日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの社会ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2009年6月08日

フジTV女子オペレーターに許せない言葉の数々

 6月4日、裁判員を選ぶ前に事件の被害者に裁判員候補者名簿を開示して、関係者を特定してもらう形になると最高裁が発表しました。関係者がいたら、その時点で除外するそうな。これなら被害者の友達なのに、都合をつけて、選任手続きのために裁判所に行くことがなくなりますね。そもそも事件の関係者は裁判員になる資格がないし。

 これって、以前、法務省か最高裁に電話して質問したんだけどね。わざわざ事件を開けて裁判所行って、関係者だから選ばれないって場合、事前に教えてくれた方がいいんじゃないかって。答えは「事件の内容は当日知らされることになっているので」ということだったんだけどね。

 こうして1つ1つ改善されていくんでしょう。これから始まる裁判員制度と、3年後の見直した後の裁判員制度がどれだけ違うものになるか見ものですね。
 さて、今回は6月1日に行われた宮国浩太被告人(逮捕時24)の裁判の話。罪名は威力業務妨害、業務妨害。

 フジテレビに約1600回の脅迫電話をかけたとして逮捕された事件ですね。08年12月から09年3月中旬までの間、自宅から東京都港区のフジテレビへの意見を受け付ける「視聴者総合センター」に約1600回電話をかけ、応対した女性オペレーターに「刺し殺す」「ぶっ殺す」などと脅迫したり、わいせつな言葉を話したりして、フジテレビに対策会議を数回開かせるなど業務を妨害したと報じられた。

 ちょっと前なら、業務妨害の裁判って、この事件同様、電話による犯行が多かったんだけど、ここ数年はネット上の犯行予告がほとんどだったんで、何だか懐かしい気がしてきます。先週分と似た事件ではあるけど。
 法廷が小さい、裁判が少ない、報道された事件、フジテレビ関係者も傍聴という多くの条件が重なって、傍聴席満席の初公判です。
 起訴されたのは2つ。1つは今年の1月14日から3月1日の間、被告人は自宅から473回に渡って、フジテレビの視聴者センターに、「半殺しにするぞ」「殺されたいのか、殺しに行くぞ、今からな」「ティモシー・マクベイって知ってるか? オクラホマのビル爆破した男だよ」「レイプしてやる」「フェラチオしてくれ。勃起してるぞ」「今から歌うから聞いてくれ」などの電話をし、オペレーターの業務を妨害した件。

 もう1つは、それらの電話が元で、フジテレビに5回の対策会議を開かせ、1月15日から4月3日までの間、警備の強化をさせた威力業務妨害の件。
 報道されたより、いたずら電話の期間も短くて、回数も少なくなってきましたね。起訴されなかった電話は、まっとうな内容だったんでしょうか。

asozan090608.jpg

 検察官の冒頭陳述によると、被告人は仕事をしておらず、テレビやラジオを聞いては、テレビ局や出版社に電話をしていたとのこと。
 そして、去年の12月13日にフジテレビに電話し、番組の不満を伝えたが、女性オペレーターとの会話に立腹。それから、繰り返し電話をするようになったという。

 取り調べに対し、オペレーターのスーパーバイザー(?)は、「被告人からの電話に“いたずら電話はやめてください”と言ったが、昨年12月13日から続いていた。今年3月1日は、1日に450回電話がかかってきた。沖縄から電話がかかっているのはわかっていたが、ほんとにフジテレビに来るかもわからないという恐怖心があった」と述べているとのこと。

 被告人は取り調べで「テレビを見ていて、その番組を放送すべきではないと思い、電話していたが、女性オペレーターを話していて、性的欲求を解消してもらおうと思った。脅迫の内容の電話をしたのは、自分はプライドが高いので、電話でバカにされたように感じたから。番組内でタレントやマスコミの政治家に対する態度が酷く、チェックするためにテレビを見ていた」などなど供述しているらしい。

 法廷には被告人の父親が情状証人として出廷。証人の働く会社の社長とともに、面会に行ったらしく、同じ会社で働かせて監視していくことを約束していました。
 そして、被告人質問。まずは、弁護人から。

 弁護人 「あなたは、高校2年で休学してから、家にいることが多かったんですね?」
 被告人 「はい」
 弁護人 「今年1月から3月は、よくテレビを見ていたんですよね」
 被告人 「はい」
 弁護人 「他の人より、よくテレビを見るから悪いところが気になる、と」
 被告人 「はい」

 こんな感じで、弁護人が多くを語り、被告人に「はい」と答えさせるだけの質問なので、非常に味気ない被告人質問です。端的に答えるべきだから、本来の形なんだろうけど。
 このあと、謝罪や反省の弁を述べ、質問終了。次は、検察官からの質問です。

 検察官 「どうして仕事しなかったんですか?」
 被告人 「働く気がなかったというのがあると思います。24歳ですし、きちんとしなければいけないと思っています」
 検察官 「お父さんの働いている会社の社長さんが面会に行ったようですけど、就職が決まったわけじゃないですよね。もし断られたら?」
 被告人 「仕事探します」

 とにかく、働く意志があることをアピールです。

 検察官 「カッとなりやすいんですか?」
 被告人 「はい」
 検察官 「自分のしたこと、今から振り返ってどう思います?」
 被告人 「普通ではないと思います」
 検察官 「テレビを見ないで生活を送るというのは難しいと思うんですよ。テレビを見て、今後気に入らなかったらどうします?」
 被告人 「…腹立ったとしたら、我慢します」

 自分で気持をおさえて、再犯することはないと約束です。しかし、

 検察官 「どーーしても、腹が立ったらどうします?」

 カッとなりやすい被告人のことを心配しているのかも知れないけど、質問の内容がちょっと幼稚な気も。これに対し、

 被告人 「テレビ消して、見ないようにします」

 と、どーしても、腹が立った時は、テレビの電源を切ることを誓っていました。この事件の問題って、そういうことじゃないような。
 最後は、裁判官からの質問。

 裁判官 「フジテレビに電話したのは、最初は報道の姿勢についての抗議かも知れないけど、その後はそういう目的じゃないですよね?」
 被告人 「はい」
 裁判官 「何かのはけ口になってたんですか?」
 被告人 「…あったと思います」
 裁判官 「なぜ、こんなこと言ったんだと思います?」
 被告人 「不満をなかなか伝えることができなくて、暴走したと思います」
 裁判官 「んーーーー」

 ここから、原因の追及です。

 裁判官 「不満って、内容じゃないんじゃない? あなたの中にふつふつとしたものがあって、とかね」
 被告人 「ストレスがあったときに電話したのは確かです」
 裁判官 「ストレスって?」
 被告人 「いろいろあったんで」
 裁判官 「電話したらすっきりするの?」
 被告人 「あまりすっきりしません。より激しく怒りが増してたと思います」

 電話をするたびに怒りが雪だるま式に増えていたようです。だったら、怒りをおさめるために電話をしなきゃいいと思うんだけどねぇ。裁判官も納得がいかないようで、質問です。

 裁判官 「電話するとき、怒りなの? 違うんじゃない?」
 被告人 「…怒りでした」
 裁判官 「ふーーーーん。怒りにしても、すごいこと言ってますよね。今、思い出して何が問題なんだと思います?」
 被告人 「自分の意見をうまく伝えられなくって。気が小さいと言いますか」

 問題は気が小さかったってこと? どういうこと? だいたい、被告人が電話で言ってた言葉は気の小さい人に言えなさそうだけどね。そして最後に、

 裁判官 「今後、こんなことでは(社会生活を)やっていけませんよね?」
 被告人 「はい。(同居している)母にも迷惑掛けましたし、自分も変わらなきゃいけませんし。変わりたいです!」
 裁判官 「自分が変わりたいなら変われると思いますけど。お願いしますよ」

 と、被告人がかわることを約束して、質問終了。
 このあと、検察官が懲役1年6月を求刑して閉廷でした。
 結局、なんで電話を掛け続けてたのかははっきりしませんでしたね。だって、3月1日だけで450回。電話代もかなりのもんでしょう。それを怒ってたからってだけで、やり続けられるもんなのかなぁ。

 被告人は変わることを約束してたけど、一途な気持ちや忍耐力だけは変わらないでほしいですね。方向性が違えば、すごいことを成し遂げられそうだし。犯罪行為だから誉められないだけで、この根気だけは認めてあげるべきだと思うんだけど。

※写真はフジテレビ本社

注目の裁判

11月24日(火)被告人・秋山直紀:所得税法違反
<防衛汚職関連の所得税法違反事件> 08年8月、日米平和・文化交流協会会長の秋山直紀(当時58)は、防衛関連企業から受け取ったコンサルタント料を隠し所得税を免れたとして逮捕された。

11月24日(火)被告人・芳賀吉孝、小野克巳、五郎川弘之、他2人:わいせつ図画販売・頒布
<わいせつDVD販売を手助けした事件> 08年3月、アダルトDVD業界最大手の自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」が、作品の審査基準を甘くして、わいせつDVDの販売を手助けしたとして、審査部統括部長小野克巳(当時51)らを逮捕した。

11月24日(火)被告人・板垣宏 十亀弘史 須賀武敏:爆発物取締罰則違反
<迎賓館などにロケット弾が発射された事件> 1986年に迎賓館などにロケット弾が発射したとして、中核派の須賀武敏、十亀弘史、板垣宏が逮捕された。1審では証拠不十分で全員が無罪とされたが、2審では無罪判決を破棄して審理を地裁に差し戻した。上告審も2審判決を支持し、1審に差し戻された。

11月24日(火)被告人・松田真知:銃刀法違反など(控訴審初公判)
<大量の拳銃や実弾を密輸した事件> 06年1月、指定暴力団稲川会系松田組組長、松田真知は幹部の後藤広一らと共謀して拳銃11丁、実弾220発などを密輸したとして逮捕された。1審で無期懲役、罰金400万円(求刑無期懲役、罰金500万円)を言い渡された。

11月25日(水)被告人・寺岡誠吉:殺人
<運送会社役員を殺害した事件> 08年12月、運送会社社長の寺岡誠吉(当時71)は、元暴力団組員に依頼して06年9月に同社役員の栩野雅晴さん(当時66)を殺害させたとして逮捕された。

11月25日(水)被告人・竹田慶介:公然わいせつ(初公判)
<路上で下半身を露出した事件> 09年10月、東京都豊島区の学習塾経営、竹田慶介(当時27)は同年9月に同区内の路上でズボンを降ろして下半身を露出し男子中学生3人に見せたとして逮捕された。

11月25日(水)被告人・小川俊之:爆発物取締罰則違反(控訴審判決)
<皇居に向かって火薬を詰めた消火器を発射した事件> 08年9月、神奈川県相模原市の元陸上自衛隊員の小川俊之(当時34)が、火薬を詰めた消火器を皇居に向けて発射したとして、逮捕された。

11月26日(木)被告人・原田久:威力業務妨害(初公判)
<サラ金の業務を妨害した事件> 09年10月、愛知県岡崎市の無職、原田久(当時38)は、消費者金融「レイク」のコールセンターに約500回電話をかけ、女性オペレーターにひわいな言葉をかけたとして逮捕された。女性の体の一部を表す言葉などをかけて業務を妨害したという。

11月26日(木)被告人・小川美津子、他2人:昏睡(こんすい)強盗と保護責任者遺棄(初公判)
<スナック経営者による昏睡強盗事件> 09年2月、東京都渋谷区のスナック経営、小川美津子(当時73)ら男女4人は、スナックで男性客に酒を飲ませて泥酔させ、キャッシュカードを盗んで路上に放置したなどとして逮捕された。

11月26日(木)被告人・松原弘樹:強盗(初公判)
<自衛隊員による強盗事件> 09年9月、陸上自衛隊第1空挺団(千葉県船橋市)の陸士長松原弘樹(当時21)らは、東京・六本木のビル敷地内で飲食店従業員男性(当時22)を倒し、顔を殴るなどして現金約13万円入りの財布を奪ったとして逮捕された。

11月26日(木)被告人・植本勝也、井福一郎、他1人:児童買春・ポルノ処罰法違反(初公判)
<暴力団員らによる児童ポルノ販売事件> 09年9月、大阪府守口市の指定暴力団山口組系暴力団組長井福一郎(当時61)と大阪市西淀川区の無職植本勝也(当時43)は、インターネットで児童ポルノのDVDを販売したとして逮捕された。

11月27日(金)被告人・波和二:組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)
<L&G詐欺事件> 09年2月、健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」は、組織的に会員から出資金をだまし取ったとして会長の波和二(かずつぎ)(当時75)や幹部を逮捕した。被害者約3万7000人、被害総額約1260億円とみられる。

11月27日(金)被告人・高相祐一:覚せい剤取締法違反(所持、使用)(判決)
<酒井法子の夫の覚せい剤事件> 09年8月、自称プロサーファーで、女優酒井法子の夫、高相祐一(当時41)は、東京都渋谷区の路上で覚せい剤を所持していたとして逮捕された。

11月27日(金)被告人・和田達夫、嘉藤悦男:背任(初公判)
<理化学研究所をめぐる汚職事件> 09年9月、独立行政法人「理化学研究所」(理研、埼玉県和光市)の主任研究員、和田達夫(当時53)は、取引先の理化学器具開発販売会社「秋葉産業」の社長、嘉藤悦男(当時76)から旅行や飲食費などの代金付け回しを受け、その穴埋めに架空発注を行ったとして逮捕された。


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」
阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)
 本名:阿曽道昭。1974年9月12日生まれ、山形県出身。大川豊興業所属。趣味は、裁判傍聴、新興宗教一般。チャームポイントはひげ、スカート。99年にオウム裁判をきっかけに裁判ウオッチに興味を持ち、その後は裁判ウオッチャーとして数多くの裁判を傍聴。自称「インディーズ司法記者」。主な著書に「裁判大噴火」「被告人前へ。」(河出書房)。

最近のエントリー


社会ニュース

記事バックナンバー


政治ニュース

記事バックナンバー


経済ニュース

記事バックナンバー


国際ニュース

記事バックナンバー



社会ニュースランキング



日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 社会
  3. コラム
  4. 阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/PA SportsTicker Inc

ここからフッターナビゲーションです