2008年12月08日
もっと上を目指したい/光月るう
月組若手男役、光月るうは本拠地、タカラヅカでの最後の新人公演を終えてもホッとすることがなかった。先日行われた「夢の浮橋」の新人公演では、準トップ霧矢大夢が演じる薫を熱演。源氏物語1000年を記念した壮大な平安絵巻で、主役・匂宮とヒロイン浮舟を奪い合い切ない恋心を表現した。しかし本人はまだまだ不本意だったようで来月22日に行われる東京での新公で「もっともっと上を目指したい」とどん欲だ。

- 東京公演に向け「さらに上を目指したい」と話す光月るう
難しい心の内を表現し、壮大な平安絵巻の新人公演を成功させた光月だったが、舞台を降りた表情は硬かった。
「予想以上に緊張しちゃって」。新公の最上級生として、後輩の主役コンビをしっかりサポートしていたが、自分のデキにまだまだ納得していなかったようだ。「タカラヅカでの新公は、はっきり言って消化不良の部分があるので、どうにか東京ではリベンジしたいですね」と、気持ちを切り替えた。
源氏物語の「宇治十帖」を元にした日本物ミュージカル。兄弟のように育ってきた匂宮(明日海りお)と1人の女性・浮舟(蘭乃はな)を奪い合い、微妙な心の内を歌に乗せるなど一筋縄ではいかない役だったのは確かだ。
新公のけいこが始まってから本番までの1カ月。光月は悩みに悩み抜いていた。「光源氏の末っ子」という設定の薫だが、実は母親が不義を働き生まれた身の上で、その境遇を表情やセリフの端に漂わせる。
「軽いものではいけないし、だからと言って暗いだけの人物にもできないし…。この1カ月近く、やればやるほど、どうしたらいいのか分からなくなって」と袋小路状態だった。
新公主役の明日海とは、セリフのやり取りで感情が高ぶるあまり、2人で泣いてしまったこともあるという。「そうなれば、なったで『こんなところで私たちが泣いたら、お客さん置いてきぼりになっちゃうよ』って、自分たちの感情を抑えたり…」。
準トップ霧矢の役を新公で演じたのは今回が2度目。前回「ME AND MY GIRL」でのジョン卿(第2部)は茶目っ気たっぷりの英国紳士だった。「技術が違い過ぎて単純にはマネできない(笑)。でも前回もそうですが、本当に勉強になりました。これからも大切にしたい」と噛みしめるように話した。
光月にとって今回が最後の新公。来春からは上級生の一員となり、自分の肩にのしかかる責任は重くなる。「これまでは与えられていることをこなすだけでいっぱいいっぱい。でもチャンスもたくさん頂いて、(来年1月の)東京公演が終わったら不安になるんだろうな、と思っています。これからは全部1人でやらなければならないし。だからこそ、東京公演でさらに高いところを目指し最後に花を添えたい」と誓った。
◆「夢の浮橋」 舞台は光源氏が亡くなって数年後。宮中で評判の貴公子といえば、光源氏の孫にあたる匂宮(本役・瀬奈じゅん、新公・明日海りお)と、兄弟のように育った源氏の末っ子・薫(本役・霧矢、新公・光月)であった。薫は表向き、源氏の息子だが、実は母親と別の男との不義の子だった。
その薫が宇治にある姫を囲い始めた。その姫、浮舟(本役・羽桜しずく、新公・蘭乃はな)は、昔薫が思いを寄せ、しかし遂げることができないまま失ってしまった八の宮の娘・大君に生き写しだった。浮舟を見初めた匂宮、それに気付いた薫…。複雑な人間関係の中、3人の運命は大きく動き出す。本公演はショー「Apasionado!!」と2本立てで11日まで。
☆光月(こうづき)るう 7月25日、埼玉県熊谷市生まれ。文京女子大高を経て02年「プラハの春」で初舞台。05年、宝塚歌劇の専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」の案内役、スカイ・フェアリーズを務めた。身長168センチ。愛称「るう」。
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