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2009年6月22日

新タイプのトップ娘役/夢咲ねね

 現代的でスタイル抜群、タカラヅカに新しいタイプのトップ娘役が誕生した。新生星組の夢咲ねねは、身長164センチと娘役としては長身でキャピキャピしたかわいいキャラクターから、キリッとした格好いい女性まで幅広い演技力と長い手足を生かしたダンスが魅力。新トップスター柚希礼音とともに、26日からのお披露目公演「太王四神記 Ver.2」(7月27日まで)では炎の巫女(みこ)キハを演じ、柚希とのダイナミックなデュエットシーンは今から楽しみだ。

星組の新しいトップ娘役・夢咲ねね。天真らんまんで飾らない人柄は下級生のころから変わらない(撮影・黒河謙一)
星組の新しいトップ娘役・夢咲ねね。天真らんまんで飾らない人柄は下級生のころから変わらない(撮影・黒河謙一)

 取材中、夢咲はおもむろに手のひらを差し出した。「ほら、見て見て! ここの手相にね十字が出てきたんです、最近!」と弾けるような笑顔で切り出した。その十字の印は、ある占い師によるとスターの相らしく、縁起のいい出来事に子どものようにはしゃぐ姿がかわいらしい。

 お披露目公演の稽古(けいこ)もラストスパートに差し掛かった。「でも『トップ娘役』っていう実感って沸かないんですよね。何が実感なのかも分からない状態」と、船出前の複雑な心境も素直に明かす。明るく、天真らんまんで飾らない。立場は大きく変わっても本質は変わらない。それが彼女の魅力だ。

 それでも先日、宝塚大劇場で行われたイベント「百年への道」では初めて大階段を歌いながら1人で降り“プレお披露目”を果たした。「ライトが想像以上にすごくて、負けちゃいそうだった。何か“恐ろしい!”って思って…。その時に初めて実感っていうのか、こういう事なのかって肌で感じた」。トップ娘役としての重圧と責任感を少し感じ取ったようだ。

 「これはチエさん(柚希)とも話したんですが『どういう組にしたい』とか『どういうカラーにしたい』とか、そういうものは今はなくても自分たちが一生懸命頑張っていれば、後からついてくるんじゃないかって。だから1日、1日悔いなく過ごすことにかけてるんです」。手探り状態で進んできた。

 お披露目公演は韓流スター、ペ・ヨンジュン主演のドラマでもなじみの「太王四神記」。タカラヅカでは1月の花組公演に続く続演だが、冒頭に描かれていた神話部分を割愛するなど手も加えられた。

 トップの柚希を始め、今回はケガのため当面休演するが準トップの凰稀かなめ、夢咲と3人並ぶと誰もが長身でダイナミックなダンスが魅力。「よくそう言っていただけるのでうれしいです。でも(柚希との)デュエットダンスは振付の先生からも“覚悟しいや!”って言われているのでかなり覚悟してますが」と肩をすぼめた。

 夢咲がタカラヅカを初めて知ったのは中学の修学旅行だった。まったく予備知識なく観劇していたが、前から10列目で見た夢の世界に、終わるころには身を乗り出して見入っていたという。予科時代はその背の高さもあって男役を志願したこともあった。「あの舞台に“立ちたい”って思ってガムシャラにやってここに入って、男役もちょっぴり経験して、一生懸命やった先にたどり着いたのが今。これからも毎日、自分に悔いないよう走り続けます」と最後まで元気に宣言した。【土谷美樹】

 ◆「太王四神記Ver.2」 韓国・高句麗の人々は数千年もの間「チュシンの星に輝く日に生まれる王」を待っていた。ある晩、ついにチュシンの星が輝き王族に2人の男の子タムドク(柚希)とヨン・ホゲ(夢乃聖夏)が生まれた。

 いとこ同士の2人は仲良く成長していったがヨン・ホゲの母親が自分の息子に王位を継承させようと、タムドクの父ヤン王(一樹千尋)に毒を盛ったことで対立。以来、ホゲはタムドクを憎み王となって復讐(ふくしゅう)することを誓う。さらにホゲが思いを寄せていたキハ(夢咲)がタムドクを愛していることを知り、ますます対抗心を燃やすのだった。

 今年1月に上演された花組バージョンでは、冒頭でこれより2000年前の神話時代を描いていたが、星組ではこの神話部分を割愛。高句麗時代に焦点を絞り人間ドラマをより濃く描いている。ホゲを演じる予定だった準トップ・凰稀かなめはケガのため当面休演。新進スター夢乃が代役を務める。

 ☆夢咲(ゆめさき)ねね 7月4日生まれ、富山市出身。富山第一高を経て03年「花の宝塚風土記」で初舞台。月組に配属となり05年2月「エリザベート」で新人公演初ヒロイン。同年7月「Bourbon Street Blues」でバウホール初ヒロイン。07年1月「パリの空よりも高く」8月「マジシャンの憂鬱」でも新公ヒロインを務め昨年1月、星組に異動。11月にはバウ公演「ブエノスアイレスの風」で準トップだった柚希と主演コンビを組み評判となった。6月から、退団した元雪組トップ娘役・白羽ゆりの後を受け、阪急交通社のイメージキャラクターを務めている。妹は雪組の娘役・愛加あゆ。身長164センチ。愛称「ねね」。


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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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