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2008年09月04日

困った時に流れを変えられる小笠原を呼ぶべき!

<セルジオ越後・原博実 「3番勝負」:(中)>

 --代表の選手層は、やはり薄いと思われますか

 セルジオ越後 若い世代が出てきてない。ワールドユースで準優勝(99年)した選手たちがシドニー五輪(00年)に出て、W杯でもプレーした。でも、彼らの活躍はドイツW杯(06年)まで。その後が出てきていない。

 原博実 特に心配なのは前よりも後ろ。センターバックが中沢と闘莉王以外にいない。2人が壊れたら、誰を使うのか。サイドバックにも不安がある。若い選手は未知数だし、両サイドで同時に使うのは怖い。現実的には右に駒野あたりを置いて、左は阿部かな。右は攻めて、左は守備的に戦うという感じ。ただ、右ならコンディション的には加地がいいと思うけれど。

 --FWの決定力不足も心配になります

 越後 中東にはいいFWがいるからね。ただ、決定力不足は選手でなく、日本のサッカーレベルの問題。誰がやってもダメで、最後になって大黒が入った。まさか、また大黒を予選のヒーローにしたいわけじゃないだろうけど(笑い)。

 原 中盤にいい選手がいるから、FWは小回りが利いてパスを引き出せる選手がいい。一番いいのは大久保。あとは玉田や田中達。巻はパワープレー要員。ヘディングの強さは中沢や闘莉王の方があるけれど、2枚では足りないから巻が必要になる。あとは中盤の選手がどう得点に絡むか。今の代表にはゴール前に飛び出していって、ゴールを狙える選手がいない。(スペイン代表の)シャビとイニエスタが評価されるのは、点が取れるということ。

 越後 (ポルトガル代表の)デコや(ブラジル代表の)カカもそう。日本の中盤はパサーばかりで、出て行く選手が少ない。パスばかりでは、点は取れない。ギリギリの選手層で戦わなければならないのだから、岡田監督も気の毒だよ。

 --五輪代表と同じようにチームのリーダーがいないのも気になりますが

 越後 女子では池田(浩美=主将)と沢(穂希)がいて、バランスもとれていた。北京では選手だけのミーティングもやっていた。選手同士が集まって話し合うっていうのは、日本の文化。いいところよ。でも、今の代表でミーティングをやろうぜ、って誰が声をかけるの。チームをまとめる選手がいないよ。いざとなったら選手が動かないと。最後まで監督が仕切るんじゃ高校サッカーでしょ。

 原 以前なら(中田)ヒデがいた、宮本がいた。今のチームには、そういう選手がいない。中沢は黙々とやるタイプだけど、リーダーではないし、闘莉王も自分で飛び出しちゃうから、まとめ役にはなれない。

 越後 (中村)俊輔も、選手同士で話し合いをしているけれど、基本的には自分が関連するプレーのことを話しているだけ。チームをまとめるために話をしているわけではないし、セルティックでもリーダーという感じではないよ。

 原 欧州組と国内組のパイプ役という点では遠藤かな。ただ、本当にいいのは小笠原。誰もが認めるし、リーダーとしての能力もある。もちろん、戦力的にも重要。いざとなれば、最前線に飛び出してゴールも狙える。今のJリーグの日本人で、唯一困った時に流れを変えられる。悪役になっても相手をつぶせる。これから絶対に必要になるし、呼ぶべきだと思うな。

 越後 小笠原はいいね。根性がすごい。Kリーグとのオールスター戦では、イエローカードをもらっても相手を止めた。ああいうのがリーダーシップ。プレーに波もないし、精神的にも中心になれる。何でも言える選手。ただ、岡田監督は好きじゃないと思う。黙っていられなくて、監督にも意見しちゃうからね。小野もリーダーとしてはいいけれど、何でも言うから選ばれないよ。小笠原や小野は俊輔以上に言う。本当は彼らのように物が言える選手が必要なんだけど。(つづく)


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原博実「核心を突く」
原博実(はら・ひろみ)
 1958年(昭33)10月19日、栃木県生まれ。矢板東から早大を経て、81年三菱重工入り。国際Aマッチ75試合に出場し、釜本、カズ(三浦知良)に次ぐ歴代3位の37得点を挙げた。92年の引退後、浦和のコーチに就任し、98~99年には監督を務めた。02年~05年、07年に東京で監督を務め04年にナビスコ杯を制した。監督としてJリーグ戦通算86勝44分け77敗。かおり夫人と1女2男。183センチ、80キロ。血液型A。

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