2008年6月23日
痛快ヒーロー役に「格好いい」/安蘭けい
タカラヅカに新たな名作が誕生した。星組ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」(8月4日まで)は、米ブロードウェーのヒット作をタカラヅカ風にバージョンアップした話題作。トップスター安蘭けいが得意の歌唱力を存分に生かし、久々のスーパーヒーローにふんしてファンを魅了している。舞台はフランス革命時代。暴走する革命政府に捕らえられた無実の人々を救い出す、というヒーロー像に安蘭も「自分で言うのも何ですが格好いい」と自信の一作だ。
「ベルばら」にも「エリザベート」にも負けない名作で安蘭が久々痛快なスーパーヒーローになって帰ってきた。
安蘭演じるパーシーの本当の顔は英国秘密結社「スカーレット・ピンパーネル」のドン。フランス革命の中、暴走する革命政府が次々に捕らえる無実の人々を救うのが使命だ。正体を隠すため、パーシーは妻のマルグリット(遠野あすか)にさえおどけた姿を見せて暮らしているが、一転、革命政府側のショーヴラン(柚希礼音)との攻防戦では息をのむ決闘シーンも盛り込まれ、見る者を引き込む。
「この二面性の違いをうまく出せればおもしろいかなって思いながら作ってますね。裏の顔は自分としては久々のヒーローなんですけど、表に出している仮の姿は、これまた今までやったことがないような軽いノリの男で(笑)。難しいけど楽しい」と生き生きした表情を見せている。
トップになって以降、大泥棒(シークレット・ハンター)、冷酷非道な野心家(エル・アルコン)と屈折した役を演じてきた安蘭も、けいこ前から「久々にスッキリしたヒーローなので、自分で自分に期待しています」と話していた通り、痛快なヒーローができあがった。
しかも、得意の歌唱力を存分に生かし「ジキルとハイド」などで知られる有名作曲家フランク・ワイルドホーン氏が手がけたナンバーの数々を歌い上げている。「お芝居の前半から大曲で盛り上がるので、そのテンションに自分を持っていくのが大変なんですよ」と笑うが「やりがいありますね、難しいけど」とニヤリ。「一曲一曲、歌い終わったあと大汗かくんで、体力もノドも大変。向こう(米国)では大きな男の人が朗々と歌ってるものを私がやるんですから。暑い時期に掛かりますけど頑張ります」と、表情を引き締めた。トップスターになって1年超。円熟期に向け“安蘭パーシー”が暑い夏を突っ走る。【土谷美樹】
◆スカーレット・ピンパーネル フランス革命で混乱するパリ。革命政府に捕らえられた貴族たちが、次々断頭台に消えていった。そんな中、イギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(安蘭)は仲間とともに秘密結社、通称「スカーレット・ピンパーネル」を組織し、無実の貴族たちを救出し続けていた。
一方、彼らの救出劇に怒り心頭の革命政府軍は、公安委員ショーヴラン(柚希礼音)に正体不明の秘密結社撲滅を命じる。「スカーレット-」がイギリス人貴族らしいとの情報をつかんだショーヴラン。実はパーシーの妻・マルグリット(遠野あすか)はショーヴランとともにフランス革命を闘った同志だった。3人の複雑な人間関係が絡み合い、謎解きのゲームが始まる。
☆安蘭(あらん)けい 10月9日生まれ。滋賀県出身。甲西高を経て91年「ベルサイユのばら」で初舞台。雪組配属となり95年「JFK」で新人公演初主役。その後「あかねさす紫の花」「エリザベート」「虹のナターシャ」と計4作で新公主役を務め、98年「ICARUS」でバウホール初主役。00年星組に組替え。03年の大劇場公演「王家に捧ぐ歌」では王女アイーダを熱演し、松尾芸能賞新人賞を受賞した。歌、ダンス、芝居と3拍子そろった実力派でシリアスな役からコミカルなものまで演技の幅は広い。身長167センチ。愛称「とうこ」。
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