2008年6月16日
こんな役もやります!/大月さゆ
名作映画「俺たちに明日はない」をベースにした雪組バウワークショップ「凍てついた明日 ボニー&クライドとの邂逅(かいこう)」(22日まで)でヒロイン、ボニーを熱演中の大月さゆ。20世紀初頭、アメリカに実在した若い男女のギャングを描いた作品で、舞台でも銃はぶっ放す、タバコは吸う…とルックスに似合わないたくましさで、ファンの度肝を抜いている。
「強盗シーンは楽しいですよ。男役さんと違って、ピストルなんて今まで持たせてもらえなかったから大変でしたけど。タバコも、ピストルも私にとっては“所作”だったんで。でも“強盗になりきってる”って感じでめちゃくちゃ楽しい」と弾けている。
家で鏡を見ながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤したそうだ。ピストルは意外に重く「フラフラするんですよね。銃口がとんでもない方向に向いてて注意されたり…」と今では楽しい思い出だ。
これが3度目のバウヒロイン。新人公演でも大作「エリザベート」など2度の新公ヒロインを務め、今や将来を嘱望される娘役だ。周囲の期待もヒシヒシと感じている。「初めてヒロインをいただいた時とは違う責任感とプレッシャーを楽しみたいって思います。今までの娘役としてのイメージを、逆に今回の役で裏切ってみたい。“大月さゆ、こういうのもやります”みたいになれればいいですね」と目を輝かせた。
タカラヅカが大好きだった母親に「お願いだから1回受けてみて」と頼み込まれて受験した。「タカラヅカ=芸能界=別世界」だったのが7年前。しかし、いきなり現実の世界になった。芸名も自分を含め兄、妹の名前を組み合わせて付けた。今では「母の一言は天の声だったのかも」と思うこともある。「母からはいつも“今、この役をもらえることに感謝しなさいよ”と言われます。今回は特に実在の人物ですからね。感謝を忘れず彼女に“すいません!”って言わなくて済むようにちゃんとしないと」。大月は一段と気を引き締めていた。【土谷美樹】
◆「凍てついた明日 ボニー&クライドとの邂逅」 20世紀初頭、アメリカに実在した男女2人組のギャングを描くミュージカル。1929年、大恐慌が始まり、米・テキサス州ダラスでは強盗が横行していた。クライド(凰稀かなめ)はそんな悪党の1人。ある日、彼は立ち寄ったカフェで、離婚したものの夫への思いを断ち切れずにいるウエイトレスのボニー(大月さゆ)と出会う。惹かれ合った2人は、やがて仲間とともに罪を繰り返しながら逃亡を続けていく。奪った金を生活に困る市民に分け与えるなどしていた2人だったが、警察やFBIは確実に彼らを追い詰めていく。
☆大月(おおつき)さゆ 7月3日生まれ、石川県能美市出身。北陸学院高を経て03年「花の宝塚風土記」で初舞台。06年7月「Young Bloods!! 魔夏の吹雪」でバウ初ヒロイン。同年10月「堕天使の涙」で新人公演初ヒロインを務め昨年5月、大作「エリザベート」の新公演でもヒロインを好演した。身長161センチ。愛称「なつき」。
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