見えてくるか、アジア大会はそんな視点でも見てみたい。</p>

<p><strong>※写真はカタール戦の後半、相手選手を厳しくチェックするＤＦ今野泰幸（撮影・宇治久裕）</strong></p>]]>
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<title>サイドからのゲームメークの可能性</title>
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<summary type="text/plain"> ＜国際親善試合・キリン杯：日本０－０コロンビア＞◇６月５日◇埼玉 　評価が難し...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="inamoto070605.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/inamoto070605.jpg" width="220" height="189" /></p>

<p>＜国際親善試合・キリン杯：日本０－０コロンビア＞◇６月５日◇埼玉<br />
　評価が難しい試合であった。前半が悪くて後半が良かったようには見える。ただ、日本のパフォーマンスが改善されたから後半良くなったかというと、そうでもない。コロンビアの疲れに乗じたという部分も大きく、素直には喜べない。 </p>]]>
<![CDATA[<p><strong>★マルーダでもリベリーでもない</strong></p>

<p>　前半は、フィジカルの強い相手にガツガツと寄られると日本がよく陥るパターンにハマっていた。球際に負けると、中盤がズルズルと下がる。特に今回の前半は高原の１トップだったこともあり、以前から良く書いている、ＦＷと攻撃的ＭＦの距離の乖（かい）離が発生していた。前半の日本のフォーメーションは、いわゆる４－２－３－１で、攻撃的ＭＦの３は、左から遠藤－稲本－中村俊輔である。前回も引き合いに出したＷ杯ドイツ大会でのフランス代表だが、今回の日本と同じ４－２－３－１を通常採用していたが、「３」は左からマルーダ、ジダン、リベリーである。ジダンがタクトをふって、マルーダとリベリーがＦＷのようにサイドから前線に飛び込んでいくのが、攻撃の１つのパターンだ。稲本にジダンを求めるのは筋違いだが、一方で中村俊輔がボールを持っても、前線には高原だけのことが多く、稲本はマルーダでもリベリーでもなかった。高原は点こそ入れられなかったものの素晴らしいパフォーマンスで孤軍奮闘していたが、１人で点を入れられるほどコロンビア守備陣も甘くない。アンリが点を入れるにはマルーダとリベリーのサポートが必要であり、パウレタにはフィーゴとＣ・ロナウドが必要であり、トニにはカモラネージとペロッタが必要なのである。</p>

<p>　欧州では、４－２－３－１や、４－３－２－１など、１トップを採用する場合には、２名のサイドアタッカーと１、２名のパサーというのが黄金律である。今回の日本は１トップ、３パサー（両中村、遠藤）という黄金律に反する布陣だったが、稲本の代わりに羽生を入れたのを見るに、オシム監督はシステムの問題ではなくて、選手のパフォーマンスの問題であると考えているように思われた。オシム監督は横並びの戦術は取らずに、サイドからゲームメイクした上で、相手のケアが薄れる反対サイドで流動的に選手を動かすことによって、得点の確率を上げるようなサッカーを考えているのかもしれない。ただ、少なくともこの試合では今ひとつであった。それは、両サイドがボールをもらう場所が低すぎること、及びその逆サイドが押し上げられなかったことが原因と思われる。 </p>

<p>　また、コロンビアは１３番のマリーンが左サイドの２列目でよく機能していた。４－２－３－１の１つの弱点は「２」の両脇に比較的広いスペースがあることである。マリーンはこのスペースを使って、飛び出しを図り、あわててセンターバックと駒野がカバーに入ると、今度は逆サイドがぽっかりと空く、そんなパターンを何度も食らっていた。フォワードもバルデラマのような華麗さはなかったが、一瞬のジャックナイフの様に鋭い走り出しは素晴らしく、しばしば日本の守備陣は振り切られていた。 </p>

<p><strong>★なぜエンジンが掛かったか</strong></p>

<p>　後半に入ると、コロンビアが中１日という強行日程からか、目に見えて足が止まり、それに乗じて日本のパフォーマンスが上がってきた。羽生はよく横にも縦にも動いてスペースを作っていたが、前半であれば潰されていたかもしれない。なので、羽生が前半から出ていれば違うゲームだったかどうかは判らない。疲れた相手に更に動き回る羽生という組み合わせの妙で全体に日本にエンジンが掛かった印象である。</p>

<p>　また、今野は左サイドに入っていたが、相手が２トップ気味の時は、ポジションを上げて、左ボランチの位置に入っていることもあった。守備的にはこれが効いていて、中村憲剛の前半の守備はかつてのピルロを見るような危うさがあったが、今野－鈴木という何年か前に五輪代表でよく見たコンビでの守備は極めて安定感があり、最終ラインの前で相手のボールをよくはね返していた。前半はこのゾーンでマリーンにいいようにやられていたが、後半はボールの取りどころがここになって、守備は安定した感があった。 </p>

<p>　守備が安定して、相手が疲れて当りが弱くなり、かつ前線に走れる選手が入ってタメやスペースが出来れば、うまく行かない方がおかしい。後半１５分と同１７分にパスがつながるいい攻撃が出来たが、これはこの３つの要素によって攻撃的ＭＦがポジションを上げれたからこそである。これを最初から出来るかが今後の大きな課題であろう。後はいつものように終了間際に大量の選手をオシムは投入してきたが、この試合では今ひとつ意義が判らなかったし、特段目立った選手もいなかった。水野や藤本などは、もう少し時間が与えられてもいいように思う。 </p>

<p><strong>★フォーメーション仮説</strong></p>

<p> アジア杯（７月７日開幕）が目前になってきたが、ペルー戦、モンテネグロ戦、コロンビア戦と経て、パフォーマンスの試合による違いは致し方ないが、ようやくオシムジャパンの型が見えて来たように思う。低い位置からのゲームメークと攻め上がりは中村憲剛、両サイドから試合を作り、道半ばだがパスの受け手にもなり得るのが遠藤と中村俊輔。そしてトップで高原。攻撃陣で言えば、あと１名ボールを受けるタイプの選手が２トップとして高原とコンビを組むか、あるいは攻撃的ＭＦとして遠藤・中村俊輔にサンドイッチされるかというオプションである。どちらを採用するかは、相手のバックラインの性格によって変わってくる。</p>

<p>　守備陣では、アクシスには中沢か闘莉王か１名強じんな選手を置いて、残りはボランチでもサイドでもセンターバックでもやれるポリバレントな選手をそろえる。フォーメーション的には４－２－３－１（コロンビア戦）、４－２－２－２（ペルー戦、モンテネグロ戦）、３－２－３－２（相手が２トップの場合）あたりを相手のＦＷの数や、布陣に応じて使い分けるイメージだ。 </p>

<p>　ただし、使い分けはあくまで対戦相手の特徴に対応するものであり、根本的な思想はどのフォーメーションでも共通している。オシム監督は、あまり「トップ下」を作らない監督だが、例外的に初期の頃は三都主をトップ下的に使っており、今回も稲本、羽生と試した。どれも従来の日本的なラストパスを出すトップ下というよりは、ボールを受けられるタイプの選手である。このあたりにオシム監督の思想があるとにらんでいるが、彼は日本人のフィジカルの弱さとパスセンスの良さ、及び速くて強いサイドアタッカーの不足を鑑みるに、パサーをサイドと低めに配置するのが世界と戦うには良いと考えているのではないだろうか。ベッカムのようにサイドからゲームを作り、センターには縦横に走れる選手を置いて、相手陣内にスペースを作ってそこを突く。攻撃的ボランチは、サイドにボールを散らした後、攻め上がって、できたたスペースに走りこむ。イメージとして、こんな攻撃だ。 </p>

<p>　この布陣の最大の課題は、今回も浮き彫りになったが、両サイドＭＦとＦＷが時間帯によっては、極めて乖離し、一体化した攻撃が出来ないことである。ただ、ここさえ改善してくれば、確かに面白い布陣になるのでは無いか。今の欧州では、ＡＣミランで守備はイマイチだがパスセンスは抜群のピルロをボランチに置いたことに端を発する、割と低めからのゲームメークが流行だ。一方でベッカムのような傑出した選手がいる場合を除いて、サイドからのゲームメークというのはあまり例がないのだが、日本人の特性、今のタレントからすると合理的な選択肢である。</p>

<p>　前のエントリに書いた通り、僕は依然として両サイドの攻撃的ＭＦにはパスの受け手タイプ、いわゆるサイドアタッカーが居ても良いと思っているし、本山、田中達也、藤本、或いは大久保であっても、そこでプレイできる能力はあると思う。サイドアタッカーが百花繚乱の欧州を知らない筈の無いオシムがそうしないのは、国内組をクラブと違うポジションで起用するよりは、世界で通用している選手をサイドに配し、そこで相手に脅威を与えた方が効率が高いと思っているのだろう。これはあくまで僕の仮説であって、２０１０年には全然違う戦術で戦っているかもしれないが、僕はサイドからのゲームメークというのは日本人にユニークに適合する戦術で、追究する価値はあると感じている。 </p>

<p>　最後にモンテネグロ戦の後の記者会見でオシム監督は、将来的に２ボランチのところを守備も攻撃の基点にもなる１人に任せたいと言っていたが、もしそれが実現するのであれば、４－１－４－１であれ、４－１－３－２であれ、前の５人の内、ボールを出すのがサイドの２名、受けるのが真ん中とＦＷの３名ということになり、前段で書いた「黄金律」と構成の違いはあるが、バランスは近くなる。こうなった時が、オシム監督の布陣が完成する時なのかもしれない。</p>

<p>　アジア杯、僕はオシム監督が本当にそんな仮説を持っているのか、そこに注目しつつ見てみたいと思う。 </p>

<p><strong>※写真はコロンビア戦でＦＷ高原にバックパスを送るＭＦ稲本（撮影・宇治久裕）</strong></p>]]>
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<title>パサーが攻撃的ＭＦというのは所与か？</title>
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<summary type="text/plain"> 　最初にずい分と間隔があいてしまったことをお詫びしたい。ペルー戦を見た後、この...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="nakamura070324.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/nakamura070324.jpg" width="240" height="226" /></p>

<p>　最初にずい分と間隔があいてしまったことをお詫びしたい。ペルー戦を見た後、この面白い試合にエキサイトして、色々と書きたい事はあったのだが、その後の仕事を始めて以来の殺人的な忙しさに消耗して、何週間もたってしまった。実際、倒れなくて良かったのだが、代表の試合も増えてくるシーズンなので、まだひまにはなっていないが、何とか時間を作って、コラムをお届けしたい。</p>]]>
<![CDATA[<p><strong>★先祖帰り</strong></p>

<p>＜国際親善試合・キリンチャレンジ杯：日本２－０ペルー＞◇３月２４日◇日産ス</p>

<p>　さて、試合の方だが、４バックになり、テクニシャン２名が攻撃的ＭＦを務め、どことなくジーコジャパンのようだと皆が思ったのではないだろうか。実際試合が始まってみても、オシムのこれまでの戦術はどこかに飛んでいき、ジーコジャパンそのもののテイストであった。余りに既視感があったので、一体何がこのテイストを形作っているのかを考え出してしまった。最初は、球をゆっくりと回す、悪く言えばこねる攻撃的ＭＦかと思ったが、途中ではた、と気付いた。ＦＷがチョコチョコ動きすぎて、かつＦＷとＭＦの間が開いているのである。オシムになって良くなったことの１つは、ＦＷのポジショニングだと思っている。ジーコジャパンのころは、久保がいる時は違ったが、久保以外の時は、特に相手が強いと、どうにも動きすぎて、ターゲットは定まらないわ、ボール受けるとバタバタしてミスするわで、天を仰ぐことが多かった。オシムジャパンでは、ＦＷが突っ立っているというわけではないが、ペナルティーエリアの近くに少なくとも１名、通常は２名いて、決定力はともかく、攻撃の基点としてはかつてよりずっと安定していたように思う。</p>

<p>　また、セルティックでは精力的に前後に動くＭＦ中村俊輔が、かなり低めの位置で最初プレーしていたのも気になった。ＭＦ遠藤があまり前に出てプレーするタイプではないだけに、両サイドの攻撃的ＭＦが低めの位置になりがちで、それに伴って、高原はズルズルとボールをもらいに下がってきた。いかな高原でも低めの位置でボールを受けて、誰も追い越さず、前が巻だけではどうしようも出来ない。</p>

<p>　ジーコジャパンでも中田英寿・中村俊輔を攻撃的ＭＦに使った時は、よくこの形になった。ボールは回れど、点はかけらも入りそうにない、あの時のイライラをふと思いだす。序盤はハイペースでは有ったが、日本は攻撃のバランスがかみ合わないままに時計の針ばかりが進む展開だった。</p>

<p>　しかしサッカーは面白いもので、ペルーの必要性の低いファウルでもらったＦＫからあっさり１点が入ると、がぜん選手の動きは良くなった。２１分に、中村俊輔は依然として低い位置でのプレーを続けていたが、それをＭＦ阿部が追い越して相手を脅かした動き、前半２７分の高原が珍しくドリブルで３～４人引き付けて、結局倒されたものの、何人もフリーの選手を生んでいた動きなど、ポジションが流動的になって、攻めあがる選手が増え、かつプレーの狙いがはっきりとしてきた。ここからようやくオシムジャパンに戻ったと言うべきだろう。</p>

<p>　オシムはなかなか欧州組を呼ばずに、世のファンタジスタ好きから親の仇のように言われているが、欧州からベテランのテクニシャンが２名入るだけで、ジーコテイストに戻ってしまう状況では、国内組中心に当面チーム作りをするのはやむを得ないと思われた。</p>

<p><strong>★パスの受け手・出し手</strong></p>

<p>　さて、高原のゴールは美しかったが、その後の展開はあまり美しいとは言えない。特にＭＦ中村憲剛が入ってからＭＦ羽生直剛が入るまでの８分間（後半１５分～同２３分）はひどいもので、ボールがまったく前に行く気配がなかった。この時中盤に中村俊輔、遠藤、中村憲剛の３名のパサーがいたが、パスは出し手と受け手がいて始めて成立するものだと、あらためて認識させられた。前半悪かった時も、パサーである攻撃的ＭＦのポジションが低すぎて、パスの受け手であるＦＷとの距離があって、有効な受け手が少なかった。逆に良くなった時は、ボランチが攻撃的ＭＦを追い越す動きをしたり、前線でタメを作ったすきに他の選手が走りこんだりと、パスの受け手が増えた時であった。こう考えると、この試合が簡単に行かなかった最大の理由は、攻撃的ＭＦのタイプがそろい過ぎていたので、ポジションが結果として両翼ともに低くなりがちだったことだろう。</p>

<p>　付け加えると、当初の４－２－２－２というフォーメーションは、Ｗ杯ドイツ大会で言えば、ジダンがいない時のフランス代表と同じである。実際、トーゴ戦ではこの形になったのだが、今回、あるいはジーコ時代の日本と何が違うかと言うと、サイドに開く攻撃的ＭＦがパサーであるかどうかである。</p>

<p>　フランス代表は、マルーダとリベリーという、スピードにあふれ、シュートの打てるサイドアタッカーを２名そろえ、日本はこの形だとよくパサー２名がサイドに開く。どちらが良いか単純には言えないし、タレントの違いもあるのだが、少なくとも、トーゴ戦の時のフランス代表は、ジダンがいなくても、バランスを崩すことはなかった。エレガントさはなくなったが、ボランチがボールを散らすと、両サイドはガツガツと攻めて、それはそれで見ごたえがあったのを覚えている。</p>

<p>　今回の日本代表について、もしフォーメーションに文句を付けるなら、どちらか１人はパスを受けられる選手であった方が良かったと思う。また、オシムジャパンはフォーメーションに意味を強く持たないのが特徴なのだから、両攻撃的ＭＦがもっと動くか、そこが動かないなら他の選手がそれをもと早めにカバーする必要は、そもそもの問題として存在するだろう。</p>

<p><strong>★それぞれの選手について</strong></p>

<p>　今回は、ゲームの内容そのもの以外に、個人として目に付いた選手が何人かいた。最後にそこに触れてみたい。まず高原である。今のブンデスでの実績が納得できる動きであった。何より狭いところでのボールコントロールが格段にうまくなった。昔はトラップが大きくて、目を覆いたくなることがあったが、大分改善された感じを受けた。体はあまり強くないが、間合いの取り方がうまくなったのか、以前ほどコロコロ転ばなくなった。もともとうまい選手ではあるので、体を自由に使えて、ボールに触り続けられれば、ゴールの確率は高まるだろう。中村俊輔は…ＦＫの切れ味は相変わらずである。守備もある程度していたのは触れた方がフェアだと思うが、左利きの選手が右サイドで使われたのに、殆どシュートが無いのはいただけない。以前からの課題として、攻撃的MFとして配された時のペナルティエリア近くでのパフォーマンスがあったと思うが、これは依然としてテーマとして残っていると思われる。</p>

<p>　ＤＦ闘莉王は、ミスパスが目立った。前回の試合から、ここは変化が無い。ミスパスが全体のリズムを悪くしている感もあり、今の代表では、最も日本人のストレスを生み出している選手の１人かもしれない。ただ、闘莉王が足技にそれほど優れないのを知りつつも、彼が攻め上がっていくと、他の選手を相手するのと同じグラウンドのボールを出す周りの選手にも改善の余地はある。折角、機を見て思い切って上がれる図太さを持つ選手なのだから、闘莉王が上がったら、速いクロスを当てるとか、闘莉王のスペックに見合った攻撃の仕方をチームとして１度整理した方が良いと思われた。</p>

<p>　あと、ＭＦ藤本淳吾。この選手は素晴らしい。飛び出しも思い切りが良いし、スピードは勿論、足技もある。最後に出た若手数人では１番良かった。こういう選手は１名攻撃的ＭＦに加えておくべきだ。パサーを２名そろえるよりも、ずっとその方が相手に脅威になるだろう。</p>

<p><strong>※写真はペルー戦の前半、ドリブルするＭＦ中村俊輔（撮影・蔦林史峰）</strong></p>]]>
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<title>壮大なるカウンター実戦練習</title>
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<issued>2007-03-05T16:48:51Z</issued>
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<summary type="text/plain"> ★米国と戦わば ＜国際親善試合：Ｕ－２２日本代表０－０Ｕ－２２米国代表＞◇２月...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="japan-usa070221.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/japan-usa070221.jpg" width="250" height="238" /></p>

<p><strong>★米国と戦わば</strong></p>

<p>＜国際親善試合：Ｕ－２２日本代表０－０Ｕ－２２米国代表＞◇２月２１日◇熊本県民総合運動公園陸上競技場<br />
　大きな大会の壮行試合というのは、目の前に迫る予選とつなげて考えるものである。ゆえ、そんなに強くない相手と壮行試合を行うというのは、景気づけの観点以外に、予選の最初で当たる、あまり強くない相手とレベル感を合わせるという意味もある。</p>]]>
<![CDATA[<p>　こう考えると五輪２次予選の最初の相手である香港の前に米国と対戦するというのは、両方に合致しないため、これは最終予選などを見据えたテストとして、香港戦とは独立して考えた方が良いと思われる。</p>

<p>　以上のように整理した上で米国戦を振り返ると、可能性も未熟な点も露わになり、テストとしては有意義であったと思う。この時期にテストをする是非はあるだろうが、今のＵ－２２代表を理解するには極めて良い試合だった。</p>

<p>　まず可能性の方を挙げていこう。前半の真ん中くらいまで、走り勝っていた時間帯はゲームを支配できていたのは、今のムービングフットボールを志向した方針が正しいことを示している。この時間帯は、この世代の米国は弱いのかと勘違いするほど、完全に日本のゲームになっていた。中盤の押し上げも効いていたので、ＦＷがボールを触りにポジションをまた下げた結果、クロスやラストパスの出し所がなくてＭＦが困るという様な、かつてのＡ代表でよく見られたシーンは皆無だった。ちなみに、中盤の押し上げと書いたが、これは中盤の選手がラストパスに飛び込んでいく、「追い越す動き」をしたという意味もあるが、このゲームの前半では、むしろ中盤が押し上げられていたので、ＦＷの３人の選手とうまく連動できたという意味合いが大きい。</p>

<p>　加えて、中盤と連動していたがゆえに、ＦＷが下がらなくてもボールを触れたのは前半の特色である。僕はこの試合、３トップはポジションを下げるなと指示されていたと思っていて、この点については後述したいが、ＦＷが前線に張り付いている時に中盤が押し上げられていると、ＭＦからＦＷまで見事にボールがつながるものである。</p>

<p><strong>★相変わらずの球際の弱さ</strong></p>

<p>　さて、この様に可能性はあったのだが、前半の終わり際からパフォーマンスが悪くなったのが極めて残念である。この原因は見ていたところ１つで、Ａ代表の試合でも何回か指摘したが、要は球際の弱さと思われる。プレッシャーのある中でボールを止めて、キープし、蹴るという単純なことが変わらない日本の弱点であり、未熟なポイントであろう。中盤でトラップが大きくてボールを取られたり、短いパスをミスして相手にボールを渡したり、米国よりも明らかに日本は球際に弱かった。</p>

<p>　単純なプレーをミスすると、他の選手はまずそのカバーリングに追われてポジションが下がってくる。次にじわじわと効いてくるのが、この選手にパスが通るので自分はこのスペースに走り込もうとか、次のシーンのイメージが崩れてくることである。中盤というポジションは当然ながら攻撃も守備も行うポジションだ。攻撃というのは“守備をしない”と決めないと出来ない、勇気を必要とするアクションなのだが、攻撃が続くいいイメージがないとなかなか守備を放棄する決断が出来なくなる。特に３バックの時のサイドのＭＦは、近代サッカーにしてはレアな、自分の持ち場をカバーする選手が少ない特殊なポジションなだけに、単純なミスが続いて攻撃のイメージが崩れてくると、どうしても上がれなくなってしまう。よく一般的に「リズムが悪い」なんて言うが、今回のリズムの悪さは球際の弱さから発生し、ポジションが下がり、守る意識が強くなることで、ますます前に人が走り込まなくなったことがその本質であると思われる。</p>

<p>　幸いなことに、前にショートパスが出せないがゆえの、前線へのロングボールの放り込みや、慌てた横パスという、昔の悪いクセはあまり出なかった。出しどころがなければ慌てずキープして押し上げを待つ、という最低限の約束ごとは浸透していたのだろう。</p>

<p><strong>★カウンターアタック</strong></p>

<p>　前半の真ん中くらいから、球際のミスが続いた結果として、両サイドの攻撃的ＭＦが下がりだし、ほぼ中盤の４人がフラットに並んでしまって、トップの３人と何十メートルと距離が開いてしまう状態が続いた。こういった状態は、欧州の試合を見ているとよく起こるし、前のＷ杯の決勝でも、イタリアは途中からこの様な状況になったのだが、日本代表では結構珍しいパターンだったと思う。何が珍しいかというと、前線に３人残っていたからである。日本代表は伝統的に２トップが多かったため、悪い試合だと攻撃的ＭＦが下がりだし、さらに悪いとＦＷも下がってしまって、前線に下手するとゼロ、多くても２人ということが多かった。</p>

<p>　守勢に回った時に、７人で守るのと８人で守るのとの限界効用はあまり大きくないが、カウンターになった時、２人で攻撃するのと３人で攻撃するのとではまったく違う。日本のカウンターがきれいに決まることがこれまで少なかったのは、そもそも強いとか速いとか思い切りがいいとかの傑出した個がＦＷに欠けていることもあるが、１、２名でフィニッシュまで行くのがそもそも難しいのである。この試合では、カレンや李は努めて前線に残ろうとしていたので、たまに前線にボールが入ると、３人で攻撃の形を作ってフィニッシュまで持っていける時が多かった。ＦＷとそれ以外の距離が開くのは良いことではないが、実力差があったり、コンディションが悪いとそうならざるを得ない試合もあるから、３人でも攻められることが分かったのもやや皮肉めくが収穫と言うべきだろう。</p>

<p>　リズムが悪い時間帯が長かったのに、シャドーの２名のような動くタイプが前線に残っていたのは、前述の通り、これは指示が出ていたからと思われる。前の選手がボールをもらいにポジションを下げると、そのまま守備ラインに吸収されて、守備と攻撃の間のスペースを詰めるという狙いが実現しないことが往々にして多い。サッカーは点を取らないと勝てない競技であるから、攻撃の芽を残しておく観点でも、相手が攻撃にかけられる人数を減らす意味でも、ＦＷはゲームから消える時間帯が長いことを恐れず、前線に残るのが定石である。高さや速さといった特徴のある選手が多かった今回のＦＷ陣だけに、残らせた指示は正しかったと思う。世界から極端な例を探すと、スコラーリは、試合後半のプレースメントキックの局面でもＦＷを下げないタイプの監督だ。これは上記の様な効用を重視しているからだろう。</p>

<p>　また、この指示の背景は、平山を自他共に認める９番の選手として育成したいという狙いもあっただろう。４－２－３－１にしろ、４－３－２－１にしろ、今の欧州のフォーメーションの主流は１トップであり、その１トップにはイタリア代表のトーニのような、典型的な９番タイプが求められるのは、オシムもＷ杯後に指摘していた通りである。日本代表で９番らしい選手と言えば、ドーハからの１３年間でも高木、久保くらいだろうか。平山は数少ない将来の９番候補であり、役割分担が不明確になりがちな２トップではなく、本質が１トップ２シャドーである３トップの中心で起用したフォーメーションには、そんな狙いが透けて見える。</p>

<p>　平山も悪い時はボールをもらいに下がるクセがあったが、１トップだとポジションは高い位置を取らざるを得ない。ジーコジャパンの時代に、柳沢はシュートを打たないという批判の次くらいにＦＷにしてはポジションを下げ過ぎだと言われていた。しかし、その柳沢も、コンフェデ杯のメキシコ戦など、１トップとして起用されたゲームでは自然にトップの位置で９０分プレーしていた。柳沢のスキルが１トップというフォーメーションに向いていたかは別問題だが、中盤で押し込まれてズルズル下がりそうな試合でも、不思議と２トップより１トップの方が、ＦＷが前線で体を張り続けるシーンを見ることが多い。</p>

<p><strong>★監督の戦術はどうだったか</strong></p>

<p>　さて、主に選手レベルでの内容についてはここまでとして、もう１つレベルを上げて監督レベルでの戦術の善し悪しを振り返ってみたい。上に書いたような球際の弱さは、フィジカルなのか練習方法なのか、なかなか日本にユニークな弱点である。この問題に対して、監督サイドはＡ代表にしても五輪代表にしても「走り勝つ」「３人目の動き」等のキーワードで、戦略的にムービングフットボールを志向することで解決しようとしている。基礎技術は一朝一夕にレベルアップ出来ない類のものであるから、正しい方向性であると思うが、試合毎にその戦略を十全にワークさせる工夫があるかというとこれは改善点があるだろう。</p>

<p>　例えば、米国は２トップの下にワイドに広がる２枚の攻撃的ＭＦという布陣だったが、ＦＷと比べると明らかにＭＦの方が脅威で、特に６番のカークは極めて良いパフォーマンスだった。これに対して、日本は劣勢になっても引き続き相手のＦＷ２人には３人のＤＦが当たり、攻撃的ＭＦ２人には２人の決して守備が得意でないサイドＭＦが対応することを続けた。相手のＦＷに１人余るバックラインという原則を墨守した結果だろうが、ここはゲーム中に修正すべきポイントのように思われる。例えば、ＭＦが１人下がって４バックに変え、ペナルティーエリア横のスペースをつぶして相手のＭＦをケアすると共に、日本の攻撃的なＭＦが攻める余地を作るという戦術的修正もあり得ただろう。</p>

<p>　ここから半年間、楽勝とは言わないが、あまり強いとは言えない相手と戦うことになるため、選手よりも、さらに監督レベルでの戦術ミスが露わになる局面は少ないだろうが、ここはシビアに考えて、戦い方のバリエーションを増やしておかないと最後に差が出ないとも限らない。日韓Ｗ杯のトルコ戦、それ程スピードに特徴のない相手ＤＦ陣に対して、トルシェはスピードとドリブルに優れる三都主をＦＷで起用して、スタメンを見た日本国民を驚愕の渦にたたき込んだが、一方で「あれだけ練習試合したのに、このオプションをそもそも試しておかなかったのはなぜ？」と思った人も多かったのである。</p>

<p><strong>※写真は競り合うＦＷ平山　（撮影・蔦林史峰）</strong></p>]]>
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<title>北京行きは大丈夫？Ｕ－21代表の課題</title>
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<summary type="text/plain"> 　９月にドーハを訪れているし、その時の話と合わせてアジア大会をレポートしようと...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="masuda20061121.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/masuda20061121.jpg" width="160" height="180" /></p>

<p>　９月にドーハを訪れているし、その時の話と合わせてアジア大会をレポートしようと気合を入れていたのだが、あっさり２次リーグ敗退でとても困惑した。</p>]]>
<![CDATA[<p>　アジア大会での試合を中心に、なぜ負けたのかを分析しても良かったのだが、そもそもＵ－２３にオーバーエージ可という、オリンピックと同じレギュレーションのアジア大会にＵ－２１のメンバーで臨んだのだから、勝敗よりは２月から始まる五輪予選を見据えての経験の蓄積が主眼なのは明らかゆえ、これを深掘りしても益は少ないだろう。という訳で、前回のＵ－１９に引き続いて韓国戦になるが、アジア大会の前の国立で行われたＵ－２１韓国戦（１１月２１日）について、レポートしてみたい。アジア大会の結果もあって、トーンはどうしてもやや辛口とならざるを得ないので、そこはご容赦いただきたい。</p>

<p>＜国際親善試合Ｕ－２１日中韓３カ国対抗戦：日本１－１韓国＞◇１１月２１日◇国立</p>

<p><strong>★サイドの役目</strong></p>

<p>　これは前回も書いたことであるが、サイドプレーヤーがアタッカーとしてはワークしてなかった点はＵ－２１のカテゴリーであっても同様であった。断っておくが、水野のパフォーマンスが悪かった訳ではない。むしろ、この試合を見ていた人の印象に最も残るプレーヤーは間違いなく水野ではなかっただろうか。サイドを鋭くえぐっての速いクロスは韓国相手には極めて有効で、増田のゴールもこのクロスから生まれている。</p>

<p>　突破も良かったし、クロスも正確だった。だが、１トップという布陣における前めのサイドプレーヤーとしては、クロスだけでは物足りない。</p>

<p>　１トップと２トップの違いは、当たり前だが常に前線に張っている選手が１人か２人かという差である。当然、２人いるよりは１人の方がゴールの確率は減るから、その分だけ両サイドや、中盤の選手が前で、かつペナルティーエリアの近くでプレーしないと単なる守備的な布陣になってしまう。この点、水野は何回か真ん中へとチャレンジした時はあったが、基本的に外のペナルティーエリア横のスペースでプレーをしていた。そうすると、中央の選手が足りなくなるから、平山１人がクロスに競って、サポートがいないという状況が続出することになる。これはもちろん水野だけが悪いのではなく、水野がサイドに開いたら、逆サイドの苔口は中に入って、２トップの片方のようにプレーしないといけないし、逆に家永や苔口が左サイドを突破したら、水野は中に入って数的優位を作らないといけない。</p>

<p>　苔口もサイドに開いていることが多かったが、このような中央の人数を確保するという観点では、水野も褒められたものではなかった。また、単に中央に入れば良いものではなく、中盤でボールをもらったら、いったん中に絞って、右のスペースを開け、そこに中村北斗あたりが走り込み、自分はボールを預けてペナルティーエリアの前まで進出するとか、こういった後ろの選手の攻め上がりを引き出す動きも乏しかった。要は、今回の水野は、前めの右サイドにべったりと張り付いて、そこでのパフォーマンスは素晴らしかったが、１トップとしては、もうひと工夫が必要ということである。</p>

<p>　この点は、もちろん反町監督も気が付いていて、途中でカレンを入れて２トップにしたのは、水野のパフォーマンスを生かすには、２トップで真ん中の人数を増やした方がいいという判断があったからだろう。この交代によって、前線は非常に活気付き、マークが分散することによって、ペナルティーエリア近くでの日本の攻撃は明らかに良くなった。水野からクロスが上がれば２人が必ず競るし、ルーズボールを拾うプレーヤーもいる。これが韓国守備陣を非常に混乱に陥れていた。増田のゴールはこの文脈から生まれたものであろう。</p>

<p>　このポイントは、個人の得意なプレーとチーム戦術の中で求められているプレーとは違うとまとめることも出来るし、逆に個人の得意なプレーを活かせる人選、戦術ではなかった、と考えることも出来る。まだ若いカテゴリーだから、前者のみでまとめるのは少々酷かもしれない。そうすると、もう少しカレンの投入は早くても良かったかと思う次第である。</p>

<p>　また、両サイドがサイドに張りすぎというのもさながら、ボランチの攻め上がりがゴールシーン前後以外はあまり見られなかったことも指摘しておきたい。</p>

<p>　このポイントを反町監督は「このチームはビルドアップに課題を抱えている」と表現していたが、確かに中盤のダイナモ的な選手に乏しい印象を受けた。この日の布陣は、４－３－３に近く、ドイツＷ杯時のポルトガル代表を思い起こさせたが、サイドに張りっぱなしのフィーゴにクリスティアーノ・ロナウドに加えて、運動量に乏しく、攻め上がってこないデコでは攻撃に迫力が出ない。</p>

<p><strong>★マーカー以外の選手の動き</strong></p>

<p>　前半ロスタイムの韓国は２５番（ＦＷ梁東炫）のゴールは豪快な内容だったが、これは日本のミスが生んだゴールとも言える内容だった。２５番は高さと足技を兼ね備えた、なかなか良いＦＷだったので、清水で開幕からレギュラーの青山がマンマークで付いていたが、このゴールの瞬間は、日本の他の選手が青山の進路を妨害していて、付き切れない所を突破されてしまっていた。</p>

<p>　キープ力に自信のある選手であれば、マークを引き連れた上で、あえて敵選手に寄って突破するというのは、珍しいオプションではない。主な狙いは、マークともう１人の敵を近づけることで、敵を密集させて逆サイドにスペースを作ることだが、今回のように敵の２人がお見合いしたり、ぶつかったりという僥倖（ぎょうこう）も起こり得る。ゾーンで守っているのであれば、マークを受け渡す所だったかも知れないが、背番号は見えなかったので誰かは分からないものの、この妨害した日本選手は、ボールに行くでも、コースを切るでも、カバーリングするでもなく、実に中途半端なプレーで、あっさりと２５番に突破されてしまっていた。青山は２５番のシュートコースを切るように内側を併走していたのだが、この内側にこの選手がいたため、これを避けて回り込む一瞬の間、２５番はフリーになったのである。まだマンツーマンの守備ポリシーの中で、余っている選手の動きが熟成されていないように感じられた。</p>

<p>　守備については、ボランチのポジショニングもイマイチで、韓国の波状攻撃を受ける時は、必ずボランチがラインを上げすぎていて、最終ラインとボランチの間のスペースを使われていたし、逆にラインを下げている時は、簡単に最終ラインと一体化してしまって、本来の「外堀」の役目を果たせていなかった。全体に、守備の熟成度はいまひとつであると言えるだろう。</p>

<p><strong>★平山はいつＡ代表に上がるのか</strong></p>

<p>　あまり特定の個人に注目した内容にはしていない当コラムだが、このカテゴリーではどうしても平山の動向は気にかかる。今回の平山は、まだまだ本調子では無いものの、前回の中国戦よりはずっと体はキレていた様に思えた。クロスに対しての反応や、くさびのプレー、あるいは１人でこじ開けてのシュートなどのプレーにおいても、とにかくゴールファーストでシンプルにシュートに向けてプレーを選択するマインドにおいても、ゴールは挙げられなかったが、１トップとしては及第点のパフォーマンスだったように思う。久保が怪我がちだったこともあり、なかなか日本代表で１トップらしい１トップを見られなかったが、今回の平山を見て、やっぱりセンターフォワードってのはこうでないとな、とあらためて日本のＦＷ欠乏症に思いを馳（は）せてしまった。</p>

<p>　平山が復調してくると、ついついＡ代表にいつ上がるのか気になってしまうが、これについてはまだ時期尚早かもしれない。平山は注目選手だけあって、その言動に触れる機会も多い。それを追っていると、これは僕の仕事上の経験ゆえ感じるのかもしれないが、どうしても平山自身のハートの部分は気にせざるを得ない。</p>

<p>　彼の身体能力や、センターフォワードとしてのマインドは疑いようがないが、筑波大学からオランダを経たそのキャリアは、ユニークで果断ではあるが、どちらも自分の選んだことをコンプリートしていない点が非常に気になるのである。人の履歴書をよく見る仕事をしているが、選んだ仕事をコンプリートしているかどうかは重要なポイントだ。</p>

<p>　また、優秀で行動力もあり、自分で判断できるが、なぜか実績に乏しいという人は、履歴書上以外でも普段の仕事において出会うことがある。この種のタイプの人には、優秀さに甘えてあれもこれもとお願いするよりは、１つのことに責任を持って、集中して貰った方がラーニングが速いことが多い。優秀であるがゆえに、組織の便利屋的存在になってしまうと、仕事へのオーナーシップというものが、なかなか体感・習得されないのである。また、一つの反作用として、あれもこれもと場当たり的な仕事の振られ方をすると、本人に実績が出ないのは人事のせい等の被害者意識の様なものが醸成する可能性もある。</p>

<p>　僕は平山のパーソナリティーを直接は知らないが、報道で見聞きする範囲での言動を聞いていると、組織人事におけるそんなシチュエーションと同じかなと想像する。これは部外者としての勝手な意見だし、本人が聞いたら余計なお世話だと思うかもしれないが、いまＡ代表に上がって、Ａ代表とオリンピック代表を往復すると、どちらもまた中途半端になる可能性がある。それならば、平山の才能は疑いない所であるから、この五輪代表は平山のチームであると、本人にもコミットして貰って、どこまで上に行けるか一緒にチャレンジする、という位の長期的視野で育成し、その後にＡ代表に上げた方が、経験としてはいいものを積めるのではないだろうか。</p>

<p>　未熟だから成熟しろというのは難しい。未熟ゆえにどう成熟させ、ポテンシャルを最大限実現させるかを考えるのが大人の差配だと思うし、それが人材育成の醍醐味である。育成には早く高いレベルに触れさせるのが定石とはいえ、じっくりやらせてみるというのもケースによっては有り得ると思う。</p>

<p><strong>★今後の展望</strong></p>

<p>　２月から五輪予選が始まる。さすがに１次予選で負けるとは思わないが、今のままだと最終予選の突破は楽観視できない。今回挙げたような、前線の人数とか、守備の基礎的な動きとかは、早急に解決すべき問題である。</p>

<p>　また、これらをクリアした後には、Ｕ－１９世代とどう融合するか、というのが重要テーマになろう。Ｕ－１９との融合は、２月に早速行われるかは分からないが、中村北斗が欠けた右サイドバックに内田篤人、中盤の真ん中でプレーができて、走ってリズムを作れる選手として柏木陽介、１トップの時の前めのサイドや、３トップの両翼でもプレーできる梅崎司と、Ｕ－２１のミッシングピースが下のカテゴリーにいる。Ｕ－１９は、定石としては夏のＵ－２０Ｗ杯まではそちらに集中させるということだろうが、楽しみな若手が多く、Ａ代表に飛び級している選手もいるだけに、融合したチームを早く見てみたいものである。</p>

<p>　なお、余談になるが、前回のＵ－１９のコラムに対し、多数のご意見を頂いた。どれも非常に質が高く、面白く読ませていただいた。せっかくコメント欄をオープンにさせていただいているので、飛び入りして意見交換をしたいのは山々なれど、肝心の本稿の方を書くのにアップアップなので、そこは大目に見ていただければ幸いである。</p>

<p>　あと、このような形でコラムを書くのと、コメント欄で掲示板の流れの中でコメントするのとでは、書き方も内容も異なってくる。流れの中で適切なコメントというのをどう書いたものかと、皆さんのコメントを拝見しつつ、勉強させて貰っている次第である。引き続き、お付き合いの方、よろしくお願い致したい。</p>

<p><strong>※写真は【日本－韓国】同点ゴールを決めた増田（撮影・浅見桂子） </strong></p>]]>
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<title>韓国サッカーは日本の脅威なのか</title>
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<summary type="text/plain"> ★最強のライバル ＜アジアユース：日本２－２（ＰＫ３－２）韓国＞◇９日◇準決勝...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="japan-south%20korea061109.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/japan-south%20korea061109.jpg" width="220" height="146" /></p>

<p><strong>★最強のライバル</strong></p>

<p>＜アジアユース：日本２－２（ＰＫ３－２）韓国＞◇９日◇準決勝◇インド・コルカタ<br />
　韓国はいつだって最強のライバルである。特に若い世代にとっては関門に等しい。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　Ａ代表は９９年Ｗユースで準優勝した黄金世代以降、苦手意識はなくなってきたが、五輪代表を含めた若い世代では、敗北の姿の方が記憶に強い。勝つにしても劣勢を強いられて、カウンター一発というＡ代表ではあまり見られない形が多い。典型的な試合展開は、走り負けである。今回のアジアユース準決勝も最後ＰＫ戦でうっちゃったが、フィールドでは過去とまったく同様の展開で、走り負けているのは明らかだった。走り勝つことはオシムのテーマでもあり、この意義については過去触れたこともあるので、本稿では、走り負けること以外に何が韓国と違うのか、そこに重点をおいてみたい。</p>

<p>　今回のＵ－１９韓国代表のメンバーとは、いずれ五輪予選やＷ杯予選で何度もお目にかかることになるから、１度おさらいをしてみるという趣旨である。</p>

<p><strong>★狭いところでの差</strong></p>

<p>　韓国が明らかに上回っていたのは、フィジカルの強さと足元のうまさである。ここが負けていて他に何が勝っているのかと言うと、日本は足元はイマイチだったが、ボールを遠くに蹴る時、つまりパスにはまだ分があった。日本のゴールシーンは、どちらもパスがきれいに通ったあと生まれたものである。Ａ代表では、各プレーヤーがスペースを求めて動き回るため、日本のパスサッカーが有効に機能する時も多いが、Ｕ－１９レベルでは、まだそこまでプレーヤーの動きの質が高くないため、ボールに人が集まって密集するようなシーンが多くなる。こういうスペースが極端に小さい時に、韓国のプレーヤーのうまさと強さが際立ってくる。</p>

<p>　日本のプレーヤーは、こういう密集ゾーンをそもそも避けてボールを回そうとするし、入ってしまうと簡単にボールを取られていた。また、フィジカルも一時期と比べると差は縮まっては来たが、ぶつかっても容易に倒れないのは韓国のプレーヤーの方だった。このフィジカルと足元の差が、試合を通じてパフォーマンスの違いにつながっていたように思う。３人で囲んでもボールが取れず、結局韓国にシュートまで持っていかれるシーンもあった。</p>

<p>　これは伝統と言うべきなのか、日本にはあまり狭い所でプレーできる選手が育たない。今のＡ代表では田中達也くらいであろうか。十分なスペースがあればパスにシュートに良いプレーが出来る選手は多いが、メッシやロビーニョとまでは言わないものの、狭い所をスルスルっと抜けて決定的な場面を作れる選手というのは極めて少ない。こういう選手の現在のスキルを考えれば、オシムのムービングフットボールは、基本的にスペースメークにその狙いがあるため、現状に極めてフィットした戦術だと言えるが、選択可能なプレーを増やす観点で前線にはドリブルで局面を突破できる選手が最低１人はいてほしい。</p>

<p>　狭い所でプレーできる選手が育たない正確な理由は分からないが、１つ仮説としては中学高校レベルから戦術を教えすぎているから、というのはあるかもしれない。ボールを持ちすぎず、ピッチをワイドに使ってパス主体で攻めるというのは、高校サッカーでも基本の戦術だ。確かに球離れを良くすればスペースも生まれるし、勝利の確率は高まるかも知れないが、残念ながらドリブラーが成長する余地は少なくなる。中学高校レベルでは勝利よりもドリブルを、というのは非現実的だが、韓国とのパフォーマンスの違いを見るにつけ、１度育成制度を考えてみた方が良いように思う。</p>

<p><strong>★サイド攻撃の違い</strong></p>

<p>　あとは戦術的というほど大層な話ではないが、サイドプレーヤーの役割というのが大分違ったように思う。韓国のサイドはイタリア人プレーヤーに似ていて、クロスを上げるのではなく、中に切れ込んでシュートに持ち込むことを目的としてプレーしているように思えた。守備との間合いがあれば、そのすきに正確なクロスを上げるというよりは、その間合いをドリブルで詰めて抜き去ろうとしていた。</p>

<p>　日本のサイドの選手が中に入ってプレーをしないわけではないが、基本的にはペナルティーエリア横のスペースに侵入してクロスを上げることが多かった。加茂・岡田ジャパンの時に、中田からスペースにパスが出て、名良橋が走ってクロスを上げる、というよく見た光景以来、変わらない日本のサイド攻撃のパターンである。</p>

<p>　このクロスが有効でないとは思わないが、バリエーションとして、もっと中に入って勝負してもいいのではないかと思う。もちろん、中に切れ込んで勝負するためには、ペナルティー横のスペースからクロスを上げるより足元の技術が必要だから、前に言及した点との“ｃｈｉｃｋｅｎ－ｅｇｇ”なのだが、逆に言えば、サイド攻撃のバリエーションを増やすためにも、狭い所でプレーできるようになるべきなのである。</p>

<p>　Ａ代表でも状況は同じで、加地や三都主は、両者ともスペースがないと活きない選手であるため、中で勝負するというよりは、サイドからパスを出すプレーヤーだ。また、きき足も三都主は左で、加地は右であり、縦に抜けるには都合がいいが、中に入っていったり、シュートを打つにはきき足が逆の方がいい。欧州では、松井が右ききで左サイドをやっているが、これも足元の技術がある選手だけに、クロスではなく中に入ってのシュートやラストパスが期待されているということだと考えられる。</p>

<p>　韓国代表との試合で、よく相手の２トップに加えてサイドに開いたＭＦの２人が加わって、まるで４トップの様な波状攻撃を受ける時があるが、韓国代表のサイドプレーヤーはサイドアタッカーと呼ばれるにふさわしい攻撃的な選手が朴智星を嚆矢（こうし）としてそろっており、逆に日本には不足している。世界的に見ても、ギグスやフィーゴ、ロッベンの活躍が示す通り、サイドアタッカーは重要なポジションであり、戦略的な育成ポイントであるように思われる。松井大輔とて、日本というよりは、フランスでサイドアタッカーの芸を磨いたと考えるのが自然だろう。</p>

<p><strong>★韓国の日本化？</strong></p>

<p>　最後に韓国もずい分パスがうまくなったことは指摘しておきたい。まだパスサッカーは日本に分があるが、１４番（ＭＦイ・チュンヨン＝ＦＣソウル）や２１番（ＭＦイ・ヒュンスン＝全北現代）など、「ファンタジスタ」らしきプレーが出来る選手がチームに交じっていた。アテネ五輪組では、松井大輔が韓国人には非常に印象に残ったという。それは、松井のようなテクニックがあるファンタジスタが韓国にはなかなか育たないからと聞いた（当時の松井は今と違ってトップ下でプレーしていた）。</p>

<p>　逆に日本には上に述べた通り、朴智星のようなサイドアタッカーが育たないのだが、今回の韓国チームには、これまでいなかったタイプの、真ん中でボールをさばいたり、ラストパスを出せたりする選手が育って来ているように思った。今後１４番や２１番が松井、あるいは中村俊輔のような選手に大成してくると、サイドも真ん中も攻撃陣が充実するため、ライバルチームとして非常に脅威になるだろう。</p>

<p><strong>※写真はＰＫ戦を制し雄たけびを挙げながら走り出す日本イレブン（撮影・下田雄一）</strong><br />
</p>]]>
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<title>黄金世代→谷間の世代→？</title>
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<modified>2006-11-06T16:02:12Z</modified>
<issued>2006-11-06T13:40:25Z</issued>
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<created>2006-11-06T13:40:25Z</created>
<summary type="text/plain"> ＜国際親善試合・Ｕ－２１日中韓３カ国対抗戦：日本２－０中国＞◇２５日◇国立 　...</summary>
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<name>ichikawa</name>


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<![CDATA[<p><img alt="f-sc-061025-7704-ns.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/f-sc-061025-7704-ns.jpg" width="220" height="150" /></p>

<p>＜国際親善試合・Ｕ－２１日中韓３カ国対抗戦：日本２－０中国＞◇２５日◇国立<br />
　前回より少々時間があいてしまったが、今回は１０月２５日に行われたＵ-２１の中国戦について書いてみたい。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　このカテゴリーは２００８年北京五輪に出て、かつそこで好成績を残すのが目標ではあるのだが、だからと言って、勝てばいいのかというと、ナショナルチームとしてはやはりＡ代表をどう強くするかが圧倒的に重要な関心事だから、選手を育ててＡ代表に何人送り込めるかという、育成も重視しないといけない。よって、細かい戦術を云々するというよりは、選手個々人の技術や、２１歳という年齢にふさわしい成熟度とかにより注目する必要がある。</p>

<p><strong>★基礎を欠いた守備</strong></p>

<p>　そう思って試合を見たのだが、いくら若いカテゴリーとは言え、日本も中国もセットプレーへの守備は極めてお粗末だった。前半開始早々、中国が上げたクロスで日本は最初のピンチを迎えたが、この時も中国のフォワード２名を完全にフリーにしており、運が悪ければ１点もののシーンであった。一方の中国も、前半の日本の得点シーンが顕著であったが、攻撃４名に対して守備６名という状況で数的には十分いたにも関わらず、増田のクロスに対する守備は、かろうじて平山に１人が当たりに行っていただけで、５人はボールウォッチに終始し、日本は３人がフリーであった。</p>

<p>　梶山のヘディングもどんぴしゃりで素晴らしかったが、それほど鋭角的に落ちたとは言えない増田のクロスがぴったりハマったのは、中国の守備がルースだったという要因が大きいだろう。このマークにつききれない、というのは両チーム試合終了まで散見され、得点には至らなかったが、例えば後半５分の中国の攻撃の時も、途中でカットしたから良かったものの、真ん中では２名がフリーで飛び込んでいた。</p>

<p>　また、守備でもう１つ気になった点を挙げるなら、何人でボールを取りに行くとか、カバーは誰がするとか、約束ごとというか、「守備の嗅覚」みたいなものが一定のレベルを維持出来なかったことである。前半１５分くらいだったと思うが、ライン際でボールを持つ相手のＦＷ２人に対して５人で取りに行き、結果的にボールが取れたから良かったのだが、スカスカの真ん中は１：２の数的不利になっていた。ライン際のボールに５人行くのは明らかに多すぎで、一歩間違ってこれが抜かれでもしたら、１：３という状況に陥っておかしくないシチュエーションを自ら作り出していたことになる。</p>

<p>　反町監督が試合後に、前半１０分から１５分までは、このゲームはどうなることかと思った、と述べていたが、僕もこのシーンの後の日本のゴールまでは、オランダ・ワールドユースからの伝統（？）ではないだろうが、安定しない守備に非常にハラハラしながらゲームを見ていた。</p>

<p>　こういう、セットプレーの時に相手を放してしまうとか、ボールに選手が集まってしまうというのは戦術の前の、ディフェンスの基礎中の基礎みたいな所の問題点である。若いとか、国際経験が少ないというのはあるだろうが、Ｊリーグではレギュラーを張る選手が多く、１つ若いカテゴリーの時にワールドユースに出た経験があり、かつ先にアウエーで中国とやった上でのホームゲームだから、弁護の余地がたくさんあるとは言えないだろう。</p>

<p><strong>★チームとしてのまとまり</strong></p>

<p>　最初に気になった点を述べてしまったが、チームとしては良いパフォーマンスを出していたと思う。反町ジャパンは、オシムのムービングフットボールとはやや趣きが異なり、高いラインを引いて、前線から守備までの距離をコンパクトに保つ、プレッシングフットボールに近い思想のように感じた。あえて過去の代表から近いものを選ぶならトルシエ・ジャパンでは無いかと感じたが、中盤でスペースを与えず速いチェックで相手をつぶす度にに喝采（かっさい）し、たまに３バックの間のスペースへの長いスルーパスでヒヤッとする、というのは、当時の日本代表を見る上では欠かせないエッセンスだったし、今回のゲームも似たようなシーンが多くあったと思う。</p>

<p>　この反町監督のサッカーは極めて中国に対して有効だったのも事実で、２トップは日本の３バックにマンマークで密着されて局面を打開できなかったし、中盤は日本の速いつぶしに手こずり、短めのアーリークロスを放る位の攻撃しか出来ていなかった。個々のマークではひやひやしたものの、チームとしては守備が機能していたのは、戦術が優れていたからである。その他にも、日本は１トップがマークをひきつけつつ、２シャドーが複雑にポジションを入れ替えてマークを外す等の、このカテゴリーにしては比較的高度な動きにトライし、それは十分奏功していた。加えて、前半の終わり際には、平山の後ろにＭＦの４人が並んで、交互にポジションチェンジを繰り返し、フリーな選手が出来ると前線に飛び込んでパスが出るという、コラーをトップにＭＦが４人並んでパスサッカーを繰り広げた数年前のチェコの様なシーンも多かった。これらは、高さのある平山と総じてドリブルを苦手とせず、ショートパスも得意な選手で粒がそろっている中盤という、チームの特徴をうまく活かした戦術だったと思う。よって、前のチャプターで述べたような、個人のレベルにおける守備力の向上が出来れば、よりまとまった、結果を出せるチームになる可能性も十分あると思う。</p>

<p><strong>★谷底の世代？</strong></p>

<p>　次に、育成という観点から選手の技術レベルを考えたい。単刀直入に言うが、この中から何人今のＡ代表で通用するかと考えると、現時点ですぐにというのは難しいように思う。このチームでは、やはり平山が注目されるし、今回はゴールを決めて結果も出したが、足下の弱さが気になった。ゲームを通じて、足でボールをキープして味方に渡したり、シュートで終えたりしたシーンは極めて少なかったと思う。ＦＷは必ずしも足下の技術だけではないが、今のスペースを消しあうサッカーでは、足下の技術がないと、スペースへの走り込みがやたら速いとか、ヘッドに異常に強いとかの「一芸系」ＦＷになってしまい、９０分ゲームを任せられるというよりは、フィットした場面でのスーパーサブ的な扱いにならざるを得ない。</p>

<p>　１９２センチという平山の身長は、イブラヒモビッチと同じだが、イブラヒモビッチはキープ力が高く、ボールを簡単に失わない選手である。同様に、イングランド代表のクラウチや、オランダ代表のフェネホール・オフ・ヘッセリンクも、身長が非常に高いのが目に付くが、足下の技術も低くない。かつて見た平山は、足下もそこそこ使えていたように思うが、周りのレベルが上がったのか、単純に体がまだ絞れていないのかは不明だが、このゲームでは精彩を欠いていた。Ａ代表のＦＷもリッチな状況ではないが、現状のレベルでは平山のＡ代表デビューは先の話であると思う。</p>

<p>　また、ＭＦ陣に目を移しても、総じてどこのポジションもこなせ、ドリブルもパスも守備も出来る選手が多く、試合自体は上に書いた通りグッドパフォーマンスだったとは思うのだが、２１歳と言えば、中田英寿がペルージャに移籍した歳である。往時の前園・中田や小野、そこまで行かなくてもアテネにおける松井・今野クラスの傑出した個性があるかと言われると、少々粒が小さくそろいすぎているかも知れない。これはビジネスにおいても同じだと思うのだが、歳を重ねて丸くなるというのは、角が取れて丸くなるというよりは、辺の部分に肉がついて丸くなるのである。もともと尖っていないと小さな丸になる。中田は五輪代表の頃から視野が広く、フィジカルは強かったし、小野も同様に若い頃から絶妙の柔らかいトラップとパスワークを備えていた。サッカー選手は、この「尖った部分」を強み・個性として残しつつ、フィジカルだとかシュート力だとか、足りない部分を補強して、よりバランスの取れた選手に成長していくものだ。そう考えると、このＵ-２１代表は、粒がそろっていて、戦術理解度も高く、チームとしてはいい成績を残せるかも知れないが、傑出した個を今後Ａ代表に送り込めるかと言われると、谷間の世代といわれたアテネ組と同様の結果に終わる可能性もある。</p>

<p>　付け加えると、谷があるからには両側に山があり、片方の山はシドニー世代であろうが、もう１つの山は、かつては平山・森本・カレンを擁したこのＵ－２１だと言われていた。しかし、やや伸び悩んでいる内に、今となってはすっかりＵ－２１の２つ下、９月のアジアジュニアユースで優勝したＵ－１６にお株を奪われた感がある。このＵ－１６カテゴリーは注目選手が多く、久々の黄金世代になるかも知れない。また、Ｕ－２１のすぐ下のＵ－１９も梅崎、伊藤、ハーフナー・マイクなど、２０１０年が楽しみな選手が多い。高校時代に騒がれた幾多の選手のその後を考えると、この年代での実力は水物という要素が強いのは事実だが、再び谷間の世代、あるいは次の輝きが見えてくると、谷底とも言われかねないだけに、昨年のワールドユースでは４戦勝利無しと結果が出なかったＵ－２１世代の奮起と、Ａ代表への１人でも多い選出を期待したい。</p>

<p><strong>★中国について</strong></p>

<p>　最後に、対戦相手である中国についてである。北京オリンピックでも地元開催という事で、相当気合が入っているだろうし、五輪に限らず、Ｗ杯においても、アジアからの出場権をかけて、削りあいの歴史を今後築くであろう相手だけに僕も注意を払って観戦した。全体的にフィジカルは強いものの、技術や戦術はまだ１段以上の差があるというのが感想である。前半３９分にマルセイユ・ルーレットの様なプレーをした選手がいたが、これは例外で、ラテン的なテクニック志向のサッカーというよりは、ゲルマン的なフィジカルとＦＷのラン、が中心という印象だ。ただ、韓国ほどスピードとサイドアタックに目を見張る個性があるという訳でもなく、個性と言っても「あえて言えば」というレベルの話だ。</p>

<p>　考えてみれば、オフトや岡田監督の頃は日本はどういうサッカーかと問われても答が見つからず、アトランタ・シドニー世代を経てようやく、日本のサッカーの特徴というものが根付き、そして強くなった感がある。そう考えると、中国が今後日本の恐るべきライバルとしてＷ杯の常連国になるのは、それが何であっても、中国のサッカーとはこれ、という個性が出来てきた頃、と言えるだろう。</p>

<p>　あと、まったく余談ながら、今回の中国チームには、控え選手も含めたＤＦとＧＫ陣に苗字が劉・関・張・趙という選手が含まれていた。メンバー発表を見て、三国志の蜀カルテットだなと思って、この４人が揃うシーンを心待ちしていたのだが、残念ながらこのゲームではかなわなかった。今後、中国と試合する時は、ついこの４人を気にしてしまいそうである。</p>

<p><strong>※写真は中国戦で前半、先制ゴールを決める梶山（左）（撮影・たえ見朱実）</strong></p>]]>
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<title>ワールドクラスと戦って見えたもの、示唆に富むガーナ戦</title>
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<summary type="text/plain"> ★オシムサッカーの浸透 ＜国際親善試合・キリンチャレンジ杯：ガーナ１－０日本＞...</summary>
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<![CDATA[<p><img alt="20061004.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/archives/img/20061004.jpg" width="212" height="220" /></p>

<p><strong>★オシムサッカーの浸透</strong></p>

<p>＜国際親善試合・キリンチャレンジ杯：ガーナ１－０日本＞◇４日◇日産ス<br />
　ガーナ戦は、オシムジャパンになってから、最も見ていて面白く、かつ示唆に富むゲームだった。良かった点と、良かった点を踏まえた上での新たな課題、そして最後に少しだけゲームの感想を述べようと思う。</p>]]>
<![CDATA[<p>　良かった点は、まずオシムのサッカーがチームに浸透してきているのが、明らかであったことだ。もうジーコジャパンとは完全に別のチームと言っていいだろう。ポジションチェンジを繰り返してもバランスを崩さず、選手はどこの場所に入っても、一定のクオリティーでプレーができる。正直、ガーナとは個人技のレベルはかけ離れていたと思うのだが、ゲームとしては互角以上の戦いができていたのは、浸透しつつあるオシムサッカーの有効性を示すものであろう。</p>

<p>　僕は途中見ていて、Ｗ杯ドイツ大会の決勝トーナメント、アルゼンチン対ドイツの試合を思い出した。アルゼンチンは１点をリードした後、守りに入ってチームの大黒柱であるリケルメを下げるのだが、その後同点に追いつかれた。アルゼンチンの攻撃はリケルメが起点になることが多かったから、彼を下げてしまった後、攻め手がなくてゲームを作るのも難しいだろうと思ったのだが、守備的なラインを修正すると、その後延長終了まで、何事もなかったかのように本来のパスサッカーを繰り広げ、ドイツをあと一歩の所まで追い詰めた。リケルメという傑出したプレーヤーの個人技に依存せず、誰がどこに入っても一定のレベルで高いクオリティーのサッカーができるアルゼンチンに心底感嘆したのだが、今の日本は、レベルの差はまだあるが、同じようなことができつつあると思う。</p>

<p>　サイドの選手が中に入っても、トップの選手がサイドに開いても、ＤＦの選手が攻め上がっても不安定にならず、流動的にプレーできている。特に前半のガーナは、日本の選手を捕まえきれず、非常に守備が不安定で、あと一歩で日本が１点というシーンも多かった。これは、この日本の目指すサッカーが有効に働いた証左であろう。「家を作るには土台が大事」とオシムは選手に言ったと述べていたが、この土台は出来つつあるように思う。フランス人監督の時のような、長い合宿でチームとしての熟成を図ることができず、かつ有望選手のほとんどが海外でプレーしているとまでは言えない日本の現状を鑑みると、Jリーグの選手を中心にチームの土台を作り、その土台の上に個人技に優れる欧州組を厳選して入れるというアプローチは正しいアプローチであろう。願わくば、欧州組にリケルメやメッシがいるといいのだが。</p>

<p>　また、ジーコ時代から人材が豊富とは言えなかったストッパーに水本裕貴（２１＝千葉）という若手が出てきたのは１つ光明である。彼はアサモア・ギャンとピンポンという速いプレーヤーをマークしていたが、スピード勝負に持ち込ませず、うまく守っていた。マンマークがラインディフェンスと比べて優れているのは、前線の選手をフリーにさせる確率が相対的に低いことだが、彼はねちっこい守備でほとんどフリーにさせず、後半開始からガーナの得点シーンまでは中盤を支配されている時間が続いたにも関わらず、最後の最後で攻撃の芽は摘み取れていた。</p>

<p>　バロンドールクラスの選手でなければ、なかなかフリーでない状況で点は取れないものだ。坪井も速い選手だが、マークして最後ボールを奪う所のタイミングやスキルはハイレベルだがトップレベルではない。今回の試合では、水本のハイボールの処理の力はほとんど知る機会がなかったが、グラウンドでボールを取ってしまう技術には相当秀でたものがあると感じた。相手次第では水本の方がフィットする場合もあるだろう。</p>

<p><strong>★イニシアチブの作り方</strong></p>

<p>　次に課題である。今回は考えて走るサッカーができつつあるという状況を踏まえた上での、更に高いレベルでの注文なのだが、それはゲームのイニシアチブをどう握るかというイシューである。ガーナの戦術は明快だった。ガーナはレッドスター・ベオグラードでプレーしていたデュイコビッチ監督の時代と同様に、ゲーム開始早々から極めて高いラインで、数的優位な状況を作って攻め、１点取るとさっと引いてセーフティーファーストでプレーをする。結果として、ゲームのイニシアチブはガーナの方にあった。ガーナが攻撃をしたい時、守備したい時という相手の都合に合わせてプレーしてしまったのが日本である。</p>

<p>　これは、マンマークシステムの功罪の罪の方であって、相手のＦＷに対して１人余って付くというコンセプト上、どうしても受動的にならざるを得ないから、ラインの押し上げ・押し下げでリズムを作れないのである。後半押し込まれた時や、１点取られた後など、攻撃を行うことで相手を押し戻したり、流れを断ち切ったりせねばならない局面があった。しかし、ＤＦが相手に釣られて低い位置のままだったため、全般的にラインが間延びして攻め手が相手陣内で孤立し、三都主や遠藤の個人技でなんとか形を作るという、かつての悪い形がその局面では出てしまっていた。この種の個人技勝負になると、このチームは中村俊輔も小野伸二もいないから、難しいゲームになる。</p>

<p>　こういう時は、マーカー以外の選手が押し上げたり、クリエイティブにいったんディフェンスがラインを形成してポジションを上げて、相手のトップをオフサイドポジションにして戻らせる等、積極的な戦略が有効だ。この辺の駆け引きは世界ではポルトガルがうまい。自陣で行われる相手のセットプレーの時に、何人もの選手が敵陣に残って、相手を数的不利に追い込んだり、最終ラインをゲームの文脈に応じて上げ下げして、中盤にスペースを作ったり、相手のフォーメーションの特定部分に圧力をかけてリズムを崩させたり、となかなか見ていて飽きないものがある。こういった静的なラインの駆け引きというのは、ムービングフットボールを志向するオシムのサッカーとは少し異質なものだが、動く中でどこかに数的優位を作って圧力をかけたり、相手を引かせたりという、「イニシアチブの作り方」は、１つ今後の研究テーマとしてあり得るだろう。</p>

<p>　ただ、ここで１つ状況の変化の対応という点でオシムをフォローしておくと、オシムは前半のようにガーナのラインが高くて（相手ＤＦの裏に）スペースがある時は佐藤寿人、点が入って相手が引いてスペースがなくなると長谷部を投入していた。佐藤寿人はラインの裏に走り込むプレーが得意なため、ラインが高くスペースのあった前半は極めて良くゲームにフィットしていたが、点を取られるとプレーの自由度がなくなり、パフォーマンスは目に見えて悪化していた。本来はそこでスペースがなくても体の下でボールが扱える田中達也を入れたい所なのだが、今回は招集されなかったので、小刻みなステップのドリブルができて、技術の質は違えどスペースがない所でプレーできる長谷部を入れ、高い位置でプレーさせたのだろう。これはこれで非常に有効だったと思われる。</p>

<p><strong>★ガーナの可能性</strong></p>

<p>　最後に少々雑感めいた話になるが、こういった日本のホームの親善試合だと、たまにとんでもなくパフォーマンスが悪いチームが来たりするが、ガーナは極めてまじめに戦っていたと思う。僕が数週間前にガーナを旅行していた際に触れた、ガーナ人のまじめさ、気配り、みたいなものは代表選手にも共通した気質のように思えた。ガーナ人はまじめなのである。タバコも吸わないし、何かを要望すれば一生懸命対応するし、清潔好きである。なんとなくユルくて油断ならぬ雰囲気の漂う隣国コートジボワールとは随分違う。コートジボワールは、首都に高層ビルの立ち並ぶ都会で、ガーナは首都と言えどもビルはない“田舎”という違いが気質にも出ているのかも知れない。日本も、ビルこそ立ち並べど、国民性には昔ながらの“田舎のまじめな国”の面影を残している。そういう意味では、ガーナと日本は、似ている所があると思う。</p>

<p>　今回来たガーナ代表チームも、日本と同じ様な“田舎のまじめな国”が、まじめに国中から才能を集めてきたチーム、そんな印象を受けた。前のアーティクルで、ガーナのクラブチームは全くクロスボールを使わないと書いたが、今回代表の試合を見ても、ほとんどクロスやサイドチェンジは行わず、ひたすら真ん中を個人と個人の連係で突破してくるようなスタイルだった。それでも、これだけのパフォーマンスが出るのである。日本もオシムの下で“お勉強中”であるが、ガーナが今後、新監督の下で欧州の戦術を吸収して、洗練度を増してきたら、どこまで行けるのか、若いチームだけに空恐ろしい。ポルトガルやオランダの様にスピードを生かした、３トップによるサイドからの攻撃などを身に付け出したら、もともと中盤に才能が集うだけに、次の２０１０年南アフリカＷ杯ではベスト４以上も狙えるのではないか、そんな風に思った。</p>

<p><strong>※写真はＧＫのＲ・キングストン（右）と激突するＭＦ今野（撮影・蔦林史峰） </strong></p>]]>
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<title>市川雄介、ガーナを行く</title>
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<summary type="text/plain">　今回は１０月４日に日本と戦うガーナについての話題である。本題に入る前に、私事で...</summary>
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<name>ichikawa</name>


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<![CDATA[<p>　今回は１０月４日に日本と戦うガーナについての話題である。本題に入る前に、私事で恐縮だが、前の代表戦の後、仕事がちょうどｏｎ　ｔｈｅ　ｂｅａｃｈと業界で通称されるプロジェクトの端境期に入ったので、これ幸いと１６日間の夏休みを頂いた。旅行の行き先をガーナと近隣の西アフリカの国々に決めた後に入った一報が、日本代表のガーナとのフレンドリーマッチである。<br />
</p>]]>
<![CDATA[<p>　あまりのタイミングの良さに自分でも驚いたが、旅行がてらいくつかガーナのサッカーに触れる機会があったので、そのことについて今回はお伝えしたい。特に、ガーナ・サッカー協会にインタビューの機会を頂いたので、こちらについても一問一答形式で僕の英語翻訳力を尽くしてご紹介したいと思う。この所ずっと、日本代表の試合について、僕を含めて大多数のファンの方が日本代表戦に触れるメディアであろうテレビ観戦を主に念頭に置きつつ、こんな見方はどうだろうか、と自分の思うところを書き連ねてきたが、このｓｅｒｉｅｓ　ｏｆ　日本代表ネタは今回はひと休みである。</p>

<p>★ガーナにおけるサッカーの浸透</p>

<p>　ガーナに着いてから中部以南の４都市に滞在したが、ガーナの民間レベルでのサッカーの浸透は恐るべきものがあった。まずビーチに行けば、ビーチでボールを蹴っているグループがいる。１００人、２００人といった小さな村でも、必ずハーフコート位の大きさ以上のサッカーコートがあり、あり合わせの木で作ったゴールマウスを前に子供達が裸足でボールを蹴っていた。少し大きい町や学校の付属コートになると、このサッカーコートは芝なのか他の草なのかは確認しなかったが、クレーのコートではなく、グリーンのコートのことが多かった。別にきれいな芝生でなくても、土と芝では全然サッカーをプレーする幅、面白さが変わってくる。日本では、Ｊリーグ１００年構想の中で芝生のコートの普及が１つのテーマになり、Ｍｒ．ピッチという妖怪ぬりかべ級の存在感があるキャラクターを作ったほどだが、残念ながら高校レベルでもクレーのコートが普通なのが日本の現状である。</p>

<p><img alt="beach.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/archives/img/beach.jpg" width="240" height="154" /></p>

<p>　このように隅々までサッカーコートがあるのがガーナであり、子供はサッカーボールとともに生きている、というのが率直な感想だ。この若年層が街角で目に付くというのが、ガーナの大きな特徴で、ブラジルでも広場があればサッカーが行われていたが、ブラジルでは大人がプレーしている事も多かった。ブラジルでは人生にサッカーが浸透し、ガーナでは子供のアクティビティとしてサッカーが浸透している、そんな印象を受けた。</p>

<p>　また、同じアフリカでも東と西ではずい分と事情が異なる。東アフリカはタンザニアしか行ったことがないが、タンザニアではこのようにサッカーが浸透しているという印象はまったく受けなかった。同じアフリカでも、西の人は東のことをまったく知らない。日本人に同じアジアだからと、中東のことを聞くようなものである。西アフリカでは、カメルーンのエトー、コートジボアールのドログバ、そしてガーナのエシアンとスターを輩出しているが、東からは、なかなかこのクラスのプレーヤーが出てこない。そんなことが東西アフリカにおけるサッカーの浸透度に影響を与えているのかもしれない。ガーナの民間サッカーに子供が目に付くのは、ガーナが近年スターをエシアン、アピアーと輩出し、それによって急速にスターに憧れる子供たちの間にサッカーが広まったという可能性もある。ブラジルは昔からサッカーが強かったので、昔ボールを蹴っていた子供が大人になっても同じようにサッカーを人生の友にしていると考えれば整合性がある。アフリカの中では比較的昔から強くなったカメルーンあたりに行って、どんな世代がボールを蹴っているか見てみれば、この仮説の確からしさをもう少し検証できるだろう。</p>

<p>　また、ガーナはクラブに密着した新聞というのがあって、週に２、３回クラブに関する様々な情報を発信している。少なくとも、アフリカ・チャンピオンシップに出場していたアサンテ・コトコとアクラ・ハーツ・オブ・オークの新聞は、どこの新聞売り場でも必ず売られていた。これ以外にサッカー専門、あるいはサッカー中心のスポーツ新聞というのがいくつもあり、目に止まっただけでも“Ｅｘｃｉｔｉｎｇ　Ｓｐｏｒｔｓ　ＦＩＬＡ”“Ｓｏｃｃｅｒ　ＥＸＰＲＥＳＳ”“Ａｆｒｉｃａ　Ｓｐｏｒｔｓ”と３紙はあった。この新聞とテレビのスーパースポーツというのが、ガーナにおける２大サッカーメディアと言えるだろう。記事の内容は、日本と似たようなもので、注目選手のインタビューから、ガーナ代表は１０月４日の日本代表戦と８日の韓国代表戦の東アジアツアーで合計４０万ドル（約４６００万円）の出場料を稼いだ、というような憶測ゴシップ記事まで幅広く取り扱っている。</p>

<p>★アサンテ・コトコ</p>

<p>　ガーナでは途中、クマシ（Ｋｕｍａｓｉ）という内陸の町に滞在した。ここは、ガーナのアシャンティ文化と呼ばれる黒人王朝の文化の中心地で、現在でもそこそこ大きな都市である。このクマシをホームにするサッカーチームがアサンテ・コトコで、このチームはアフリカン・チャンピオンシップに出場している。これは、ヨーロッパにおける欧州ＣＬに相当するもので、優勝チームは師走の日本で世界クラブ選手権に出場する権利を得ることが出来る。ちょうど僕が滞在していた時にグループリーグの最終戦が行われたので、それを見た感想をお伝えしたい。</p>

<p>　相手は、チュニジアのＣＳＳチュニスというチームである。日韓Ｗ杯で日本はグループリーグでチュニジアと当たったが、あまりチュニジアは日本のファンに対して、強い記憶を残せなかった。はて、どんなサッカーをする国だったか？　と思いだそうとしても、中田の珍しいヘディングゴールとか、日本代表のゴールシーンは鮮明に覚えているのだが、チュニジアのサッカーについては印象に乏しい。一方のアサンテ・コトコについてもほとんど何も知らず、前のＷ杯でのガーナ代表の迫力ある中盤のビルドアップ、個人技が印象に残る程度である。</p>

<p>　という訳で何の先入観もなく、ゲームを見たのだが、非常に質の高いサッカーをするホームチームＣＳＳチュニスに比べて、アウエーのアサンテ・コトコのパフォーマンスは余り良くなかった。ＣＳＳチュニスは、スピードがあり、ピッチをワイドに使う。余りドリブルは使わず、ペナルティーエリア前での動きながらのショートパスと、もう少し下がり目からのクロスボールを使い分け、時には思い切ってミドルシュートを打ってくる。あえて他の国のカラーに当てはまると、アルゼンチンに近いだろうか。ブラジルのように余りボールをこねくり回さず、短い手数でボールを大きく動かし、確実にシュートで攻撃を終える、そんなチームだった。これに対して、アサンテ・コトコは単発的に中盤の選手がドリブルで攻め上がるのが目立つ程度で、パスの精度を欠いたこともあり、ほとんどの時間守勢に回っていた。面白いのは攻めるのも守るのもクロスボールが不得意らしく、サイドをえぐってのクロスが全くない上に、ＣＳＳチュニスがクロスを上げると、真ん中のＦＷのマークを外している事が多く、よくフリーでシュートを打たれていた。</p>

<p>　ゲーム自体は、実力通りＣＳＳチュニスが２－１で押し切って終わったのだが、このゲームをもって直感的な判断をすると、ＣＳＳチュニスのレベルはＪ１でもかなり上位、ヨーロッパでもフランスやオランダリーグならＵＥＦＡ杯には出られる順位に来るほどで、アサンテ・コトコはＪ２でも下の方という感じだろうか。これは１試合をもって非常に乱暴な判断をしているので、欠けている選手などが復帰したり、ホームゲームだったりするとぐっと良くなる可能性がある、という前提で読んでいただきたい。ただ、ＣＳＳチュニスが今後アフリカ・チャンピオンになるなら、世界クラブ選手権でも結構いい戦いをするのではないかと思う。</p>

<p>　ちなみに、こういった途上国のスポーツを見る時、どうしても資金の面が気になってしまうのだが、アサンテ・コトコのメインスポンサーは、ａｒｅｅｂａというガーナの携帯電話会社であった。この会社はガーナのあちこちに看板を出し、ＧＰＲＳでパケット通信が出来るとアピールしており、相当ガーナではメジャーな会社である。工業に見るべき大企業に乏しいガーナでは、こういったインフラ系で、かつ最も消費者に近い企業がスポーツへの主な支援者になるのだろう。少しサッカーの話から脱線するが、僕はこのａｒｅｅｂａの看板を見て、自分のＶｏｄａｆｏｎｅから普通にメールを送ったり、Ｗｅｂを見られたりするのかな、と期待したのだが、ローミング先はａｒｅｅｂａで無くガーナ・テレコムで、こちらはＧＰＲＳには対応しておらず、かろうじてＳＭＳが使える程度だった。</p>

<p>★ガーナサッカー協会インタビュー</p>

<p>　ガーナに滞在中、首都アクラのＮｏｒｔｈ　Ｒｉｄｇｅという閑静な住宅街に位置するガーナ・サッカー・アソシエーションを訪問して、インタビューをする機会を得た。インタビューに応じて頂いたのは、サッカー協会のＧｅｎｅｒａｌ　ＳｅｃｒｅｔａｒｙのＫｏｆｉ　Ｎｓｉａｈ氏である。Ｇｅｎｅｒａｌ　Ｓｅｃｒｅｔａｒｙというのは、直訳すると「総書記」「総務」といった意味だが、Ｋｏｆｉ氏はマッチメイクやファイナンスなど、実務面を幅広く担当し、企業で言う所のＣＯＯのようなポジションを務めている方である。忙しい中時間を割いて頂き、この場を借りてお礼申し上げたい。</p>

<p><img alt="mr.kofi.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/archives/img/mr.kofi.jpg" width="200" height="240" /></p>

<p><br />
○ガーナ・サッカー協会インタビュー</p>

<p>話し手：Ｋｏｆｉ　Ｎｓｉａｈ　(Ｇｅｎａｒａｌ　Ｓｅｃｒｅｔａｒｙ)<br />
聞き手：市川　雄介</p>

<p>[市川]<br />
　はじめまして。お会いできて光栄です。ガーナのサッカーは、前のＷ杯で世界を驚嘆させましたが、日本のファンは、Ｗ杯のゲーム以外のガーナのサッカーをあまり知らないというのが実情です。今日は、直接のお言葉をいただいて、これを日本のサッカー・ファンに伝えて、理解を深められればと思います。<br />
　まず、Ｗ杯から数カ月が経ちましたが、日本と同様、ガーナも監督がフランス人に代わりましたね。新監督であるＣｌａｕｄｅ　Ｌｅ　Ｒｏｙ氏に代わって、ガーナのサッカーに何か変化はありますか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　それは少し誤解があります。Ｌｅ　Ｒｏｙは、１０月からチームにジョインします。１０月に入って、１０月４日のゲームは指揮できません。実際には、Ａｓｓｉｓｔａｎｔ　Ｃｏａｃｈ（副監督）が指揮することになり、Ｌｅ　Ｒｏｙはゲームを見るだけです。このゲームが、Ｌｅ　Ｒｏｙにとって、初めてガーナのチームに触れる機会になるでしょう。</p>

<p>[市川]<br />
　そうでしたか。Ａｓｓｉｓｔａｎｔ　Ｃｏａｃｈの方は、Ｗ杯のチームには入っていましたか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　ええ、入っていました。</p>

<p>[市川]<br />
　その観点では、チームはＷ杯とキープコンセプトだと考えて良いのでしょうか。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　その通りです。</p>

<p>[市川]<br />
　なるほど。では、視点を対戦相手に移しますが、日本チーム、そして１０月８日に対戦する韓国チームの印象というのは何かありますでしょうか。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　ＦＩＦＡランキングでは現在ガーナの方が上に来ていますが、かつては日本の方が上でした。Ｗ杯に出場しているし、スピーディーで良いチームだと思っています。良いイメージを持っていなければ、マッチメイクはしないですよ。韓国も同じですね。韓国とはＷ杯前に親善試合をしているから、より良く分かっています。日本とも２年前にキリン・チャレンジ杯に来ないかという誘いがあり、我々も真剣に検討しましたが、良い選手がその期日では集められず、断念した経緯があります。なので、今度戦うのは非常に楽しみです。</p>

<p><img alt="gfa.jpg" src="http://blog.nikkansports.com/soccer/ichikawa/archives/img/gfa.jpg" width="240" height="207" /></p>

<p><br />
[市川]<br />
　誰か注目している日本人選手はいらっしゃいますか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　日本人の名前の発音は難しくて、今この場では思い出せません（笑）。もちろん何人も知っていますよ。</p>

<p>[市川]<br />
　それは残念です。日本チームは、Ｗ杯後に監督が、かつてユーゴスラビアを率いたイビチャ・オシムに代わり、選手も大分入れ替わっています。よって、ご存知の選手が今回出てこないかも知れないので、その場合はまた新しい名前を記憶する必要がありますね（笑）。逆にガーナ人選手では誰に注目すべきですか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　それはエシアン（チェルシー）でしょう。また、アピアー（フェネルバチェ）も依然としていい選手だと思います。</p>

<p>[市川]<br />
　アピアーはユベントスからフェネルバチェに移ったのですね。フェネルバチェの監督は前に日本代表を率いたジーコです。日本とガーナの友好のために、彼がアピアーとうまくやっていることを祈ります。<br />
　さて、日本人プレーヤーも、ガーナ人プレーヤーと同様、何人かは欧州のクラブでプレーするようになり、海外組と国内組の融合というのが、日本代表の難しい課題としてここ何年かクローズアップされています。ガーナでも同様の問題は存在しますか？また、存在する場合には、どう対処されてますでしょうか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　ガーナも全く同じ問題を抱えています。１４人のプレーヤーが現在海外でプレーしており、先発メンバーがほとんど海外組というのも珍しくありません。従って、統一した戦術を浸透させるのは非常に難しい課題です。Ｗ杯の後も２名の選手がガーナのクラブから欧州のチームに入りました。この問題は、常に存在し続けるでしょう。</p>

<p>[市川]<br />
　いま戦術の話が出ましたね。Ｗ杯を見る限り、ロングボールを使わず、ショートパスとドリブルというのが印象に残りましたが、ガーナの戦術的な特徴というのは何になるのでしょうか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　それは当たっていると思います。ガーナの最大の特徴は中盤の構成力ですね。伝統的に中盤にはいい選手を輩出しています。ただし、ＦＷにはなかなかいい選手が生まれない。あなたは身長が高いが、ガーナ人というのは背が低いので、あまり良いＦＷになりません。だからロングパスを出してもゴールはなかなか出来ないのです。従って、中盤の優れた選手がショートパスやドリブルでゲームを組み立てるというシーンが多くなります。</p>

<p>[市川]<br />
　“ケッテイリョクブソク”という言葉が日本にありますが、それはおっしゃったことと全く同じことを意味します。日本と同じような特徴を持っているのかも知れません。隣国コートジボアールのドログバがガーナに生まれなかったのが残念ですね。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　もし、ドログバやカメルーンのエトーがガーナに生まれていたら、我々はいとも簡単にＷ杯を取っていたでしょう。</p>

<p>[市川]<br />
　それは確かにドリームチームですね。ちょっとこれは批判めいてしまうのですが、代表チームの優れたパフォーマンスと比べて、クラブレベルではアフリカ・チャンピオンシップでもガーナの２チームは敗退してしまいましたし、あまり良いパフォーマンスではありません。この差はどこから生まれて来るのでしょうか？</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　ガーナのクラブチームには今Ａｄｖｅｎｔｕｒｅが不足しています。ガーナは２００８年にアフリカンゲーム（アジアにおけるアジア大会に該当する）のホスト国になっている為、アクラもクマシもスタジアムを改装しています。これらのスタジアムは３万人とか４万人を収容できますが、今改装中ゆえにチャンピオンシップに出たクマシのアサンテ・コトコもアクラのハーツ・オブ・オークも数千人しか収容できないグラウンドで試合をしています。これは当然クラブの財政にも影響していて、チケット売上が低下したために、良い選手が集められず、いい強化試合も組めません。Ａｄｖｅｎｔｕｒｅと言ったのはそういう意味です。２００８年になったら、きっと世界クラブ選手権に出られると思いますよ。</p>

<p>[市川]<br />
　最後に、ガーナは非常に育成システムに優れていると聞きます。近年ビッククラブでプレーする優れた選手を輩出しているのも、この育成システムの賜物であるとされています。この育成システムについて、概略をお聞かせ願えませんでしょうか。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　ガーナの育成システムは、公的なものと私的なものに分かれます。公的なものというのは学校です。中学、高校のクラブでの活動というのがまず基本になります。実際、ガーナではサッカーがとても盛んなので、運動能力に秀でた選手は、まず学校のサッカークラブに入り、そこで才能が見出されることになります。私的なものというのはクラブです。ガーナには、プレミアリーグと呼ばれる１部の下に更に２つの下位リーグがあり、地域にサッカーが浸透しています。ガーナはまだまだ貧しい国で、高校などの上位の学校には行けない子供たちが居ます。こういった子供たちはクラブが目を光らせて発掘することになります。今の代表にも、何人もストリートでサッカーをしていた子がクラブに見出された選手がいますよ。</p>

<p>[市川]<br />
　それは、ロナウジーニョのサクセスストーリーのようなお話ですね。かつて日本ではフランス人の監督が居て、若い世代も代表も両方指揮していた事が有りましたが、ガーナではどの様なシステムになっているんでしょうか。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　同じことを過去我々もトライしました。だが、やはり１人の人間が若い世代からフル代表まで見るのは負担が大きすぎて、今はフル代表と若い世代は分けて強化をしています。ただ、若い世代のことを定期的に代表監督はモニタリングをしていて、報告を受けています。</p>

<p>[市川]<br />
　なるほど。中盤に特徴のあるチーム作りといい、代表と若い世代の話といい、日本と同じような試行錯誤をし、同じような特徴を持っているのではないか、という気がしてきました。今度のゲームは楽しみにしています。本日はありがとうございました。</p>

<p>[Ｋｏｆｉ]<br />
　こちらこそ、ありがとうございました。日本のファンによろしくお伝えください。</p>

<p>★来るガーナ戦に向けて</p>

<p>　１０月４日が国際Ａマッチデーでないことで、ガーナ代表のメンバーが揃うか懸念していたが、９月２７日のガーナ・サッカー協会の発表では、ＭＦエシアン（チェルシー）、ＭＦアピアー（フェネルバチェ）、ＤＦメンサー（レンヌ）、ＦＷアサモア・ギャン（ウディネーゼ）等の中心選手は軒並み招集されて、日本に来る見込みである。バイエルンの屋台骨を支えたクフォーは来ないが、Ｋｏｆｉ氏も指摘していたチームの特徴である中盤の構成力が存分に発揮できる布陣と言っていい。日本は伝統的に、アルゼンチンの様な中盤がしっかりとしていて、スピードがあるチームだとゲームが作れず、苦手としている。ガーナもチームのカラーでいくと苦手の部類に入るチームだと思う。オシムジャパンになって２カ月、大分プレーのスピードは上がった様に思うが、これがどこまで通用するか、１つの試金石となろう。</p>

<p>　最後に、ガーナの注目選手を２人挙げるとすると、１人はもちろん中盤のユーティリティプレーヤーであるエシアンであり、もう１人はアサモア・ギャンだろう。アサモア・ギャンは、今期からウディネーゼのレギュラーポジションを獲得しており、リーグ開始後４試合経過したがサンプドリアから１点取っている。Ｗ杯のチェコ戦での鮮やかなゴールは記憶に新しいが、スピードがあり、１８６センチと高さも兼ね備える２０歳のプレーヤーである。ガーナに取っては待望久しい大型フォワードであり、闘莉王を欠く日本は相当手こずるのではないだろうか。</p>

<p>　今回のガーナの東アジアツアーは、４日の横浜、８日のソウルと日韓Ｗ杯の決勝戦から開幕戦の舞台へと逆戻りにたどるフレンドリーマッチではあるが、ガーナは新監督がチームを初めて総覧するという機会でもあり、メンバーは相当の気合で来る事が予想される。ガーナはＦＩＦＡランキング２３位のチームだが（日本は９月現在４７位）、フルメンバーが揃ったこのレベルのチームと日本がホームで親善試合を戦えるというのは珍しい機会でもあり、次のＷ杯を見据えた強化という観点ではインド戦よりも遥かに重要である。是非真剣勝負のいい試合を望みたい。</p>

<p><strong>※写真は上から「ビーチでサッカーを楽しむ子供たち」「ガーナサッカー協会のｋｏｆｉ氏」「ガーナサッカー協会の入り口」（撮影・市川雄介）</strong></p>]]>
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