あかし湯
虎Vダイブ者やって来た!道頓堀すぐそばの銭湯
宗右衛門町といえば、大阪・ミナミを代表する繁華街だ。夜になるとネオンがきらめく歓楽街のど真ん中で、高級クラブに囲まれながら「ゆ」ののれんが揺れているのをみなさんはご存知だろうか。
「あかし湯」は昭和25年からミナミの憩いの場として親しまれてきた。堺筋から宗右衛門町通りへ入り、1つ目の筋を右折するとすぐ。ビル1階には「あかし湯」、3階に「サウナあかし」、4階に「鍼灸、カイロマッサージ」と癒しの空間が並んでいる。
「サウナあかし」は昭和44年誕生の本格サウナ。マッサージ、針灸、整体と合わせたセットメニューが人気だそうだ。(料金はサウナ入浴1100円、サウナ入浴+マッサージ5000円など)。3階に位置するため、窓から明るい日差しが差し込む。浴場の真ん中に「ラドン湯」部屋があり、サウナと一緒に楽しむこともできる。
対照的に「あかし湯」は、昔懐かしい雰囲気を残す銭湯だ。中2階にあるラドン湯は、大阪の銭湯では初めて取り入れられたもので歴史がある。岡山県の阿部鉱山より採掘された天然の鉱石「光明石」を使用したラドン湯では、やわらかい湯ざわりと、入浴後に湯冷めしにくいポカポカ感を楽しめる。
ご主人の西野栄二さん(65)によると、「18年ぶりの阪神優勝時はマスコミが大勢取材に来て大変だった」そうだ。03年9月15日、星野阪神が優勝した記念すべき日、道頓堀の戎橋にはファンが押し寄せ、Vダイブが夜通し続いた。そんな“無法地帯”と化した戎橋周辺から、異臭を漂わせたファンが「あかし湯」へ流れ込んだ。番台の栄二さんも「あれ?服が濡れているぞ」と思いはしたが…後の祭りだった。さらに後日、マスコミからの取材攻めで大忙しの日が続いた。
もっぱら、あかし湯の利用者には、ミナミで働く飲食業関係の人が多い。中でも最近目立って増えたのがホストだとか。お店への出勤前や閉店後に、素の顔に戻り世間の垢を落とし、また夜の街へと戻っていく。心地よい銭湯の湯が、眠らない街の緊張感から解放してくれるのだろう。
「最近の小学生はパンツを履いたまま風呂に入ろうとするんだよ」と栄二さんは苦笑いする。修学旅行などで、銭湯を訪れた子供たちの中には、どうしても最後のパンツが脱げない子がいるそうだ。素っ裸になって風呂場を歩き回り、知らないおじいちゃんの隣で湯舟につかる。初めて銭湯にやって来た子供とっては、驚きの連続なのだろう。

