2009年8月31日
思いっきりやるゾ!!/望海風斗
花組の男役ホープ望海風斗が2度目の新人公演主役を射止めた。9月23日に行われる「外伝 ベルサイユのばら」でアンドレを演じる。小さいころから劇画を読み、あこがれたという大役。1月に行われた「太王四神記」に続く連続主役だが「今回は勢いだけではだめ。でも小さくまとまらず、最後の新公だし、思いっきりやりたい」と宣言した。

- 舞台映えするルックスに歌唱力もバツグンの望海風斗
初めて体験する「ベルばら」で1回きりとはいえ、あこがれのアンドレを演じることになった。思わず表情が緩む。「タカラヅカの男役にとってはすごくうれしいことだと思います。タカラヅカを知らない人でもアンドレって名前は聞いたことあるでしょ? おけいこ場も『ベルばら』ってだけでいつもとちょっと違うんですよね」。衣装合わせにも胸が高鳴った。「着てみたいって思ってた衣装だったから、うれしくてうれしくて」。劇画と同じになっていく鏡の中の自分が誇らしかった。
今年1月、韓国ドラマをベースにしたミュージカル「太王四神記」で新人公演で初主役。若き王・タムドクを好演し、若手スターの誕生を予感させた。初めてとは思えないほど堂々とした演技に舞台映えするルックス、安定した歌唱力。関係者も驚くほどのスケールの大きさだ。
しかし、そんな高評価にも浮かれた気分はない。「宝塚での新公は『勢い』でやり切ったって感じだったんですね。でも何なんだろ、1カ月後の東京ではなぜか“勢いだけではできない!”って思ってしまって。舞台に出る瞬間、今までにない恐怖感っていうか“これが舞台の怖さか”っていうのを感じたんです」。
この独特の「恐怖感」を今度は舞台に生かしたいと思っている。最近では、2作連続の新公主役は珍しくなってきた。「2回目っていうことは重く受け止めています。やっぱり初めてとは違うし、さっきの話と重なりますが『勢い』だけじゃダメだなって思う」と責任感を漂わせた。
しかも、前回の新公ではちょっと悔いも残ったそうだ。それはカツラや衣装の着こなし。「けいこ中はお芝居の事で頭がいっぱいで。そこまで頭が回らなかった。ホント、こんなことじゃ失格なんですけど、直前になって慌ててしまって」。ファンなら誰もが思い浮かべるアンドレの髪形に深いブルーの軍服、ブーツ…。芝居や歌など技術以上に“見た目”は大事。「ベルばら」となればなおさらだ。舞台では2回目ならではの細かい配慮が見られそうだ。
小さいころから歌が大好きだった。将来は「歌に関係ある仕事を」と思いながら過ごしていた高校生のとき、タカラヅカを観劇し受験を決意。その歌唱力は今や大きな武器だ。地声が低いのも男役にとっては大きなメリット。
「正直、前回の新公は“どうしよう?”“落ち着かなきゃ”ってばかり思っていた。でも、今回は少し落ち着いて受け止められる自分がいる。私にとってはこれが最後の新人公演。こういう機会に感謝しながらも小さくまとまらず、失敗を恐れずにやりたい」と完全燃焼を誓った。
☆望海風斗(のぞみ・ふうと)10月19日生まれ、横浜市出身。法政大学女子高を経て03年「花の宝塚風土記」で初舞台。今年1月、「太王四神記」で新人公演初主演。身長169センチ。愛称「だいもん」。
◆アンドレとは 正式にはアンドレ・グランディエ。平民として生まれるが幼いときに両親を亡くし、祖母マロン・グラッセが働く由緒ある貴族・ジャルジェ家に引き取られる。同家の六女がオスカル。以後オスカルの遊び相手、兼護衛として、ともに育った。その後、跡取りのいなかったジャルジェ家で、男装の麗人として活躍するオスカルを表向きは従僕として、実際には幼なじみ兼親友として見守り、仕える。いつしかオスカルを女性として愛するようになり、身分違いの愛に苦しむ。
ある日、オスカルに付き従っている際、黒い騎士に襲われ、負傷。徐々に視力を失うが、心配するオスカルには死の直前まで隠し通しフランス革命のさなか、オスカルを守って命を落とす。
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