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2008年7月28日

脱優等生宣言/麻尋しゅん

 愛くるしいルックスで人気の星組ホープ麻尋しゅん。先日行われた自身最後の新人公演「スカーレット・ピンパーネル」では、イメージチェンジとも言える敵役・ショーヴランを好演。しかも「苦手だった」という低音の音域を伸ばしての熱演で役の幅を大きく広げた。

 当日、カーテンコールでは代表あいさつもこなし「大切な同期が主役(紅ゆずる)をやって、しかもそのあいさつを自分ができたのは心からうれしかった」と自分のことのように顔を紅潮させていた。

 麻尋は入団2年目、「王家に捧ぐ歌」の新公で娘役の大役アイーダを演じたり、その後も「シークレット・ハンター」で新公主役、今年4月には「ANNA KARENINA」で初のバウホール主演を果たすなど入団当初から注目を集め続けてきた存在。一方、主役の紅は今回が初の大抜てきだった。プレッシャーや責任感、彼女の心の内が手に取るように分かった麻尋は陰に日向に彼女を支えてきたに違いない。

 タカラジェンヌにとって“同期”とは特別な意味を持つ。しかもこの2人には様々な因縁があった。音楽学校時代の文化祭でも同じ役を演じ、入団後も同じ組に配属。初めての大劇場公演の新公では、この新人2人だけ役ももらえなかった。「ホントに“なぐさめ合い”って感じでした。役がなくてもけいこ場に通って…。“演(や)りたいね”って言いながら。ほろ苦い研1の夏です」と、今ではその悔しさも懐かしい思い出だ。

 そんな彼女も、次回の大劇場公演からは上級生の仲間入りを果たす。今まではどこか優等生の素顔が顔をのぞかせ「失敗してもいいから冒険すればいいはずなのに、なぜか自分にブレーキをかけていた」という麻尋。与えられた役の大きさと、自分の力量とのギャップに悩み必要以上に自分のカラに閉じこもっていたという。「でも、これからは壁にぶち当たって、ぶち当たって抜け道を探そう! って思うようになりました。それを楽しみにしようって」。今回の新人公演できっちり役の幅を広げ、有言実行した彼女の横顔はりりしかった。【土谷美樹】

 ◆スカーレット・ピンパーネル 舞台はフランス革命で混乱するパリ。暴走する革命政府たちは、無実の人まで捕らえ断頭台に送り込んでいた。そんな中、秘密結社「スカーレット・ピンパーネル」の面々が、無実の人々を救出し続けていた。
 これに怒ったのが革命政府軍。公安委員ショーヴラン(麻尋、本役・柚希礼音)らは、正体不明の秘密結社撲滅に躍起になる。「スカーレット-」がイギリス貴族らしいと情報をつかんだショーヴランらは、昔なじみで今はイギリス貴族パーシー(紅ゆずる、本役・安蘭けい)の妻マルグリット(蒼乃夕妃、本役・遠野あすか)を使って正体をつかもうとする。3人の複雑な人間関係がからみあい、謎解きが始まる。麻尋は、本公演(8月4日まで)では「スカーレット・ピンパーネル」の一員、ファーレイを演じている。

 ☆麻尋(まひろ)しゅん 10月1日生まれ、富山市出身。市立奥田中を経て02年「プラハの春」で初舞台。翌年7月「王家に捧ぐ歌」の新人公演でエチオピア王女アイーダを演じ話題に。07年「シークレット・ハンター」で新人公演初主演。今年4月「ANNA KARENINA」でバウ初主演。身長169センチ、愛称「えり」「しゅん」。


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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「GO!GO!宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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