長洲温泉
ミニプ―ルもある隠れ家的銭湯
阪神杭瀬駅の北側にある国道2号線を越えると商店街が見える。歩き応えのある長いア―ケ―ドが交差する。杭瀬駅前商店街、杭瀬本町商店街、杭瀬栄町商店街、杭瀬栄町イースト商店街、杭瀬一番街(杭瀬銀座商店街)、杭瀬昭和通りショッピングセンター、杭瀬市場と様々な商店街が連なる東西に約1キロの通りが続く。
この商店街の西側に、長洲小学校、つくし保育園、長洲公園などの施設が隣接する。校舎から響く子供の声を聞きながら、銭湯を探していると、住宅街の中に溶け込むように意外な場所から、銭湯の煙突が見えた。
隠れ家的? 銭湯の名は「長洲温泉」。経営される五島夫妻が揃って笑顔で出迎えてくれた。ご主人浩さん(46)から、「看板娘です」と紹介された目元が印象的な奥様の眞理子さん(41)と、母親の久恵さん(72)の3人で年中無休で営業を続ける。
昔ながらの番台形式で接客されているので、もっぱら番台に座るのは奥様とお母様の女性陣。最近は脱衣所の外にカウンター形式で接客するのが主流だが、これに対しご主人は「番台の形を続けてよかったと思います。ご年配のお客様などへの配慮も可能ですから」と、カウンター偏重の業界のムードに一線を引く。
「長洲温泉」は昭和40年に創業、浩さんは父親から平成2年に経営を引き継いだ。実は、実兄も尼崎市神田北通で「神田温泉」を営なむ銭湯一家だ。この「神田温泉」でも展開してる、兄弟共通の「薬湯」が、長洲温泉でも一番に力を注いでいる部分だ。この薬湯はお客様からも人気が高い実力派のお湯。この薬湯の元の漢方薬が脱衣所に見本として置いてあり、触って匂いも確かめられる。
この漢方薬は、「人参実母散浴場」の14種類の漢方薬と、「八漢湯」という身体の芯から温まる厳選された漢方薬のブレンドしたものを、ご主人自ら配分して、秘伝の薬湯が完成する。
楽しめるのは大人だけではない。この銭湯には子供も楽しめる変わった? 趣向が用意されていた。
男湯限定だが、サウナ部屋の隣にある、ミニプール(巨大水風呂)が子供たちの社交場。個室で約縦4メートル程あるため、子供は割と自由に泳げる状態らしい。噂のミニプ―ルを目指して、一部の子供たちは水中ゴ―グル持参で銭湯に通う珍しい光景が広がる。
親子連れ、又は孫とおじいちゃんなどが仲良く銭湯に訪れる。大人はサウナ部屋の窓から、隣のプールで泳ぐ子供を見守ることができる。そんな幸せな空気が流れる時間(とき)は、お金で買えない、かけがえのない思い出になりそうだ。

