東方ローマ温泉(後編)
スーパー銭湯が主流、上海浴場事情
東方ローマ温泉の豪華浴室を堪能した後、脱衣所へ向かおうと来た通路を戻ろうとすると、例のボーイに拒まれた。そのボディランゲージから読みとると、どうも戻り専用通路があるようだ。再び水槽のアーチを抜けて脱衣所に入ると、ボーイがバスタオルを広げて待っていてくれた。こちらは素っ裸なのでかなり恥ずかしい。
白くて清潔なバスタオルは何枚でも使える。大きな鏡台の前にドライヤー、ローションなど複数の整髪剤が並ぶ。やはり日本のスーパー銭湯とダブるが、ボーイが常駐している点が日本にはない特徴だ。無事に着替え、脱衣所を出ると、ロビーで料金を支払う。ホテルのフロントのようなカウンターに女性が2人。12月に訪れたので、スタッフもサンタクロースの赤い帽子をかぶり、クリスマスシーズンを演出している。この点は日本と同じだ。
ロビーの天井は高い。茶色の大理石風の柱が外観と同じ神殿形式を印象づける。場内に複数、青と白のおしゃれなツリーが輝く。一見、くす玉のような真っ赤な玉が天井から下がる。トナカイのデコレーション飾りも日本でよく見るものだ。
入り口脇には黄金色の関羽像が祀られていた。三国時代の武将で商売繁盛の神様として奉られる存在と聞く。ロウソクや果物が供えられ、賽銭箱もあった。これは中国独特だろう。
料金清算後、最後に預けていた靴を受け取る。銭湯でサッパリした以上に、不慣れな外国のスーパー銭湯から無事出て来れたことにホッとした。
ほかにも上海には日本でいう「スーパー銭湯」レベルの浴場が多い。昌平路397にある花園浴場(写真左下)はホテルを思わす立派なビルにある。24時間営業、年中無休でロビーも大通りに面した開放感いっぱいのガラス張りで心地よい。58元(約870円)と比較的安い。一方、西康路の海上海浴場(写真右下)は、車庫も豊富な大きな敷地内にある。こちらは64元(約960円)で24時間営業、年中無休だ。上海はいわゆる「銭湯」より高級な「スーパー銭湯」が主流、風呂の種類より、マッサージや脱衣所に常駐するボーイのサービスなどが特徴的だ。
世界の「湯」は想像以上に多彩だ。中でも銭湯は暮らしを映す鏡だろう。世界の土地土地で愛される風呂文化に触れることは、日本人にとってまた一興だと、強く感じた。


