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2009年7月20日

変身/蒼乃夕妃

 星組期待の若手娘役・蒼乃夕妃が「太王四神記Ver.2」(27日まで)で“かっこいい娘役”に変身した。トップスター柚希礼音演じるタムドクの近衛隊を率いる女武将。キレのある立ち回りに歯切れのいいセリフ、まるで韓国版オスカルといったところだ。先日行われた新人公演ではヒロイン・キハも熱演。3度目の新公ヒロインで「前回(の新公)よりは広がりはあったかな?」と自身も手応えを感じるほどの完成度だった。

「立ち回りはやってみたかったので毎日楽しいんです」と充実した表情で話す蒼乃夕妃
「立ち回りはやってみたかったので毎日楽しいんです」と充実した表情で話す蒼乃夕妃

 長い髪をひとつに束ね、鮮やかな剣さばきに長いヤリも難なくこなす。「並みの男には負けません!」。セリフ回しもサバサバしていて、まさに韓国版オスカルといったところだ。

 蒼乃演じるカクダンは、今年1月の花組バージョンでは男役が演じていた。「実は立ち回りをやってみたかったんです。男役さんの立ち回りを見る度に“かっこいいな~”ってうらやましくて。でも見るとやるでは大違い。未知の世界への挑戦でした」。最初は剣の構え方さえ分からず、見よう見まねでやっても決まらない。普段使わない筋肉を駆使するため「なんでこんなところが?」と思わぬところが筋肉痛になり、自分で笑ってしまったという。

 一転、先日行われた新人公演ではヒロイン・キハを熱演。カクダンとは対照的にソロで透明感あるソプラノを聞かせるなど、3度目の新公ヒロインということもあり完成度の高い演技を見せた。「毎回、毎回、少しでも階段を上がって行かなければって思っているんですけど…。今回は自分の中では前回より(演技の)広がりはあったかな? って思います」。謙虚さの中にも確実な手応えを感じていたようだった。

 初めての新公ヒロインはがむしゃらだった。前回は「舞台度胸はついたかな、って思うけど度胸だけじゃダメだって気付かされた」という新公だった。今回は「勢いも若さも大事だけど、自分の身になるモノがなければ(ヒロインを)させていただく意味がない」と自分に課題を与えた。

 このところの活躍は目を見張るものがある。昨年4月のバウ公演「ANNA KARENINA」では不倫に走ってしまう貞淑な貴婦人アンナを好演し、評判となった。これをきっかけに劇団での存在感も増し、新公ヒロインはもちろん前回の大劇場公演「マイ・ディア・ニューオーリンズ」での妊婦役など本公演でも強烈なインパクトを放っている。

 「ANNA-」がターニングポイントと思われがちだが、実はその前に出演した「Kean」が「私を変えた」という。

 「若いハツラツとした役だったけど“何もできなかった”という印象しか残らなかった。“こんな思いは2度としたくない”って思って真っ白な状態にリセットしたんです」。悔しさをバネに「ANNA-」で好演し、その後3度の新公ヒロインで少しずつ階段を上ってきた。10月には大阪・梅田のシアター・ドラマシティで上演される「コインブラ物語」でヒロインを演じることも決まっている。今後も目が離せない娘役だ。

 ◆「太王四神記Ver.2」 韓国・高句麗には2000年に1度「チュシンの星に輝く日に生まれた王が世界を統一し平和をもたらす」という伝説があった。ある晩、ついにチュシンの星が輝き王族に2人の男の子タムドク(真風涼帆、本役・柚希礼音)とヨン・ホゲ(麻央侑希、本役・凰稀かなめ)が生まれた。

 いとこ同士の2人は仲良く成長していったがヨン・ホゲの母親が自分の息子に王位を継承させようと、タムドクの父ヤン王に毒を盛ったことで対立。さらにホゲが思いを寄せていた炎の巫女(みこ)キハ(蒼乃、本役・夢咲)がタムドクを愛していることを知り、ホゲは一方的に対抗心を燃やす。しかし、タムドクは剣の力でなく、人心を掌握しながら真の王へと成長するのだった。

 ☆蒼乃夕妃(あおの・ゆき)9月12日生まれ。岡山市出身。山陽女子高を経て04年「スサノオ」で初舞台。翌年3月「それでも船は行く」でバウ初ヒロイン。昨年7月「スカーレット・ピンパーネル」で新人公演初ヒロインを務め、今年2月の「マイ・ディア・ニューオリンズ」「太王四神記」と連続3作で新公ヒロインを務めた。身長164センチ。愛称「まりも」。


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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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