2009年01月11日
大迫勇は日本のアンリだ/高校サッカー
<高校サッカー:鹿児島城西5-3前橋育英>◇10日◇準決勝◇埼玉
大迫勇の同点ゴールに、ストライカーとしての非凡な才能が表れていた。左サイドの松井にボールが渡った瞬間、大迫勇は相手DFと競り合いながら「タメ」をつくった。シュートを打つスペースへの飛び出しを遅らせながら、松井にクロスの位置を指示した。FWならば、真っ先にシュートポイントに飛びこみたいところ。しかし、それではスペースを消して、チャンスもつぶしかねない。スペースを使い、生かすための「タメ」が素晴らしかった。
反転のスピード、体の使い方のうまさ、ゴール前での落ち着き、FWとしての要素に恵まれている。中でも可能性を感じるのはセンス、賢さだ。ゴールするだけではなく、アシストもできる。周りを使うことができるのは、ストライカーとして大きな武器になる。
もう1つ、素晴らしいのはプレーが美しいこと。体の動きに無理がなく、しなやか。姿勢もいい。高校生としては大柄(182センチ)だが、それに頼ることはない。国見時代の平山(現東京)は、190センチの長身を生かして得点王になった。高校生レベルでは体格がアドバンテージになるが、Jリーグでは簡単に通用しない。将来伸びるためには、今体格に頼らないことも必要だろう。
ゴール前のセンスは鹿島(入団内定)でも通用する。センスだけなら、今の鹿島の日本人FWより上かもしれない。ACLもあるから、出場チャンスもあるだろう。日本人にはいないタイプのFW、世界的に見ればアンリ(バルセロナ)が近い。大きく育って欲しいし、その可能性は十分にある。(日刊スポーツ評論家)
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