2008年11月24日
悩める楽しさ/立樹遥
全国ツアー中の「外伝 ベルサイユのばら-ベルナール編」(12月7日まで)で星組男役スター立樹遥が、アンドレとアランの2役を熱演するという“離れ業”でファンを魅了している。

- 「外伝 ベルサイユのばら-ベルナール編」でアンドレとアランの2役を熱演する星組男役スターの立樹遥
男装の麗人オスカルを守り続けるアンドレと、荒くれ男アラン。2人とも黒髪で“男らしさ”をウリにしオスカルに思いを寄せている。似て非なるこの2役の演じ分けに、演技派・立樹も頭を抱えたという。
「どうしたらいいの? って感じですよね。近年珍しいぐらいすごく悩みました。でもその過程が楽しかった。もう1回マンガを読み直してみたり、毎日少しずつ頭の中がクリアになってくる過程が楽しいんですよね」
実は立樹は3年前の「ベルばら」全国ツアーでアンドレを好演。初めて「ベルばら」が海外で上演されたと話題になった韓国公演でもアンドレで絶賛され、続く「フェルゼンとマリー・アントワネット編」(06年1月)では今回主役で描かれるベルナールを演じた。
「以前に『アンドレをやった』という安心感がなかったと言えばウソになる。でも、それはすぐ撤回、リセットしました。今回は(みんなの)役が少ない中で、こんな2役をいただいたことにいい意味でのプレッシャーもありますし、重みもある。だからこそ、以前のアンドレよりさらに深いものにしたい」
元来、オンとオフがないタイプだそうで「今回は特に寝る前も寝てる間も“どうしたらいいんだろう?”って悩みに悩んで何回、夢に出てきたか…」。笑いながら振り返るが、その間の苦悩とプレッシャーはかなりのものだったはずだ。
立樹にとって「ベルばら」はタカラヅカそのものだという。音楽学校に合格した時から「いつかはベルばらに出たい」と願い続けてきた。思いがかなったのは入団して12年がたってから。だからこそ、毎回うれしさより責任感が先に立つ。「セリフの間、大きな動き。今タカラヅカでやってるお芝居とはちょっと違う。独特の感覚を壊しちゃいけないし、古くなってはいけないし作品の重みと責任を感じながらやっています」。そう言った横顔はとてもりりしかった。
◆「外伝 ベルサイユのばら-ベルナール編」 フランス革命以前、パリの新聞記者ベルナール(安蘭けい)は貴族を憎んでいた。そして革命運動に携わり「黒い騎士」と呼ばれる義賊となって貴族から恐れられていた。ベルサイユ宮殿の仮面舞踏会に潜入したベルナールはオスカル(涼紫央)にとらえられる。しかしオスカルはベルナールの言葉に耳を傾け自分の家にかくまうことにした。傷手を負ったベルナールはロザリー(遠野あすか)の看病を受け、2人はその似た境遇から惹かれ合うようになる。フランス革命が勃発し、オスカルもアンドレ(立樹)もこの世を去った。ベルナールは革命家として名を挙げたが、共和制を夢見たその後のフランスは王政からナポレオンによる独裁統治に変わっただけ。ベルナールらは、ナポレオン暗殺を企てる。
☆立樹遥(たつき・よう)11月10日生まれ、横浜市出身。横浜女学院を経て93年「BROADWAY BOYS」で初舞台。雪組に配属され、99年「ノバ・ボサ・ノバ」で新人公演初主演。02年「ホップ スコッチ」で壮一帆、音月桂とともにバウ初主演。03年5月、星組に組替えとなった。06年6月に「フェット・アンペリアル」でバウホール単独主演。身長172センチ。愛称「しい」。
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