和光浴場
山王に息づく“最強”銭湯
西成区・山王の「和光浴場」は「銭湯ファン」の間で“最強”の称号を得ている。早朝6時から翌日1時まで営業、脱衣所には入浴時間を利用しての洗濯も可能な大型コインランドリーを完備するなど、使いやすさが近隣の常連客を増やしている。
一方で、遠方から常連を増やし続ける要因となっているのが、「スーパー銭湯」も顔負けのお湯の多彩さだ。まずは自動ドアで脱衣所から風呂スペースに入場する。待ち受けるのは壁にそってお湯が流れる浴槽群に全身シャワー。打たせ湯、深泡風呂に、電気風呂、寝風呂&ジェットの複合風呂。「死海の塩」薬湯、スチームサウナ、乾燥サウナ、その両サウナに囲まれてフローバスに水風呂と「銭湯のフルコース」が味わえる。
中でも露天風呂は屋根付きの湯船から庭を眺めることができる本格派。美容効果の高い炭酸泉に浸かりながら、心身ともにリフレッシュできる。
戦前、西区新町で開店したが、戦中の空襲で店が焼けるなど辛い歴史を経験した。戦後、生野区で豆腐屋を開き、「すっからかんからの再生」で西成区山王で銭湯を買い受け開店した。増築を繰り返し、平均的な銭湯の3倍はある現在の広さになった。重厚なレンガ作りの玄関をくぐると、天井からシャンデリア。風呂場に備え付けられた御影石のイスなど、歴史を超えて生き続ける崇高ささえ感じることができる。
最初の敷地から南側の敷地を増築したため、2棟をつなぐ廊下の内側が中庭となった。それが現在の庭園露天風呂だ。(女風呂は2階に露天風呂)
「いろいろ増改築を重ねているうちに、こんな感じになった。でもまだまだ広げるつもりですよ」と山口博義さん(75)。常連さんの“楽しみ”は、まだまだ増えていきそうだ。
脱衣所で『サンガリア』を発見。この浴場では「ひやしあめ・あめゆ」など数種類を堪能できる。最強銭湯に打ちのめされた心に一服の清涼感。まさに「国破れてサンガリア」だ。
