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2008年6月30日

やろうと思えば何でもできる!/和音美桜

 宙組期待の娘役、和音美桜が、谷崎潤一郎原作「春琴抄」をベースにしたバウ公演「殉情」(7月8日まで)で盲目のヒロイン春琴を好演している。同期で主役・早霧せいなとのコンビも絶妙だ。

 映画では田中絹代、山口百恵らが演じタカラヅカでも上演されたことのある名作中の名作で、和音も原作はもちろん、映画や前回公演もビデオで見た。兵庫県芦屋市にある谷崎潤一郎記念館にも、舞台となった大阪・道修町にも足を運んだ。「表に見えなくても『これか』って思える部分が少しでも感じられたらプラスになるんじゃないかな、って思いまして。文学作品の奥深さを少しでも表現できたらって思いますね」。和音はどんな役がきても、その時手に入れられる可能な限りの資料と、行くことのできる所縁の地を訪れる。それほど役を丁寧に作って行くのが信条だ。

 和音は今年2月、大きな試練を乗り越えた。大劇場公演「黎明の風」で突然ヒロインが回ってきた。トップ娘役・陽月華が直前に左足首を骨折したからだ。決まったのは初日のわずか8日前。「どうやってセリフ覚えたのかとか、すべてがあまり記憶にない。“楽しむ”なんて余裕はまったくなかった」。

 舞台では代役とは思えないほど堂々とした演技を見せていたが、舞台を離れると自分で自分をコントロールできないほど動揺していたという。楽屋では隣に陽月が使うはずだった楽屋前が空席であり、家に帰ると意味もなく涙がポロポロ出てきた。何度も見舞いに行き、毎晩のように電話していた陽月には逆に励まされ「つぐない切れないね」とまで謝られると、また涙が出た。「客席からの視線も温かかったし、周囲のサポートに感謝してもしきれないぐらい。ただ人間、やろうと思えば何でもできるんだな、と思いました。“そんな事で何くじけとんねん!”って思えるようになったり。人間的にも強くなれた」。

 この取材の日は、誕生日プレゼントとして陽月にもらったかんざしを挿していた。まだリハビリ中の先輩を思いながら、娘役としても大きく成長した和音の春琴は、それだけでも必見だ。【土谷美樹】

 ◆「殉情」 明治初頭、佐助(早霧せいな)が薬問屋鵙屋(もずや)に奉公に上がったのは13歳。すでに鵙屋の娘春琴は目の光を失っていた。佐助の仕事は三味線の稽古に通う春琴の手引き。わがままで、何かと辛く当たってくる春琴だったが、佐助はその美しさと音曲の才能を崇拝していた。実は春琴も内心では佐助を愛していたのだ。
 お琴の師匠として看板を出した春琴の元に、前々から彼女に好意を抱いていた大店の若旦那・利太郎(寿つかさ)が弟子入りした。度々彼女に言い寄る利太郎に、春琴は厳しい稽古を付け撥でけがをさせる。その夜、何者かが寝ている春琴に煮え湯を浴びせ大やけどを追わせた。やけどの跡が残る顔を「佐助にだけは見られたくない」という春琴の言葉を聞いた佐助は、自らも盲目になることを決意する。

 ☆和音美桜(かずね・みおう)4月21日、大阪市生まれ。甲南女子中を経て01年「ベルサイユのばら2001」で初舞台。05年6月「ル・プティ・ジャルダン」(悠未ひろ主演版)でバウホール初ヒロイン。06年11月「維新回天・竜馬伝!」で新人公演初ヒロインを務めた。この時、今回の主役・早霧せいなも主演でコンビを組んでいる。身長160センチ。愛称「たっちん」。


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プレシャス! 宝塚
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夢の舞台を創り続けて90年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で夕カラジェンヌは日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている。連載「プレシャス! 宝塚」では、そんな夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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