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2008年12月22日

元気出る舞台人/愛加あゆ

 またひとり愛らしい娘役が誕生した。入団4年目の娘役・愛加あゆが大阪・梅田のシアター・ドラマシティで上演中の雪組ミュージカル「カラマーゾフの兄弟」(25日まで)で、三男アレクセイ(沙央くらま)の恋人、リーズを好演している。車イスでの熱演で、その大きな瞳と透き通るような高音が印象的。入団前には芸能界で活躍したこともある経歴の持ち主だが、今は「誰かを勇気づけられるような舞台人になりたい」と夢は大きい。

「誰かを勇気づけられるような舞台人になりたい」と語る愛加あゆ
「誰かを勇気づけられるような舞台人になりたい」と語る愛加あゆ

 親兄弟の憎悪、殺害を描く重厚な作品の中、愛加演じるリーズの天真爛漫さが一服の清涼剤になっている。

 「唯一、見ている方にホッとしてもらえる? 場面担当なのでその役割を果たしたいですね」と、舞台と同様屈託ない笑顔で語る姿が印象的だ。ただ、車イスの扱いには苦労したようで「最初は距離感とかつかめなくて、稽古場でも(演出家の)先生の机にゴン! って当たったり。あれ、本当の舞台だったら落ちてますからね」。稽古の合間にも車イスで廊下を移動したり、違和感なく移動できるよう訓練を重ねたという。「すごく手が疲れるんですよね。足の不自由な方って本当に大変なんだなあって改めて思いました」。

 姉は星組の娘役ホープ夢咲ねね。自身も中学時代、アイドルとしてドラマ「高校教師」などに出演したこともある変わり種だ。「やっぱりブラウン管と舞台は全然違うし、芸能界とここも全然違う。今、改めて思うのは私は舞台の方が好きだなあと毎日感謝です」。

 夢咲が修学旅行でタカラヅカを観劇、その感動を抱えたまま借りてきたタカラヅカのビデオを2人で見て、姉妹で夢中になった。

 「すごいよね、すごいよねって言いながら見て、見終わった時には2人で“ここに入りたい”って言い合っていたんです」。

 姉は一足先にタカラヅカへ。妹は芸能界に入ったがタカラヅカへの夢を諦められず、中学卒業と同時に音楽学校への入学を決めた。しかし、夢と現実のギャップを感じたのも事実。

 「姉から聞いてはいましたが、聞くのと体験するのとでは大違い。厳しさに辛いときもいっぱいあって、毎日泣いていた時もありました。でも『あれだけ好きだった世界に入れたんだ』という思いが大きかった」。そして何より、今も近くで支えてくれる姉の存在も大きいという。

 入団して4年。タカラジェンヌとしてはまだまだ走り始めたばかりだ。「初めて、タカラヅカのビデオを見た時の衝撃を忘れず、辛いときや落ち込んでいる時も、タカラヅカのビデオで元気をもらったこともあるんですね。だから、自分も誰かのそういう存在になりたい」と大きな瞳を一際輝かせた。

 ◆ミュージカル「カラマーゾフの兄弟」 舞台は19世紀、ロシア帝政末期のころ。強欲なカラマーゾフ家の当主フョードル(未来優希)には先妻の子ドミートリー(水夏希)、後妻の子イワン(彩吹真央)とアレクセイ(沙央くらま)という性格のまったく違う3人の息子がいた。

 ある日、父は息子たちに一切の財産を相続させないことと、再婚することを告げる。再婚相手はドミートリーが愛するグルーシェニカ(白羽ゆり)だった。そんなある日、フョードルが何者かに殺される。疑いはドミートリーにかかるのだが…。

 男女の愛憎、家族、宗教、貧困などざまざまな問題を描き1880年に出版された長編小説。現代社会が抱える問題にも通じることから、日本では亀山郁夫氏の新訳(全5巻)が100万部を突破し話題となった。

 ☆愛加(まなか)あゆ 10月18日生まれ、富山市出身。文京区立第七中を経て05年「エンター・ザ・レビュー」で初舞台。身長161センチ。愛称「あゆっち」。


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プレシャス! 宝塚
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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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